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(短編集)
終末のフール
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終末のフールの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全41件 21~40 2/3ページ
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「8年後、小惑星の衝突により地球は滅亡する」と発表され、 人々は混乱し、パニックに陥り、そして世の中の秩序は失われた。 それから5年が経ち、嵐が過ぎ去った後のように静かになった世界で、 絶望と戦いながらも己の人生を見つめなおし、 最後までそれを全うしようとする人々の姿を穏やかに描いた連作短編。 こういう作品は、いい作品かそうでないかは論じられない。もう好みの問題だと思う。 このSFチックな設定で「生と死」というデリケートなテーマについて、 果たしてどれだけ感情移入して読めるのか。ただそれだけだ。 そういう観点での私の評価は、やはり他の伊坂作品よりも少々低めだ。 伊坂さんの作品はたいてい心の状態が安定している時に読むのだが、 これこそ平和で幸福な時に読むべき作品なのかもしれない。 少々浮世離れした彼の独特な世界観は、 自分が悩みや問題を抱えて不安定な状態の時に読んでも正直ちんぷんかんぷんで、 そのメッセージが心にスっと入ってこない。 心から邪念を取り払い、真っ白で穏やかな気持ちで読むのに適した作品だ。 | ||||
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あと三年で世界が終わるという設定下での とある団地を描いたオムニバス小説。 世界の終末発表直後の狂騒状態が落ち着き、 それなりに調和した社会で日常を暮らす住人の話です。 世界の滅亡という突飛な設定下なのに、登場人物は戦う ヒーローでも、救世に奔走する指導者、科学者でもなく、 どこにでも居そうな一般人。 テーマは親子や夫婦など。 あえて、この組み合わせで、作者は何を描きたかったのだろうか・・? ごく一部の偉人やカリスマを除き、人生で大儀を なさしめたり、歴史に名を残す人は少ない。 では、どこにでも居そうな自分は何のためにうまれたのか? 人は何のために生きているのか? 死を前にした時、自分は何を考えるのだろうか? 誰もが一度は考えるのでは無いでしょうか。 作者の結論は、人は生きるために生きる・・・?なのかな?? 世界が終わろうと、隕石が降ろうと、髪は伸びる という作中の一文が印象的でした。 考えさせられる一冊。 でも、我が身に置き換えられる切迫感は無かった。 だけど、何故か頭に残る一文がちりばめられていた。 評価が難しい>< | ||||
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世界の終わりを克明に描いたSF小説と言うよりは、ある種の決断が迫られた人々の話だと言った方がいいだろう。 良くも悪くも肩透かしとでもいうのだろうか、絶対浮気の宣告だろうとか修羅場が来るだろうとかそういう場面が来ると見せかけて実際には優しい結末となる。 個人的には不幸自慢の様な小説は好きではなく、こういった優しい小説の方が好みではあるが、流石に波風が殆ど立たないと物語として成り立たない気がする。 ただ設定自体が面白い事でかさ上げされて見れる小説になったといったところだろうか。 面白くない訳ではないし、安心して見れるのも確かだが名作かどうかと聞かれるとそこまでではないかなと。 | ||||
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アルマゲドンやディープインパクトなどハリウッド映画様の小説を期待して店頭で買ってしまったので、星3つになってしまいました。まず、基本は短編小説なので、物語のダイナミックな展開はなく、抑揚がありません。映画は世界中が舞台ですが、本小説は仙台のヒルズタウンという住宅地が舞台なので、物語の展開にも限度があります。 しかしながら、近所の人が残り3年の命と言われたとき、どうなるかという身近な設定で、人物の感情を描くところは伊坂幸太郎氏ならではといったところです。人物の細かな情景を読みたい人には良いでしょう。 | ||||
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本書では8つの短編小説から構成されている.その共通テーマは,ずばり生と死である. すべての物語は,8年後に小惑星が衝突し,地球は滅亡するという予告が行われて,5年が過ぎた時代のストーリーとなっている.舞台は仙台北部のヒルズタウンというマンションで,そこに住む住人が主人公となりストーリーが展開されている. 地球滅亡という突拍子もない情景設定であるが,これは人間が死という現実を目の前にして,どのように考え,行動し,そして生きがいを見つけていくのかという世の中にありふれたテーマとなっている. 本書では8つの物語を通して,著者が8通りの人生観を提示しているようにも思える.ほとんどの人が普段,死をあまり意識せずに生きていると思うが,著者はそのような生き方ではなく,ちゃんと死を意識して,日々一生懸命に生きがいを持って生きることの重要性を説いていると思う. 自分の歩んできた人生を見つめ直し,これからの残りの人生について真剣に考える良い機会に恵まれたことに感謝したい. | ||||
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世界観が現実離れしすぎていて入り込むのが難しかった。 しかし妙のリアルに話が出来ていて、入り込めた人にはとてもいい作品になっただろうと思う。 ただ自分は入り込めなかった! | ||||
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エンターテインメント性の高い、さらりとした印象の一冊。 リズム感があって、緊迫した状況設定の割にほわんとした空気もあって、気楽に読める。 だが、3年後に人生と世界の終末を控えた人々の姿に、「生きる」ことの意味を考えさせられるた。 そして、絶望的な状況を絶望的と捉えるかどうかによって大きくその生き方も変えられるのだと思わされた。 この物語の状況設定で、生きている人達と言うのは、何らかの芯(信)を心に秘めた人々であった。 物語の随所随所で目にする、美しくて心をに響く言葉達。 命が限りあるものであること、そして残りの人生をどう生きるのか。 読んでいる間、認識と自問を繰り返した。 「やるべきことをやるだけ」 「俺は、こんな俺を許すのか」 強い信念を持ち、剛と柔を兼ね備えた一人の登場人物の言葉であるが、生きるとはそういうことではないだろうか。 自分と現実を受け入れ、信を通し、成長する気持ちを忘れない。 難しいことだが、そんな風に私も生きたい。 現実世界では、この物語のように、死を意識して生活することは難しい。 しかし、死を意識することによって、生を感じられるのも事実だ。 また、この物語は個人を描いているようで、結局は人と人との繋がり―俗にいう人間模様―を描いている。 生を感じながら生きる人たちの交流は、心をくすぐるものがある。 生きるとは厳しいものであること。 生きるとはあたたかいものであること。 生きるとは無限の可能性を秘めた、限られたものであること。 これからの毎日を大事にしたいと思える。 | ||||
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数年後に世界が滅ぶ、という突飛な設定をよく描き切ってるなぁと思います。みんなある程度冷静になってきているところなんか、妙にリアルですしね。伊坂さんらしいメッセージも込められていて、読んで損はないと思います。 しかし個人的には、この設定でこの長さの短編集を最後まで楽しみきることはできなかったかなぁ。正直すこし飽きがきてしまいました。元々この設定に惹かれて買ったわけではなく、伊坂さんの本だから、という安直な理由で買ったせいでしょうか。 純粋にこの設定に興味が湧いた人にとっては、期待を裏切らない出来になっていると思いますよ。 | ||||
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思いっきり大仰な設定と、地味な人々の平凡な日々の積み重ねの取り合わせが憎い。けっこう泥臭く書かれていて、いい感じだと思った。「フィクションは嘘が多くても、楽しいほうがよい」、という彼の考えに賛成。「小説を読んでいると時折り、……毛布をかけられるような優しさを感じとることがあった」という一文が心に残る。彼の作品にはそんな精神的な健全さがあって、いつもどこかほっとさせられる。 | ||||
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“この夏の最高傑作!” というの宣伝文句に惹かれ、読んでみました。 地球滅亡へのカウントダウンを生きる群像を描いた作品で、 8つからなる短編集です。 伊坂氏の作品らしく?それぞれの作品に繋がりを持たせ、 終末を題材に、家族の再生、新しい生命への希望、過去の恩讐… 今日を生きることの意味を考えさせられる内容となっています。 短編それぞれが『終末のフール』のように、 『○○の×ール』との題名になっています。 (無理矢理の?こじつけとなっているものもありますが…) 『鋼鉄のウール』の苗場の人間としての美しさに、私は魅了されました♪ 少し辛口なのかもしれませんが、★3とします。 ■私が共感したのは… ・「でもさ、許すよ」(P.44) ・「いや、もうすでに、いるんですよ」 …「ずっといるんです。申し訳ないです」(P.206) ・「明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?」 …「あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方ですか?」 (P.220) ■私のアクション ・人を許す ・後悔しない生き方をする (ともに、人生における大きなテーマです☆) 世界滅亡まで3年。 私だったら何をするだろうか?と考えたときに、 『冬眠のガール』の美智と同じように、 読書に耽ったり、気になる人に会いに行くのかなと思いつつ、 『鋼鉄のウール』の苗場のように、 自分自身を貫いていたいとも思いました☆ | ||||
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人類滅亡まであと3年。 あらすじがかなり面白そうだったので購入してみましたが 短編集のような構成になっており 仰天するようなオチはなく、意外にあっさりと読んでしまいました。 壮大なテーマの割には淡々と、日常的に物語が進んでいきます。 伊坂作品特有の、ラストに向かって伏線が次々と回収されていく 爽快感のようなものは今回はありません。 決して面白くない訳ではないのですが、 長編作品が好きだった方は少し物足りなさを感じてしまうかも。 | ||||
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おもしろかったですが、新井素子の「ひとめあなたに」と似すぎてませんか? 隕石が落ちてくること(落ちてくるまでの期間は違うけど)やそういう状態になって、人が狂っていく様など、読めば読むほど、「ひとめあなたに」を思い出しました。 | ||||
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実にユニーク且つ奇抜な設定ですが、切り口と味わいの異なる章の積み重ねと各章間で登場人物が微妙に交差し合うという構成で、短編のオーソドクッスな王道です。 作者ならではの工夫や仕掛けも見られますが、強いて言えば独特なキレや尖った部分が抑え目で、ファンとしては若干寂しいかも。その辺がレビューの星のばらつきにも表れているような。その換わり、ヒューマンな要素がより前面に出ています。 | ||||
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小惑星が8年後に地球に衝突、地球滅亡のカウントダウンが迫る中、人々はどういう行動をとるのか?伊坂氏は今回、フィクション構築を地球滅亡にした。 壮大なテーマながら登場人物の行動はいつもの伊坂ワールドだ。 舞台を仙台市高台の団地に小さく設定。今や地球滅亡は3年後まで迫っている。密かに過去の許しを請い願う居丈高な父親、妻の出産を決めかねる優柔不断な青年、強い絆で結ばれた兄弟、おっとりした若い娘…。 オーウェルの宇宙戦争のような大騒動が起こった後、我に返った人々は平和な日常を過ごすことにしたらしい。拍子抜けする設定だが、案外限定された時間を待ち続ける人間の行動はこんなものかもしれない。 結局人間の生き様は、未来が読めない不安定な現在も同じ。『鋼鉄のウール』の孤高のボクサーのセリフに集約されるのだろう。 「明日死ぬって言われたらどうすんの?」―「練習します」 「明日死ぬのにこんなことする訳?」笑う相手にボクサーは「明日死ぬと言われたら生き方を変えるんですか?あなたの今の生き方はどのくらい生きるつもりの生き方なんですか」(『鋼鉄のウール』から) −その通り。強烈な左フックだ。こんなセリフを突きつけられたら完全にノックアウトだ。 井坂氏のセリフはどれも格好いいのだ。 | ||||
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この本を読んでしばらく落ち込んだ・・・。 話の中に、障がい児を持ったお父さんがいう台詞がある。 「小惑星が降ってきて、あと三年で終わるんだ。みんな一緒だ。そうだろ? そりゃ、怖いぜ。でも、俺たちの不安は消えた。俺たちはたぶん、リキと一緒に死ぬだろ。っつうかさ、みんな一緒だろ。そう思ったら、すげえ楽になったんだ。」 うちにも、障がいをもった子供がいる。 子供の将来への不安といったら、そら恐ろしいほどだ。 3年で世界が終わるなら、私もすごく楽になるだろう。 幸せとすら感じるだろう。 その家族がうらやましくて泣けた。 | ||||
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ミステリーでは無いので、この作品にスリルを求めるのは、路線バスに乗って疾走感を求めるくらい詮無いことなのだが、それにしても、作者のいつもの警句と云うか諧謔の鋭さが従来の作品に比べて感じられなかった。これも重篤な患者が死を目の前としたときの小康状態のような世界を描こうとしたための意図だったのだろうか。 クオリティの高い作品を世に送り出している作者だけに、今回はちょっと辛口の評価でした。 | ||||
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前から読んでみたかった作者の一人。 「世界滅亡まであと8年」を伝えられて、混乱の5年を過ぎ、 自殺、他殺、暴動、何でもありの時期を乗り越えた人たちが 束の間の平穏の中、残り3年をどう生きるか語っている。 舞台は仙台のとある街。 P.300に8篇、それぞれの登場人物で語られるのでサクサク読める。 みんなご近所で少しづつ次の話にも登場する。 噂話や会話の中や、行き先に… 設定はハリウッド映画の突飛な感じそのものだが、 リミットのある世界で如何に生きるかが面白いと思った。 だらだら続く世の中ではしないだろう事、有り得ないことが身近になる。 今までのお金とかの価値観も変わってしまう。 将来と言う発想のない中で自分を全うするにはどうするか考えてみたりした。 | ||||
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伊坂幸太郎お得意の伏線を使った繋がりが無いせいか、物足りなく感じた。 レビューのタイトルは読み終えたときの感想。 伊坂氏の特徴として、初めにどこにどうやって絡んで来るのかがわからない部分があり、それが最後になって「あぁ、ここで最初のアレが繋がるのね」と読者が納得するような書き方をする、ということが挙げられると思う。 この本ではそういった「納得感」が薄かったような気がする(あると言えばあるけども)。 短編でさえ(例:透明ポ−ラーベア)そういった書き方をしていたのに、この本では何故しなかったのだろう? 期待をしていただけに少し拍子抜けしてしまった。 | ||||
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あと3年の人生。その先がない。 これまで味わったことがない絶望によって人類は試される。 8年後に小惑星が地球にぶつかると報道されると、 世は乱れ、暴力が幅を利かせるようになった。 必ず死ぬと判ってしまった人生はむなしい。だから、 したいようにする人間が現れることは、当然の流れなのかもしれない。 しかし5年が経ったころ、平安な時が流れ始める。 ここはちょっと乱暴だが、「みんな飽きたんだ」と説明されている。 暴れることに飽きた、馬鹿らしくなった、と。 そして、何はともあれ小康状態が訪れて、 表題を裏切らず、世界の「終末」を舞台としたお話が始まる。 ここに登場する人物は皆、生きることに真剣に向かい合っている。 赤ちゃんを産むかどうかで悩む男性、ボーイフレンドを探す女の子。 3年以降に馳せた想いがすべて無駄になるとしても、 人は日々を精一杯生き、前を向いて進むしかない。 この設定どおりの状況に陥ったら自分はどう行動するだろうか、 おそらく読者はそう考えずにはいられなくなる。 暴動に加わるか、座して死を待つか、 もしくは登場人物のように一生懸命あがいて生きるのだろうか? 残酷な設定と、人間の強さと脆さ、そして読者に残す無言の問。 本作の魅力はそのあたりにある。 | ||||
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今回の物語は 3年後に小惑星が地球にぶつかり、世界が終わる... そしてそれまでを誰とどう過ごすのか?仙台のヒルズタウンという マンションに住む人々を中心に描かれている短編集。 正直に言うと、伊坂氏の今までの小説の中で一番、読み終わるのに 時間を要した本です。それはどういうことなのか? 短編集ということも理由になるのでしょうが、 「次が読みたいわくわく感」が感じられず、 ページをめくる手が進まなかったということです。 良くも悪くも優等生的な作品に感じられました。 平均点以上は確実に取っているけれど面白みに欠けていて 個人的にはあまり楽しめませんでした。 どうせならもっと現実離れしたものにしてほしかったなあ...。 エラソーな事を言わせてもらえば これで直木賞はとって欲しくないです。 なんかもっとこう、パンチの効いた疾走感のある伊坂ワールドが読みたいのです。 次回作に期待します! | ||||
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