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何者



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【この小説が収録されている参考書籍】
何者
何者 (新潮文庫)

何者の評価: 3.95/5点 レビュー 389件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.95pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全279件 261~279 14/14ページ
No.19:
(5pt)

読んでて辛かった

朝井君は娘と同じ歳です。 就活の時に苦しんでいる様子を横で見ていた頃がマザマザと思いだされて、読んでいて辛くなりました。 主人公は本当にどこにでもいる就活生だと思います。 先に内定が出た友達の会社の噂(もちろん悪い方の噂)を検索したり、夢を追っている友人を少し馬鹿にしたり。 誰でも少なからず経験があるのではないでしょうか。 今の若者がとんでもない不況の中で苦しんでいるのだと改めて思いました。 タイトルの「何者」が読了後、辛く重く感じました。
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No.18:
(5pt)

ツールの発達した現代人にありがち

僕はこれを読んでいられなくなるほど自分にも通ずる痛さ、恥ずかしさを痛感させられた。 何者=偽物、防御、願望 少しニュアンスは正確ではないけれどこんな感じだと思う 直木賞文学だけあってストーリーを評価するものではなくある種の自己啓発のような意図を推測し自分に当てはめながら読まないとつまらないだろう しかしこうやってわかったように評価していること自体が”何者“なのかもしれない
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No.17:
(5pt)

同い年の著者の感性が響いた作品

筆者は同い年のため、就活の話も自分の時と同じような感覚で読めた。 就活の話をしながら、SNSが広まった中での人との関わり方、本音と建前のあり方を描いているなぁと感じて終盤まで読んだ。 しかし、最後のやりとりと「何者」の話でドカンときた。 自分も観察者のような冷めた感覚を感じることもあるし、すごく心に響いた。 さすがの一作です。
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No.16:
(5pt)

観察眼…

直木賞受賞作ということと、今時の就活事情について勉強になりそうだな、と思ったので読んでみた。 【ネタバレ?あり】最後の30ページ、なんというか、もうホラー。 帯の文句の通り、自分のヤな面まであぶり出された。 あー、なんかもう勘弁してください…みたいな。 Twitter、Facebookなど承認欲求を満たしてくれる様々なツール。 どう使うかはその人次第 余談だが、作者が雑誌のインタビューで「部数が伸びる程、友達が減っちゃって…」と言っていた。 表の意味と裏の意味、両方に受け取った。 確かに、こんなに観察眼鋭い人そばにいたらヤダ(笑)
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No.15:
(5pt)

就活をテーマに、Twitterを用いて多面的に心理を描いた作品

自分と歳のそう変わらない作家の直木賞受賞作ということで購入しました。  就活を行う仲間の嫉妬や表面的な応援など人間の負の感情をおりまぜながら物語はゆっくりと進んでいきます。 全体的に暗い雰囲気の小説ですがラスト5ページにホッとしました。 大丈夫。 失敗してもめげない。 誠実に生き ていこうと決めた主人公の締めくくりは快い気持ちにさせてくれます。  『他人のことなんか気にするな。 自分のことに集中しろよ』 朝井リョウさんはこう言っている気がします。
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No.14:
(5pt)

就活は自分を映す鏡のような存在

23歳で直木賞を受賞した朝井リョウの受賞作品。社会人になったその時点で二足のわらじを履いている。そのスタイルを続ける予定だそうだ。
6人の大学4年生の就活物語で、現代の就活事情とその渦中にある大学生たちの気分や心の動きがよく描かれている。

劇団主宰の主人公、バンドをやってる同居の友人、その恋人で主人公が片思いの女子、海外留学組の女子、就職しないと宣言する人、、。
ツイッター、フェイスブック、ラインなどのソーシャルメディア空間と、現実とが混ざり合って物語が進行していく。やはりこの作家は名手だ。

主人公は恋も就活も出遅れるのだが、最後は自分を自分として認めることができるようになって、希望につながっていくところで終わる。
面接で分析家の主人公は「短所は、カッコ悪いところです」「長所は、自分はカッコ悪いということを、認めることができたところです」という。最後は「だけど、落ちても、たぶん、大丈夫だ。不思議と、そう思えた」で終わる。

癖、消耗、もどかしくなる、想像力がない人、何者かである自分、探り探り、っへえー、ぬるぬる文系、もやもやと黒ずむ、ぶしゅう、人脈、バランス、蓋、違和感、不正、麻薬、やさしい言葉で心を撫でる、痛々しい、ささらない棘、羨ましさとうっとうしさ、思ってもいないことをすらすらと語る技、面接で落ちるダメージ、ミスが見えない、エリア職なんだね、ジコジツゲン、プライド、人生のドラマの主人公、就活が得意なだけ、、、、、、。

登場人物たちが互いに投げかける言葉の中に、共感するなかなかいい言葉がある。

誰かの目線の先に、自分の中のものを置かなきゃ。
ダサくてカッコ悪い自分を理想の自分に近づけることしか、もう私にできることしかないんだよ。
自分は自分にしかなれないんだよ。
そうやってずっと逃げていれば?
自分はアーティストや起業家にはきっともうなれない。だけど就職活動をして企業に入れば、また違った形の「何者か」になれるのかもしれない。そんな小さな希望をもとに大きな決断を下したひとりひとりが、同じスーツを着て同じような面接に臨んでいるだけだ。

何者かであるように自分を飾る日々から、何者でもない等身大の自分の姿を知って、そして時間をかけて何者かを目指していく。そういう誰もが経験する青春の成長を描いた作品だ。
就活は、そういうプロセスを踏む上で自分を映す鏡のような存在だ。
就活生にも教師にも親にも、勧めたい作品だ。
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No.13:
(5pt)

自分と重なって胸が苦しくなった。

就活とsns、自意識がテーマって所にピンときて、一気読み。 登場人物達の痛さが、自分と重なって胸が苦しくなった。 著者が卒業して間もないからか、大学生の生態が生々しく描写されている。 それ故、就活中にタイムスリップしていたかの様な読後感。 物語は終始、目を背けたくなる痛さ。 しかし、ラストでは自己啓発的な面も。 少なくとも僕にとっては、「何事も一生懸命頑張ろう。 」、そう思わせてくれた。
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No.12:
(5pt)

イッキ読みしました。

面白かった。 見事な展開力。 ツイッターとのツキアイカタが変わるかもね。
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No.11:
(5pt)

就活とSNSといった点からも、現代の若者がよく描かれている

祝直木賞、ということで手に取ったが、 今日の自分、今の自分にぴったりという本だった。 自分の弱い部分が、そのまま、まな板の上に載せられて見せられているような。 就活に悩む学生たち、企業で働くことを避けるように自分のつながりや行動をSNSで表現する者たち。 就活でも、SNSで見せる面という点でも、現代の若者がよく描かれていて、 痛々しくもなったし、新鮮さもあった。 “ほんとうにたいせつなことは、ツイッターにもフェイスブックにもメールにも、どこにも書かない。 ほんとうに訴えたいことは、そんなところで発信して返信をもらって、それで満足するようなことではない。 ”
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No.10:
(5pt)

やった~!

何軒か本屋を回りましたが、在庫がありませんでした。 そうなると余計欲しくなるもの。 注文したら、2日後には届き最初からそうすればよかったと思いました。
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No.9:
(4pt)

直木賞受賞作

直木賞を受賞した作品ということで購入しました。 物語は就活を通して若者5人の心の葛藤を緻密に描き展開していきます。 就活を体験した人ならば共感出来る部分も多くあったと思いますが、中高年の方が読んだ場合、正直「?」の部分も多くあったと思います。 しかし、それくらい今を生きる若者のリアルな雰囲気が伝わってきます。 小説を読んで、仕事でも日常生活でもどこか他人を上から目線で見て、優越感に浸りたい『観察者』になっている自分がいるなと反省しました。 何もスキルを持たない若者が、『がむしゃら』に取り組むことの大切さ、『行動』することの大切さを教えてくれました。
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No.8:
(4pt)

若者向け

・現代の就職活動がテーマである ・主人公が就活生達である ・Twitterが重要な要素として使われる ということで,まさに就活まっただ中の私には読みやすかったです。 就活というより,就活生の心理などがテーマであり,大学生の心理や行動の描写が細かくされています。 登場人物が限られており,世界観と価値観は狭く,若干内容が薄いとは言えます。 成熟された精神を持つ人には物足りない内容かもしれませんが,私のような未熟者は読んで損は無いと思いました。
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No.7:
(5pt)

何者でない「何者」

Facebookで自分の学生団体を宣伝するあの娘を、twitterで今度のライブ日程を報告するあいつを、どこか見えない画面の前で嘲笑する私がいる。 カッコ悪くてもあがいてあがいて何者かになろうとする人間をそれら自体をイタイことにして自分を正当化し守ることで「何者」かになろうとする人間がいる。 23歳で何者かになってしまった作者による何者にもなれない人間の物語。 ゼロ年代に童貞を非童貞の銀杏BOYZが救済したように、『何者』はテン年代の何物にもなれない人間を何者かである作者が救済しようとする物語なのかもしれない。
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No.6:
(5pt)

書くという麻薬を捨て、カッコ悪い姿を晒せ

どうも今回は芥川賞のほうに食指が伸びないので、直木賞のほうを読むことにしてみた。個人的には読んでみて正解。朝井リョウという才能を十分に味わうことができた。他の作品も読むつもり。
 ただ、読むのに結構疲れた。青春の苦さを感じさせる作品というか、自分の性格の悪さを見せ付けられてしまうというか。

***************以下、ネタばれありで***************

 登場人物は6人。就職活動に悪戦苦闘する若者を描いた群像劇、というのとはちょっと違って、就活開始時期に出会った(再会した)、主人公の拓人、光太郎、瑞月、理香、隆良、ギンジ(+拓人の先輩)の織り成すドラマといったところ。スポコン的な展開はなく、他人や自分に対する向き合い方、といった部分がテーマになってちょっと湿っぽい。
 時間軸としては就活生の11月〜5月くらい。演劇っぽいというか、会話主体で物語が進むのでわりと演劇にできそうとも思った。
 
 作者の意図としては、ちょっと内向的な主人公の「俺」に共感させて、最後にどんでん返しということだろうか。主人公の「俺」はわりとシニカルに周りを観察していて、会話をゲームのように見たりと冷めている。前半〜中盤は、ルームメイト光太郎の、元彼女の瑞月に対する淡い恋心が物語を引っ張る。切ないです。

 後半(3月くらい)からは、内定が出る出ないで人間ドラマが出てくる。瑞月から隆良に対する、生き方というかその人間性に対する批判(説教)があり、そこで「ざまーみろ」なんて考えて主人公にシンクロしていた読者は、最後に手痛くしっぺ返しを食らう。なんと主人公はミステリーで言う「信用できない語り手」で、叙述トリックが待っているのだ。他人を「痛い」「お前は何者にもなれない」と論評していた主人公こそが、何者にもなれないという苦悩を抱えていた、と。

******************************

 受賞会見で、「ニートの方に応援メッセージを」というニコニコ動画からの問いに「上から目線になると思いますので、何も言えません。」と著者は答えていた。ニートと言っても色々だが、自分を安全地帯に置いて、他人を論評する「批評家」であることに対して作者は厳しい。(そして、少し優しい)
 それは、自分に自信を持てないがゆえの行為だろう、と。

 就活というライフイベントにだけありうる話でもない。また、対象が身近な人間か、有名人や小説か、という違いがあるだけで、ネットで「書く」というのは麻薬性がある。誰もが評論家になれる、そんな現代社会に対する批評性を持った一冊であるとともに、カッコ悪い姿を晒す「クリエーター」なり、人と違った何かをして「何者」かであることを目指す人、あるいはそういった道を諦めたにしろ、何とか自分の道を見つけて生きようとしている人への応援歌となっている一冊だ。
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No.5:
(4pt)

もう一つのアカウント

直木賞受賞作品ということで手に取りました。
 昨今の就活事情がよくわかる本です。
 ES(エントリーシート)?就職サイト?WEBテスト?知らない言葉ばかり。
 面接まで行き着くのがこんなに難しいことになっているなんて初めて知りました。
 ブログ、フェイスブック、ツイッター短い言葉で自分を表現しなければならない現代。
 特に、就活の面接で、自分が「何者」であるかを語るとき、限られた時間で、どんな言葉を取捨選択するのか本当にすごく難しいと思います。
 自分が「何者」であるかを端的に話せる人などいるのでしょうか。
 友人の子どもたちの何人かが、就活真っ只中。
 話を聞くと、その厳しさ、辛さが垣間見えてきます。
 「落ちる度に、自分が全否定されたような気持ちになり、落ち込む」と口々に言います。
 高校や大学を出た若者が彷徨い、漂流しなければならない。彼らを受け入れることのできる社会が構築されていないということに、じくじたる思いでいっぱいです。
 若い人たちが、職業に就ける。家庭を持つ。子どもをつくる。等々、普通の暮らしが当たり前にできる世の中になってほしいと切に思いました。
 後半は、かなりイタく、えぐられるような気持でした。
 もう一つのアカウント。匿名社会の象徴ですね。
 人間不信になりそうです。

 

 
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No.4:
(4pt)

就活に恋愛に自意識に人間関係に、若者は忙しい

大学生男女5人の就活をベースに、人間関係が描かれています。
拓人という男子学生の一人称でストーリーは進んでいくので、
彼の主観からみた周辺の登場人物の諸々が描かれます。その人間関係の描かれ方が多面的!
彼の主観からしか見てないのに、どうして多面的といえるのか、それは読んでからの(特に終盤残り30ページくらいからの)お楽しみです。
別の言い方をすると、拓人は信頼できない語り手なのか?
いや、無数に出版されている他の小説の一人称の主人公たちと比較して、彼が格別信頼できない、というわけではないと思います。
だからこそ、終盤残り30ページくらいからの展開にずどーんとやられてしまうのです。

就活の描写が軽妙かつユニークで、数年前の自分が就活していたころの記憶を引っ張りだしながら読み進めました。
こんな会話しないよな、という小説が多いなか、会話だけ読んでいてもリアリティがあり、会話文以外にも、
地の文とツイッター上の文が絶妙に組み合わさっていて、読んでいて飽きません。

作者の作品を読むのは『桐島、部活やめるってよ』『少女は卒業しない』に続いて3作目です。
上記2作に比べて、本作は作者の主張というか、日々考えていることがよりダイレクトにあらわれているかなと感じました。
もちろん、作品はあくまで作品で、そこに作者の主張なんてない、すべては読者の解釈、という考えもありですが。

本作で直木賞を受賞。現在は会社員生活1年目ということなので、会社員生活5年目の私にとっては、会社が舞台&20代会社員が主人公の本を
ぜひ書いてほしいです。
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No.3:
(5pt)

自分の胸が締め付けられる

大学2年生ももう終わりそうにある今日このごろ。何やら就職活動についての面白い本が新刊にあると聞き、就職活動に備える身として、早速一読してみました。正直、読んだ後、胸が締め付けられるようで、熱くなってしまいました。本書を読む前、「何者」というタイトルからは、あまりにも漠然としたイメージしか浮かばず、疑問符を頭に残したまま読み始めることになりました。しかし、本を読み終えた今、「何者」という言葉が頭の中で残響のように響き渡っています。ここでは「何者」そのものについては書きません。しかし、あなたがこれから就職活動を通して「何者」かになろうとしつつも不安を抱えているのなら、本書は今の自分を見つめ直す力強い助けとなってくれると思います。
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No.2:
(5pt)

1ツイートたりとも見逃せない

『桐島、部活やめるってよ』ならぬ『みんな。 就活はじめるってよ』。 Twitter、スマホ、Facebook・・・物語中に登場するアイテムや描写が紡ぎだす「リアルさ」「現代感」がたまらなく好きです。 まさに等身大の青春。 爽やかなだけじゃない、それがステキ。
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No.1:
(5pt)

巻を措く能わず

私は、おそらく読者対象ではない40歳を軽くこえた中年ですが、
読みはじめてからページをめくる手を止めることができません
でした。

この作品のすごいところは、私には3点あるように思います。

1.読み物としての完成度の高さ
練られ切った構成(ラスト十数ページに到達した段階で、つい
叫び声を上げてしまいました)、つっかえるところのない
読みやすさ、そして作者お得意のキャラクター造形の巧みさ。
おそらく作者は、この作品に相当の熱量と時間を注いだのでは
ないでしょうか。
ただ、それは他の作者による傑作たちにも言えるところですし、
プロとして当然の仕事なのかも知れません。

2.誰にとっても他人事ではない感じ
就活って大変だろう、という皆が漠然と共有している前提を、
次々と具体的な切り口で見せてくれる手際が素晴らしい。
「もう勘弁してください」と思ってしまうほど、「内定が出ない
こと」「自分を差し置いて他人に内定が出てしまうこと」の
たまらない感じを、SNSという小道具を存分に駆使して
読ませてくれます。
別に誰かが死ぬ話ではないのに、ここまで登場人物を理詰めで
追い詰めることができるのか、と深く感じ入りました。

3.「恋愛」の料理の上手さ
私自身は、最近の売れ線小説にある、「感受性豊かさ自慢」
みたいな恋愛描写なんかクソだ、と思っておる人間です。
要は劇画とかそういうのが好きなわけです。
しかるにこの本、そんな私が恋愛パートを斜め読みしても
大丈夫なように作られています。
「いやあ、このキャラクター、イタい奴っちゃなあ」と愉快に
読んでいてもいいのです。
が、読後にそんな読み方をしていた自分に痛烈なしっぺ返しが
来るように、見事に作り込まれているのです。

もしや、これまでこの作者が得意としていた「恋愛パートの
上手な感じ」が嫌いな人間を、今回は読者ターゲットとしてる
のでは? そう疑ってしまうほどです。

ネタバレになってしまうので具体的なことは書けませんが、
本当に驚いた小説でした。
「面白い」と断言したい作品です。
何者 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:何者 (新潮文庫)より
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