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神奈備
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神奈備の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.90pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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10月の御嶽に軽装で単独で初登山した、人生に絶望し神を信じる高校生の潤を、ベテラン強力の孝がとある理由から救出しようとする山岳物語。作者のイメージの強いノワールものでなく、大自然の恐怖と美しさ、それに翻弄される人間がいて、そこに愛情を受けずに育った高校生と、生きる意味を見出そうとする強力の男の姿が絡みます。 理由の真偽も曖昧なのに、会ったこともない高校生を命がけで救おうとする孝の姿には強力の凄さと矜持を感じますし、神を信じようとする高校生の潤は唯々不憫で救いがあって欲しいと読者としては願います。 | ||||
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木曾御嶽山を舞台とする山岳小説である。 愛情のない母に育てられた17歳の少年・潤は神に会うため、10月の御嶽に登る。真冬でなくても軽装で単独登山するのは、自殺行為だ。 強力の孝は依頼を受けて、潤の救出に乗り出す。だが急変した天候は、専門家の孝でさえたじろぐほど苛烈なものだった。 高山が人間にとっていかに厳しい環境か痛いほどわかる。とにかく寒そうである。寒い時期の登山だけはしたくない、と思わせてくれる。 低体温症でじわじわと生命を削られていく描写は、息苦しいほどだ。それだけに時折見られる大自然の美しさが際立つ。 神にすがるしかない潤と霊山で仕事しながらも無神論者である孝の対比が鮮やかだ。 二人の対照的な単独登山者が、哲学的な自問自答を繰り返す。 新境地ではあるが、やはり馳の資質は人間同士のしがらみを描いてこそ輝くのであって、往年のノワールほどは心に響かない。 予測できたとは言え、結末も不満だ。佳作の域には十分達しているので、山岳に興味のある人は、読むべきだろう。 | ||||
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