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(短編集)
10月はたそがれの国
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10月はたそがれの国の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.19pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全31件 21~31 2/2ページ
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創元推理文庫のカヴァーの背表紙には昔、ジャンル別のマークが付いていた事を、若い読者の皆さんはご存知だろうか。 今ではミステリ全般をM、ファンタジイ、怪奇・冒険小説ならF、空想科学小説ならSFと、割と大雑把に記号で示されているが、昔はもっと細かく、「本格推理小説」「スリラー、サスペンス」「法廷物、倒叙」「ハード・ボイルド、警察小説」「怪奇と冒険」「SF」などと細分され、それぞれのアイコンを背表紙に付け、ジャンルがひと目で分かる様にしていたのである。 創元がこのジャンル・マークを廃止して久しいのだが、僕の様なオールド・ファンには少し淋しい気がする。書店に行く度に未だに思うのだが、創元の書棚が(マークが無い分だけ)のっぺらぼうの様に思えて、何だか他の書棚に比べて物足りないのである。 カヴァーのイラストやデザインも若向きを狙っているのか、随分変わった。 本書『10月はたそがれの国』のカヴァー・イラストも、当初は本文と同じくジョー・ムニャイニ(←正しい発音です)のものを使っていた。それがあっけなく没にされたのは、非常に残念な事である。 もし皆さんが古書店で、本書の表紙ムニャイニ・ヴァージョンを見つけたならば迷わずゲットする事をお勧めする。個人的には本書は、それまであまりSFに興味の無かった僕を本格的にハマらせてくれた思い出深い一冊である。 | ||||
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昔、翻訳物ばかり読んでいたころ、好きだった。 今、手元にある本はボロボロになっている。 「みずうみ」も好きだが、一番は「大鎌」。 もしかしたら、あるかもしれないと思わせるところが著者の力量なのだろうが、今でもちょっと怖い。 最近、頻繁に大鎌が振るわれている気がする。 こういう怖いけれど美しい世界を知ってしまったら、とてもじゃないが、最近「怖い」と言われる作品は物足りないし、足元にも及ばない。 これは特に出来の良い作品を集めた短編集である。 ぜひ一読をお勧めする。 | ||||
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ブラッドベリの初期の短編集で19の短編が収録されている。表題のOctober Countryについては冒頭で説明があり、その国はいつも年の後半で、岡や川は霧に包まれ、昼間は短く黄昏の時間が長くて真夜中が続き、秋に染まった人々が暮らしており、雨の様な足音で夜中に通り過ぎるそうだ。 英語の原文を下手な日本語に訳したのでよく意味がわからないと思うが、とにかくこの短編集で描かれるのは何れも奇妙な人々で、結構怖い話が多い。正直言って、2話目のThe Next In Lineでもう読むのをやめようかと思ったが、4話目のSkeleton辺りからだんだんこの不思議な世界にはまっていき、結局最後まで読み終えてしまった。 心温まるような話は皆無で、怖かったり、気持ち悪かったり、物悲しくなったりする話が殆どであるが不思議な魅力を持った短編集だと思います。 | ||||
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O・ヘンリーの短編集とこの本は、この季節、ひんやりとよく晴れた日曜日は思い出して読みたくなります。 高校の時からの習慣ですから何回読み返したかわかりません。 叙情的なのだけどセンチメンタリズムとは無縁の、美しく怖い世界。 どの一編もすばらしいのですが、特に好きなのは「骨」いや「群衆?」「次の番??」ああ決められません。 古くは「トワイライトゾーン」や「ウルトラQ」、「世にも奇妙な物語」などが好きな人ははまること請けあいですのでご用心・ご用心・・・ 作成日時 | ||||
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最高と思います。 読んでいると、自分自身が夢の中を漂っているような感覚です。 特にお薦めは、骨・小さな殺人者・群集・二階の下宿人 でしょうか。 | ||||
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まず不安や恐怖という感情が先にあって、そこから産み出されたストリー。 つまりこれらの物語は、すべてブラッドベリの妄想の産物かも・・・と思わせるところがある。 神経を病んだ人間でなければ絶対に思いつかない内容だという気がする。 | ||||
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「火星年代記」はSFという範疇のなかでは屈指の「文学作品」だと思 うが、本書は著者の処女短編集「闇のカーニバル」に五編の新作を加 えたものだという。SFではなく幻想小説であるのは意外であったがブラッド ベリの筆力に改めて感心した次第。特に「こびと」「壜」「骨」などが印象的。 旧題「闇のカーニバル」に相応しい作品。「つぎの番」の・・からだのなには 骨があるんだとしらされなければ、いくつになっても、骨のことなんか気 にしないものよ・・が「骨」で見事に敷衍される。誰でも皆からだのなかに 骨を持っている、ということグロテクスさ?に気づかされたが、作家のイマジ ネーションというのはどうなっているのだろうか。なんとも凄まじい。 文庫本を読む、読んだあとの最大の楽しみは「解説」だけれども、こ の文庫本には解説はおろか「訳者あとがき」もない。創元SF文庫って? よって付け加えられた五編の新作がどれなのかも分からない・・・なぜ タイトルが変わったのかも分からない・・・ 46年前の訳。男性の話し言葉は変わらないけれど女性の話し方はず いぶんん変わったなあ。まるで小津映画の台詞のよう。女性が強くなっ たということか・・余談。 | ||||
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不思議であやうい雰囲気をただよわせた短編一つ一つにどっしりとした現実味がある。 これは私達からかけ離れた世界ではなくとても身近な世界だ。 SFという手法をとっているけれども、もしかしたらこれは人間の深層心理そのものかもしれない。 人間の恐怖、残酷さ、慢心、せつなさ、好奇心、やさしさが美しい描写の中で際立っている。 誰もが感じうることを作者が代弁してくれているようだ。 短編だから読みやすい。 SFが苦手をいう人にもぜひ読んでもらいたい本。 | ||||
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40年近く前の本なので柴田元幸、村上春樹といった現代の訳者に慣れてしまった自分のような読者は、時折立ち往生してしまうかもしれない。 しかしそこで諦めずに読み進めていって欲しい。 作品のそこここに今も瑞々しく感じられる、作者のセンスが光っている。 訳者のフィルターを通してもなお、感心させられる描写も多い。 「アンクル・エナー」のような思わず微笑んでしまう牧歌的な作品から、「小さな殺人者」のように震える背筋が最後には凍ってしまう作品まで。 毒も皮肉も不条理も…とあらゆる要素が楽しめるお得な1冊である。 試しに1度読んでみても損はないと、自分は思う。 | ||||
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僕の手元にある文庫は、1965年12月24日のクリスマス・イブに発行された初版である。 以来、約40年間の星霜。 何度も読み返してきた。 不思議に飽きることはなかった。 なぜなのだろうか。 「波がぼくを、この世から、空飛ぶ鳥から、砂浜に遊ぶ子供たちから、岸辺に立つぼくの母から切りはなした。 やがてまた、波はぼくをかえしてよこした。 」『みずうみ』より。 なんと多くの、少年と少女たちが、この十月の国を訪問し、何かを見てしまい、立ち去り、時を経てから、その恐怖を書いてきたことだろう。 これは、作家を生み出す文庫なのだ。 | ||||
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ブラッドベリの代表作としては「火星年代記」や「刺青の男」を挙げる人が多いが、私にとってブラッドベリの最高傑作はこの本。 彼のセンチメンタルな部分とグロテスクな部分が同居する卓越した感性が、ぎっしり詰まっている。 20世紀アメリカ幻想文学が生んだ最高の短編集といってよい。 「みずうみ」「熱気のうちで」「2階の下宿人」「こびと」などなど、どれもこれも素晴らしすぎる。 ブラッドベリはやはり、この本に代表される初期の作品が一番いいと思います。 | ||||
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