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フェノメノ 美鶴木夜石は怖がらない



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【この小説が収録されている参考書籍】
フェノメノ 美鶴木夜石は怖がらない (星海社文庫)

フェノメノ 美鶴木夜石は怖がらないの評価: 4.33/5点 レビュー 9件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.33pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1~7 1/1ページ
No.7:
(5pt)

恐怖とともにある切なさ

人は恐怖を感じたとき、そこに説明を求める。
理由があれば安心できるからだ。
あいつが誰それを殺したのは誰それに非があったからだとか、〇〇に行って調子が悪いのは呪われたからだとか。
それはごく普通の感覚で、この物語の主人公もまたその感覚を持っている。
にも関わらず、彼は暗い深いところに踏み込んでしまう。
そこで見る恐怖と切なさを、まだ読んでいないあなたにも感じて欲しい。
フェノメノ 美鶴木夜石は怖がらない (星海社文庫)Amazon書評・レビュー:フェノメノ 美鶴木夜石は怖がらない (星海社文庫)より
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No.6:
(5pt)

すっきりと終わりつつ続編への期待を持てます

非常に楽しく読めました。
今後の展開にも期待でき、第一巻としてとても良い作品だと思います。

この本を買ったのは
「オカルト話や不思議な話を題材にした普通に面白い話が読みたい」
と思ったからです。なんとなく、2ちゃんねるオカルト板の師匠シリーズのような。

そういった話がないかと色々調べていると、ネット上で本作品の第1章「願いの叶う家」が無料のノベルゲームとして公開されており、それをプレイし、この本の購入に至りました。

この作品は、不思議で恐ろしい体験の中で感じた違和感や不思議に、怯え躊躇いながらもどんどん足を踏み入れていってしまう怖がりな主人公のお話です。
主人公の一人称視点の文章の様々な部分で「これはつまりこう言うことなんじゃなかろうか?」と考えながら読むのが面白く、一気に読み進められました。

主人公一人称視点の文章と登場人物は多分にライトノベル寄りだと思いますが、そう言ったものにそこまで抵抗がない人ならまぁ面白く読めるのではないかと思います。

気になったらまずは無料のゲームの方をやってみることをおすすめします。
私は本編を買って大満足です。
フェノメノ 美鶴木夜石は怖がらない (星海社文庫)Amazon書評・レビュー:フェノメノ 美鶴木夜石は怖がらない (星海社文庫)より
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No.5:
(5pt)

良い

この本はとても面白かったです。久しぶりに熱中しました。おすすめですよ。
フェノメノ 美鶴木夜石は怖がらない (星海社文庫)Amazon書評・レビュー:フェノメノ 美鶴木夜石は怖がらない (星海社文庫)より
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No.4:
(5pt)

此岸と彼岸の境界エンタテインメント

ジェットコースター嫌い、怖い話嫌いのレビュアですが、一肇氏のがあまりに気に入ったことと、風の安倍吉俊氏の絵にドキドキしたので、恐る恐る読み始めました。確かに主人公の凪人は肝が凍るような怖い目に合うのですが、読んでいる側は凪人の感じ取る「ずれ」にも気を取られるので、幸いにも異界に引き込まれる直前で留まっていることができ、無事に一気に読み切れました。
3章でできています。Case1「願いの叶う家」は凪人が借りた家に悪いモノがいるのではないかという話で、夜石はもちろん主な登場人物が揃います。Case2「自己責任系」は山奥の廃病院という心霊スポットに関してネットも絡んで凪人が何かに憑かれ、夜石に救われます。Case3「襖の向こう」では凪人が夢の中で田舎屋敷の中を彷徨い、その夢の中に入り込んできた夜石に助けられて、凪人自身が封印した自分の過去と向き合うことになります。美少女が他人の夢に入り込むなんてみたいですが、もっとプラトニックです。
「霊は己の存在が幽かであるからこそ意味を求める」という文章が記憶に残ります。この「霊」を「人」に置き換えても成立すると思います。そして、時として「意味」を見出した瞬間に力を得て暴走を始めるのも「霊」と「人」は同じです。
凪人は寂しく放っておかれている人に手助けしないではいられない優しさ故に怪異と絡んでしまい、泣きながらジタバタする点で、の阿良々木暦と通じるところがあるように思います。でも、「化物語」が昼のファンタジーとすれば、自分のアパートの部屋の隣の住人は今夜もこんな異界をのぞき込んでいるかもしれないと実感してしまうのが「フェノメノ」と言えましょう。凪人が「優しい」理由も明確だし、読み手により近いんです。
ストレートに恐ろしい怪談を求めていると、少し肩すかしかもしれません。
現実や人の心情にはところどころに裂け目や「ずれ」があって、普段は無意識にそれを避けて暮らしているのだけれど、一度そこに気が付いて目を向けてしまうと、世界は分からなくなってくるというセンス・オブ・ワンダーを楽しむ作品と受け取りました。でも、「見るべきでないものがある。」 楽しむことには代償が伴います。さあ、あなたはどうしますか。
私は第2巻を読むことにしました。
安倍氏の挿絵は4枚でカラー。底の見えない淵の雰囲気がいっぱいです。
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No.3:
(5pt)

"覗く"ことは"覗かれる"ことでもある

此岸に居る者が彼岸を"覗こう"と思うなら、先ずは近付き、体を少しでも"向こう側"に乗り出すことが必要でしょう。

だから、幾ら隠れて覗いていたとしても、それは彼岸に僅かでも踏み込んでいるということであり、彼岸の方からも"覗ける"位置にあるということと同義なのです。

だから主人公が怪異を、恐怖を、そして夜石を覗こうとしたから、逆に覗き込まれてしまった。

しかし、だからこそ、互いに歩み寄れ、理解し、分かり合えたのだと思います。

オカルトと、少々の青春、笑い、感動を上手く混ぜ込んだ作品でした。

…しかし前作の"幽式"とストーリーラインは変わらないというのに、今作もまた面白い!

具材を変えずに、全く違う味わいのモノを作り出せる一肇さんの料理の腕前には脱帽です。

前作よりも青春チックな清涼感が増したように感じられましたが、ヒヤッとさせるとこはしっかりヒヤッとさせてくれました。

そして安倍吉俊さんのイラストも素晴らしかった。

特に、表紙の硝子に映る夜石が上手い…いや巧いです。

"こちら側の夜石"の目線と"向こう側の夜石"の目線が合うことは無いのに合ってしまう、という不条理な事態が成り立つ世界は、私達を硝子で隔てただけの世界と同じく直ぐ傍にある…という当に"フェノメノ"を表すイラストにピッタリだなぁと思いました。

第弐巻に期待です!
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No.2:
(5pt)

ラストの一言で背筋が・・・

一肇さんのファンということで即予約&買いました。

フェノメノは幽式の続編というより同一世界観のお話で、
登場人物が一部共通している以外は別物です。
主人公とヒロインの属性・構造性も似てはいますが、幽式を読んでいたからといって楽しめないことは全くありません。
作者さんの筆力の向上もあることにはあるのですが、物語の過程が違うので。

第1話から星海社のサイトで読んでいたのですが、
一旦安心させてからまたどんでん返しで突き落とす形が上手い。
普通に奈落に突き落とされました

書きおろしの第3話になるとホラー部分は薄めることなく
青春要素が1,2話より強くなっていてそれがさらに面白いです

安倍吉俊さんの挿絵・表紙はなんとも言えぬオーラがあって大好きです
クリシュナさんがめちゃ可愛かったです。
今年冬に出る第2巻も楽しみにしています。
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No.1:
(5pt)

「見るべきでない物」と向き合う意味

「幽式」以来久しぶりの一肇ホラー作品です
結果から簡潔に言えば本作は「幽式」の一肇自身によるセルフリメイク的な内容になっています

ヘタレな癖に怖い物見たさで「やばい物」に触れたがる主人公が
美形でありながら全てを台無しにするゲロ吐き癖のある少女に導かれるようにして
自分の手には負えない「本物の彼岸の存在」に触れてしまい、その度に異界ヶ淵の運営者クリシュナさんに
「覚悟もなしに二度とそういう物に触れるな」と叱られながら助けて貰うが性懲りもなく…

このパターンが延々と繰り返されます。そして主人公が本当に見てはならない物、見ればすべてを失う物…
「見ようとしてこなかった物」が「此岸」である主人公が認識し、確かに拠って立っていた筈の世界を崩壊させる
ストーリーラインはほぼ完全に「幽式」です

にもかかわらず「幽式」を読んだ筈の自分にこの作品が面白く感じられたというのは、それだけ作者である一肇氏が
「幽式」の肝になっていた「主人公の拠って立つ世界」とその崩壊に至るまでの過程と隠された真実に至った事で主人公が得た物
そしてヒロインの「生きながらにして彼岸に居る」生き方を「幽式」で描けなかった形で、作者の本当に書きたかった形で描けた点にあるのではと感じました

キャラクター的にも本作のヒロイン夜石は幽式の神野江以上に可愛くなっています…クリシュナさんは相変わらずブレてないですね
この冬に二巻が出るそうですが夜石を支えていく決意をした主人公がどんな「彼岸の存在」に出くわすか、怖いもの見たさで待ちたく思います
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