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夫婦茶碗
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夫婦茶碗の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.28pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全50件 41~50 3/3ページ
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男子高で、クラスに1人か2人、こういう純文学少年がいたりします。そういう「純文学高校生」が、こんな文体でこんな感じの短編小説を書いたりします。小説としては、ストーリーがどうのと言う以前の問題。過激でもないし堕落の美学もありません。破綻した文章、つまらない展開が新鮮だと思われる方には良いんじゃないでしょうか。今思うと、この人の受賞が芥川賞の「終わりの始まり」だったようです。 | ||||
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夫婦間または男女間の感性の差違についてかなり述べられています。 妻は決して主人公の救世主ではない。 様々なシーンでの妻の奇行。 しかし、彼女がいないとこんなにスポイルされていまう。 男って不憫ね…と思ったりしました。 生活できなくても、ロマンを求めてしまう。 例えばの話、妻に薔薇を喰えと言うこの男。 パンを喰わせろ。 ギャグも薔薇の花束の間にあるかすみ草のようなたぐいで、いい味を出し炸裂しています。 | ||||
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私の町田康との出会いはこの本だった。 読みはじめこそ違和感を覚えたものの、すぐに引きずり込まれた。 「こんなんでいいんだ」という気の抜けた感じと、独特の言語回しに取り憑かれた。 『夫婦茶碗』は、堕落した流れの中に所々、 ひっかかっている暖かい思い出のようなものが好き。 | ||||
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いわゆるダメ人間のお話。適当な事を考えては、失敗する。些細な事で人格崩壊して、また無職。そんなすさまじくダメだけど、すさまじく素敵な人生を描いた本です。 たしかに、主人公はダメ人間だと思います。けれども、普通のダメ人間じゃない所は、ちゃんと行動に移せるということ。現実社会のダメ人間は、考えるばかり、文句を言うばかりで結局自分じゃ何もできない人が多すぎる!しかし、この主人公はとてつもなく考えることはダメだけど律儀に行動するのです!そこがこの主人公のチャームポイントでもあり短所でもある。 母親にこの本を薦めた所「つかれる」と言われてしまったので中高年の方にはあまりお薦めできませんが、若人は他の町田作品含め、是非とも読むべきです!(力説) | ||||
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働かざるもの食うべからず。しかし、そんな気にゃ到底ならん。 真面目に働く気になっても世の中が見えてしまってまたメルヘンへ。 すごいダメ人間を面白く書いてあってうわっ!なんだこの文章!って 笑えるんだけど、読んだあと気持ちはあんましすっきりしないけど、 たまにはてきとーに開いたとこから読んでみたりしています。 | ||||
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「夫婦茶碗」も良いけれど、 併録されているもう一編「人間の屑」がまた面白い。 どうしようもなく労働できない主人公。 これがまさに人間の屑なのだけれど、 屑の弱い心にも優しい部分があり、それが妙にリアル。 ラストにエアガンを連射しながら「僕は和牛だ、わぎゅう」とわめきながら、 やくざの集団に攻撃を仕掛けるシーンはまさに圧巻。 “和牛”という一言で日本人全体を象徴するかのように錯覚させられてしまう。 これは必読の書です。 | ||||
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馬鹿にはセンスのある馬鹿と、ただの馬鹿がいる。 この作品に登場する馬鹿は、センスのある馬鹿であり、 この作品に感情移入できる人もまた、センスのある馬鹿である。 パンクと同様に、社会批判的なメッセージを多分に含んではいるが、 単なるアナーキーイズムでは終わらない、清々しさが残る。 疲れた私達に、生きる喜びと活力を与えてくれる、貴重な一冊である。 | ||||
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町田康は人間の間抜けな一面を真っ直ぐに書く天才である。 語り手「わたし」は、お金がないにもかかわらず働こうとしない。せっかく手に入れたペンキ塗りの職も馬鹿馬鹿しくなり放り出してしまう。その後も質屋に行ったりメルヘン作家になろうとしたり、まともに人生を立て直そうと考えない。決して明るい小説ではない。それでも時折声に出して笑ってしまうのは、その独特で軽妙な文体のみならず、「わたし」の間抜けぶりが堂々と描かれているためである。ペンキを塗る前の「壁こすり」が何のためか分からぬと告白しておきながら、その理由が了解できた後の文章では得意になって解説する。 こうした自己防衛的でなく、無邪気に本性をさらけ出しているところは笑えるし、好感も持てる。失業中の人の気分転 | ||||
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ちょっと落ち着いた感のあるダメ人間ブーム。自覚的にしろ無自覚的にしろ、そんなダメな人生を送る人たちにとって、この本は一つの指南書だったのかも。というか、ダメ人間に指南書って、いわゆる馬耳東風か、猫に小判か。それより何より、本来、嫌悪されるべき内容の本を書く町田康がテレビや雑誌、果ては駅のポスターにまで出現するようになるほど、世間に受け入れられたということは、一般ピープルにも咀嚼され、栄養になったということでしょう。そんな状況に、よく言われる価値観の崩壊を垣間見た気がしました。で、栄養にならずに排出されたウンコのような物質は、居酒屋などでよく聞く、ダメ人間自慢か。ちょっと違うか。 | ||||
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相変わらずの主人公の駄目ぶりと、計算されていないようで(多分)されている表現の面白さは、ちょっと他では見当たらない独自の味を出している。語りの妙は芸術の域に達しているといってもよい。普段小説を読まない人にこそ読んで欲しい。 | ||||
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