■スポンサードリンク
(短編集)
絞首人の一ダース
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
絞首人の一ダースの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点5.00pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
アメリカのハードボイルド作家で日本には40年振りの紹介となる著者の代表的短編集です。タイトルに一ダースとあって13編収録されているのは、わざと欧米で不吉とされる数字に意味づけているのでは?と思わせる程、全体的に暗く陰鬱なトーンの物語が並んでいます。ですから最初に、本書を読み通すには相当の覚悟がいると申し上げておきます。作中人物たちに憐憫の情を感じても、読後にカタルシスを感じられるかは保証の限りではありません。私の選んだベスト4を順位は無しで紹介致します。 『タルタヴァルに行った男』:バイト少年が出会った酒場で‘いつも泣いている男’の謎を後年成長して理解する話で、ある史実に基づく哀感に満ちた一篇です。『優しい修道士』:妹と暮らし麻薬を与えて自殺に追いやったギャングに、兄である修道士が道を捨てて復讐する話で、凄絶な結末に涙を誘います。『悪の顔』:女性連続殺人犯‘屠殺人’を追う刑事が唯一の目撃者を病院に訪ねるが、彼は心臓病で瀕死の状態だった。彼は妻の殺害現場である自分の家で、ある筈のない窓に‘悪の顔’を見たと言うのだが・・・・。『愛に不可能はない』:雪山で遭難してしまった夫婦とガイドの3人の運命は・・・・。心して最後の一行をお読み下さい。 著者は人間のもつ最悪の部分を包み隠さずストレートに描いており、静かに見守っていて肯定否定の判断を下していません。本書を読んで人間不信に陥られる方もおられるかも知れませんが、人間の本性に対する著者の頑ななまでの信念に感動も覚えさせられるでしょう。本書に描かれた世界は厳しすぎますが、絵空事ではなくリアリティに満ちた真実の物語として、長らく貴方の心に刻み込まれるでしょう。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!