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日の名残り
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日の名残りの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.46pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全354件 141~160 8/18ページ
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執事としての崇高なプライドや、イギリスの伝統的な名家や美しい田園風景などの描写とともに、自身の人生を肯定的に振り返ろうとする主人公の一人称語りであるが、それは作者の張り巡らせた巧妙な表面的仕掛けにすぎない。その裏に作者が潜ませたのは、もっと巧妙な仕掛けである。それは非常に厳しく、悲しい、恐ろしくすらある眼差しである。 それは、言ってしまえば、晩年を迎えた人間の過去に対する独善的、欺瞞的態度、ということになる。 小説内では、主人公の執事は、困難な判断を要求された時に、「私は執事ですから」と言い逃れる。また、大衆の前では自分を高い位置に置いて悦に浸ろうとする。 執事のこうした態度が恐ろしいのは、誰もが自然にやってしまうだからだ。しかし、時と場所によっては、こうしたことが人生を決定づけてしまうほどの重大な意味をもってしまう。これは悲劇である。そして、恐ろしいことである。 しかしこの作品が秀逸なのは、こうした切実で、ある意味重大なテーマを、オブラートに包んで実にさりげなく提示していることである。イシグロはこの作品を三十五才で書き上げたようだが、尋常ではない。決して声高ではなく、穏やかな日常を描きながら、その奥に人間が人間である所以であるかのような何か宿命的な業のようなものをとらえようとしているように、ぼくには見えた。そしてそれは、イシグロの作家人生の出発点からずっと、頑として揺るぎなく貫き通されてきたのだと思う。 イシグロは、強い信念に貫かれた作家である。 | ||||
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作家というものはそれぞれに、他には真似のできない、色調というか雰囲気というか世界というか、そういうものがあると思います。 カズオ・イシグロの作品は、初めて読みましたが、他の作品も同じようなことを感じるのでしょうか? 作品の中には何度も「品格」という言葉が出てきます。 取り上げられている舞台、主人公をはじめとする登場人物、ストーリー・・・。簡単には言葉で表現できない、品格をベースとした色調を感じながら、話が進んでいき、最後は深い余韻に包まれながら、物語は終わります。 どんどん引きずり込まれていくという作品ではありません。そうではないが、大聖堂でベートーベンの交響曲の名演奏を聴いた直後のような、ズシーンとした得も言われぬ感覚に浸っております。 | ||||
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翻訳が丁寧で、大変読みやすかった。ミスケントンの気持にあとになって気づく主人公の姿が何となくほほえましく、 若いときにはこんなことも往々にしてありうると共感がもてた。 | ||||
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文章、構成、登場人物、ストーリーライン、その全てが美しい 一流の文学 一流の芸術作品でした | ||||
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カズオイシグロ氏の作品を読んでみようと、評価の高いこちらを選びました。 上品な本。情景がよくわかる描写で、心穏やかに読めました。スティーブンスとミスケントンのやりとりが面白かったです。 イギリス人の気性や考え方について新しい知見を得ました。 若い人にはちょっと難しいかな? 他の方のレビューにあるように、訳が自然ですばらしいです。 翻訳者の語彙の豊富さに感嘆。 | ||||
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とてもよかったです。 ひきこまれるような文章で、あっという間に読みきりました。 文章そのものは当然なのですが、翻訳もとてもすばらしいのではないかと思いました。 人生を感じました。 | ||||
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上品で深みのある作品でした。小説を読んだ後に映画を観たのですが、ガッカリでした。最も素晴らしい部分がカットされていたり、変えられたりしていました。映画を先に見ていたら、読まなかったかもしれません。 | ||||
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一人の執事の心象風景を淡々とした文章で描き切る理知性と筆力はただものではありません。 | ||||
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関係者の皆さんに感謝です 読み応えのある意味深い内容です イギリス人の感覚でsituation観察や描写をしながら 日本人の観察眼で人物を見ている 複眼的思考の小説だ Kaz | ||||
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英国といえば、日英同盟を結びながら陰でアメリカに日本との戦争をさせたり、アヘン戦争に見るように麻薬を買わないシナを攻め落とし自国領を築いたり表は紳士、裏は悪魔のような国との印象が強かったが、政治家より道徳心の高い貴族層が存在していたことが優秀な執事の回顧録のような形で描かれており知識を新たにしました。日本人としての誇りを持っている著者の著書だけに小説というフィクションでありながらノンフィクションのようなものだと感じました。文章も冗長なところがなく読みやすいものでした。 | ||||
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味わい深い作品。20~30年以上前に読んでいたら、もっと実感があった作品と思う。時代が変わりすぎた。ノーベル賞作家と思わず読んでいたら、うっかり読み流してしまったかも知れない。 | ||||
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以前より関心があったのを、ノーベル賞受賞を機会に読んでみました。カズオ イシグロさんは、幼少の頃にご両親と共に渡英されたようですが、環境が人を作るとはよく言ったもので、すっかりイギリス人のような文章です。日本人にはあまり馴染みがない執事という職業について書かれていますが、読み終わった頃にはよく理解できるようになりました。 他の執筆された本も読んでみたいと思います。 | ||||
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少し仕事に疲れている人に、強くお勧めします。上品な語り口で、昔に思いをはせる。でも、後ろ向きにはならないんです。 | ||||
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ノーベル賞を受賞するまで著者の存在を知らなかった。 書評を読むと、受賞する一年以上も前に、 この人ほどノーベル文学賞にふさわしい人はいない、 と書かれていたので読んでみた。 時代背景は、第二次世界大戦前であるが、 英国における貴族社会に従事する執事が主人公である。 私は、時代背景を描きながらのミス・ケントンとのラブストーリー かと思って読み進んだが違っていた。 カズオ・イシグロ氏を理解するには四~五冊読まないと無理かと感じた。 | ||||
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まず、訳が読みやすいので読み進めるのに苦が無かった。 偉大なことを成し遂げるわけでもなく、飛び抜けた才能で有名になるわけでもない、有能で誠実でまじめな普通の人間である執事の回顧録。そう、真面目に生きている普通の人間の誰にでも寄り添う作品だけに最後のシーンの素晴らしさをしみじみと我がことのように感じることが出来る。 読んで良かった、素晴らしかった。 これほど見事な小説を読んだことが無い、そんな風に思わせてくれる小説。 | ||||
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カズオ・イシグロの作品を読むのは、忘れられた巨人、私を離さないでに続いて3作目です。どの作品も全く異なる世界観ですが、とても楽しく読み進められました。お薦めです。 | ||||
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先ず文体が気にいりました。抑えた筆致ながら過不足なく且つ淡彩ながら充分に心理を描写して、プルーストの影響を受けたという所以が解ります。知的な文章、話の展開に久々に読書の悦楽をおぼえました。 | ||||
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自分の間違いを認めろことって年をとるとなかなかできなくなる。 しかし、自分の間違いを認め謝れる人間は、大きい人間だと思う。 そう思わせる本だった。 | ||||
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予想を超えた素晴らしい作品でした。30半ばで老人の心の機微をここまで表せたのは驚きです。すでに老練の域ともいえる。読んでいて、何故か三島由紀夫の豊饒の海を思い出した。もっとも、最後は会いたかった人と心通わせることができたところに救いがありました。次は「わたしを離さないで」を読もう。 | ||||
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恥ずかしながら、初めて読みました。なるほど〜です。もっと早く読みたかったです。 | ||||
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