フェノメノ 美鶴木夜石は怖がらない
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
フェノメノ 美鶴木夜石は怖がらないの総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人は恐怖を感じたとき、そこに説明を求める。 理由があれば安心できるからだ。 あいつが誰それを殺したのは誰それに非があったからだとか、〇〇に行って調子が悪いのは呪われたからだとか。 それはごく普通の感覚で、この物語の主人公もまたその感覚を持っている。 にも関わらず、彼は暗い深いところに踏み込んでしまう。 そこで見る恐怖と切なさを、まだ読んでいないあなたにも感じて欲しい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
※多分にネタバレを含みますのでご注意ください。 恐らく、怪談やホラーに疎い方向けに書かれた作品なのではないでしょうか。 願いが叶う家については、家鳴り、カウントダウン、不自然な間取りの空間など、 住宅系怪談としてありふれています。 一度クリシュナが京極堂的に説明をつけた所で、安堵し主人公が軽口を叩くと、 夜白から「怪談の踊り場で恨めしそうに見ている男がいたのだわ・・・」と言われ 彼岸へ踏み越えてしまった事を後悔する。という二段オチですが、 ガムを踏んだ感覚の後に、心霊的恐怖体験をする点については 師匠シリーズは京子編の「血」における霊視のシーンを彷彿とさせます。 また、以前の居住者については何故願いが叶ったのかも判然としない辺り釈然としません。 自己責任については、タイトルからしてもうお察しの通りの2ちゃんねるオカ板ネタですね。 舞台は廃病院。車イスにうめき声、人数の増減、ナースコールやら 物を持ち帰る事による呪い、落書き等々、やはり凡庸です。 顛末は少年霊が依り代となった上で、 願いの叶う廃病院として話題となり、訪れたオカルティスト達が生霊となる。 結果、呪物となった少年のノートを持ち出した主人公が 彼岸の世界に引きずり込まれる、というものです。 願いの叶う廃病院としての儀式は以下、 ・廃病院の地下には資料室がある。 ・そこの壁には「なおしてくれたらなんでもいうことききます」という文字がある。 ・その壁に向かって三回、「◯◯◯◯が直します」と自分の名前を言う。 ・「その代わり、△△を叶えてください」と願い事を言う。 ・その後、病院内の倒れた何か(何でもよい)を元の位置に戻す。 ・また壁に向かって「◯◯◯◯が直しました」と報告。 ・願い事が叶う。 作中、唯一興味を惹かれた指相識別之大事ですが、それで看破した霊は、 「中指の高神」と「薬指の生霊」でした。 薬指に関しては、オカルティスト達の生霊とするのは良しとして、 中指の高神についてはどうなったのでしょう? まさか高神を高位の神(=神社の神)とでも捉えての描写でしょうか? 高神とは、天狗や祟り神、悪神の事であり、いわくのある神社であれば、夜石は避ける筈です。 神社に祀られている神が、主人公ナギを祟っているとするのであれば描写に無理があるし、 そもそも呪物の核となった少年の霊は何指に該当したのでしょうか。人差し指の死霊が該当しそうなもんですが。 また、注連縄によるノートの封印について、 夜石は「尊崇されたものだから」としているが、これは可笑しいですね。 注連縄はあくまで、現世から常世を隔てる結界であり、 それ自体は、尊崇の対象であったりする物ではないですし、 幽世や、厄、禍を払うにせよ、外からの対しての力のものであり、封じる様なものではありません。 何故、オカルト掲示板内で広範な知悉を示している彼女が注連縄を掻き切ってまで、 霊験も無かろう貯水池にノートを沈めようとしたのでしょうか? ナギと廃病院から帰る際には、生霊を看破していたから 「くだらない」と一蹴したのに、霊障が起きだしてからは 「アレは(神主や僧侶の)手に負えるものじゃない!」と言ったりと、 前後不覚な言動が目立ちます。電波という設定だからでしょうか? せめてクリシュナがしていた様に、宇治の橋姫の真似をして (ちなみにこれも橋姫を真似るなら鉢巻のみならず五徳を被るべき様に思ったし、 そもそも丑の刻参りは心願成就の法であって呪い返しなどの意味はない) 神木に打ち付けたりでもした方が良いのでは? また、縄文人の霊についてや、霊の形云々の定義、夜石が怒鳴る事で 霊を退ける辺りの描写等も師匠シリーズのオマージュでしょうか。 この辺りの心霊観は非常に良く似ています。 また、バームクーヘンの絶望や、ペーターキュルテンと思しき殺人鬼の手記など 存在しない書物が出てくる辺りの必然性を疑います。 オカルトに精通している筈の夜石がキュルテンの独白を読んで 殺人性愛程度に興味を惹かれるのは首を捻ります。性的倒錯としては余りにもメジャーすぎます。 また、3度廃病院を訪れた後の夜石の頭を洗うシーンが、リアリティがありません。 頭を洗うのでは、水音で会話など成立しないし、洗う方も洗わせる方もどちらもデンパすぎて このシーンが一番ゾッとしました。 日常がしっかりと書かれてこその、非日常、心霊の恐怖が対比で際立つのだと思うのですが。 腑に落ちない事だらけなんですが、極め付けは主人公の性格です。 願いが叶う家からして、死ぬほど恐怖した筈の様に描かれていたのに、 相変わらず、オカルトに首を突っ込む辺り、相当な変態ですね。 また、初めて訪れたドタバタ騒ぎの後、ノートを持ち帰る時点で、 全く微塵も共感ができません。更にそれを返却する機会を拒み、 あまつさえ、夜石が申し出た封印を安っぽい感動的な回想や、人情で拒む辺り、 霊障で発狂しているのでは?と思わざるを得ません。 オチは夜石が、願いが叶う病院の儀式を、自己責任系怪談で上書きする事で オカルトスポットでの儀式に歯止めをかけて一段落する。という説明ですが、 そもそも自己責任系の怪談といえば、「おつかれ様」「ひとりかくれんぼ」 そして何よりも「かしまさん系列」あたりですね。 わざわざの旧相武病院(かな?)まで出かけていく人間よりもむしろ お手軽な自己責任系怪談を読む・或いは行う方が、オカルティスト達が 喜んで集り、生霊も募りそうなものです。 しかしながら、 「自己責任だから最後まで、読まないほうがいい」 それは、ここ数日で一番ぞっとする言葉だった。 という締めは、一連で言動不一致に狂騒してる主人公の口から出ると間抜けに聞こえます。 最後に構造的な欠陥として、自己責任系怪談の怪異が登場しない事です。 あくまでナギの霊障は呪物たるノートを持ち帰った事に因りますし、 願いが叶う病院の儀式そのものでの被害者もいないからです。 自己責任を読み終えるのはかなり辛かったです。ここから先は読めそうありません。 オカルト板ネタを創意工夫もなく伸ばした様なストーリーや構造と どうしても師匠シリーズが頭をよぎってしまうので、自分には向いてないと思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公の言動がガキ臭くて、最後まで感情移入できませんでした。絵だけやね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
非常に楽しく読めました。 今後の展開にも期待でき、第一巻としてとても良い作品だと思います。 この本を買ったのは 「オカルト話や不思議な話を題材にした普通に面白い話が読みたい」 と思ったからです。なんとなく、2ちゃんねるオカルト板の師匠シリーズのような。 そういった話がないかと色々調べていると、ネット上で本作品の第1章「願いの叶う家」が無料のノベルゲームとして公開されており、それをプレイし、この本の購入に至りました。 この作品は、不思議で恐ろしい体験の中で感じた違和感や不思議に、怯え躊躇いながらもどんどん足を踏み入れていってしまう怖がりな主人公のお話です。 主人公の一人称視点の文章の様々な部分で「これはつまりこう言うことなんじゃなかろうか?」と考えながら読むのが面白く、一気に読み進められました。 主人公一人称視点の文章と登場人物は多分にライトノベル寄りだと思いますが、そう言ったものにそこまで抵抗がない人ならまぁ面白く読めるのではないかと思います。 気になったらまずは無料のゲームの方をやってみることをおすすめします。 私は本編を買って大満足です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この本はとても面白かったです。久しぶりに熱中しました。おすすめですよ。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 9件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|