■スポンサードリンク
忘れられた巨人
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
忘れられた巨人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全95件 41~60 3/5ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人生の終焉に相対した時にきっと訪れるだろう走馬燈の物語のようで、すぐに引き込まれるイシグロ世界です。 私には主人公はすべて「私」の少年期、青年期、老年期の自分だろうと感じます。 侵略、殺戮の激しい戦国時代を生き抜いて、妻と老衰の時を迎えたアクセルの悲惨な走馬燈世界。 間違っていないと信じた殺戮の真実、愛され続けたと信じた妻の真実、人生は残酷です。 でも最後まで「お姫様」と呼びかけるアクセルに大きな救いを見つけます。 優しくなければ生きている意味は無い、とのフィリップ・マーローの言葉を思い出します。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
記憶 の断片が 徐々に形作られる とても遠い所 を眺めている そんな感じで 読み終えました | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「人間って嫌なことは忘れる」と聞いたことがありますが、必ずしもそうではないと思います。わたしの場合、過去の嫌な事、特に他人にたいして行った申し訳ない行動、言動を思い出し、自己嫌悪に陥ることもあります。かといって、そういうことをきれいに忘れてしまいますと、再び誤りを犯してしまうような気がします。カズオ・イシグロ氏の『忘れられた巨人』は、記憶の喪失と想起の意義や意味についても考えさせる作品です(それだけではありませんが)。イシグロさんはいつものように、読者が本当に知りたいことを教えずに小説を終わらせています。だから余韻が良いのでしょう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最初の数ページで引き込まれました。曖昧な記憶の中に感じる優しさを感じました。これから冒険が始まるところで風邪ひいてお休みしてます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
古代イギリスの二つの民族を分断するものは、現代のブリグジットに象徴される社会の分断に通じるものだった。難解な古代の情景を一気に読ませる驚嘆すべき筆力は、まさにノーベル文学賞受賞者の名に恥じない素晴らしいもの。 この最新作を読み終わって、完全に「カズオ・イシグロ」 ロスに罹ってしまった! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
dragonクェスト 年寄り版かな? うまくいってるのか、どうかはわからない。69歳のわたしでは!! 翻訳は読みやすい。この人のを初めて読んだので、よけいにわからんが!! 歴史的にはええのだろうが、登場人物は現代人だな( ^∀^) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ノーベル賞を受賞されるような偉い方にもこんな苦悩があるのかと思い、慰められた気持ちです。人生の不条理と愛を綴りながら、著者の目線ははじめから彼岸に向けられています。抗い難い人生の奔流が緻密に描かれていて、人生とはどういうものか深く考えさせられました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
イシグロ氏の最新作ですが、とても素晴らしい。次作が楽しみになります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
記憶をほとんど亡くした、中世の老騎士夫婦の巡礼の旅紀行文です。 面白かった。すばらしい寓話ではないかと思いました。 「アーサー王伝説」を下敷きとするゲーム画面のように、この寓話の 一連のシーンが目に浮かんでくるようなファンタジー小説です。 王のための戦いに明け暮れた中世の騎士たちが繰り広げる、中世の 騎士道精神を思い出させるストーリー展開です。 記憶をほとんど亡くした老騎士とその老妻の巡礼紀行です。 息子がいると老妻が信ずる小島を訪ねる夫婦最後の旅になりそうです。 六世紀、七世紀ごろには、魔法の息も絶え絶えになっていた雌竜です。 老騎士の考えでは、雌竜がこんなに弱ってしまった原因は、「わしら同様、 老いだ。だが、まだ息をしていて、息をしているかぎりマーリンの魔法も 消えぬ」(429頁) 霧のように、か細い息の上には、大魔法が乗っていて、雌竜は今も、戦う 騎士たちの大切な記憶を奪っているというのです。 そして雌竜は「息がある。息があるかぎり義務を果たしつづける」(428頁) 雌竜の義務とは? 竜はなぜ「雌」なのか? 「アーサー王の意志とともに神の意志をも行ったのだ。 この雌竜の息なしで、永続する平和が訪れただろうか」(429頁) 「かつては国のため、神のために戦ったわしらが、いまは復讐に倒れた 同志の復讐のために戦う。いつ終わる。赤ん坊は、戦の日々しか知らずに 大きくなる」(411頁)と嘆くアーサー王の騎士。 そして、歴史を忘れたふりをして、復讐だけを繰り返す若き騎士たちの いつまでも終わらない戦い。 主人公の老騎士とその老妻は、騎士たちから大切な歴史の記憶を奪ってしまう 雌竜を退治したいという思いから、毒を仕込んだ山羊を雌竜の餌としよう とする計画を手伝います。 巨人(アーサー王)のケルンまで、この山羊を連れて行き、そこに繋ぐ役を 引き受けるのです。 結局は、雌竜の巣穴に下りた若き騎士の剣が、雌竜の頭を宙に飛ばせます。 「雌竜はもういない。アーサー王の影も雌竜とともに消える」(447頁) という結末です。 中世のアーサー王の時代のことなど、ほとんど忘れている現代人に、 この寓話はどんなことを問いかけているのでしょうか。 敗戦国日本から、五歳で渡英した著者イシグロを受け入れて、ずっと親切に 接してくれ続けたイギリス人。 そのイギリス人の伝説となっているアーサー王の時代のブリトン人とサクソン人 の騎士たちの戦いの物語は、今もイギリス人の心の中に残っていて、EUから 離脱するという現代英国の政治状況に影響している、とイシグロは考えている ように思います。 争う人々の心の底の歴史認識は、今も昔も、アーサー王の時代の終りと共に 変わるような、変わらないような……不思議な気分で読み終わりました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
文章の書き出しから、今までにない作品です。翻訳家も素晴らしいのでしょうか。とてもよい作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
たいへん読みやすい。「鬼」や「竜」など出てくるが、ギリギリのところで荒唐無稽にならず、 最後まで話についていける。 過去の記憶(と忘却)がメインのテーマである。ただし、過去の記憶といっても、夫婦間の思い出から、民族や国家に刻まれた歴史まで、幅広い。 民族に刻まれた記憶に関しては、過去の歴史を意識し続けることが、必ずしも平和には繋がらないんじゃないか、と考えさせられる。確かに、「〜を忘れるな」という標語は、憎しみを継続させ継承させるときにしばしば使われる。 夫婦間の記憶については、じんとさせられる。長く連れ添った夫婦でも、いつかは永遠の別れが訪れる。多くの場合は、どちらかが先に逝くことになる。そのとき、人生の大事な記憶をシェアできた人がいる、という思いが、安らかな眠りを与えてくれるのだろう。主人公のひとりである老婦人はいま、幸せのうちに向う岸に渡っていくのだと信じたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
よみ疲れ。ぜんぶよみました・字が小さくてくろうしましたがさすがだとおもいました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミーハーですがノーベル文学賞と聞いて買ってしまいました。 これを読んで村上春樹がノーベル文学賞を獲るのは無理ではないかと感じました。物語性も訴えかけるメッセージもこちらのほうがはるかに上。 霧によって過去を忘却させられている人々。その中で老夫婦が息子の村に行こうと旅立ちを決意し、奇妙な事件に次々と出会い、戦士、少年、アーサー王の甥などに出会って忘却の原因を探して行く物語。 静謐な文体で穏やかな世界観を作り出す。これが翻訳者の力なのか、原文の持っている力なのかわからない。しかし穏やかに読書を引き込んで行く独特の世界観を持っている。 へんてこな登場人物で物語が進行してメタファー的にメッセージを伝えて終わりなのかと思うと物語の終盤に向けて現代人に直接響く問題につながっていく。民族対立、虐殺、公的と私的な問題に挟まれた人の葛藤。 テーマが大きく、大きなメッセージを読書に伝えてしまうとラストが難しく。終わり方によっては白けた作品になりがちだが終わりも程よい余韻をもって締めくくっている。 なかなかの作品だと感じる。この人の他の作品も読んでみたいと感じた。ノーベル文学賞、選者の眼は確かだと感じました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
以前私は、作者を誤解していた。 映画の「Never let me go」だけを見て、なんだか恋愛ものを書く人なのだと。 それが数か月前、今度は「the remain of the day」をたまたま観賞し、印象がガラッと変わった。 興味が湧き、この最新作を読んでみようかと思っていたところで、ノーベル文学賞受賞のニュースを聞いた。 注文してから届く迄の間にNHKで、作者が2015年に来日講演した際の映像を流してくれた。 ほぼ同じ年齢。 どんな人物か興味深々で見たのだが、人間の「記憶」に関する考察を実に的確に語っていた。 文庫版が届くなり、すぐに読み始め、私としては慎重に数日かけて読んだ。 舞台設定からファンタジー小説のような印象を受けるが、本質はそこでは無い。 人は不条理の中に生き、時として失った方が良い記憶もある、ということだ。 主人公の老夫婦は過去の記憶を取り戻していくにつれ、むしろ苦悩に苛まれていく。 還暦も過ぎた今、この夫婦のありようが、私の胸に迫ってきた。 結末も、イシグロ氏らしくハッピーエンドではない。 しかし、それがまた読者の想像を掻き立てるのだ、と私は思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ただ言えるのはこの作品は単なるファンタジー小説ではないです。現代の人にも当てはまります。この手法は見事だと思います。 アーサー王とか竜とか出てくるけど敬遠せず読んでみたほうがいいです。特に私を離さないでを読んで気に入った人は、この作品の方が意味するものは深いと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
独特の雰囲気を持った文章で、一気に読了した。登場人物が多彩で、ファンタジーが膨らむ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
歴史や過去を覚えていることの功罪を考えさせてくれる作品。 特に戦争は被害者であり加害者になる側面がある。負の歴史をいかに克服するか問いかけられたと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
昨年原書を読み不思議な世界に浸ったのですが、結末部分がわかりずらかったので、確認しようと本書を読んでみました。 「なぜ船頭が夫婦の人生を左右するほどの大きな役割を持っているのか。」「ベアトリスが島に渡った後、本当に船頭はアクセルのために戻ってくるのか。」 この二点を確かめたかったのですが、翻訳本でもやはりわからず仕舞い。やはり謎のままです。結局、謎は謎のままにしておこうと開き直ることにしました。これがこの作品なんだ。これがカズオ・イシグロなんだと。 翻訳の土屋氏は、これまでもほとんどのイシグロ作品翻訳を手掛けてきた最大の理解者のひとりです。本書でもその手腕を発揮して、イシグロワールドへ導いてくれました。しかし数か所理解に苦しむ訳も存在します。アクセルの住居の描写に「ベッドに並んで横たわり、屋根に当たる雨の音を聞いていた。」とありますが、はて、ふたりの住まいは丘の斜面に深い横穴を掘って住んでいたはず。屋根はあったのだろうかと原書で確かめると、’...listening to the rain beating agaist their shelter. ’とあります。shelter を屋根と誤訳したものと思われます。 さらにガウェイン卿と兵士が決闘を始めようという場面。決闘を思いとどまるよう説得するベアトリスに向かって兵士は言う。「ですがおれはいまはおセンチになっているときじゃないんで。」おセンチ…?今時、こんな言葉使うでしょうか。ちなみに原書ではこう書かれています。’But this is no time for me to soften my heart with such thoughts.' soften をおセンチと訳して良いものだろうか。ましてや決闘が始まろうというこの時に。翻訳に関して疑問の残るか所でした。 ちなみに原書はそう難しいものではなく、高校レベルの英語力があれば、読むことができます。だたし本来あるべき関係代名詞が欠落している文がそこかしこ点在します。あるインタビューによると、これはイシグロ氏が意識的に書いたとのこと。そうした不思議な英文を探しながら不思議な世界に迷い込むのも、楽しいかもしれません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
竜の息のせいで記憶をとどめておけない世界のお話。 竜の息で記憶を失ってしまうことが、幸せな思い出をとどめておけないと初めはネガティブなこととして描かれるが、実際は過去の諍いの記憶など対立の原因になる憎しみを忘れさせ結果として平和が保たれているということに気づかされる。 話自体はファンタジーの形式をとっているが、本質的には過去数年、連鎖的に起こる革命や過激派のテロの原因を暗示させるように感じました。 インターネットの発達によって、宗教対立やお互いに対する不寛容さが瞬間的に世界中に広がることで、以前は「知る」ことがなかった人までその影響を受けることになり、対立や憎しみがあっというまに増幅されていく現代社会。これまでは、気づかない、知らない、ことが世界のバランスを取っていたけど、インターネットというイノベーションによって「竜の息」が取り去られてしまった今の世界、これからどうなるのかといろいろ考えさせれました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一見ドラゴンや魔法などが出てくるファンタジーな世界観ですが、深いメッセージ性のある作品でした。読み終えたあと、本当の平和って何なのだろうかと考えさせられました。 あと、アーサー王物語が好きな人は是非読んでください!ガウェイン卿がまた切なくて、カッコイイ!オススメです^ ^ | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!