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(短編集)
祈りの海
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祈りの海の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.93pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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SFとしての発想は凄いと思うが、ぜんぶテーマが一緒なので途中で飽きた。まあ全部読んだけど。 「私とは何か?」「私と言う意識は何が決定しているのか?」 深遠なテーマではあると思うが、半分くらいならともかく全部そんな感じだと流石にうんざりする。 若い頃はこういう考えに取りつかれたし、攻殻機動隊などにもはまったが40にも近い今その問いに関してはさほど興味が無い。 後アイディアは良いが、どう話が転がるかと思ってると特に何も起きず終わる話も多かった。 | ||||
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だいぶ前に「宇宙消失」と「順列都市」を読み、その後イーガンは私の読書計画から外れていたが、ふとハードなSFを読みたくなり、この短編集を手に取った。以下は、その程度のイーガン読みレベルでの評である。 イーガンのネタの大半は、脳(意識、記憶、人格、心・・・)のコピーと、量子論的な並行宇宙。それらを背景にした、アイデンティティの分裂と自我の危機の問題である。 そこに、宗教と科学の相克、といった問題がからむ。 ネタの大枠としてはSFの読者ならそこそこ見慣れたテーマだが、さすがにイーガン、ハードSF的な処理や発想の奇抜さは群を抜いている。 とはいえ、SF的なアイディアや仕掛けを取っ払った後に残る根っこの部分は、20世紀全般にわたって飽きるほど量産された、あの「自分探しの旅」小説や不条理小説の亜流でしかないように感じる。 私としては、せっかく最先端の科学理論を駆使できる作者なのであれば、20世紀の作家がどうあがいても想像すらできなかったような、完全に異質で不気味で奇想天外な「自我の本質」のヴィジョンを、チョットでも垣間見せてほしかった。 そういった期待も込めて、21世紀のイーガンがどんな小説を書いているのか、再度この作家を私の読書計画に含めることにする。 | ||||
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敢えて探し求めて買うことは少ないが、見かけた本に「ヒューゴー賞」と書いてあれば無条件に買うことにしている。本書もヒューゴー賞とローカス賞を受賞した表題作が中心となっている短編集。 解説にもあるように、各作品のテーマは「アイデンティティ」。この古いテーマをSFという比較的新しい技術を用いて、しかし懐かしい筆致で描く。「アイデンティティ」を扱う「純」文学も数多くあるが、多くはテーマの古さに引きずられて、作風自体が古臭くなる。イーガンは、作風が古くなってしまうことをSFという技法で避けつつ、上手に「アイデンティティ」を扱っている。 ただ、受賞作である表題作はやや「フツー」のSFになっている嫌いがある。この表題作は中篇といった長さの作品だが、短編では輝いているイーガンの魅力がやや薄れてしまっている感じがある。また、作品を長くすることによって、多くのモチーフを消化せねばならず、この辺りでもイーガンの魅力が薄れているように思える。 できればSFの要素てんこ盛りの中・長篇よりも、彼には「懐かしい」短編を書き続けてもらいたい。 | ||||
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