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血と骨
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血と骨の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全59件 21~40 2/3ページ
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メチャクチャ面白い小説だった。 読み出したら、止まらない・・・という感覚は、司馬遼太郎の「国取り物語」で味わって以来、なかなかなかったのだが、本作は、それに迫る面白さだったと思う。 神をも恐れぬ男、金俊平の強欲が生み出す様々な愛憎劇。 これを読んだら、生ぬるいフツーの小説が読めなくなってしまう。 そのくらいの、人間の極限状態を正確にかつ、冷静に描写している。 とりあえず、傑作なので、一度読んでみてください。 | ||||
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久しぶりに良い小説に出会えたと思う。 内容事態は、あくまで金俊平の強欲、暴力、性欲がひたすら続く不毛とも言える展開が中心なのだが、冷静かつ、シンプルな作者の描写は、読んでいて飽きがまったくこない。 観念的な場面は描かず、徹底的にそぎ落とした文章は、作品の唯物論的世界感を的確に表現している。 鬼畜とも言える金俊平の所業は、突然の病により、一気に衰える。 最後は、無残な展開が待っているのだが、因果応報・・・なのだろうか・・? 個人的には、滅多にお目にかかれない位の傑作だった。 他の作品も目を通してみようと思う。 | ||||
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金俊平はなかなかの…人らしい。 でも料理が上手そうだ。 定子がそんなに美味しい物と言うのなら、その常識を覆す料理(ごった煮)を1度口にしてみたいもんだ。 でも…やっぱり、 口にする自信がない… | ||||
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戦後の在日の人々の苦労さが伝わる内容でした。 血生臭い小さな工場くらいでしか働くところがなく、日々、明日の心配をしながら生きる生活は、私にはなかなか想像がつきません。 しかし読んでいくと、その生き方の生々しさが徐々に伝わってくるものでした。 私たちが嫌がる仕事をこのような方々が実は担っているのには、本当に頭が下がります。 | ||||
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本当に凄まじい小説でした。 多少の誇張はあるにせよ、こんな人間が実在したのかと疑いたくなる様な壮絶な生き様。 徒党も組まず一匹狼を貫く姿勢は、潔ささえ感じられる。 自分以外の人間は例え血を分けた子供達であっても信用せず、家族は自分が生きる為の道具として見ないその冷徹さ。 全ての欲望に忠実で、生きるということにここまで貪欲である人間を知らない。 | ||||
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在日版「ベニスの商人」と言っても過言でない小説です。作者の実在した父親が モデルになっているだけあって、更に緊迫感が文章に漂わせています。 暴力と金しか信じないその姿勢は周囲の人々を不幸にし、結果、末期には老いと 病魔に勝てず衰退していく姿は儚さを感じます。 だけど、ヤクザ十数人とやりあったり、驚異の絶倫振り(この表現マズイか・・) 怖いものなしの金 俊平に憧れている自分がいます。 前々から梁 石日先生の物語はサイバーパンクSFに通じる、暴力性、猥雑さが 存在していると思っています。もし、梁先生が近未来ものを描いたら 伝説のSF「ドクターアダー」に匹敵する物が生まれるかもしれません。 | ||||
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こんな人が家族にいたら絶対に嫌だよね。 近所にいるだけでも嫌だ。 でも、その生き方には何故か引き付けられるものがある。 そんな主人公、金俊平の一生を書いた作品。 作者の実父がモデルとされているだけあって、 小説として誇張されている部分もあるのだろうが、 その存在感、リアリティーには圧倒される。 物語は1930年頃の大阪から始まる。 力で自分の好きなように生きる金俊平。 何故か無理やり妻にされてしまった英姫。 金俊平に振り回される親友の高信義。 金俊平の野放図な生き様と共に、貧しいながらも、 互いに助け合いながら生きる在日朝鮮人の生活が書かれる。 その助け合いの精神は殺伐とした現代では考えられません。 小説の技術としては、視点が定まっていない部分があります。 だけど、そんな欠点も気にならない位、この作品には読む者を圧倒する 骨太の骨と、熱い血が流れています。 凄い作品です。 | ||||
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妻の英姫に資金を用意させ、蒲鉾工場を立ち上げる金俊平。 それにしても英姫は生活力がありますね。 金俊平なんかと関わらなければ一財産築けたのではないでしょうか。 自分の子供たちにも昼夜を問わず働かせるが、工場で得た金は 家族の為には一切使わない。 相変わらず、自分の好きなように生きる男です。 その奔放な生き方が鮮やかだった分、晩年の境遇はいっそう哀れに感じる。 最後の愛人である定子やその子供たちは酷い人間だと思ったが、 定子だけの問題では無く、妻の英姫や子供たち、定子の前の愛人である 清子にしてきた事の報いではないだろうか。 自分の長男である成漢に「チャネ(あんた)、チャネ(あんた)」と呼びかける金俊平。 そして人生最後にして最悪のバッド・チョイス。 人間の業を感じさせます。 | ||||
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「人間死ぬまで生きるだけだ」 主人公の父親は、暴力とカネだけを信じて、周りの人を全員不幸のどん底へと突き落としながら生きていきます。 その超人的な暴力ぶりは非現実的であるものの、著者の迫力の描写によって、非常なリアリティーを帯び、読みながら恐怖のどん底へと突き落とされていく気分になります。 まるで恐怖映画を見るように、次はどんな恐ろしいシーンが待ち構えているのかと貪るように読んでしまいました。 しかし、無敵の暴力を誇る父親も年齢と病気には勝てず、自らもどん底へと落ち込んでいきます。 いい気味だと言うのもあまりにも哀れな末路。 チカラとカネの無力さを実感させる名著であります。 | ||||
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たぶん、かなり誇張されてる部分もあると思われるが、程度の差こそあれ、主人公のような生き方しかできない人は結構いたんじゃないだろうか。 自分の父が作者と同世代、祖父が主人公と同世代なので、父や祖父、そして年長の親戚知人の姿が本作の登場人物に重なり合って見えたりする。 自分に限らず、ある年代以上の在日ならそう感じることだろう。 本作に特徴的な、ある種クローズドなリアリティが在日文学(とカテゴライズして良いものかどうかわかりませんが)の特長でもあり、また、必然的に限界でもあると考える。 過剰な描写が鼻につくきらいもあるが、自分自身が在日なので思い入れ度が高く、星5つを献上。 | ||||
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たぶん、かなり誇張されてる部分もあると思われるが、程度の差こそあれ、主人公のような生き方しかできない人は結構いたんじゃないだろうか。 自分の父が作者と同世代、祖父が主人公と同世代なので、父や祖父、そして年長の親戚知人の姿が本作の登場人物に重なり合って見えたりする。 自分に限らず、ある年代以上の在日ならそう感じることだろう。 本作に特徴的な、ある種クローズドなリアリティが在日文学(とカテゴライズして良いものかどうかわかりませんが)の特長でもあり、また、必然的に限界でもあると考える。 過剰な描写が鼻につくきらいもあるが、自分自身が在日なので思い入れ度が高く、星5つを献上。 | ||||
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たぶん、かなり誇張されてる部分もあると思われるが、程度の差こそあれ、主人公のような生き方しかできない人は結構いたんじゃないだろうか。 自分の父が作者と同世代、祖父が主人公と同世代なので、父や祖父、そして年長の親戚知人の姿が本作の登場人物に重なり合って見えたりする。 自分に限らず、ある年代以上の在日ならそう感じることだろう。 本作に特徴的な、ある種クローズドなリアリティが在日文学(とカテゴライズして良いものかどうかわかりませんが)の特長でもあり、また、必然的に限界でもあると考える。 過剰な描写が鼻につくきらいもあるが、自分自身が在日なので思い入れ度が高く、星5つを献上。 | ||||
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良くも悪くも、人間というものありようを余すことなく書き尽くしている。 宗教的側面はないにしても、「カラマーゾフの兄弟」を初めて読んだ時のような衝撃を受けた。 どんなに上辺を飾ってみても、僕らは一皮むけば同じように血と骨で出来ている生物に過ぎない。 圧倒的な欲望や暴力も、僕らの誰の裡にも潜んでいるのだ。 それは、戦争や飢餓などの極限状態に置かれた時、くっくりと浮き上がる。 人間の本質から目を背けて、ヒューマニズムや道徳を語っていても、説得力はない。ここに描かれているような生き方や暴力の世界を肯定するわけではないけれど、まずはこれが人間だということを考えるいいきっかけになる。 そういう本だった。 | ||||
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下巻は金俊作が敗戦後蒲鉾工場を立ち上げて成功するところから病魔に襲われて家族に捨てられ、最後は北朝鮮に移住するまでの話。 必死の思いで金策した妻、危険を冒して蒲鉾工場認可証の取得に奔走した娘婿、工場が稼動すると骨身を惜しまず働いた息子や娘、これら家族一族に全く報いることなく、金と自分のみを信じて、やりたいことをやった男の末路。 暴力で意のままになると信じた男は暴力を振るえなくなると復讐された。 反面教師として「家族」とは何かを教えられる。 | ||||
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はっきり言って最低な人間である。 しかし、英雄肌は否定できない。 そして、どことなく魅力を感じてしまうものもありました。 この男の最後まで書かれていることが面白かったです。 読みやすさ ★★★☆☆ はまりやすさ ★★★★☆ 興奮度 ★★★★☆ | ||||
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酒と女と博打にあけくれ、自己中心的で自分しか信じない。 力ずくで妻にし、逃げれば執拗に追い掛け回し、仕事もせず妻から金を巻き上げるヒモ生活。 妻が警察につかまり、非難が自分にふりかかるとそれから逃げるように東京に子供らを連れて行き、ほったらかして一番小さい子を餓死させる。 そして徴兵制度を忌避するために息子を連れて各地を転々とする。 魁偉な男金俊平とはそういう男だ。 その彼の尻拭いをさせられる親友高信義とその仲間たち。 彼らを描写することによって戦前の在日朝鮮人社会が紹介され、背景に厚みが加わる。 上巻は戦前まで。 | ||||
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金俊平の存在感がすごい。 暴力的すぎる圧倒的な存在感で、家族も同僚も親戚も全ての人を支配してしまう。こんなにも自己中心的な人間には絶対に関りたくない。でも、これほどの圧倒的な強さというのにも憧れてしまう自分がいる。 「血は母から受け継ぎ、骨は父から受け継ぐ」 血は骨で造られるという前提の言葉らしい。 どんなに逃れようとしても逃れる事の出来ない「親子」という絶対の宿命を感じさせてくれる。 決して他人を信じない冷徹な金俊平だが、高信義に見せるちょっとした友情や、晩年、自分の子供を何とかしようとするところに人間的な一面も見ることができる。これが、金俊平という存在にミステリアスな魅力を持たせていると思う。 | ||||
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もう、冒頭からラストまでボディを打たれ続けているみたい。 重いんですよ話が。 救いとかなにもないんです。 て当たり前、救いがどうとかいう話じゃない。 破天荒にして苛烈な一人の生き様を記録した小説ですからね。 もう本当に、これほどまでに重い小説ってそうそうありません。 気楽に読むと返り討ちにされますよ。 気合入れて読まなきゃ駄目です。 もうね、戦争映画の一番キツい奴を見てる感じでした。 記録映画っていうのかな、アレみたいな感覚。 読了して暫くたちますが、未だにコレを思い出すと顔が苦くなります。 それほどのパンチ力を持った作品です。 | ||||
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第11回山本周五郎賞受賞作品。 第119回直木賞候補作品(この時の受賞作品は車谷長吉『赤目四十八瀧心中未遂』)。 「宝島社 このミステリーがすごい!」 1999年版 13位 私は本書を読んでいる時、常に重低音のおどろおどろしい音楽が自分の周りで流れているかのような錯覚を覚えました。本書の内容は本当におどろおどろしいです。 そして、おどろおどろしいかつ重い内容なので、本書を読んでおもしろかったり、感動したりすることはまずないと思います。 しかし、私は本書に綴られていることに対して興味が尽きず、一気に読破してしまいました。 一見矛盾しているようですが、このようなことが成立するのは偏に著者の力量によるものだと思います。 おもしろくはないけど、読み始めると止まらない本書独特の世界へ是非足を踏み入れてみてください。 上巻である本書では世界大恐慌の影響から空前の不景気に見舞われる日本が戦争という泥沼に足を踏み入れる頃から太平洋戦争の終結までが綴られています。 全ての人が時代の波に翻弄される中、金俊平は身一つで我が道を行きます。 極道も警察も恐れる鬼神のごとき金俊平。 彼の生き様には興味が尽きません。 下巻の方にもレビューを載せようと思っていますので、参考にしていただけると幸いです。 ソレデハ | ||||
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第11回山本周五郎賞受賞作品。 第119回直木賞候補作品(この時の受賞作品は車谷長吉『赤目四十八瀧心中未遂』)。 「宝島社 このミステリーがすごい!」 1999年版 13位 下巻である本書は太平洋戦争終結後の混乱の時代から金俊平の死までが綴られています。 上巻と同様にこの下巻もおもしろくありません。しかし、これまた上巻と同様に読み始めると止まりません。 この一見して矛盾している状態は上下巻通して徹底されています。 また、この下巻では家族についてかなり厚く綴られていますが、良い意味で期待を裏切りながらも金俊平の家族に対する態度も終始徹底されています。 さらに、本書では在日朝鮮人についてや彼らの社会について、そして彼らが日本でどういう状況に置かれていたかということについて、本来は隠したくなるようなことまでも赤裸々に綴られています。これも上下巻通して徹底されています。 様々なことがとにかく徹底された作品です。これだけ徹底されていると、気持ちが良いくらいです。 上下巻両方の私のレビューを読んでくださった方がいらっしゃいましたら、嬉しい限りです。 ありがとうございました。 ソレデハ | ||||
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