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怒り
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怒りの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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三部作読み終わりました。この作品だけでも楽しめますが、やはり一部から順に読むのがより深くこの作品を理解できます。 初めてのポーランドミステリー。他のヨーロッパミステリーに親しんでいる人なら好きになる内容。謎の背景にポーランドの歴史や社会問題が描かれ、骨太なものになっています。 作者がジャーナリストということもあり作中の新聞要約が出てくる独特な構成。奇しくもポーランドが身近に感じる折、ウクライナや日本もちょくちょく出てきてさらに興味深く感じました。 物語は事件と同時に主人公シャッキの半生が進んでいきます。シャッキは正義感溢れるヒーローでも良き夫でも父親でもなく、ネガティブで皮肉屋で冷徹な面がある。北欧ミステリーのヴァランダーや特捜部Qのカールが次々不幸に見舞われるのに対し、シャッキは自ら破滅に突き進むように思える。それでも何故かこの男がとても愛おしい。これでお別れなのが寂しい。作者の気まぐれでいつかまた次回作を書いてくれるのを願っています。 | ||||
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地下壕で見つかった”完璧”な白骨死体。3作目でようやくDNA鑑定が用いられ骨は複数人のものと判明、連続殺人の疑いが浮上。検察官シャツキはDVの訴えを無視し、部下から告発を受けて窮地に…。 | ||||
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“窮地”は部下の告発だけではなかった。ワルシャワから呼び寄せて一緒に暮らし始めた愛娘が誘拐される事態に…シャツキは時間との戦いの中で独自捜査に賭けるが、姿の見えない犯人との神経戦が続く。 | ||||
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ポーランドという、あまりなじみのない国を背景に書かれたミステリというので第一作「もつれ」から読み始めた。男っぽく、あることから総白髪となったのに好男子の検察官シャツキの言動は型破りで、魅力的である。本作「怒り」は三部作の最後で、シリーズ最高とあったので、二作目を飛ばして本書を読んだが、これで最後になるなら順番で読めばよかったと少し後悔している。確かに、ミステリとしての仕掛けは派手で、意表を突き、今日的であるが、既視感はある。もっと多くのシャツキの物語でポーランドを描いてくれてもよかったのに、と思う。 | ||||
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フランケンシュタイン博士。テリー・サバラス。ピーター・セラーズ。これらの有名人を想像させる人物が次々と登場する。軽口を交えながら、どこに向かうのかわからないシャツキ最後の事件を追う。何せポーランドの彷徨えるスター検察官テオドル・シャツキの三部作の最終編なのだ。好奇心の向かう先は、どのようにシリーズを閉じるつもりなのか? この一点に尽きる。 読者のツボを読み取ってであろう。エキセントリックなシーンで始まる序章はこれから始まる物語のクライマックスであろうかと思われる。 続いてシャツキのその後の変化が、語られる。時代は、前作『一抹の真実』でサンドミエシュを舞台にした連続殺人事件の三年後。シャツキは一度ワルシャワに帰ったらしいが、現在は北部の地方都市オルシュティンで本業以外に講演を仕事を依頼されたりしている。前作までの事件ですっかり事件を解決する一匹狼の保安官イメージをまとったシャツキは、ポーランドで最も有名な検察官となっているらしい。しかも常にぴしりと決めた硬派ファッション。白髪。五十代に手が届きそうな年齢。 彼は、一人娘のヘレナ、新しい恋人・ゼニアと三人で奇妙かつ綱渡り気味の生活をしている。ヘレナはすっかり大人に近づき、本書ではとても重要な役を割り振られる。 ポーランドの町は相変わらず暗く、被征服国家としての歴史の重さに打ちひしがれている。季節は12月で、雪になり切らぬ冷たい着氷性の霧雨と分厚い雲に覆われている。 事件もまた相変わらずエキセントリック。見つかった白骨は過去のドイツ兵の亡霊だとばかり思いこんでいたものの、一週間前に溶かされたものと判明。なんて奇妙な! 新しい街なのでシャツキを取り巻く捜査陣はまたも新たなキャラクターばかり。風土描写ばかりではなくキャラにも決して手を抜かないのがジグムント・ミウォシェフスキという作家である。シャツキを取り巻くのは、個性豊かな存在感抜群の男女ばかり。前作で印象的な登場を果たした精神分析医クレイノツキも相変わらずの個性とドンパチの的中度を誇るが、解剖医のフランケンシュタイン博士(まさに実名までもが)は衝撃的なまでに印象に残ることだろう。 取り上げられるテーマはDV。家庭内で決して誰にも気づかれることなく精神的に追い詰められてゆく静かな被害者たちと、仮面の加害者像が、時折カットバックのように挿入される。無名で。そして次第にシフトアップ。街の緊張が高まり、シャツキの表情がこわばる。静かな家族たちとその裏側に奥行きを見せる影なる暴力。 街に跋扈する復讐の足音。過酷なまでの制裁。後半は、なぜかシャツキ自身が巻き込まれてゆくことで物語に疾走感が生まれる。ページターナー。予断を許さぬ展開。予測を超える真相。シャツキの物語の終焉はどうなるのか? やはりこの三部作は順番に読まなくてはいけない。日本の読者にとって如何に不幸な出版順序であっただろうか? 順番通りに読むことのできた幸福が、この本を閉じるときにしっかりと胸を満たしたのは言うまでもない。 | ||||
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フランケンシュタイン博士。テリー・サバラス。ピーター・セラーズ。これらの有名人を想像させる人物が次々と登場する。軽口を交えながら、どこに向かうのかわからないシャツキ最後の事件を追う。何せポーランドの彷徨えるスター検察官テオドル・シャツキの三部作の最終編なのだ。好奇心の向かう先は、どのようにシリーズを閉じるつもりなのか? この一点に尽きる。 読者のツボを読み取ってであろう。エキセントリックなシーンで始まる序章はこれから始まる物語のクライマックスであろうかと思われる。 続いてシャツキのその後の変化が、語られる。時代は、前作『一抹の真実』でサンドミエシュを舞台にした連続殺人事件の三年後。シャツキは一度ワルシャワに帰ったらしいが、現在は北部の地方都市オルシュティンで本業以外に講演を仕事を依頼されたりしている。前作までの事件ですっかり事件を解決する一匹狼の保安官イメージをまとったシャツキは、ポーランドで最も有名な検察官となっているらしい。しかも常にぴしりと決めた硬派ファッション。白髪。五十代に手が届きそうな年齢。 彼は、一人娘のヘレナ、新しい恋人・ゼニアと三人で奇妙かつ綱渡り気味の生活をしている。ヘレナはすっかり大人に近づき、本書ではとても重要な役を割り振られる。 ポーランドの町は相変わらず暗く、被征服国家としての歴史の重さに打ちひしがれている。季節は12月で、雪になり切らぬ冷たい着氷性の霧雨と分厚い雲に覆われている。 事件もまた相変わらずエキセントリック。見つかった白骨は過去のドイツ兵の亡霊だとばかり思いこんでいたものの、一週間前に溶かされたものと判明。なんて奇妙な! 新しい街なのでシャツキを取り巻く捜査陣はまたも新たなキャラクターばかり。風土描写ばかりではなくキャラにも決して手を抜かないのがジグムント・ミウォシェフスキという作家である。シャツキを取り巻くのは、個性豊かな存在感抜群の男女ばかり。前作で印象的な登場を果たした精神分析医クレイノツキも相変わらずの個性とドンパチの的中度を誇るが、解剖医のフランケンシュタイン博士(まさに実名までもが)は衝撃的なまでに印象に残ることだろう。 取り上げられるテーマはDV。家庭内で決して誰にも気づかれることなく精神的に追い詰められてゆく静かな被害者たちと、仮面の加害者像が、時折カットバックのように挿入される。無名で。そして次第にシフトアップ。街の緊張が高まり、シャツキの表情がこわばる。静かな家族たちとその裏側に奥行きを見せる影なる暴力。 街に跋扈する復讐の足音。過酷なまでの制裁。後半は、なぜかシャツキ自身が巻き込まれてゆくことで物語に疾走感が生まれる。ページターナー。予断を許さぬ展開。予測を超える真相。シャツキの物語の終焉はどうなるのか? やはりこの三部作は順番に読まなくてはいけない。日本の読者にとって如何に不幸な出版順序であっただろうか? 順番通りに読むことのできた幸福が、この本を閉じるときにしっかりと胸を満たしたのは言うまでもない。 | ||||
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最後まで、そんな事にならないように祈りながら、え~というような結末になってしまいました。殺人の仕方はえぐいけれどポーランドの町並みが眼にうかぶような描写も良く読み応えがありました。 | ||||
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まず下巻の結末にもやもやします。 「ポーランドのピエール・ルメートル」と言われるだけあって、先は確かに読めません。 読めませんが、このエンディングは、予想を裏切るために期待まで裏切っている。 また、この作品は「シャツキ検察官三部作」の三作目です。 一作目と二作目は、今作と同じく小学館文庫で順次刊行予定とのこと。 三部作の最後がこんなオチだと知ってしまった後で、前々作や前作を読むのってどうなのか。 一作目から順に読んで、シャツキに対する思い入れを段々と深めていって、 その上で「三部作の最後がこれかい!」とツッコミを入れるのが、正解だった気がしてなりません。 | ||||
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面白かったです。北欧モノは特捜部Qシリーズ然り、日本人に親和性が高いものが多い気がします。主人校の中年検察官が、再開発された街並みや交通渋滞のひどい都市設計に悪態を吐きまくり、設計士を絞め殺す妄想をして溜飲を下げる描写は笑えました。 上巻を読んだあとすぐに続きが読みたくなります。事件について細かい伏線や仕掛けが施され楽しめました。しかしミステリーというよりはクライムサスペンスドラマのような気がします。 | ||||
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下巻は文字通りノンストップで読んでしまった。 ポーランドといえば、アンジェイ・ワイダ、旧共産圏とあまり明るいイメージはない。本書も陰鬱な雰囲気かと思いきや、主人公の検察官が実にユニークでおもしろい。中年の危機に見舞われ、ティーンエイジャーの娘には振り回される。人間味にあふれ、いつのまにか共感を抱いてしまう。ポーランドの暮らしや、検察官が刑事の役回りをするというところも興味深く、殺人の手口も他に類をみない方法で驚かされる。怒涛のラストにショックを受けるかもしれないが、ミステリとしての完成度は高い。欧米ではポーランドのルメートルと絶賛されているようだが、本書もアメリカン・ミステリとはまた違った味わいがある。今後の作品が楽しみな作家だ。 | ||||
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「ポーランドのル・メートル」という作者の触れこみにつられて購入、読んでみた。見つかった白骨死体が2週間前まで生きていた男性のもので、排水溝洗浄剤で生きながら溶かされ、しかも複数の人間の骨も混じっていた・・・となれば、何が起きたのか、犯人はだれで、動機は何か?と期待が高まったのだが・・・。衝撃的な事件の割に、主人公の検察官シャツキの暮らしを描写するシーンが多くて、なかなか事件究明が進まず、「怒り」という題が主人公を象徴するものと書かれているにもかかわらず、全編を通じてさほど主人公の「怒り」も感じなかった。また、伏線のつもりでちりばめた様々なことが真犯人や結末を予想させてしまう結果にもなっている。事件が衝撃的だっただけに、もう少し緊迫感を出せるような書き方が出来なかったのかな…と惜しまれる。でも、そう感じるのは私だけなのかもしれない。ポーランドのミステリーは珍しいし、衝撃的な事件がどう結末を迎えるか気になる方は本書を手にとられてはいかがか。 | ||||
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事件そのものは衝撃的でかなり凝っているのだが、焦点はそこにはない。検察官が主人公で、その人の生活や思考を追っていく物語だと思えばいいのかもしれない。緊迫感とか皆無。好き嫌いがわかれる作品だろう。 | ||||
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