■スポンサードリンク
夏の裁断
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
夏の裁断の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.16pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これが候補作?本書の著者と本書に高評価をしている読者には申し訳ないが、堅苦しい文体のラノベかと思った。 もっともラノベを読んだことは無いが。 雑誌などの書評やネット記事などで気になった本が有ったらリストアップしている。本書もその一つだが、なぜリストアップしたかは忘れてしまった。 多くはノンフィクションだが、一部叙述トリック系も有る。 だから、著者名に聞き覚えが無く、てっきり叙述トリック系の本と思いながら読み進めた。 ミステリやトリック系は、まんまと騙されたいので特に文章の微妙な部分を気にしないで読むが、なんとなく主人公の名前「千紘」は男性名とも考えられるので、会話の口調から女性と思わせておいて、実は主人公は男性だった、と言うオチかな?とも思ったが、「夏」の章でワンピースや胸の起伏の地の文が出てきて、「やはり女性か?」と思いながら読み進めたが、結局「夏」が終わり、「秋」、「冬」、「春」の章に移り物語の終了を待っても、何のオチも無い、ただただ男のいいなりになってしまう女の話しだった、と言う内容。 読後にAmazonのレビューを読んで、本書が芥川賞の候補作になった事、又吉直樹が推薦している事を知ったが、自分は賞候補作や有名人の推薦本などには興味が無いので、結局何故リストアップしたかが最後までわからないまま、新年一発目の読了としてはつまらない本だったなと言うのが率直な感想。 まだ小学生時分から、主に継父や親戚の叔父・伯父などに性的イタズラをされた経験を持つ人は多いと思う。著名人でも公表している人が居る。 一方、どちらかと言うと地味で真面目そうな女性に、案外性に関して消極的だが開放的(積極的に男にアピールはしないが、誘われると断れないタイプと言う意味)も、案外多い。 結局、主人公の千紘は出会って誘われた人と簡単に性交渉を行う「都合の良い女」なだけで、一応過去の自分を変えるために、トラウマとなっている母親の店の客だった男性の現在の勤務先をネットで見つけ、過去と決別をする為にその地に向かう。 その成長の為の「過去との裁断」と、祖父が残した蔵書をデジタル化する為、本をバラバラにする裁断。 余りにも深みが無さ過ぎて、むしろ「何故この程度の作品が候補作なのだろう?」と思っただけだった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
夏の裁断の章は、柴田さんが、「RED」に出てくる人の焼き直しみたいな印象。 あと、主人公が支離滅裂で読むのが苦痛だった。 秋の章以降はけっこう読みやすくて不思議だと思ったら、夏以外は書き下ろしだからか。 この人、作品によってすごく読みにくい。精神状態が反映されすぎてるのかな… | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この小説の読了までの必要時間は、50分もいりません。読み直さないと分からないような複雑な表現・描写が一切ないからです。そういう意味で、携帯小説とか読んでた女子高生向けの本だと思って読めば満足できるかもしれません。 しかし、この作者の作品『ナラタージュ』と同様に女主人公の思考回路が解せません。 『ナラタージュ』では先生の代わりの男を女主人公は「私は確かに好きだった」と言っていましたが、読者にも男を好いている描写は一切見られなかったし、そこから完全に彼女の考えていることが分からなくなりました。 当作も同様、例えばそれほど強引でもない猪俣が急に来たことがなぜ「どうせ断れない」のか理解できないし、また女主人公の「トラウマ」も、正直そんな大したことかと思うようなことをしつこいほど仰々しく表現しているのも共感できませんでした。 結局PTSD然とした女性を描きたかったのかなと思います。むろん、性格に問題のある母や本の虫なのに凡人の祖父など、意味付けをしようと思えばできますが、それ以上の作品の深みは全く感じられません。 これが芥川賞を受賞することになっていたとしたら……私が芥川なら泣きます。まぁ同じ芥川賞を受賞した綿矢りさの『蹴りたい背中』や金原ひとみの『蛇にピアス』も女主人公であり、分かりやすい文章でつづられていますが、候補作止まりだった当作と違い主人公の心情描写がパキッとしていて読んでいて不快感はありません。この心情描写の不足は、読者に読了後の悪印象を確実に与えます。 多分あともう一回読んでもこの作品に対する印象は変わらないでしょう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ヒロインが脆弱というか病みすぎ もちろん過去にあった出来事が関係しているのですがなんだかなぁ……という感じです 実際にこういったことは多々あるのでしょうがいまひとつそれが描き切れていない、書き切れていない作品 過去の出来事はねっとりした気持ち悪さがあり、それを払拭しきれていない読後感のもやもや カタルシスを感じられる訳でもなくスッキリしません どう説明したらいいのやら? おすすめできませんね 教授がいい人ってことくらいしか見どころないです | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これほど島本作品を難解だと感じたのは初めて。 気に入らないとか好きじゃないとかでなく、彼女にしては言葉が少ないのではないだろうか? 何度もトライしてるんだけど、途中で止まってしまう。 又吉直樹さんがオススメしてましたが、あれほどの感性で本好きじゃないと面白さがわからないのかな・・ 軽い気持ちで手を出すともやもやだけが残る。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
芥川賞候補落選作。読後感は男に都合のいいメンヘラ女の話という感じ。作家の千紘は知り合いの作家の授賞式に出席し、酔った編集者の柴田に抱きつかれ胸を触られる。千紘は頬を引っぱたく。ここまではいいのだが、後日にエッセイを依頼され承諾し、映画の試写室で再会したふたりは飲みにいく。「素敵だよね。モテるでしょう」とキスされ「意外とエロいんですね」「俺とやりたい?」「はい」……、語りは死去した祖父の蔵書を千紘が裁断しながら柴田や自分の過去を追想する形式になっており、その祖父の家に友人のイラストレーターの猪俣君が訪ねて来てはセックスをする。千紘は過去にトラウマがあり暴力的な男に逆らえない。それを気遣う猪俣君……、 女性読者は、男に都合のいい軽率な千紘に嫌悪感を持つのか、それともそんな状況ならそうなると同情するのか、よくわからないが、私は献身的な猪俣君に好感を持っていただけに最後の千紘の被害妄想のオチにはガッカリしたし、磯野さんが実在するか千紘すらわからないと語られても、千紘自身がわからないことを読者がわかるはずもないだろうし、結局はトラウマ自体が思春期に異性への好意を無にされただけの単に異性にモテモテのかわいいきれいでやさしいプライド高き私(千紘)の自慢話というメンヘラ小説になっている。 これが純文学といわれてもなぁ……、(笑) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
柴田さんと飲み終わった後、謝りのメールを送る千紘。柴田さんからの返信を読んで怪訝な千紘はおののく。 「人間同士ですから、どんなことがあっても僕はいいと思っているんです」 千紘の指す‘悪魔’とは理不尽で無様にもほどがある人間でもない、ひたすら怯える存在。 登場人物(特に千紘)の心情が記憶に近く手に取れるように目に浮かび、その表現は文学的形式として、あどけない少女のような比喩に、床をのた打ち回る書き方は分かりやすく評価できる部分、特に’横暴’の象徴である柴田さんの肖像は見事。 しかし、僕が残念に思ったのは島本理生自身のTwitterでの言動。 以下、本作に対する彼女のツイート。 「基本的に作者が語りすぎるのは読者にとってよくないと思うのですが、過去の作品からの流れもあるので、ちょっとだけ『夏の裁断』に絡めつつ触れておきます。『夏の裁断』でのラストの教授の介入について。たしかに賛否分かれるところだと思いますが、もともと臨床心理学科であった主人公がそちらに救いを求めるのは、個人的には不自然な展開ではないと思います。また性的な心的外傷は、お金や時間が許すなら、専門的な知識のある相手に頼ったほうがいいという、私自身の考えもありました。過去の積み重ねで何重にも混乱した主人公が自力で解決しようとしたら結論を間違える可能性が高い。また相手を好きなほど主観的になって傷つけあい、責められたといっそう口を閉ざすこともある。(その象徴としての猪俣君です)教授の後半の台詞は『夏の裁断』の肝です。むしろ物語としては傷であっても、2人の「意味」に関する言及は本作で一番伝えたかった部分です。そして、その台詞が言える相手はやっぱり教授であったと思います。」 僕は小説を読んでいる途中にこのツイートを見て本を閉じる前に冷めた。本末転倒とはこのことだ。まだこの小説を手に取っていない人、熱心なファンもあっけにとられるいわゆる‘あとがき’彼女が本作に込めた熱意が作風同様ひたむきで純情に写るが単純に本作はこれまでの島本理生作品の系譜通り感傷的な切なさのみ。読書離れは止まらない。作家がいて読者がいるのではなく、読者がいて作家はいる。 人間同士ですから、どんなことがあっても僕はいいと思っているんです。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!