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(短編集)
起終点駅(ターミナル)
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起終点駅(ターミナル)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.82pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全56件 21~40 2/3ページ
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が他編を圧し、輝き放っていると感じた。 里和は圭吾の脆さを反面教師とし、上司のいびりを受けても、したたかに取材にのぞむ。 はじめ釣り人・石崎を記者の目で捉えるが、やがて私情がまじってくる。 石崎の妻に会いに行くと、また記者としてふるまう。 こうしてヒロインの取材対象へ向ける目線の変化をドライな文体で述べてゆく。 記者の肩書をいったん捨て、個人として始末をつけるラストはみごとというほかない。 また、圭吾と石崎の脆さ、里和と石崎の妻のしたたかさを二組の対照として描きわけ、 幾何的にも他編より美しいと思った。 | ||||
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つまらないという読者もいると思います。桜木紫乃の作品の魅力が多々詰まっている作品でした。特に最後の潮風の家は、映画の原作になった起終点駅とともに、行き場のない寂しさを感じさせる話でとても良かったと思います。こんな後味の悪い作品、逆にどこ探してもありませんよね。それこそが桜木紫乃なんだと思います。 | ||||
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すぐに届きました。 映画を見て、もっと知りたいと思って注文したのですが、何と映画の方が内容に深みがありました。脚本が良かったのだと思います。 | ||||
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昨年、表題の作品が映画化された時に映画と小説両方見ました。 映画を観た後に小説を読んだのですが、最後以外、ほぼ変わらず同じ世界観のままでした。 小説は罪を抱えた男が1人で生きていくこと貫く事を描いて終わっていますが、 映画では全く逆の終わり方でした。 かといって、小説の世界を壊している訳でもなく、最高の終わり方だったのを覚えています。 両方とも素敵な作品でした。 | ||||
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映画を見てから、本を読みました。映画を見られた方は、それで十分だと思います。 | ||||
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切ないけど暖かい心の交流が、人生を織りなす綾として、描かれている。日常に飽きた人にお勧めします。 | ||||
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なぜ本作ではなく「ホテルローヤル」が直木賞なのか、読了後 よくわかった。 哀しい乾いたテイストは変わらないが、ホテルローヤルのような 没入感は最後まで味わえなかった。 特に苦手だったのが、最初の一編「かたちないもの」 とにかく、あまりにもフワッとし過ぎ。 淡い色合いの紗が掛かった世界観に馴染めず、最初の一編で 放り投げようかと思ったほど。 その後多少の挽回があったので読み切ったが、全体を通じ やはりお勧めとは言えない。 ここまで言うのは失礼かもしれないが、数年後、内容をほぼ 覚えていないと思う。 | ||||
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全部で6編収録。最初「かたちないもの」の主人公、笹野真理子以外全員が、著者も在住する北海道に住む人物を主人公に据えている。 そこに描かれるのは、キラキラした観光地の生活、なんかではなく。一歩都市部を離れれば、時代に取り残され、冷たい大地の中で、ゆっくりと滅んで行く町の姿だ。 登場人物もみんな、やるせない人生を抱えている。 真面目で前のめりな分、融通が利かず、ギリギリで踏ん張っているような新米新聞記者の山岸里和。 地元のホープだったのに、大手銀行を退職せざるを得なかった飯島久彦。 そして映画版で佐藤浩一が演じたのは、女のせいで人生を持ち崩した弁護士、鷲田完治だった。 作者は彼らの人生を、決して情を含まない様な、冷めた目線で炙り出してゆく。 いくら頑張っても報われない、世の無情を感じるストーリーがその分、読めば読む程、染みてくるのだ。 吉原で必死に働き、故郷に家を建てた老婆は、一生地元で心ない陰口に曝されて過ごすしかない。 作者から染み出したような、圧倒的な哀愁に呑まれそうになりながら、夢中で読みました。直木賞作家の底力を感じた作品。 | ||||
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つまらない 本筋に関係ない無駄な情報が点綴されているうえに、ダラダラ書いてあるだけで物語に起伏が全く無い。 登場人物にもシナリオにも特徴が全然無いので読後になにも残らない。 | ||||
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起終点駅 ターミナルの映画を視てからの原本を読むことになった。 この本には、六編の短編小説すべてが北海道を舞台としている。 瀬戸内に住む自分は北海道を決して陰鬱な地とイメージしない。 陰鬱なイメージを持つ地は、冬の日本海沿線だ。 薄幸な無縁社会がこの六編全ての共通のテーマだ。 侘しい、本当に侘しい殺伐とした作品の数々。 私はそんなに小説を読む方ではないが、直木賞受賞作家の表現力、構成力には脱帽したい。 | ||||
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どの短編もずっしりと、読後残る何かがあります。 ただ、表題作は期待したほどではなかった。 | ||||
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映画「起終点駅 ターミナル」を観て,感激したので,原作を読んでみた。タイトル名と同じ短編を含む6編の短編集であり,いずれも北海道が舞台になっているが,共通しているテーマは,「女性の逞しさと,男性のナイーブさ(=幼稚さ)」という辺りだろうか。 天塩町が舞台の「潮風の家」で,30年ぶりに故郷に帰ってきた千鶴子に語るたみ子の言葉が,胸に染みた。「売れるもん売ってなぁにが悪い。ワシもお前のおっ母さんも,みんな同じだ。泥棒してきたわけでもねぇ。あるもん売ったんだべよ。金でなくたって,なんかもらったら同じだ。そんなことしたことねぇ女がどこの世界にいるってよ,千鶴子。体は壊さなけりゃ好きに使えや」 元判事で,現在は釧路で弁護士をしている完治を主人公にした「起終点駅 ターミナル」は,映画で見たときは,完治を愛している冴子がなぜ頑なに身を引こうとするのか,今一つ理解できなかった。これは,小説を読んでも必ずしもすっきりはしないのであるが,6編全体を読んでみると,それほど違和感を感じなくなった。 ラストシーンも,おそらく映画版より小説版の方がすっきりいい感じに仕上がっていたように思う。 | ||||
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いずれも話も「死」がテーマとなっています。近親者の死、かつての恋人の死、取材対象の死など。 その「死」をきっかけに、その亡くなった人間に近しい様々な人間の生き様が浮かびあがる仕掛けなっています。 それは、死んだ者からの近親者に突き付けられた無言の遺言のようなものです。 死をきっかけに自分の人生が大きく狂ってしまった人物の再生、死者の過去の言動からわ読み解くことで、いまを生きる自分の人生を変えようとする人間、また多くの謎を残して逝った人物から送られる将来へのメッセージなどが6つの短編で表されます。 いずれも最終的に残された人間が自分を大きく変えようという肯定的な方向に終わっているのが救いです。 好きな話としては最終話「潮風(かぜ)の家」。人間が映像として浮かびます。 また、道東新聞に入社した新人記者・山岸里和が登場する2つの話。彼女の登場する一連の話は今後も続きが読みたいと思わせるものを持っています。 どなたか?彼女の登場する他の話があったら教えて下さい。 映画化された「起終点駅(ターミナル)」ですが、観ていないのに生意気ですが、本田翼さん(好きです)のイメージと 登場人物の椎名敦子は合わない気がします。 | ||||
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映画を見る前に原作を読むために購入しました。 原作により、設定や登場人物の心情をある程度頭に入れたことで、 映画を数倍楽しめたと思います。 これから映画を見るという方にお勧めします。 | ||||
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映画化された表題作については、正直、最悪でした。 今まで読んだどんな小説よりも内容がなかったです。 主人公が勝手に自責の念に悩んでいるようにしか思えなかったです。 どうしてこんな小説が映画化されるのか、さっぱり分かりません。 何の希望もない「終点駅」というタイトルなら納得の内容ですが、 起点になる要素は全くないと感じました。 | ||||
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桜木紫乃は2013年、「ホテルローヤル」で直木賞を取ったが、それ以上の情報は私にはなく、読もうと思ったのは直木賞という魔力がそうさせたに他ならない。同じ2013年に「月下上海」で松本清張賞を取った山口恵以子が、いつぞやテレビで直木賞取りに執念を燃やしていると語っていて、その理由は読者の拡がりが格段に違うからと述べていたのを思い出すと、この私も実際、桜木紫乃の作品を読もうとしているのだから、改めて直木賞とは凄いものだなと思う。 さて本書は6作品所収の短編集で、特に寂寥感が通奏低音となっている。 「かたちのないもの」 万引社員の点描はその後の展開がなかった分、蛇足の感がする。 「海鳥の行方」 記者魂への葛藤が丁寧に描かれ、成程、これが桜木紫乃なのかと思わせる。 「起終点駅」 全体の流れ、寂寥感のトーン。話も自然ながら、極めて秀逸。 「スクラップ・ロード」 タイトルの似ている芥川受賞作「スクラップ・アンド・ビルド」より、断然こっち。 「たたかいやぶれて咲けよ」 「海鳥の行方」に続いての里和さん登場。歌人と小説家。読ませる。 「潮風の家」 何と言ってもタッコちゃん。「年寄りが年寄りと一緒に折り紙折って、なぁに楽しいってよ」には苦笑した。この作品が一番印象深い。 総じて小品ながら珠玉の名編である。だからよけいに「かたちのないもの」 での万引社員の点描が気になった。点が線になって新たな展開があると思ったのだ。もう一度読んだが、蛇足感は消えなかった。 | ||||
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「ラブレス」「ホテルローヤル」へと続いていく力作。全6編の短編集。 北海道は、観光に行ったり食べ物を楽しみに旅行したりするには素晴らしい土地だが、やはり住むには厳しい場所だと感じる。 十数年ぶりに実家に帰った時、家屋が朽ち果てて雑草が生い茂っていたらどんな気分だろう。それを見て涙一つこぼさない生き方を寒々しく描き切った。 | ||||
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いずれも良作で、さすが桜木先生。私も北海道出身なので、どんより重いのにぐぅんと包まれるような空や、寒く乾いてて突き抜けた空の風景が目の前に広がる感じが好きです。とにかく文章が上手で話の構成というか、持っていきかたも素直についていけて読んでいて気持ちいいです。 ワンモア、誰もいない夜に・・・も読みましたが、それぞれ好きなところが微妙に違います。こちらはさらさら感が強いです。 本作ではいつもどおり、北海道のいろいろな町を舞台にしているのですが、特に浜の話が多く出て、登場人物がえらいなまっていて、会話文を読んでいる自分が心の中でしっかり北海道弁で「なんも、いいっしょー」とかなぞっている。内地の人はどう読んでるのかな? 最初の話「かたちないもの」はいまひとつぴんとこなかったけど、最後の「潮風の家」はじーんときました。おばちゃんの人生の深い孤独とすりあって生きてるさま。演歌というか、シャンソンというか、ファドというか。「海鳥の行方」の中でオスのアキアジは針にかかってもがくも海面近くなるとあっさりぐったりあきらめるけど、メスは全然あきらめないからすごいという話が出てきます。桜木さんのお話の女性はいつもそんな感じだなと思いました。 | ||||
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大好きな北海道を舞台にした、孤独に生きる人々を描くのが上手な作家の短編集。各編の主人公たちは、孤独に生きることを選択し、あるいは生きることになってしまった人たちであり、心の奥底に生き辛さを抱いている人たち。他人とのかかわりの中で、行き場のない道の先に光が見えたりする。人は、人とかかわることで生きていけるのだとあらためて作者が問うているような気がします。短編集のタイトルになっている小編は、映画になるようですが、この作品がもっとも道の先の光を感じるものだと思います。 | ||||
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私自身も道東出身の為、頭の中に場所のイメージが湧きながら読むことができました。 | ||||
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