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(短編集)

浄土



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【この小説が収録されている参考書籍】
浄土

浄土の評価: 4.10/5点 レビュー 29件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.10pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全29件 21~29 2/2ページ
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No.9:
(4pt)

支離滅裂なのに、面白い。

町田康さんの本を読むのはこれで数冊めなんですが、相変わらずわけがわからない展開に、いつものごとく圧倒されてしまいました。
 これ普通の人が書くと意味不明の何が言いたいのか理解不能の短編集なのですが、町田さんが書くと、なんとなく意味がわかり、なんとなく言いたいこともわかるような気がする、面白い短編集です。
 ただ好みもあると思いますのですべての人に面白いというものではないと思いますが、我慢して読み進めていくときっと面白さがわかると思うので、ぜひ一読はしてもらいたい書です。
 なんとなく理解しかかったぞー、と読んできたのですが、最後の「自分の群像」で、あえなくまたまた脳みそにしわをよせる意味不明短編。この作品だけはよく理解できなかった。さすが町田先生。ただでは終わらせない(笑)。
浄土Amazon書評・レビュー:浄土より
4062129868
No.8:
(5pt)

誰も町田さんを止められぬ

これを読んで、町田氏の本領はやっぱり短~中編にあると思った。一話一話がタイトにまとまっており、バラエティに富んでいて、それぞれに教訓がある。もちろん、難しいことを考えなくとも、ページを捲ればマーチダワールドがそこここで炸裂しており、それだけで楽しめる。ジョワンナ先生って誰だよ?!とかひとりツッコミしちゃう。
「どぶさらえ」と「本音街」が特にお気に入り。ビバカッパ的心情の描写部分は秀逸だと思う。読了後は、町田氏のビバを叫びながら踊りたくなる。愉快痛快。大傑作です。
浄土Amazon書評・レビュー:浄土より
4062129868
No.7:
(4pt)

自分の周りのいやなやつ。

町田氏の作品ははじめて読みました。
帯にある「暴発小説集」という、コピーがまさにぴったりの内容でした。
彼の想像力は、いかなるところへでも飛んでいき、そこで次々と町田ワールドを築き上げていくのですね。最初は必死についていく感じだったのが、読み進めているうちに、いつかその独特の文体、シチュエーションに慣れていました。
どの作品をとっても、作者の社会や、人間に対しての「怒り」が根底にあり、さまざまな形で制裁が加えられていきます。「あぱぱ踊り」の柄月といい、「自分の群像」の温夫といい、読んでいて、こちらまで頭から湯気が出そうなくらい、いらいらします。で、自分の周りに大なり小なり似たような人物がいることに気付き、ますます「何とかしてくれ~」と叫びたくなりました。私たちって、こんなにストレス抱えていたんだなぁと、思いました。
私事ですが、「一言主の神」が最後に出した「サファイアボンベイ」、今の私の愛飲酒だったので、ちょっと嬉しかったです。
浄土Amazon書評・レビュー:浄土より
4062129868
No.6:
(3pt)

ビバ カッパ!

こういう短編集がいちばん“町田康”らしいと思います。
≪一人でどぶさらい≫だとか≪本音しか存在しない町≫だとか
もう、そのシチュエーションだけで笑えます。
独特の文体にリズム感があり、さすがパンク歌手!
音楽的なセンスが文章にもしっかり生きています。
「読み始めから、読了して数日間の間は口調が似てくる」という
妙な影響力もすごいですね。ビバ カッパ!
登場人物たちが抱えている“不条理に対する怒り”は、
ありえないシチュエーションのおかげで非現実にとらえてしまうかもしれないけど、
実は私達が現実として抱える怒りとなんら変わりはない。
町田康はそんな日々の怒りをこまかに集めて、
まとめて制裁を加えたのかもしれませんね。
浄土Amazon書評・レビュー:浄土より
4062129868
No.5:
(5pt)

これぞ町田ワールド

「告白」をまだ読んでいないので何とも言えないんですが、
これを読んで「やっぱり町田康の醍醐味は中短編だ!!」と
思いました。特にこの短編集は町田さん特有の「抜群のリズム感」
「虚無感」が満喫できる仕上がりになっています☆
 特に気に入ったのは「ギャオスの話」。東京に突然ギャオスが
出現…。ありえないんだけど妙にリアルなんです。
「パンク侍斬られて候」と同じく、虫けらのように殺されていく
人たちを、不必要なまでに描写する手法が好きです。
実は町田さんは「命」を大切に思っていると感じます。
浄土Amazon書評・レビュー:浄土より
4062129868
No.4:
(5pt)

荒唐無稽な器にリアルすぎる酒

この短編集の凄さっていうのは、もうはっきり言って俺のコントロールの範疇超えてるわけ。どこが、って普通に凄いだけですけど。国の宝くらいな感じなんですよ。つか、どの短編も、設定「ありえない」って感じじゃないですか。それがね、「普通の人の普通の日常を透徹したまなざしで鋭くえぐる」みたいなコピーの小説の何倍もリアルになっちゃってる、というかね。
 「あぱぱ踊り」の柄月内次ね、いますよ、身のまわりに。「ギャオスの話」の田村軽夫もね、「自分の群像」の玉出温夫すらいますよ。嘘って、あなたのまわりにもいるでしょ。全く同じ言動してる人たち。もちろん町田流翻訳してあるにしてもね。だから俺も今ね、ついつい柄月内次の喋り方になってしまってるけどね。
 というか、内次って語り手と街でばったり会った時から俺俺モードでね、俺は凄いの連発なわけでしょ。で、語り手が何が凄いの、と訊いても俺の凄さは“なんていうか俺自身にもコントロールできない部分で世界を救済してるっていうことになっていくと思いますよ”かなんか言うわけでしょ。何が凄いのか全然わかんない。で、語り手が“あ、じゃあうた歌うとかギター弾くとか踊るとかそういうことはしないんだ”と、わざと小馬鹿にしたように挑発すると、エケメなる店を探している内次は語り手に“エケメで俺の凄さはかなり具体的になるはずですよ”かなんか言うわけ。語り手は、行っちゃうんですよ、エケメに。ないギターは弾けない、とうそぶく内次にわざわざ二万八千円のギター買い与えて。この「ありえない」リアルな設定は、「ありえない」リアルすぎる結末に急速に向かうわけで、そこにある陰惨な町田ワールドを人は笑えない笑えない。
 それやっぱり自分が、ないギターは弾けない、自分だからじゃないですか。
 あるいは自分だけでなく、“特に某社の某と某”。
 怖い短編集だよね。でも町田氏の、文学という怖いギター、普通に凄い。どころか普通じゃなく凄い。そのギターに、悪酔い。
浄土Amazon書評・レビュー:浄土より
4062129868
No.3:
(5pt)

町田さんの詩才。

短編集ということからか、前作の小説とはよく比較されているようです。先に出ているレビューを読むと、物足りない気がすると仰っておいでの方がいまして、私も半分同感です。
さて、町田さんは実に多彩な人ですが、私はこの人の文章の切れ味に注目し、感銘を受けています。一文でも心を捉える、ひっかかるのでは、散文と言うより詩ではないでしょうか。小説を書かれても、一文一文が独立した詩のような、詩によって組み立てられた物語のように感じます。
前作は、特別であったというのが私の意見です。つまり、あれほどショックを受けるような素晴らしい作品は、一人の小説家にとってもなかなか書けるものではないと思うのです。あれは、詩人町田康に物語の神様が舞い降りて書き上げられた稀有な作品だと考えます。
では、今回のはそれより落ちる作品なのか?
それも違うと思います。先にも書きましたが、詩だけで独立できる魅力を持っています。それが、見事に連なっていることは、大変なありがたさです。むしろ、物語のすごさがそれほど、前作ほど目を惹かないが故に、読者は詩のつながり、イメージが穏やかに激しく変わることを楽しめるのだと思います。
ここから始めて、他の作品へと手を広げていくことは、大変に良い体験をなさるのではないでしょうか。私は既に戻れないので、新しい人にこそ読んで頂きたいのです。
浄土Amazon書評・レビュー:浄土より
4062129868
No.2:
(3pt)

まずまずです。

短編集なので1つ1つのお話が物足りない感じがしました。
もっと掘り下げてけば面白くなりそうな感じがするのに…って。
前作の「告白」が素晴らしかっただけに、そう感じるのかも知れませんが。
浄土Amazon書評・レビュー:浄土より
4062129868
No.1:
(5pt)

悩まずにお買い求めください

このところ町田康さんの本を立て続けに読んでいる気がするのですが、こりゃどうしたものでしょう?告白、権現の踊り子、猫にかまけてときて浄土。もちろん、まとめて出版されたわけではなく、僕がたまたま同時期に買い求めた。というだけのことなんでしょうけど、なにか、町田康さんが活発に活動されているような感じでうれしゅうございます。
さて、浄土。ですが、悩まずにお買い求めください。
帯に、This is Punk ってあったような気がしますが(帯はすぐに捨ててしまうので、今となっては確かめようがないのです。)たしかにPunkというか町田康さんにしか実現できない妙な世界が話しの数だけ展開され(短編集です)、ファンには安心して読める内容になっています。* 上に記したとおり、このところ短編長編ない交ぜに読み散らかしたせいなのかもしれませんが、僕にとってはやはり短編集が楽しい。町田康さんが構築する様々な世界観を味わいたいと思うと、長編よりは短編をまとめて沢山読みたい。という自然な欲求につながります。また、短編のほうが作者もノッて書いているように読めるのは気のせいですかね。
それにしても愛する作家が生きているというのは幸せなことです。
*話の内容は安心して読めるものではありません。どちらかといえば不安になるといいますか・・・
浄土Amazon書評・レビュー:浄土より
4062129868

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