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(短編集)
起終点駅(ターミナル)
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起終点駅(ターミナル)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.82pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全56件 1~20 1/3ページ
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映画『起終点駅ターミナル』(2015年制作)を観て桜木氏に憑りつかれた私は、本を漁りはじめているのだが、映画の原作となったこの本は、桜木作品にしては少し趣向が違うと感じた。その理由は、社会の底辺にいて、問題は自分に学歴がないからだと諦観して、階梯思考を捨て、それでも自棄に陥らず、世間に伍して行く姿を丁寧に描いてゆくというのが、桜木文学の最大魅力と考えて来たからである。 本書は違う。この短編集に登場する主人公的な人物は、最後の一篇を除いて、エリート会社員であり、神父であり、新聞記者であり、弁護士であり、北大出の失業者であり、皆が一流大学を出ている。彼らの相方として先に述べたような人々も登場するが、なにしろ語り手が大学卒なので、相方との間に距離が生じてしまう。 大学出を眼の仇にするわけではないが、現在四年制大学への進学率が50%を超え、当然作家もその中におり、と言うことは、多くの作家の家庭は「中流」で、作家デビューする前は、執筆に時間を割ける比較的余裕のある優良企業に就職できたり、或いは親の金を当てにしたり出来る身分なので、通常それより下の階層が見えない。登場人物も必然的に大学卒となる。 勿論大卒者でも、「こんなはずではなかった」と儘ならぬ人生を悔やむ輩らはいる。だが彼らには学生時代の(あてにできる)多少の友人もいるし(いないのは大勢の学生がいるキャンパスで人付き合いの機会を意識的に避けてきた彼らが悪い)、物おじしない学歴もあるし、それに弁もたつ(立たないのは学業に励まなかった彼らが悪い)。 勿論、小説が描く、一度はこういった挫折を味わった大卒者からも大成する人物は出る。そうでなくとも非大卒者には与えられていない転運の機会は多い。 桜木氏は、そんなことはない、私の描く人物を見てもっと良く観て欲しい。とおっしゃるだろう。小説は階層を書くものではなく個人を書くものだと。当然そんな指摘は気にも留めないだろう。あえて領域を少し拡げたかったのかもしれない。だが、世の中には、依然として、半分近くの非大卒の老若男女が、余り日の当たらぬ場所で、自暴自棄にもならずに、「必死で流されて」いるのだ。目移りはしない方が良い | ||||
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満足 | ||||
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表題作の映画をBSで見て本書を購入、作者の作品は初読だったが期待を裏切らない秀逸な作品だった、特に表題作は過去、現在を巧みに描かれており物語にひきこまれた、ただラストシーンは映画では5歳で別れた息子の結婚式に出席するけど原作では欠席と重要な局面だけに意外だった。 | ||||
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知人に頼まれたので読んでないです | ||||
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短編集です。表題作ともう一作読みましたが登場人物がなぜそういう損な行動をするのか 説明はなく、疑問しか感じませんでした。読み取れ。ということなんではないかと思いますが そうだとしてもわからなすぎました。 表題作についていえば司法試験に受かるような彼氏となぜ別れるのか?その彼と再会して復縁を求められたのになぜ自殺するのか。その彼自身も好きな女性が死んだからって、なんで自分を不利益な状況に置くのか。さっぱりです。 | ||||
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バリューブックスは丁寧にお礼のチラシやカレンダーまで入っており、うれしい限りです。 | ||||
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やや少女めいた表紙ですが、私はそれに惹かれて書いました。若い世代が上の世代の過去に触れながら、あるいは、上の世代が若い子を見ながら、、、日常を過ごしている。ドラマチックな内容ですが、あながち現実離れしてるとも言えない気がしました。若い時の過ち、若い故の激しい衝動。そんな過去を持ちながら今も生きている人々の姿に魅力を感じました。いろんな世代の方におすすめの本だと思います。 | ||||
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華やかさとは縁のない土地に独りで暮らす男は、弁護士である。もう高齢にさしかかっている。国選しか引き受けない。人間との深い関係を絶っているともみえるが、つつましいながら生活は乱れていない。むしろ食べ物にも、身の回りのものにこだわった暮らし振りである。桜木さんの作品にはこうした過去を背負った男と女が出てくる。舞台も同じ「釧路」。読むたびにこの地に行ってみたくなる。この弁護士のように、自分にもなにか再生のきっかけが見つかるのではないかと思わせてくれる明るさがこの作品にはある。 | ||||
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北海道が、自分の住む町がいかに悪いか、それをよく物語ってくれている、そうも感じます。どれだけ酷いか、それは犯罪小説で架空な顔をするより、こんな桜木さんの手法の方がずっと「そうだ」と思えるものがある。町への仕返しの気持ちがあるとするなら、その気持ちは痛い程分かる。 ただ、それが分かる人にとってはこの本は半分も読む頃には鬱々として来て、いたたまれなくなると思う。私はそうです。折角買った物の半分でもう辞めてしまう私だから3つ星です。でもこの手法には5つ星を着けたいですが。 日本なんてどこがいい?という例を真っ向挙げて行くのは勇気がいる。しかしそれは必要な行為だし、何も言えなくなってしまう方が不健全に近くなりそうだし。悪い町自慢は幾らでも出て来そうです。 北海道に嫁に来た白人女性を知っていますが、あちこちの国にも行った私を理解者だと思えた様で、彼女はぼそっと「家が汚なくない?」と聞いて来た。旦那さんの実家が酷いらしい。そこで私が返した言葉は「世界のあちこちにも行ってみて、これは汚ないなと思えるベスト3はみんな北海道の中で」でした。道内10地区程で働いた私の経験です。 又は私の知人ですが結婚式の披露宴が終わって、新郎はその後すぐに男友達みんなでソープランドに行きました。又、女系家族になった知人宅のトイレを借りると、トイレ隅の三角コーナーには使用済みの生理帯が入り切らずに山になり溢れて床に幾つも転がっている。北海道いちのコンビニの弁当のお惣菜を作る工場で働いていた私は、友人の母から「それは男の仕事か?」と揶揄される。そんな体験はすぐ出来ます。JRが杜撰なニュースばかりなのも納得出来るし。 では今、私が住む中部最大の町はどうか。買い物をしてこの町ほど店員が「ありがとう」を言わない町も知らない位だし、個人医院は診療時間の2分前にならないとシャッターを開けない。熱でうなされていようが、膝が痛んで立ってもいられなかろうが、患者は雨でも風でも寒さの中でも入れて貰えず医院の前に開業まで立って並ぶ。見たことがない光景です。権威大好きの裏返し。 若者は自転車に乗りながらコンビニのおにぎりを食べ、包みのフィルムはそのまま路上に捨てて行くのは普通の光景。収集ゴミも20mも離れた所にみんなで集めるなんてご免だから名々の家の前の道に置く。つまり完全自分目線でいいらしい。公共心はない。前から歩いて来た同士、どちらかが避けないとぶつかるが、避けないからぶつかる。聞けば教育に掛ける費用が全国47位らしい。塾に通わせればいいのではないが雑な理由も分かりそう。 そう、日本ってこんなですよ。その中に1割くらい素晴らしい本屋の奥さんとか、これほど丁寧な医師もいないという人に出会う。私はその二人がいるからこの町にまだいるのだけれど。どこもそんなではないだろうか。この本の日本人にも同じ匂いを嗅げています。 タイで、ギャング同士の抗争での殺人死体が堂々と翌朝の新聞に写真入りで載るのを思い出します。醜悪な部分をちゃんと見せてこそ「こうならない為には」という教育になるという。桜木さんの本書もそんな効果があればと思います。この本のタイトルは私には、もう行き着いているとか終わってるという暗喩にも見えて来ています。新しく出発出来るかは私達次第で。 桜木さんの小説は、その芳しくない地域社会で何とか凌いで生きている人を描いて共感するものかも知れない。なんとかヒューマニティを保っている人の姿や奮闘は、やっぱりいいものですね。 | ||||
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この著者の作品は他のものも読んだが、こちらの方が繊細で情緒的である。半面性的描写や官能的な面は薄らいでいるのだが。個人的にはこちらの方が好きだ。特に起終着点が良かった。映画では佐藤浩市が演じたそうだが、呼んだイメージからするともっと年取った俳優の方が良いと思う。私は北海道在住だがこの作者が描く道東は縁がないが自然描写の北海道的なものは感じ取ることはできる。良い作品だった。 | ||||
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雑誌に「無縁」という題名で1~6話まで連載された短編集を収録した作品です。いずれも孤立と死がテーマの中心にあるようです。「潮風の家」「起終点駅」「海鳥の行方」の三作が結末の曖昧さもなく、読ませる作品群であると個人的には感じました。 「起終点駅」に関しては、最後の展開が映画では、ハッピーエンド模様というかほのぼのとした雰囲気で終えていますが、それは映画という性格上仕方の無いことでしょう。しかし、原作の方が確かに「文学」になっていると思われます。(それにしても、確かに本田翼さんは敦子の役には合っていませんでした。どうして選んだのか?) 他の3話に関しても、少々最後の展開に曖昧さを感じはしますが、なんにしても、この著者の文章力はいずれも大したもので、純文学の域に達していると言ってよいと思われます。短編を書かせたら、今一番の力量を備えた作家でしょう。兎も角、読ませます。 | ||||
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映画を見て原作を読んでみたくなりkindleで購入しました。短編集なので、タイトル作も短い時間で読めます。キャラクターの設定やストーリーの脚色など原作から脚本への変化がわかり易いので日本映画が好きな人は一読してみる事をお勧めします。最も映画と原作で違っている部分はエンディング部分ですが、好みが分かれる部分ですね。 | ||||
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表題の「起終点駅」は、佐藤浩市主演の映画の方が 登場人物が多く、主人公にも脇役にも温かみを感じたのですが、小説の方はひたすら暗い ラストもセリフも映画の方が良かったのはそうそう無いです | ||||
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桜木紫乃さんが描く北海道独特の雰囲気に加えて、登場する人物の孤独とその先にある光を描いた短編で大変よかったです。 | ||||
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この小説の内容については、すでに多くの方のレビューにあるように―――多少、生意気ですが―――それなりに描き込まれていると思います。作者の心情みたいなものが読者にも伝わってきます。★: 4くらいでしょう。 ただ、小学館の担当編集者の能力については疑義を挿まざるを得ません。 当該小説のみならず、桜木さんのこれまでの作品を読んでいれば彼女の小説家として有している精神性はすぐに理解できるはずであり 《こんなヘンテコな少女雑誌の表紙》 のような絵にはならないはずです。 To managing editor: You are fired, don't come and touch her again!! | ||||
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北海道を舞台にした、脛に傷をもつ登場人物たちの短編集。 この作家の十八番ともいえる設定で、多少飽きるが、それでも、一つ一つの作品はドラマチックで、文章も美しい。 「たたかいにやぶれて咲けよ」が気になった。 ラブレスで、味わい深い詩を披露したこの作家は、この短編で、これまた、人生の酸いも甘いも知り尽くしたような短歌を。 小技が光るだけではなく、どの短編も味わい深い内容で、期待通りの作品。 | ||||
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映画を観て感動し、原作を購入しました。これから読み始めますが、作品の出来栄えを比較、批評したい。 ずっと大事にビデオと原作本を持っておきたいと思えるような作品であれば良いと思います。 | ||||
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短編が並んでいるが、「海鳥の行方」が良かった。 学生時代から付き合っている圭吾と里和は就職をきっかけに別れることになる。 新聞記者となった里和も裁判所勤務となった圭吾も就職先でとてつもなく苦労をするが、圭吾の方がうつ病と診断されそのことにどこか安堵する。 里和は新聞記者として防波堤で得体の知れない男と出会い妙な親近感を抱く。 貧しさからくる、生活の乱れや如何にもならない周辺事情、行き場のない暴力感情がありありと描かれている。 と、同時にど直球のセクハラに心が乱れる。 2017.7.25 読了43冊目 | ||||
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映画化された原作ですが、短編集です。タイトルになった章は良かったんですが、この短編をどう映画化したか気になりました。『海鳥の行方』と『起終点駅』と『スクラップ・ロード』は良かった。独特な世界観は良いですよね。 | ||||
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映画の「起終点駅」を見てから、本書を読んだが、映画の展開と本の展開の違いに驚いた。 映画にするには、沈鬱すぎるから、シナリオを変えたのだろう。どちらがいいとは、言えないかな。 他の短編も北海道の地方の属性とからみあって、ずしりと響いてくる。この作者は短編のほうがいい。 | ||||
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