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(短編集)
半席
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半席の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.09pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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出来事そのものには疑いはない。しかし、原因が分からない。当事者が口をつぐんで語ろうとしない、殺傷事件の思いがけない理由。 ホワイダニットモノの時代ミステリのスタイルでスタートする連作ですが、ミステリ色はだんだん薄れていって、代わって色濃く描かれるのは身分と慣習がものをいう江戸の侍社会に生きる、末端武士たちの哀しい生きざまであります。 いずれの事件も明確な悪意があったわけではなく、些細な行き違いや、他人にとっては何でもなくても当人には絶対許せない「禁句」によって一線を越えてしまったための衝動的な行為なのが傷ましい。まことに「人臭い」本格武家小説の看板に偽りなし。ただ物語の構成そのものはいたってシンプルなので、ミステリを期待の読者には拍子抜けかも。 個々の事件の人間模様が印象深い一方で主人公の片岡直人はじめ、真相を探る徒目付たちの描写が薄いといおうか軽いといおうか。結末もシリーズ化に色気を出した予定調和的なもので何だか脱力。 それともともとは雑誌掲載の短編をまとめたものなので仕方がないといえば仕方がないのですが、毎回、直人たちの設定など、同じ説明が長々と繰り返されるのはどうなのでしょう。単行本にまとめる際に削ってしまってもよろしかったのでは。 第五話「見抜く者」が、事件が起こってから結末まで10ページのスピード解決でびっくり。 | ||||
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