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囚われの島



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【この小説が収録されている参考書籍】
囚われの島

囚われの島の評価: 3.33/5点 レビュー 6件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.33pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

文体が合わなかった

どことも知れぬ絶海の小島に誰かが自分を迎えに来る夢を見つづける盲目の男と、その小島に誰かを迎えに行く夢を見つづける女とが、互いに夢の半分を持ち合い、本書のテーマである蚕の吐き出す糸のように物語が紡がれていくのかと思って読んでいたら、違ったみたいだ。

3部構成をとっている小説の1部こそ盲目の調律師と新聞記者の女の純愛を予感させ、そこに上司との不倫やら母親との確執やらの俗っぽい事柄が絡みついてくるのだが、2部に入ると物語は一気に100年近くも過去に跳び、男と女の夢の源流と思しき蚕都が描かれ、3部になるともう何について語られているのかも曖昧になる。

1部、2部と進むにつれ物語の抽象度が増すだけではなく、それに合わせてもとより詩的だった文体が、3部ではほとんど散文詩になっている。反復言語や読点を多用し、名詞や助詞で止める文章は読み易くはなく、このあたりは好みが割れそうだ。緻密に練り上げられた小説だとは思うのだが、作者が自身の文体に酔っているように感じられ、それが壁となって僕はこの世界観に入り込めなかった。
囚われの島Amazon書評・レビュー:囚われの島より
4309025773

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