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日の名残り
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日の名残りの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.46pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全354件 261~280 14/18ページ
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気品を感じる作品。 登場人物誰もが色濃く記憶に残る。 皆それぞれ気高く描かれているからだと思う。 ラストが近づくにつれ切なさを増していくが、 スティーブンスはこの歩みの速度でも良いのかもしれないとも感じた。 | ||||
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栄光の英国・良き時代の残り香が漂う旅日記である。品格のある名家の紳士たる主人に仕えたと自負する執事の短い旅の物語。主人への敬慕と自身の仕事への誇らかな自負を持って語られる思い出と 徐々に明かされる無残な真実の間に涙する主人公はさびしく美しい。 | ||||
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執事に期待される職務に忠実で、雇い主であるダーリントン卿の、職務・生活全般の円滑な運営に 全身全霊を捧げ、お互い信頼を寄せた優れた女中頭ミス・ケントンとの微妙な感情も職務のためには 律し、距離を置き、自分を押し殺す(本人にはその意識はないが…)スティーブンス。 しかし時の経過とともにダーリントン卿も亡くなり、老年に差し掛かる彼は、新たに屋敷を購入した アメリカ人の富豪ファラディに続いて仕えることに。 一部は閉ざされ縮小された屋敷を少ない人数で運営し、彼の年齢からくる集中力の衰えなのか、細かな ミスが気になり始める。そこにミス・ケントンから手紙が届き、文面に「屋敷に戻りたい」意識を感じ たスティーブンスは、ファラディに相談し、初めて休暇を取り、ミス・ケントンに会う車の旅に出る。 そこで出会う数々の出来事、ミス・ケントンとの懐かしく楽しい会話。そして別れて一人見る夕景色。 これだけでも十分に興味深く、心理の綾を描いた小説だが、しかし英国の年間の最優秀作品に与えられる ブッカ―賞を受賞した背景には、第二次大戦前の一時期、英国においてもナチス・ドイツとの関係を強め 欧州の平和と安定を目指した有力な貴族・議員・官界人が、様々な活動を行っていたことを、今一度認識 し、優れた知性による善意が必ずしも意図した結果に結びつくものではない世界の現実をダーリントン卿 の生涯に表現した部分の深さをも、合わせて評価されたものではないだろうか。 ホプキンスの執事姿が記憶に薄れている…これを読んで映画をもう一度見たくなった。 | ||||
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「人前で決して衣装を脱ぎ捨てないこと」、すなわち私情を押し殺し建前を常に貫きとおすことこそが執事としての「品格」であると信じてきた本書の語り手スティーブンスは、読者である我々に対しても、なかなかその本心を明かそうとしない。ミス・ケイトンに対して長年抱いてきた恋情や、自ら道徳的判断を行うことを放棄しダーリントン卿に盲目的な忠誠を捧げてきたことへの悔悟といった本心を、彼は繰り返し読者に対して否定しようとする。しかし、彼の行動や周囲の人々の発言から推察される彼の本心は、隠そうとしても隠しきれるものではなく、読者である我々は、認めたくない真実から目を逸らそうとするスティーブンスの内面の葛藤を間接的に知ることになる。そして物語の終盤、彼が遂に自分の本心を路傍の人に吐露する場面で、我々は彼の後悔の念に深く共感するのである。 細部に至るまで巧みに構成され、悲しみや優しさ、美しさやユーモアといった様々な人間的要素を一連の流れの中で表現することに成功した本書は、正しく傑作の名にふさわしい。そして土屋政雄の「見事」というほかない翻訳は、本書の魅力を余すことなく伝えている。 多くの読者は本書を、老執事スティーブンスの人生に、凋落していく大英帝国の姿を重ねて描いたものと理解したようである。それはそれで勿論正しいのだろうが、多くの傑作がそうであるように、読者は本書に様々なものを投影することが可能である。例えば日本の読者は、本書に、(特に東芝や三菱自動車のような不祥事で凋落した企業に)滅私奉公してきたサラリーマンの悲哀を重ねることもできるのではないだろうか。 | ||||
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最初はとても退屈に感じましたが、読み進むうちに入り込んでしまいました。 イシグロさんの他の小説も読んでみたいです。 | ||||
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ゆっくりとした時間の流れと意識の流れを感じさせるよい作品である。長編小説であるが、読み進めるうちにストーリーにひき込まれしまい、執事である主人公の語りに吸い込まれてしまう。作品が終わっても、もっとその先を知りたいと思う。長編小説であるが退屈しない。イシグロさんの作品の中にはいつも過去の記憶と意識の流れが織りなす独特の世界が描かれている。土屋さんの翻訳の技術もすばらしい。 | ||||
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注文したその日のうちに配送の手配をしていただき、 およそ3日後には到着しておりました。 商品の状態もとても良く、梱包もきちんとしていて、新品のように感じました。 また、商品とは別に可愛らしい栞もついていたので、 此方も一緒に使わせていただこうと思います。 ありがとうございました。 | ||||
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映画を観て原作を読みたくなりました。主人公の執事としての人となりがより鮮明になり、すぐに読みきりました。 | ||||
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海外小説の翻訳らしい文章が苦手とか、もしくは読書そのものが苦手、という人は結構いると思いますが、この小説にその心配はありません。何も考えず、ただ読むだけで物語が頭に入ってきて、気付いたら読み耽っています。 もちろん物語も素晴らしいです。 主人公は執事の中の執事 スティーブン。今は主が替わってしまいアメリカ人の富豪に雇われています。そのスティーブンはちょっとしたきっかけで、屋敷のスタッフのリクルートも兼ねた小旅行に出掛けることになります。その中で思わず自分自身の人生を見つめ直していき…… とまあ、そういうお話なのですが、まるで本当にスティーブンという執事がいたのではないかと思ってしまうほど、この小説の世界は緻密で丁寧な広がりを感じます。僕は今でもスティーブンが豪奢なホールで執事として仕事を全うしている姿が容易に想像できます。また在りし日のミス・ケントンがスティーブンに突っかかっている姿も。 | ||||
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「わたしを離さないで」を読んで、もっと作家の本が読みたいと思い購入しました。 感情を抑えた語り口で、淡々と語られる描写が好きです。 ドラマの「ダウントンアビー」の世界観も感じます。 | ||||
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イギリス貴族の屋敷で執事を務めるミスター・スティーブンスの物語である。僕が彼に親近感を抱くのは、僕と同じように不器用で生真面目で、そして日の名残りを迎えつつある年齢であるからだろう。彼は執事に必須の弁舌を磨くために小説を読み、ジョークを研究する。少し滑稽な感は否めないけれど、人生観は共感できる。大仕事を成し遂げると同様に、小さくあろうとも自分の領分に全力を傾ける。そして、物語のアクセント、女中頭のミス・ケントン。彼の余りに不器用な愛は、仕事に専念する余りかそれとも女心を理解できなかったのか。僕はもう少しましだな。 | ||||
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素晴らしい小説。執事の役目とは?から始まり人の品格を問う名作です。 臣下の在り方として重なるのは、春秋時代の斉、暗君景公が最も近づけている佞臣に「お前だけが私と和するなあ」と言います。すると名宰相晏嬰が「彼は和するのではなく、君と同しているだけです。君が暑いといえば暑いといい、黒といえば黒というのです。君子、臣下、はすべからく和して同ぜずべきなのです」 いかに和する事が至難の業か、この小説を読めばわかります。 | ||||
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人生の夕方が一番良いというもの。誰かに物語を語らせて、話しを進めていくのは、カズオ・イシグロ的。『わたしを離さないで』の方が好み。 | ||||
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言葉使いが美しいので読んでいて清々しい気持ちになります。朝の通勤時などにおススメです。 スマホにダウンロードできるのでカバンが重くならなくて、いいです。 | ||||
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読み終えて、ただただ、「素晴らしい!」の一言です。 本の内容は、旧き良き時代から英国のとあるお屋敷にお仕えする「老執事」の一大回想録なのですが、 その「老執事」が回想する一つ一つの出来事やアクシデント、同じ使用人たちとの日常生活、同業の父親との確執、お仕えする卿への忠誠心など、 まるで著者イシグロ氏に、この「老執事」のこころが乗り移ったかの如くです。 この老執事は、まるでこの現代にもイギリスのどこかのお屋敷で働いているかのように感じられてなりません・・・。 どなたかも書いておられましたが、翻訳のまた素晴らしいこと。 この執事の立ち居振る舞いや喋り方、その他細部に至るまで、ただ上手に翻訳しているのではなく、 執事が訳者の傍にいて、手取り足取り翻訳を手伝っているかのようです。 また、仕事で職場の同僚との日々の付き合いに悩んでいる方がおられましたら、 この本をぜひお勧めします。 「執事と女中頭」のやり取りがとても参考になるでしょう。 こんな心温まる、心豊かな小説を読んだのは、久しぶりです。 読書の醍醐味を教えてくれる数少ない貴重な忘れられない一冊になりました。 | ||||
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何事かをなしたと思いたがる人間ほど逃げ込もうとする欺瞞が、国の没落を準えたタイトルにも集約されている。 | ||||
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中古の単行本ですがとてもきれいで、表紙の下にほんの少し傷があるだけです。 原文とともに読むのが楽しみです。 | ||||
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素晴らしいサービスと商品を提供しています。使ってください. 全く問題ありませんでした。This is a great product by a great seller. | ||||
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カズオ・イシグロの3作目の長編である。素晴らしい作品だった。 英国の執事が主人公である。ソールズベリーの館。新しいアメリカ人の主人に仕える老いたスティーブンス。ミス・ケントンからの手紙。車で旅に出たスティーブンスは、長年仕えたかつての主人であるダーリントン卿の時代に想いをはせる。途中で立ち寄った地の人々との交流と過去の回想がクロスオーバーしながら、物語は淡々と進む。 登場人物たちの微妙な心の揺れをとらえた緻密な描写。2つの世界大戦と館での出来事。かつて執事であった父親。多くの使用人たち。出入りする人々。プロフェッショナリズム。ミス・ケイトンとのやりとり。作品を貫く品格。よく錬られた構成。美しい夕暮れ。 面白いとか、エキサイティングだとか、泣けるとか、そういうのではないかもしれない。しかし、読み終えて、静かだが、確かで、深い余韻に包まれた。1989年にブッカー賞を受賞したという。それだけのことはある。見事な傑作である。以前読んだ「わたしを離さないで」も、とても良い作品だった。この作家はいつかノーベル文学賞をとるだろう。 | ||||
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人生、この年齢になったら読む本、というのがあるように思う。 カズオイシグロの「日の名残り」もそんな一冊で、これは血気盛んな若者が読むのは似合わない。 執事をしている主人公による一人称の独り語り 日本的な言い方をすれば、執事スティーブンスは「忠義の執事」だ。 その彼の一人旅、昔の同僚との再会。 作品全体を包む寂寥感。 最後に夕日が差し込むかのような気持ちの「変化」。 一枚のすばらしい絵を見るような感じを抱く。 この小説は人生黄昏時の人にちょうど良いと思う。 ちょうど乾いた土に水が染み込むがごとく、スーッと入ってくる。 ちなみに映画も観たが、個人的には最後のシーンは小説の方が良いかなと思う。 | ||||
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