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(短編集)

起終点駅(ターミナル)



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起終点駅(ターミナル)の評価: 3.82/5点 レビュー 56件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.82pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全56件 41~56 3/3ページ
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No.16:
(3pt)

孤独は死よりも辛い

当たり前だけれども、人の生き方は千差万別。そして、死に方も。
 短篇6作とも、普遍的テーマ「生と死」を扱っている。
 冒頭の「かたちないもの」に出てくる竹原基樹と、「たたかいにやぶれて咲けよ」で描かれた恋多き歌人・老女中田ミツの生き方、死に方には憧れる。
 他人の目を気にすることなく、やりたいようにやって、生きたいように生き、引き際も自分で決める。
 そんなふうに生き、死ぬことができたら……。
 「孤独は、死よりも辛い」と感じる作品ばかり。
 
起終点駅(ターミナル) (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:起終点駅(ターミナル) (小学館文庫)より
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No.15:
(4pt)

「孤独」に生きる人たち

表題作を含む六篇が収められた短篇集です。
そこに登場する人物は、「海鳥の行方」と「たたかいにやぶれて咲けよ」の二篇が同じ語り手による以外は、全く関係がありません。
ただ、そこには社会から弾かれてしまった人や背を向けてしまった人たちの生き方が語られます。
彼らは、一般の人から見れば「孤独」な暮らしをしています。
その暮らしぶりをどう見るか?
それぞれの作品の語り手は、話が進むにつれて、「優しい」まなざしに代わって行きます。
「孤独」に生きる人たちの生活は傍目にはみじめに見えるかも知れません。
でも、ここに登場する「孤独」な人たちの「心」は豊かな様に見えます。
「孤独」に生きることは、決してみじめな生活をすることではないということでしょう。
それと同時に、こうしたことを理解した語り手たちの成長を感じます。
私たちも、表面上の生活でその人を評価してはいけないという事でしょう。
むしろ、彼らから学ぶところも沢山あることを理解する必要があるのでしょう。
起終点駅(ターミナル) (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:起終点駅(ターミナル) (小学館文庫)より
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No.14:
(4pt)

孤独は恐れるものではなく、愛すべきもの

孤独に生きる人々の心のひだを見事に表現している1冊です。
私自身、独身で子供もなく、将来1人で生きていく身です。
でもそんな孤独を、私は決して嫌いではない。
だからこの小説の登場人物にも心惹かれました。
孤独を恐れている人、一読あれ!
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No.13:
(5pt)

満足しています。

迅速・丁寧な対応に感謝しております。機会がありましたら、また、利用したいと思います。
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No.12:
(4pt)

商品とお店の評価

迅速丁寧でした。一気の読み終えることができました。さらに本作者の本を読んでいきます。
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No.11:
(4pt)

研ぎ澄まされた文章と静かな希望

初めて桜木紫乃さんの作品を読みました。素晴らしい1作です。
1文1文、何度も推敲したのだろうと思わせる研ぎ澄まされた文章が並び、あまりの濃密さに息ができなくなりそうです。
人生のはかなさ・切なさ・やるせなさを存分に描きつつも、どこかに「それでも生きていこう」と思わせる静かな希望があります。
他の作品も読んでみようと思います。
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No.10:
(4pt)

北海道の風景と生きる人たち

ずっと気になっていた桜木紫乃さんを初めて読みました。
「生きていくこと」がテーマですね。
北海道の小さな街の風景と人生への悲哀が織り交ざり、まさにターミナルでした。

ふらりと、ひまわり畑に行きたくなりました。
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No.9:
(4pt)

スラスラ読みました

とても読みやすかったです
なかなか色々と考えさせられました
考えたい人にオススメ
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No.8:
(5pt)

進化の過程を実感できる幸せ

桜木氏の作品は初期のものから、ほぼ全部読んできた。そして進化の過程を実感できる幸せを感じてきた。
この作品集はまさに進化の頂点に達したかのような気がする。
細やかな筆遣いによる人物や情景の描写、さらに読後の余韻や余情、文句のつけようがない。
あまりにもジャンルが違い、時代も違うので賛同してくれる人はいないかもしれないが、山本周五郎の良質の短編を読んだ後のような気落ちを味わえる貴重な作品集である。
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No.7:
(5pt)

初めての桜木紫乃

「かたちないもの」「海鳥の行方」「起終点駅」「スクラップ・ロード」
「たたかいにやぶれて咲けよ」「潮風の家」と6篇が収められている
桜木綾乃「起終点駅」を2〜3日かけて読みました。家事の合間合間に。
タイトルの「起終点駅」より「たたかいにやぶれて咲けよ」が
一番おもしろかったです。これぞ小説というか暗示している事柄が最後に
わかるというかそこへ行くまでのあれこれが緻密な計算の元に組み立てられて
いるようでナルホドなぁと感心させらました。
ただ本の帯にあるような「圧倒的な人間ドラマ!」とか
「苦しんでも、ないても、立ち止まっても、生きて行きさえすれば、
きっといいことがある。」とかこういうのって余計な気がします。
おおきなお世話ってかんじだし。売らんがための手段が見えみえで
こんなこと書かなくなっていいものはいい。今の世の中そうじゃあダメ
ってことかしら。全編を漂っているのは孤独感。その孤独っぽさが
好き。サラサラ読めるし。いい小説でした。
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No.6:
(5pt)

ビターで乾いた「生きる」ことへの想いを研ぎ澄まされた表現で語る良作

桜木 紫乃を手にするのは『ワン・モア』『ラブレス』に続き3冊目。

本書は、6編からなる短編小説集だが『ワン・モア』と違い、(2編は同じ女性新聞記者を主人公に据えてはいるが)連作の形は取っていない。
但し、物語の背景や経緯は当然にして各々違うものの『行き詰った』人生を抱えている男をあるいは女を描いている点は(『ワン・モア』『ラブレス』を含め)共通している。

まず、特筆すべきは、その研ぎ澄まされた表現だ。物語のツボとなる部分は、もちろん何気なく読み飛ばしてしまいそうな心理描写や風景描写にも作者の表現への強い拘りと
鋭い感性を感じさせる。
例えば第1編の『かたちにないもの』では、“化粧がうまくなったぶん、内側にある表情が読み取れなくなっている。”
“竹原は函館で自分を生き直す代わりに、東京で笹野真理子という人間を生んだ。”etc.etc.

テーマである『行き詰った』人生を抱えている男をあるいは女に対する作者の視線は、基本的には硬質でビターだ。行き詰った人生を「生きる」ことに
何程の意味があるのか?と、裏返しに「死」はさほどのものかと…。
しかしながら、冷めた視線を硬質でシャープな文章表現で重ねたその先に、“それでも『生きていく』”という作者の強い想いが押し寄せてくる。

作風は違うものの『晴天の迷いクジラ』の窪美澄と共に、閉塞感あふれる“今”を“生きる”ことの意味を問う“桜木 紫乃”今後も期待して読んでいきたい。
起終点駅(ターミナル) (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:起終点駅(ターミナル) (小学館文庫)より
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No.5:
(4pt)

どん底で生きる男と女が求め合う究極の安らぎとはなんであるのか?

桜木紫乃の『ラブレス』 『凍原』。私のようなまもなく70歳になろうかという年代にも共鳴できる作品だったので、最新作を読んでみたいと、ネット本屋で注文したところ、これは6つの短編集であった。本は読むものの短編はあまり読まない性質なのでちょっと気落ちした。だから第一話の「かたちないもの」を読んだ限りでは、仮想の恋愛ごっこで無理矢理「粋な別れ」を演出したような味気なさが第一印象だった。

ただ、ボチボチと暇に任せて読んでいる途中で、特別手配されていた女が17年の逃亡生活の挙句に逮捕されたという報道があった。逮捕されホッとしたという心境には17年間の地獄がうかがえた。何人かの男と同棲し、最後の男にはプロポーズされたものの、断るために自分の正体を打ち明けたという。それでも同棲を続けていた男と女である。これは現実であって仮想の恋愛ゲームではない。
わたしには不可解でしかないのだが、極限にある男女の求心と遠心の微妙な揺れを描いているこの短編集の気配は思いのほか実際にもありうる状況なのかもしれない。
そう思い始めたら、所詮他人事に過ぎないのだが、いつのまにかのめりこむように読んでいた。

6つの物語にはいくつかの共通点がある。
まず、この社会からドロップアウトしたものたちであり、それぞれの孤独がある。ドロップアウトには「かたちのないもの」や「たたかいにやぶれて咲けよ」のように本人の強い意志で孤立する孤高もあるが、「海鳥のゆくえ」は人殺し、「起終点駅」は家族を捨てた駆け落ち、「スクラップロード」は事業の破綻、「潮風の家」は殺人者を出した家族と、社会から咎められて追放されたことに始まる転落である。男も女も再生しようとする気持ちは失い、ただ沈潜という安らぎに生きようとしている。その孤独の慰めになる相手を、こころのどこかで求め、男と女の同棲が始まる(起点)のであるが、それぞれが結局は究極の孤独に生きようと別れを決意し、やせ我慢の人生を選択する(終点)。その先に自殺、病死、飢え死、事故死と様々な終末があるが、あえてここに腹をくくっている群像である。
読んでいてやりきれなさを感じる以前に「勝手にしろ」といいたくなるのだが………。全編を読み通すと、そうはならずにじわりと哀しさがにじみでるところが桜木紫乃の手腕である。

飾り帯に
苦しんでも、泣いても、立ち止まっても、生きていさえすれば、きっといいことがある。
とある。………しかし
「だからなんとしても生きよ」との前向きのメッセージがあるようにはとうてい思えない。仮に誰かが登場人物たちにこの言葉をかけてあげたとしても、シカトされ「慰めなんていらないよ」と乾ききった捨てゼリフがかえってくることだろう。
ただ、登場人物からは「これからは他人に迷惑をかけない生き方をしたい」という節度、それは矜持といってもいいのだが、うっすらと立ち上っているのが見えてくる。これがミソである。他人とは世の中一般のこともあり、残っている家族のこともあり、恋人のこともある。「だから余計な口出しをしないで欲しい。器用に生きようとすればどこかで他人を傷つけることになるのだから」と彼ら彼女等の内心をわたしはこう推察している。だから並の人より純であるかのようにも思え、その人生には哀しさがあるのだ。

もうひとつ哀切の思いを抱かせる共通点がみえる。主人公たちは究極の孤独死に向き合いながら、いずれもが、「私が生きていたことを誰かに知っておいてもらいたい」と、ささやかではあるがこの世へ名残を惜しむ心境であの世へ旅立つところがやるせない。
「たたかいにやぶれて咲けよ」の老婦人は極端にその思いが強い人であった。「かたちのないもの」の男も明らかだ。一方「海鳥のゆくえ」ではその思いが本人にはまったくないように見せつつ、残された元妻に投影されている描写も捨てがたい。

わたしは世捨て人のつもりはないが、老境に入ったせいか、死への向き合い方には感じるところがある。

我が庵は 都の辰巳 しかぞすむ
世をうぢ山と 人はいふなり

………おっと、これは生臭すぎて、ちがうか。

著者の語りには魅力的な細工がある。ハードボイルドタッチである。主人公の内面が投影する事物の客観的描写は詳細である。風景の寒々しさは実にリアルである。そして淡々と描かれる主人公の行動描写から複雑なその人の感情や情緒を読み取る。
しかし主人公の内面の核心は語られていないのだ。たとえば第一話「かたちのないもの」の男であるが、企業戦士として有能と自他共に認める人物がどうして恋人を捨て会社を捨て北海道へ引きこもるのかはわたしには理解できない。雰囲気だけで真相は伏せられている………のだと思う。このように謎のままに放置してあるところがこの語りの魅力であり、読者はそれぞれの視点で解釈することになるだろう。

各作品はある雑誌に「無縁」として連作されたものらしい。無縁とは中世においては「身寄りのない貧しさ」を意味する語として広く使われていた。そののち「親子・主従等の関係を積極的に切った自由な境地」を表す語となったこともある。各篇にあるそのニュアンスを読み取るのも面白い。

色彩のないザラットした基調の風景には見つめるものの哀調が潜んでいる。桜木紫乃の作風がギュッと詰まった傑作であった。
起終点駅(ターミナル) (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:起終点駅(ターミナル) (小学館文庫)より
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No.4:
(5pt)

どれをとってもNHKのいい1時間ドラマのお手本になる。

5点は甘いと思うけど、1点つけてる人がいるので悔しくて加点します。これ読んで1点はねえだろ。
非常に端正で質の高い短編集だと思います。
どれをとっても1時間のNHKのいいドラマの見本になる。浅田次郎読んでびいびい泣いてる人がこの世の中にあんだけいるのだから、この作者の作品はもっと評価されていい。恋肌を読んだときは甘いな、と思いましたが、それよりずいぶん完成されてます。ただし、表題作より新人新聞記者を主人公に据えた2編のほうが奥行きがある。
逆にスクラップロードや、かたちないものは他に比べるとやや薄い。私ならこの本の表題は「たたかいにやぶれて咲けよ」をとる。起終点駅としたことで、甘くなってしまった。
映画化を視野に入れてる?
 最終話、潮風の家も、出自に翻弄される女性を描いてラブレスを思い出させてほろりとする。
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No.3:
(4pt)

北海道への美しい郷愁

仮初めの成り上がりではなく、若い頃からの同人雑誌参加から始めた作者。作品、短編6編の舞台は、全て北海道である。文学王国、北海道で生まれ育った
作者が、揉まれ、培った努力と才能により、この『ターミナル』は、作者自身の到達点であり、完成品であると思われる。
 
 彼女は、北海道が育てた才能により、道外の読む者たちに対して、北海道への強い憧れを抱かせる。

 これから北海道を旅する人たちにとって、お勧めの一冊としたい。
起終点駅(ターミナル) (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:起終点駅(ターミナル) (小学館文庫)より
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No.2:
(2pt)

ものすごく感動的かと思いきや

どのお話も、苦しい思いをしたけどそれを暖かく受け止めながら
静かに元気で前向きで生きていこうよ、というまとめ的なものを
感じてしまう。

それぞれの話が、だれか身近な存在が亡くなっていて、
こういう不幸もあるんだよ、というサンプルを見せられているような
気がしてならない。

表現や、それぞれの話が軽いわけではなく、
雑誌の中で、月に一度くらいのペースでこのお話を一遍ずつよんだとしたら
何か残るのだろう。

まとめて読むと、なんだか静かにゆるゆると気持ちが沈んでいってしまいそう。
起終点駅(ターミナル) (小学館文庫)Amazon書評・レビュー:起終点駅(ターミナル) (小学館文庫)より
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No.1:
(1pt)

期待はずれ

創造していた、起点と終点ではなく・・・なんだか軽かったです。
もっと身近な感じで親しみのある物語だとよかったと思います。
生きていく勇気とかわくやつだった良かったです・・・落ち込んでいたからかな?なんか空振り本でした。
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