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空飛ぶタイヤ
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空飛ぶタイヤの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.69pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全739件 701~720 36/37ページ
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2006年に刊行された池井戸潤氏の経済小説。 以前からタイトルだけは知っていたのですが、この度WOWOWにてドラマが放送されるということで、先立って読んでみました。 こちらのレビューやその他のサイトでも評価が高いことや、吉川英治文学新人賞と直木賞候補作になったことも知り期待して読み始めたのですが、いやはや、全くもって期待通りの快作でした。 本書のプロットは、トラックが脱輪事故を起こして死傷者を出してしまった運送会社の社長が、無実を証明するために奔走するというものです。 社長はトラック自体の欠陥を疑いメーカーに直訴するのですが、このメーカーのムカつき具合ときたら。どんだけ消費者を馬鹿にしてるんだと思ってしまうような、最低の対応。社長さんはめげずにメーカーに掛け合うものの、読んでいるこちらまで腹が立つ応対ばかりです。まさに罪罰系迷門企業。さらに欠陥を隠そうとするメーカーの陰湿さのみならず、周りから浴びせられる猜疑の目や、被害者の遺族の怒り、辞めていく社員、そして倒産の危機。この後どうなるんだろうとハラハラしっぱなしでした。 ただそんな中でも、社長を信じる家族や社員、救済の手を差し伸べる人々の存在が、なんともほっとさせてくれます。先が見えない状況の中でも支えてくれる人がいるということは、こんなにも暖かくて力になる。そして、社長の努力と苦労が結実し、最後の最後にメーカーの不実が暴露され、勝利を手にした瞬間。圧倒的な爽快感に、本当に、胸が震えます。 経済小説というジャンルは何か敷居が高そうな気がして今まで読んでなかったのですが、私のつまらない先入観を吹き飛ばしてくれるほど、実に良い小説でした。未読の方はぜひ読んでみてください。胸が熱くなること請け合いです。この爽快感を体験してください。 お勧めです。 P.S.本書を読むと、話のモデルになったであろうあの事件がありありと思い出されるのですが、最後に「この物語はフィクションであり、実際の事件等とは関係ありません(編集部)」というような注意書きをしれっと載せているあたり、なんだかなぁと思いました。 | ||||
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2006年に刊行された池井戸潤氏の経済小説。 以前からタイトルだけは知っていたのですが、この度WOWOWにてドラマが放送されるということで、先立って読んでみました。 こちらのレビューやその他のサイトでも評価が高いことや、吉川英治文学新人賞と直木賞候補作になったことも知り期待して読み始めたのですが、いやはや、全くもって期待通りの快作でした。 本書のプロットは、トラックが脱輪事故を起こして死傷者を出してしまった運送会社の社長が、無実を証明するために奔走するというものです。 社長はトラック自体の欠陥を疑いメーカーに直訴するのですが、このメーカーのムカつき具合ときたら。どんだけ消費者を馬鹿にしてるんだと思ってしまうような、最低の対応。社長さんはめげずにメーカーに掛け合うものの、読んでいるこちらまで腹が立つ応対ばかりです。まさに罪罰系迷門企業。さらに欠陥を隠そうとするメーカーの陰湿さのみならず、周りから浴びせられる猜疑の目や、被害者の遺族の怒り、辞めていく社員、そして倒産の危機。この後どうなるんだろうとハラハラしっぱなしでした。 ただそんな中でも、社長を信じる家族や社員、救済の手を差し伸べる人々の存在が、なんともほっとさせてくれます。先が見えない状況の中でも支えてくれる人がいるということは、こんなにも暖かくて力になる。そして、社長の努力と苦労が結実し、最後の最後にメーカーの不実が暴露され、勝利を手にした瞬間。圧倒的な爽快感に、本当に、胸が震えます。 経済小説というジャンルは何か敷居が高そうな気がして今まで読んでなかったのですが、私のつまらない先入観を吹き飛ばしてくれるほど、実に良い小説でした。未読の方はぜひ読んでみてください。胸が熱くなること請け合いです。この爽快感を体験してください。 お勧めです。 P.S. 本書を読むと、話のモデルになったであろうあの事件がありありと思い出されるのですが、最後に「この物語はフィクションであり、実際の事件等とは関係ありません(編集部)」というような注意書きをしれっと載せているあたり、なんだかなぁと思いました。 | ||||
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思いっきり某大手企業のネタを題材にした内容ですが、メインテーマ以外にもモンスターペアレント?的なネタもあり、大いに楽しめました! 赤松社長の苦難に一緒になって悔しい思いをしながらも、後半以降の事件が解決してくにあたっては気持ちいい!の一言です。 社会っていやだな〜と思いつつ、実際の社会でもやっぱり正義が正しいんじゃないかなと思いました。 とにかくいい話です。是非読んでみてください。 | ||||
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思いっきり某大手企業のネタを題材にした内容ですが、メインテーマ以外にもモンスターペアレント?的なネタもあり、大いに楽しめました! 赤松社長の苦難に一緒になって悔しい思いをしながらも、後半以降の事件が解決してくにあたっては気持ちいい!の一言です。 社会っていやだな〜と思いつつ、実際の社会でもやっぱり正義が正しいんじゃないかなと思いました。 とにかくいい話です。 是非読んでみてください。 | ||||
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この本は、例の自動車会社のリコール隠しを題材にしています。メーカーの理屈で、弱者を圧殺しようとする。社内からも批判者がでたり、それも左遷で押しつぶそうとします。その流れが非常に臨場感があって最後まで飽きさせません。今も裁判になっていますが、あのような企業エリートはいなくなって欲しい。 | ||||
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この本は、例の自動車会社のリコール隠しを題材にしています。 メーカーの理屈で、弱者を圧殺しようとする。 社内からも批判者がでたり、それも左遷で押しつぶそうとします。 その流れが非常に臨場感があって最後まで飽きさせません。 今も裁判になっていますが、あのような企業エリートはいなくなって欲しい。 | ||||
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池井戸潤氏の渾身の力作が、Jノベル・コレクションのラインナップに加わりました。 単行本が出版されたときにきっちり購入済みだけど、せっかくなのでJノベル・コレクション版も購入。 こんなことばっかしてっから金が貯まらないのね、と思いつつ。 出版されて久しいし、直木賞候補にもなったし、あの、散々報道された事件に題材を取っているこ とでもあり、内容の概略は割愛中。 池井戸潤氏の小説を読むと、これってエンターテイメントではあるのですが、いっつも考えさせられます。 「社会」って何なんだろうって。 それを専門に考えるはずの学問でも、実はあんまり正面きって問われることのない問い。 ほんまに、「社会」って何だか、難しい。 友人・知人・親族の範囲、自分がこれまで生きてきた履歴の範囲、生産関係のアンサンブル、制度 的に客観的な仕組み、個人に対して外在的で拘束的な規範、主観的に意図された目的が了解で きること・・・etc、どれも的を射ているけれど、どれも「それだけじゃないしなあ」ってなるし。 ゲゼルだのゲマインだの、それからゲノッセンだの、シャフトな定義はいくつかありますけども、どうにも定 義してから、それに立脚して考察を進めるってのに(何故だか)そぐわないんですよね。 「社会」という翻訳語の、そのオリジナル言語での概念にさかのぼっても、それらオリジナル言語の大元 のラテン語だのギリシャ語だのの意味にさかのぼっても、それは私たちの「社会」とは違うのですね。 だって「社会」という語が意味する内容は、その意味が通用する時代なり地域なり文化なりのコミュニ ケーションの範域の従属変数でしかないから(※ 定義にそぐわないとか言った端から、こう述べた途端 に、「社会」について、私がどんな定義を採用しているかもろバレ中)。 でも、池井戸潤氏の小説を読むと、なんとなくその範囲がおぼろげに立ち上がってくるような気がする のです(アンダーソンじゃないけれど、でも小説によって想像の共同体が個人に内面化される機制に 間違いはないけれど、しかしそんな気になる作家は実に稀)。 一例を挙げれば、この物語の当面の主人公とは、結局一面識もないまま物語が閉じられた、ホープ 自動車のメインバンクの融資担当の調査役の人とか。 「神の見えざる手」が作動する水準を、神ならぬ私たちが内面で想像する範域。 これを文字列を通じて読者の脳裏に描いてみせる、池井戸潤氏の(いわゆる経済)小説は、実は 非常にすぐれた「社会」の範型を描いているのではないか、とか。 妄想は広がります。 | ||||
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池井戸潤氏の渾身の力作が、Jノベル・コレクションのラインナップに加わりました。 単行本が出版されたときにきっちり購入済みだけど、せっかくなのでJノベル・コレクション版も購入。 こんなことばっかしてっから金が貯まらないのね、と思いつつ。 出版されて久しいし、直木賞候補にもなったし、あの、散々報道された事件に題材を取っているこ とでもあり、内容の概略は割愛中。 池井戸潤氏の小説を読むと、これってエンターテイメントではあるのですが、いっつも考えさせられます。 「社会」って何なんだろうって。 それを専門に考えるはずの学問でも、実はあんまり正面きって問われることのない問い。 ほんまに、「社会」って何だか、難しい。 友人・知人・親族の範囲、自分がこれまで生きてきた履歴の範囲、生産関係のアンサンブル、制度 的に客観的な仕組み、個人に対して外在的で拘束的な規範、主観的に意図された目的が了解で きること・・・etc、どれも的を射ているけれど、どれも「それだけじゃないしなあ」ってなるし。 ゲゼルだのゲマインだの、それからゲノッセンだの、シャフトな定義はいくつかありますけども、どうにも定 義してから、それに立脚して考察を進めるってのに(何故だか)そぐわないんですよね。 「社会」という翻訳語の、そのオリジナル言語での概念にさかのぼっても、それらオリジナル言語の大元 のラテン語だのギリシャ語だのの意味にさかのぼっても、それは私たちの「社会」とは違うのですね。 だって「社会」という語が意味する内容は、その意味が通用する時代なり地域なり文化なりのコミュニ ケーションの範域の従属変数でしかないから(※ 定義にそぐわないとか言った端から、こう述べた途端 に、「社会」について、私がどんな定義を採用しているかもろバレ中)。 でも、池井戸潤氏の小説を読むと、なんとなくその範囲がおぼろげに立ち上がってくるような気がする のです(アンダーソンじゃないけれど、でも小説によって想像の共同体が個人に内面化される機制に 間違いはないけれど、しかしそんな気になる作家は実に稀)。 一例を挙げれば、この物語の当面の主人公とは、結局一面識もないまま物語が閉じられた、ホープ 自動車のメインバンクの融資担当の調査役の人とか。 「神の見えざる手」が作動する水準を、神ならぬ私たちが内面で想像する範域。 これを文字列を通じて読者の脳裏に描いてみせる、池井戸潤氏の(いわゆる経済)小説は、実は 非常にすぐれた「社会」の範型を描いているのではないか、とか。 妄想は広がります。 | ||||
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リアリティがあっておもしろかった。 実際に事故を起こしてしまった中小企業に対して銀行や取引先がとる態度や、原因を追究しようとする運送会社に対して大手自動車会社がとる態度もリアルだったし、事故を起こした運送会社、大手自動車会社、銀行それぞれの立場から思惑や苦労が表現されていて、1つの事故を様々な角度から検証していくのが見事だった。 また、事件の容疑者扱いされた運送会社社長の家族を巡るやりとり、特に小学校のPTA総会について、直接PTAとは関係ないのに事故を起こした責任をとってPTA会長を辞めさせようと追い込むほかの親たちとの攻防も見応えがあった。 | ||||
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リアリティがあっておもしろかった。実際に事故を起こしてしまった中小企業に対して銀行や取引先がとる態度や、原因を追究しようとする運送会社に対して大手自動車会社がとる態度もリアルだったし、事故を起こした運送会社、大手自動車会社、銀行それぞれの立場から思惑や苦労が表現されていて、1つの事故を様々な角度から検証していくのが見事だった。また、事件の容疑者扱いされた運送会社社長の家族を巡るやりとり、特に小学校のPTA総会について、直接PTAとは関係ないのに事故を起こした責任をとってPTA会長を辞めさせようと追い込むほかの親たちとの攻防も見応えがあった。 | ||||
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走行中の大型トレーラーから突然外れたタイヤが、主婦と幼い子ども を死傷させる。自動車会社の悪質なリコール隠しを白日のもとにさらし、 自らの潔白を証明するため、赤松運送の社長赤松は、ホープ自動車との 絶望的な闘いに身を投じる―。 もろに実在の事件をモチーフにした小説です。赤松を中心に、彼を見限る 社員と信じる社員、被害者の夫の慟哭、隠蔽に奔走する自動車会社の社員 と誇れる会社を取り戻そうとする社員、メインバンクの思惑、巨悪を追う マスコミと、様々な立場の人間を重層的に描くことに力点が置かれています。 そのせいか、経済小説特有の小難しさはなく、とても読みやすい本でした。 モデルとなった自動車会社は未だに再生計画の途上にあり、事件の傷は とても深いようです。また、脱輪事故を起こした運送会社はその後どう なったんでしょうか?本書を読まなければ、その運送会社に思いを馳せる ことも無かったと思います。 また、犯罪者と容疑者は決してイコールではないという当たり前のことに 改めて気付かさた本でした。 | ||||
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走行中の大型トレーラーから突然外れたタイヤが、主婦と幼い子ども を死傷させる。自動車会社の悪質なリコール隠しを白日のもとにさらし、 自らの潔白を証明するため、赤松運送の社長赤松は、ホープ自動車との 絶望的な闘いに身を投じる―。 もろに実在の事件をモチーフにした小説です。赤松を中心に、彼を見限る 社員と信じる社員、被害者の夫の慟哭、隠蔽に奔走する自動車会社の社員 と誇れる会社を取り戻そうとする社員、メインバンクの思惑、巨悪を追う マスコミと、様々な立場の人間を重層的に描くことに力点が置かれています。 そのせいか、経済小説特有の小難しさはなく、とても読みやすい本でした。 モデルとなった自動車会社は未だに再生計画の途上にあり、事件の傷は とても深いようです。また、脱輪事故を起こした運送会社はその後どう なったんでしょうか?本書を読まなければ、その運送会社に思いを馳せる ことも無かったと思います。 また、犯罪者と容疑者は決してイコールではないという当たり前のことに 改めて気付かさた本でした。 | ||||
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今日図書館で借りてきて、夕食後夢中で貪り読み切った一冊。 爽やかな青空の表紙の本書で一見芸能人のエッセイ本と言った様子だが、 内容は三菱自動車トラックのタイヤ脱輪で通行中の主婦が犠牲になった リコール隠し問題を題材にした社会派小説。 主人公は、事故を起こした運送会社の社長。 事故原因を整備不良と各方面から決め付けられ、 得意先から取引を切られ、銀行の貸し剥がしに遭い、 家族・子供も学校でイジメに遭うなど、社会的制裁を受けながら、 自分の会社の整備を信じ大メーカーに立ち向かい続ける姿に心を打たれる。 明日も早いのにこんな夜中まで、ついつい読みきってしまったのは、 大メーカー三菱自動車(本文中ではホープ自動車)の酷い対応に対する怒り。 自己の保身と社内政治しか考えていない組織ピラミッド。 最終的には、内部告発も有り、社長はじめ役員から品質保証担当まで 複数のメンバーが業務上過失致死で逮捕された。 人の振り見て我がふり直せとは言うが、ふと自分の仕事に置き換えると、 問題は近いところにも有るものだと思う。 コンプライアンスと声高に叫ばれ続けて、しばらく経つ。 然しながら、実際に日々の業務上の判断は間違っていないか? そんな自問自答をしたくなる一冊。ぜひ社会の歯車の一員として読んでほしい。 間違いなく☆5つ | ||||
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今日図書館で借りてきて、夕食後夢中で貪り読み切った一冊。 爽やかな青空の表紙の本書で一見芸能人のエッセイ本と言った様子だが、 内容は三菱自動車トラックのタイヤ脱輪で通行中の主婦が犠牲になった リコール隠し問題を題材にした社会派小説。 主人公は、事故を起こした運送会社の社長。 事故原因を整備不良と各方面から決め付けられ、 得意先から取引を切られ、銀行の貸し剥がしに遭い、 家族・子供も学校でイジメに遭うなど、社会的制裁を受けながら、 自分の会社の整備を信じ大メーカーに立ち向かい続ける姿に心を打たれる。 明日も早いのにこんな夜中まで、ついつい読みきってしまったのは、 大メーカー三菱自動車(本文中ではホープ自動車)の酷い対応に対する怒り。 自己の保身と社内政治しか考えていない組織ピラミッド。 最終的には、内部告発も有り、社長はじめ役員から品質保証担当まで 複数のメンバーが業務上過失致死で逮捕された。 人の振り見て我がふり直せとは言うが、ふと自分の仕事に置き換えると、 問題は近いところにも有るものだと思う。 コンプライアンスと声高に叫ばれ続けて、しばらく経つ。 然しながら、実際に日々の業務上の判断は間違っていないか? そんな自問自答をしたくなる一冊。ぜひ社会の歯車の一員として読んでほしい。 間違いなく☆5つ | ||||
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某大企業のリコール隠しをベースに描く社会派ドラマ。 登場人物のひとりひとりが魅力的。 思わず赤松さんとその家族に肩入れしてしまうし 欲と正義の間で揺れる沢田の決断にハラハラしたし はるな銀行の新藤氏の発言には快哉をさけびたくなる。 もっと評価されてよい、素晴らしい小説でした。 ☆ひとつ減点はタイトルと装丁。あまりにも勿体無い。 「空飛ぶタイヤ」と最初に聞いたときは、ファンタジーかと思った。 「点と線」「理由」「白夜行」「悪人」のような、シズル感のあるタイトルと 引き締まったデザインの目を引く装丁があれば、もっと話題になるはずなのに。 内容があまりに良い分、ジャケ買いをそそられなさが。。 映像化されたら嬉しいけど、沢田が織田裕二とか勘弁だなぁ・・・。 | ||||
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某大企業のリコール隠しをベースに描く社会派ドラマ。 登場人物のひとりひとりが魅力的。 思わず赤松さんとその家族に肩入れしてしまうし 欲と正義の間で揺れる沢田の決断にハラハラしたし はるな銀行の新藤氏の発言には快哉をさけびたくなる。 もっと評価されてよい、素晴らしい小説でした。 ☆ひとつ減点はタイトルと装丁。あまりにも勿体無い。 「空飛ぶタイヤ」と最初に聞いたときは、ファンタジーかと思った。 「点と線」「理由」「白夜行」「悪人」のような、シズル感のあるタイトルと 引き締まったデザインの目を引く装丁があれば、もっと話題になるはずなのに。 内容があまりに良い分、ジャケ買いをそそられなさが。。 映像化されたら嬉しいけど、沢田が織田裕二とか勘弁だなぁ・・・。 | ||||
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痛快社会派小説。財閥系エリート組織対中小企業の対決。小気味の良いストーリーの展開は、読者を飽きさせない。是非、お勧めの一冊。 さて、そこで意地悪な疑問。 この物語の舞台は、トラック80台、年商7億円、従業員90名の中小運送会社、銀行取引はホープ銀行のみで、借入残高3億円残高の赤松運送である。言い換えると、はるな銀行の資金的バックアップの果たした役割は大きい。そこで、現実に、赤松運送への融資は可能だったのだろうか? 取引先の紹介で、大口先の取引解消に伴う当座の運転資金3000万円を申し込んできた新規の客を銀行が相手にするだろうか? しかも、社長はあすにも逮捕されるかもしれない。事故の被害者から賠償額1億5千万の訴訟もある。肝心の売り上げもダウンして回復の見込みもない。 さて、はるな銀行の稟議書に進藤課長はなんと書いたのだろう? | ||||
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痛快社会派小説。財閥系エリート組織対中小企業の対決。小気味の良いストーリーの展開は、読者を飽きさせない。是非、お勧めの一冊。 さて、そこで意地悪な疑問。 この物語の舞台は、トラック80台、年商7億円、従業員90名の中小運送会社、銀行取引はホープ銀行のみで、借入残高3億円残高の赤松運送である。言い換えると、はるな銀行の資金的バックアップの果たした役割は大きい。そこで、現実に、赤松運送への融資は可能だったのだろうか? 取引先の紹介で、大口先の取引解消に伴う当座の運転資金3000万円を申し込んできた新規の客を銀行が相手にするだろうか? しかも、社長はあすにも逮捕されるかもしれない。事故の被害者から賠償額1億5千万の訴訟もある。肝心の売り上げもダウンして回復の見込みもない。 さて、はるな銀行の稟議書に進藤課長はなんと書いたのだろう? | ||||
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評判を聞き読み始めましたが、読み終わってから数ヶ月たってのレビューです。 どこか納得がいかないのです。 所謂ドキュメンタリーは沢山読んでいますが、企業小説というのは初めてでした。 平易な文体のためか、面白さからか、上下二段組など全く気にならず、 どんどん読み進めることが出来ました。 しかし最後の2章で明らかに変調を来し、評価を下げました。 著者自身これは創作小説であり、エンターティナーであると標榜し、特定の企業を 攻撃するものではないと語っています。 その割には著者自身発売当時本屋で目星を付けたカテゴリーでは本書を発見できず 文芸書のカテゴリーで見つかり意外性を記述しています。 しかし実際は系列カード会社が発行する雑誌から、本書を紹介するコラムが 掲載拒否されました。 私自身7年間某企業の車を所有し、納車時に全く直進性が無くクレームを出すと とんでもない言訳をしながら、戻ってくるとしっかり直進性が確保されていたり 車検から戻ってきた車両に見慣れないシールが貼付されていることを指摘すると 重要機能部品の改善を車検時に「ついでに」やっておきましたと平然と語られた 経験があります。 これらの経験と本書を読んだことにより、最近発売された国産唯一のワンボックスRV車 を買うのを中止しました。 団塊の世代が学生時代「この赤は民衆から吸い取った血の赤である。」と 語っていたのを思い出します。 連載小説がどのように変貌し、単行本になる時、どこまで書き直されたかを 見るのも楽しみの一つとして読まれることをお勧めします。 本来なら星三つであるが、素材と本書の存在理由で星五つです。 実際にとても面白いです。 | ||||
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作品中ではホープ自動車ということになっていますが、明らかに三菱自動車のリコール隠しを題材にした作品です。 今回の直木賞の候補作ということで、かなり読み応えがあります。(ボリューム的にも二段組で約500ページ) 主人公は、タイヤが外れて通りがかりの女性を死に至らしめ、その原因が整備不良ではないかという疑惑をかけられた中小の運輸会社の社長赤松徳郎です。 被害者からは門前払いをくらい、警察からは疑われ、子どもは学校であらぬ疑いをかけられ、挙句の果てには大口の得意先から注文の取り消しが届き、資金繰り面で行き詰まるといった大変な状況に陥ります。中小企業の経営の難しさが、手に取るように懇切丁寧に描かれてゆきます。 それに対して、大企業たるホープ自動車の傲慢な態度が対照的に描かれてゆきます。その大企業の会社の風土や体質に対する表現も見事です。中に「階級主義と選民意識」とか「銀行では規定がすべて」というような言葉が出てきて、サラリーマンをしている身としては、身につまされる部分も多くあります。 その中でも、ホープ自動車の販売部の窓口担当課長の沢田、ホープ銀行の営業本部の伊崎課長の企業の保身と本来すべきことの間で揺れる心は、我がことのように強く胸に響きました。 その他にも、マスコミも広告でなりたっているということで、本来のジャーナリストの機能を果たせない部分にも関心を持ちました。 | ||||
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