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ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン



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ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパンの評価: 2.61/5点 レビュー 83件。 Fランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.61pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全83件 61~80 4/5ページ
No.23:
(3pt)

SFパッチワーク

賛否両論あることですが、否定派はオーウェルやディックなどの本格SFを期待していた為に裏切られたという気持ちが強いようです。作品紹介でも「21世紀版『高い城の男』の呼び声が高い、話題沸騰の改変歴史SF」などと謳っているので仕方ないかもしれませんが、この作品は本国では『エンタメ系トンデモSF』、『アニメやSFジャンルのパッチワーク』として評価されてるのでしょうがないですね
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150120986
No.22:
(5pt)

思い込みは禁物

表紙を見るとロボットものかと思うだろうが、それは違う。
内容自体は架空の未来史を描いており、特に上巻は物語の導入部にあたる。
近未来SFものが好きならば、一読して損はない。
戦争、勝者の統治、言論、文化の統制といった背景があり、秘密警察とレジスタンスの抗争が
描かれる。
そのため、一部、残酷表現があるようだが、そこは過剰に反応するところではない。
嫌なら字面だけ追って読み飛ばせばよい。
某サイトで紹介されたことも合わせて、イメージが先行しているようで書評が荒れている。
だが、十分魅力的な作品なので、思い込みを捨てて読んで欲しい。
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150120986
No.21:
(2pt)

SFとしては駄作

求めていた物:パシフィック・リムが高い城の男で大暴れ
得られた物:抗日映画×ザ・レイプ・オブ・南京

最初から違和感を覚える。読み進めると更に強く感じる。そういう所を無視すれば、設定自体はそんなに悪くないんだけど・・・
SFとして読むと、余所からの借り物が多すぎて、目新しい物が皆無に等しく、物足りなすぎる。
そういう所をひっくるめて脇に置いても、盛り上がりに欠けて薄っぺらい。
とりあえず、宣伝文句が過大評価すぎです。
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150120986
No.20:
(2pt)

クライマックスは表紙

フィリップ・K・ディックの「高い城の男」にインスパイアされて書かれたようですが、読み味は全然異なります。半世紀分のアドバンテージで巨大ロボット、IT、通信ネットワーク、人体改造など盛り込んでます。巨大ロボットの大活躍を期待して表紙買いすると裏切られます。グロ描写成分多めなので苦手な方は注意。
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150120986
No.19:
(1pt)

ハッキリ言って買わない方が良かった

うーん、表紙絵に騙されたのか
気軽な読み物を求めて買ってしまったけど、
内容が余りにも・・・

ただのフィクション小説と言い切るには余りにもしつこい残虐の下りと
それを史実に基づいて云々という辺り
かなり後悔しています。
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150120986
No.18:
(4pt)

日本人には書けない架空の大日本帝国 悪趣味とほら話とアンバランス

まったくの偶然ですが、本書の直前にエポックメイキングな傑作と呼ばれる「ニューロマンサー」を読んだので、自然に比較しながら読んでしまいました。
 両者共にディックとブレードランナーの影響が大きいと言われていますが、世代的にも内容的にも子と孫ぐらい違うようです。
 両者共に、特異な才能を持ちながら人生に絶望して生きる主人公が、殺人に禁忌を持たない鋼のようなヒロインと組むことになる点は同じですが、似ているのはそこまで。ディック特有の眩暈感や執拗なまでの本物と偽物の問題は見当たりません。ディックとの関連は舞台設定だけのように感じました。
 結論を先に言えば、宣伝文句通りの衝撃作ではありますが、歴史的傑作とは言い難い。快作ぐらいでしょうか。
 一方で、SFの効用のひとつが、通常では目に見えないものを見えるようにすることだとするならば、本書はまさしく優れたSFと言えるかも知れません。
70年以上昔に存在した神国大日本帝国が、もし第二次世界大戦でアメリカに勝っていたら、こうなっていたかもしれない。誇張の上に誇張を重ね、想像の翼を羽ばたかせ、思いっきり趣味に走って描く。しかし、そこに描かれる絶望、狂気、怨念の、少なくともその一部は、実際に存在したものかもしれません。
 衝撃作と呼ぶ理由は、ディックが生み出した設定に戦争の狂気を組み込んだ世界観と、頻出する悪趣味とガジェットのアンバランス。
 本書は架空世界とシミュレーションゲームを扱っていながら異様に生々しい。ブレードランナーの未来のロスアンゼルスで言えば、タイレルの本社ビルに対するチュウの眼球工房のような感じです。占領軍に支配され、40年経っても抵抗運動が続いているという設定なので、血生臭いのも当然なのですが、悪趣味な場面が多い。
 でも、傑作の要素もたくさんあります。
 例えば、原爆やベトナム戦争介入など、本文中ではアメリカを占領した大日本帝国の残酷さを強調するような描写であっても、本来の歴史ではアメリカがやったことを置き換えて書いてあるだけだったりするので裏読みができます。長く続く泥沼の対立は経済的な問題以上に復讐の連鎖だったりとか。「高い城の男」時代の後、ベトナム、中東などでの多くの紛争を経験してきた現代のアメリカだからこそ描ける戦争の狂気に関する鋭い洞察もあります。
 現人神に心酔する日本占領軍と狂信的なジョージ・ワシントン団には、ISのような宗教テロ集団との類似点が感じられます。日本人が宗教的に寛容だと思っているのは現代の日本人だけで、外国人が外から見た過去の日本はこうだったのかという発見もあります。(どこからが誇張かという問題はありますが。)
 しかし、いたるところにアンバランスが目立ちます。小説の中にはアンバランスが魅力となるような怪作がありますが、本書もそれを狙ったのでしょうか?残念ながら、違和感の方が大きいようです。人体損壊に関する悪趣味も必要以上と感じます。
 巨大メカは趣味で出しているとしか思えませが、趣味にしては設定の甘さが気になります。これらはサービス・パートのほら話と割り切るべきかもしれません。
 高い能力を持ちながら、へたれのぼんくら男を演じて世界を斜めに見ていた主人公が、作者に重なって見えました。
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)Amazon書評・レビュー:ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)より
415335029X
No.17:
(3pt)

悪くはないけど

解説は誉めすぎ。エンタメ系歴史改変SFとしては充分面白いが、50年後その歴史改変SFの名作として「高い城の男」とともに読み継がれているかどうかと考えると甚だ疑問。
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)Amazon書評・レビュー:ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)より
415335029X
No.16:
(4pt)

良くも悪くも表紙詐欺

店頭で巨大メカが立ち並ぶ表紙を見た時、”こういう”話なのかな。という予感が先走った。
でも、大外れ。メカ戦はおまけのオマケ。中身はディストピア感満載のサスペンスでした。
なまじ表紙イメージで巨大メカで悪を成敗、希望の未来へレディーゴーな展開を期待していたりすると、
その足が古本屋かゴミ箱に向かいかねない読後感が待ってるので、そこはご注意。

個人的には”そういう”話として脱落することなく読めたが、あらすじや紹介POP、書評諸々まで、
『高い城の男』や『パシフィック・リム』などとイメージを寄せて語ってしまっているのはどうかと思う。
そりゃあ、「○○だと思って~」「○○を期待したのに~」と裏切りのマイナスイメージがつくのはしょうがないような気が。
『巨大ロボット兵器』の一文だけで購入する人も居るだろうし、販促的には間違ってないのかもしれないけれど、
そのくだり、丸々取っ払っても問題ない程度のスポット参戦であることを周知させないと、悪い意味の詐欺に、焦げた片足突っ込んでる。
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150120986
No.15:
(1pt)

表紙のロボットは端役です

SFを通じた社会風刺ものかと思い購入したが期待外れだった。
考察が足りないというよりは架空の日本の悪行をメインで描写し、それに対して抵抗していくという話。
とは言え話は大きいにも関わらずやってることが小さいので終始爽快感に欠ける。
登場する日本と日本人にもリアリティを感じず、どうにも話に入り込めなかった。
日本を悪役にするなら、どうせならもっと徹底的に悪役として描いて欲しかったな。日本でディストピアを描くならもっと題材がいくらでもあったのではと思う。全体的に取材不足というより取材すらしていない印象すら受けた。
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150120986
No.14:
(2pt)

世界観はそれなりに面白いが……

この作品で一番魅力的な部分は正直な所、表紙絵とタイトルではないかと思います。

内容としては「日本が太平洋戦争に勝ったIF」を前提として、大日本帝国が支配するテンプレ的ディストピアと化したアメリカが舞台です。
ジョージ・オーウェルの『1984年』を代表としてかつて隆盛したディストピアものの系譜につらなる作品ですが、良くも悪くもその枠組から一歩も出ておらず、世界観はそれなりに魅力的ではありますが意外性はありません。

一応、読み始めたときは表紙絵に出てくる武者型ロボットの活躍や如何に、を期待したのですがこれも結局は端役。
あってもなくてもストーリーの大筋に関係のない賑やかしの背景ガジェットに過ぎず。
ストーリー自体も風呂敷を広げに広げるものの中核のエピソードがミクロすぎるため、最終的には尻切れトンボの印象を残して終わり、読後感は決してよくありません。
「え、これだけの話するためにこんなに大騒ぎしたの?」というのが、正直なところです。
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150120986
No.13:
(1pt)

「高い城の男」とは似ても似つかぬ作品

繰り返し訪れる残虐描写に辟易して途中で読むのを断念してしまいました。どちらかと言うとSFホラーに属する作品です。「高い城の男」は日本が経済発展してアメリカの脅威になる前の60年代に書かれたからか、日帝に関しては随分と寛大な扱いをしていました。しかしこの作品は特高やアメリカ人テロリストの拷問などの描写が見せ場になっていますので、そのような描写を好まない人にとっては暴力的で俗悪に感じることでしょう。

「21世紀の高い城の男」などという売り文句に乗って買ったわけですが見事に期待は外れました。思えばディックの「高い城の男」は日帝とナチに分割支配されたアメリカという悪夢のような世界に生きる人々の日常を淡々と描き、それでいてSFらしい世界の終末と新たな希望を添え、私のようなSFファン以外の読者でも十分読ませる圧倒的な筆力がありました。全編で出る死者は悪役3人で実にありあっさり死んでくれます。描かれるのはあくまで異世界の日常であり、読者はまるでその世界が存在しているかのごとく物語に引き込まれます。拷問やむごたらしい死に方を売りにして非現実的なロボットが出るような本作とは対照的です。
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150120986
No.12:
(2pt)

残念ながら期待はずれでした

タイトルと巨大メカ、興味深い「if」の世界ですごく期待値★★★★★だったのに...結果から言うと拍子抜けでした。

それから最初にはっきり言っておきますが日本国は悪役扱いです。中盤以降徐々にUSJ軍(=日本軍)の残虐非道で愚かな描写が増え、最終的には嫌日に持っていくような作りになっています。これを読んだ外国人は日本人に対して悪いイメージを植え付けられるでしょうね(南京大虐殺の被害者数の表記を見てもしやと思って著者紹介見たらやっぱり韓国系で、糞尿表現がところどころに見られる点と併せて妙に納得)。

ただ、もし実際に日本が太平洋戦争で勝っていたら実際にそういう現実があったかも知れないという可能性は否定できないのでそれについては特にマイナス評価はしません。

最大の不満は女性メカパイロットのクジラ!(捕鯨を意識させる嫌日ネーミングなのかもしれませんが)
こんな魅力的なキャラを登場させておきながらちょい役で終わりとは。後半の山場でなぜ再登場させなかったのか全く残念。代わりに子供を出すセンスが理解できません。

もう一つの不満は主人公が最初から最後まで信念がなかったこと。途中で秘めた才能を発揮させ(といっても割と序盤で実はこの主人公が...と推測できてしまいましたが)これからその能力をフルに活かして活躍するのではと期待させ、そして終盤まではその期待通りの展開だったのに、最後の最後に実は主人公の主導ではなかったとの告白。「あれ?やっぱりぼんやりさんだったのかこの人」とがっかりしました。そしてぺちゃんことは呆気にとられる。特高ヒロインの最後の独白もなんか薄っぺらくて一気につまらない女になってしまいました。

そこはやはり全ては主人公が復讐心を抑えてぼんやりさんの仮面で行動したことによるもので、最後に一矢報いて「我が生涯に一片の悔いなし!」って感じだったら読後のもやもや感はなかったでしょうね。

(基本評価★3として)
テーマは良かった★+1
読みやすさ★+1
クジラの使い捨て★-1
主人公の魅力★-1
糞尿表現★-1

最終評価★★、つまり期待はずれでした。

でも、メカやクジラの出番を増やしてラストシーンをもっとすっきりするものに差し替えたものをアニメやコミックとして出したら結構人気でるかも知れませんね。
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)Amazon書評・レビュー:ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)より
415335029X
No.11:
(1pt)

なんなのか駄作

デイックのアイデアを踏襲したようで、時代考証のない兵器が登場したりと、
三文芝居です。
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 下 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 下 (ハヤカワ文庫SF)より
4150120994
No.10:
(1pt)

羊頭狗肉

ギズモード・ジャパンの記事を読んでから楽しみにしていました。
届いてすぐに上下巻一気読みしましたが読み進めるうちに違和感が大きくなってきました。

劇中で日本が行う残虐行為があまりにもかけ離れてと言うか、中韓の抗日映画のそれとそっくりなのです。
最初は日中韓の問題を落とし込んでいるのかなと思いましたが違うようです。
この作者は本気でそう思っています。
後書きでそれが判ります。
まず作者本人が韓国系アメリカ人であることが明かされます。
そして「史実をしっかりと押さえておきたかった」という作者の参考文献の中に「ザ・レイプ・オブ・南京」が列記されています。
つまりこの作者の日本の歴史・日本人観は中韓のそれがベースです。

これで自分の感じていた違和感、薄っぺらな印象に説明がつきました。
この作者は特に日本に対して悪意を持って書いたわけでは無いと思います。
単純に、日本のポップカルチャーやディックが好きでそれを題材にして作品を作り上げたかった。
だからそれをメインに据え、「それ以外は適当に拾ってきてくっつけて」作り上げただけです。
それ故に作者が書きたかったものに対しては描写は細かいですが、そうではない「適当に拾ってきた」部分は希薄で印象に残りません。

「神は細部に宿りけり」という言葉があります。
映画でも、コミックでも、そして小説でも読者/観客に想像力を働かせてもらう/観客を騙す為には脇をしっかりと締めて描写しないと嘘を見破られてしまい白けてしまいます。
SFの分野は特にそうです。
その意味でこの作品は失格です。

帯に高い城の男とパシフィック・リムの名が出てますがその二作品に対し失礼です。
何せメカに関してはほんの数ページ程度で詳しい描写も一切無いのですから。

時間の無駄でした。
高い城の男を読み直します。
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150120986
No.9:
(5pt)

いやあ、おもしろい

すごいなぁ〜。血まみれサイバーパンクかと思えば、権力闘争にバイオ、とあらゆるパーツがそろって、なおかつ破綻していない。ごった煮のようで、背景の広い世界観をささえに、ラブストーリ、(本だけど)ロードムービ風、しまいにはロボット戦争など、なんでもあり。
 こういった本を読むときにはいつも作者の視点から読むのですが、なるほど韓国生まれのアメリカ育ちが幼少時に洗礼を受けた日本風を消化していくとこうなるのかという、独特の味がいい。
 (いまだによく分からない)FKディックと並び称されるだけのことはある。まさに真似のできない世界。
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150120986
No.8:
(4pt)

続編にも期待

売り文句の「巨大ロボ」を期待していると、いい意味で拍子抜けすると思います。「巨大ロボ=メカ」はこの作品の構成要素の一つに過ぎません。私は読み進めるうちに、作者の悪趣味なフェティシズム(褒め言葉)がふんだんに詰まった描写に、思わずニヤリとさせられました。ひとがぐちゃぐちゃになってしまう銃、生きた人間を作品として飾っている暗黒街のボス、アリに腕を食われるヒロイン、ヒロインの排泄を介助する主人公等、生々しい描写が続きます。そのような描写が、狂った日本合衆国に説得力をもたせています。またSF的なガジェットも面白く、「電卓」がスマホのように発展して誰もが携帯している世界、というのも基地外じみていて、ワクワクするものがありました。表紙の絵も素晴らしいです。ネオンが輝き、コンクリートが濡れているアノ感じは「ブレードランナー」を思い起こさせます。作者はメカに焦点を当てた続編を執筆中とのことですので、こちらも楽しみです。最後に、下のレビューで「日本を貶めるための作品」などと書いてあるのを見ましたが、この作品をきちんと読んだのでしょうか。下巻のエピローグのルースの言葉です「イデオロギーではなく、人を見て。USJには悪い人もいれば、いい人もたくさんいる」いま、これすらできない人が多すぎるのではないでしょうか。
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)Amazon書評・レビュー:ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150120986
No.7:
(5pt)

読了一番 イヤーッ! と叫んで壁に穴をあける、ワザマエ! な良作

私達の知らない歴史、私達の知らない時代、ロサンゼルス、1988年。アメリカは核武装した巨大ロボ軍団率いる大日本帝国の占領体制下にある(このあたりそこはかとなく紀里谷版「キャシャーン」風味)。と、言う馬鹿ちんな設定に反し、妙に陰鬱なプロローグだけ読むと、馬鹿の癖にカッコつけたがる本当の意味で頭の悪い小説に思えるが、心配御無用。本筋に入れば、実はスゴ腕!昼行灯とツンデレ特高女の凸凹コンビに襲いかかる危機また危機の一大エンターテイメント。
糞真面目な文芸物より娯楽作品を作るほうが余程難しい。との言もあるが
通常、上下巻なら上巻終わりのあたりの「転」部分をはるかに前倒し、同時にその時点で読者が何となく想像していた登場人物達に対するイメージを大きく転倒させ、それを機に以降の主役二人のウェイトをヒロインサイドに大きく寄せ、読者にその矛盾を感じさせない、という ワザマエ! なテクニックは素人目には感嘆物。
勿論、誰もが期待するオタクカルチャーへの目配せも抜かりなく。「銃夢」「攻殻」好き丸わかりなヒロインの扱いは元より、そこに日本のオタク系がわりと避けがちな「うんち」シーンをぶち込むあたりは中々結構なお手前で。士郎 正宗キャラにしか見えないくじら母子は訳者の勝利か原文の意図かは是非とも知りたいところ。
いきなり出家して世界平和を唱え始める東條首相(確かにやりそうだ)とか、明治天皇の「よもの海~」の歌とか(誰が、どの局面で歌ったか?)、南京ネタなど比較にならないくらいやばい皇室ネタとかからもわかるように、
作者の日本通ぶりは半端なものでなく、口先だけの「サムライ美学」。その実小役人気質丸出しの「自分のゲロでも食うとったほうがまだまし」な皇軍描写。自己弁護と自己正当化は山ほど抜かすが、自分のやらかしたことに対しては何一つ責任はとらないし、そもそも責任があるとすら思っていない黒幕の造型。このあたり、おそらくは海外作品の日本人像で一番日本人的に納得できるものではないだろうか?
惜しむくらいは映画&ゲームデザイナーという作者の経歴が露骨に出てしまったと思しき世界設定。目標を定め、そこにいたるまでの経路はきっちり作りこんでいるが、ルートから外れた先には多分、何も無い。ゆえに改変世界SFとしてはかなりがっかりな出来なので、本作は「高い城の男」というよりはアーネスト・クラインの「ゲームウォーズ」の精神的兄弟として読んだほうがいい。
ともあれ魅力に富んだ作品なのは疑いなく、文庫版でも単行本版でもお好み次第で購入する価値は充分ある。作者にはロボアクション的には色々微妙だった山田正紀先生に代わって、ナチス装甲騎士団(パンツァーオルデン)とガチバトルする続編をさっさと書いて欲しい。(その前にハゲ本の翻訳か)
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No.6:
(5pt)

読了一番 イヤーッ! と叫んで壁に穴をあける、ワザマエ! な良作

私達の知らない歴史、私達の知らない時代、ロサンゼルス、1988年。アメリカは核武装した巨大ロボ軍団率いる大日本帝国の占領体制下にある(このあたりそこはかとなく紀里谷版「キャシャーン」風味)。と、言う馬鹿ちんな設定に反し、妙に陰鬱なプロローグだけ読むと、馬鹿の癖にカッコつけたがる本当の意味で頭の悪い小説に思えるが、心配御無用。本筋に入れば、実はスゴ腕!昼行灯とツンデレ特高女の凸凹コンビに襲いかかる危機また危機の一大エンターテイメント。
糞真面目な文芸物より娯楽作品を作るほうが余程難しい。との言もあるが
通常、上下巻なら上巻終わりのあたりの「転」部分をはるかに前倒し、同時にその時点で読者が何となく想像していた登場人物達に対するイメージを大きく転倒させ、それを機に以降の主役二人のウェイトをヒロインサイドに大きく寄せ、読者にその矛盾を感じさせない、という ワザマエ! なテクニックは素人目には感嘆物。
勿論、誰もが期待するオタクカルチャーへの目配せも抜かりなく。「銃夢」「攻殻」好き丸わかりなヒロインの扱いは元より、そこに日本のオタク系がわりと避けがちな「うんち」シーンをぶち込むあたりは中々結構なお手前で。士郎 正宗キャラにしか見えないくじら母子は訳者の勝利か原文の意図かは是非とも知りたいところ。
いきなり出家して世界平和を唱え始める東條首相(確かにやりそうだ)とか、明治天皇の「よもの海~」の歌とか(誰が、どの局面で歌ったか?)、南京ネタなど比較にならないくらいやばい皇室ネタとかからもわかるように、
作者の日本通ぶりは半端なものでなく、口先だけの「サムライ美学」。その実小役人気質丸出しの「自分のゲロでも食うとったほうがまだまし」な皇軍描写。自己弁護と自己正当化は山ほど抜かすが、自分のやらかしたことに対しては何一つ責任はとらないし、そもそも責任があるとすら思っていない黒幕の造型。このあたり、おそらくは海外作品の日本人像で一番日本人的に納得できるものではないだろうか?
惜しむくらいは映画&ゲームデザイナーという作者の経歴が露骨に出てしまったと思しき世界設定。目標を定め、そこにいたるまでの経路はきっちり作りこんでいるが、ルートから外れた先には多分、何も無い。ゆえに改変世界SFとしてはかなりがっかりな出来なので、本作は「高い城の男」というよりはアーネスト・クラインの「ゲームウォーズ」の精神的兄弟として読んだほうがいい。
ともあれ魅力に富んだ作品なのは疑いなく、文庫版でも単行本版でもお好み次第で購入する価値は充分ある。作者にはロボアクション的には色々微妙だった山田正紀先生に代わって、ナチス装甲騎士団(パンツァーオルデン)とガチバトルする続編をさっさと書いて欲しい。(その前にハゲ本の翻訳か)
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4150120994
No.5:
(5pt)

メカだけじゃあないんです

表紙のイラストからもわかるように、ひたすらに強烈なビジュアルが連発な世界観。
そしてストーリーは、「そこまでやるか!」といいたくなるほど、肉体的にも精神的にも厳しく痛々しい状況のオンパレード。

そんなごった煮的な小説だけれども、主人公の自己探索や、過去に秘められた謎など、物語としての要素はしっかり押さえられているので、読後感は結構すっきり。

一風変わった作品ではあるけれど、SFファンであれば一読して損はないかと。
読んだ後にいろいろ語りたくなることは請け合いです。
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)Amazon書評・レビュー:ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)より
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No.4:
(5pt)

人型メカばかりが注目されるが、SFとしておもしろい!

「高い城の男」や「ファーザー・ランド」を読んだ経験から、仮想歴史小説の世界の世界観に「あれ?」とおかしな感じがしたことがある。それは「ここで**に言及するのはおかしいだろう!**は実際こはこうなったのだから。。」という、すでに自分自身にその事件についての知識があるためだ。しかし「センス・オブ・ワンダー」を楽しむためには、自分自身のシニカルな面を超えないといけない。有名な歴史小説も、実際にはその場の状況を克明に正確に書いてはいない。(たぶん書けないだろう。) レストランで自分の好きな料理を楽しむのに理由はいらない。自分で食べてみて、全体として「うまい!」と感じれば良い料理だ。この作品は全体として「うまい」と感じた。しかし何で海外モノでは日本ネタでは「スモウ レスラー」が人気なのか?海外作品には必ず出てくるからなあ。。まあ、必ずピストルを持ち出すアメリカ人とか、酔っぱらってるロシア人みたいに「定番キャラ」で、出てこないと海外の編集者から不評なのかも。。www
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4150120986

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