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エピローグ
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エピローグの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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SFらしさに満ち溢れているから、多分SF ('-`).。oO プロローグとエピローグに挟まれた章が奇数章と偶数章に分かれて展開されていて、結末ではそれぞれのストーリーが合流して混乱を起こすというのか、何と言うのか。 特異点、因果律、時間軸も無茶苦茶なのに筋が通っているのが不思議な作品。 | ||||
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スーパー知性派理系SF作家円城塔の現時点での到達点と思われる最高傑作。内容的にはデビュー作「Self reference engine」を想起したが、オムニバス形式の連作短編だったのが、長編に。情報量の多い高密度な文章を長編に仕上げただけでも凄いと思った。特筆すべきは最先端のハードSFなのに素晴らしいリーダビリティであり、かなり短時間で読み切る事が出来た事。これはハードSFっぽさを抑えて芥川賞を受賞した「道化師の蝶」の文章術を想起した。 超絶ハードSFでありながら、随所に見られるユーモアやペーソスも絶妙で、別々かと思われた2つのストーリーが最後に重なり、人間と人間を超える存在との恋愛小説と言う形で締め括ったのにも感嘆。これから「プロローグ」の方を読むつもりだが、本作の評価は変わらないだろう。進化する作家円城塔さんをリアルタイムに読む事が出来て幸せである。 | ||||
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書籍(印刷物)というメディアの限界に挑んだような作品。電子書籍では、実現不可能かな。 | ||||
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非常に混沌としたSFです。 宇宙と戦争と時間と存在と人間が入り乱れて、協奏します。 AIの行く末を垣間見れる一冊です。 | ||||
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プロローグで読むの諦めました。 自分には一文一文の表現が肌に合わなかったみたいです。 時間をかけて理解してみよう!ってほど面白そうなストーリーとも感じず・・・。 創作した自分の言葉の世界に溺れてんのかな〜と。 ただチョロっと店頭で読んでから購入に踏み切るべきだったな、と反省はしています。 | ||||
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本作はOTC(Over Turing Creature)に侵略された後の世界を描いた作品である。紛らわしいが、本作の登場人物(あるいはエージェント)は現実世界に生きているが、その世界は侵略前にかつて"本当に"存在した現実世界をAIによって仮想現実化した物理世界という設定らしい。ここからでも分かる通り、エージェント(agent)、アトラクタ(attractor)、インタフェイス(interface)、機械翻訳、スレッド(thread)といったソフトウェア工学及びAIの用語(概念)についての知識がないと全く付いて行けないという作者特有の舞台設定。なお、本作で言うエージェントとは<チューリング・テスト>をクリアしてしまった(人類の同胞の)AI(=計算機プログラム)の事で、所謂<2045年問題>を意識した作品だろう。 更に、アラクネという高性能の女性ロボットも登場する。簡単に言ってしまえば、本作は「OTCvs(エージェント+ロボット)」の闘い及び2つの異なった宇宙(OTCは多次元宇宙を創造出来るし、各宇宙は数学・物理的法則の秩序外で存在している)の中で起きる連続殺人事件(時系列も存在しないので、何が連続かは不明だが)の解決過程を描いた作品である。しかしながら、本作の場合、ストーリー展開を云々しても意味がない。何故なら、作者の興味(目的)は、「果たして人間と機械(AI)との間に"差"は存在するのか」という点に絞られているからだ。本来はスパイスである筈の作者の薀蓄(ソフトウェア工学及びAIを含む計算(機)理論、情報理論、位相幾何学を中心とする数学、命題論理、一番の専門である物理学)を楽しむ事がメイン・ディッシュであり、物語の核はシンプルな方が(機械学習にとって)相応しいのである。ある意味において、本作は「『物語』を題材とした物語」なのだから。 作者のこの執筆姿勢は、金子邦彦氏(作者は金子先生の研究室に在籍していた)「カオスの紡ぐ夢の中で」中で、<円城塔>という名前の"小説自動生成プログラム"が登場した事を知っていると良く理解出来ると思う。実際、作者は前作「シャッフル航法」の中でそれを実践した(金子先生曰く、「複雑系の研究に一番適している題材は小説だ」)。即ち、これまた紛らわしいのだが、本物の作家になった作者は、研究室時代の<円城塔>にひたすら近づこうとしているのだ(勿論、上述の目的を自身で確かめるためである)。 長編の中で百花繚乱の如くメイン・ディッシュを散りばめられる作者の力量には改めて感心させられた。現代にあって、読者を"選ぶ"稀有な理系作家である作者を私は愛好しており、今後もその本領を発揮した作品の発表を期待したい。 | ||||
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敷居の高い本ではある。(一見さんお断りの京都の料亭ぐらい高い) 何故かというと。 「言語を含みかつ言語の情報量を超える非言語とそれによって構成される宇宙」という記述を私はすることができる。 が、記述したにも係らず、私はその非言語を言語によって言い表すことができない。 円城塔はこれを、物語によって想起させることによって顕わそうとしている。 想起させる対象は読者である、ゆえに読者の存在なしにしてこの小説は成立しない。 この構造を私は、生まれたての概念である「パラフィクション」と呼ぶしか説明できない。 あるいはこうも言える。 「エピローグという暗号」を暗号解読機(=読者)にインプットし、アウトプットされたものが「エピローグという小説」であると。 厄介なのは暗号解読機(=読者)の個性が様々なので、アウトプットされる「エピローグという小説」も多様に変化するということだ。 しかも、暗号解読キーが1つであれば高確率で同じ「エピローグという小説」が発生するが、円城塔は意地悪である、 様々なSF的がジェット、ミステリーの構文、変わる人称、変化する人物、入れ子細工の時系列、等等等 無数の、暗号解読キーを配置することで、まるで変数の数が多すぎて解が無数に存在する方程式のように 1つとして同じ「エピローグという小説」がアウトプットできない仕上げになっている。 故に、このレビューは正しいと同時に同じ確からしさで間違っているのだ。 さて、このように敷居の高い作品であるが、ひとつ言えるのは読むなら今だ、ということである。 批評言語が、評論空間がこの作品に追いつく前に読めば、混乱と引き換えに濃密な読書体験をすることができるからだ。 ちなみに私は、読後、自分が言語によってバラバラにされる喪失感を得た。 これも無数にある解の1つであろう | ||||
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そうタイトルでは書いたものの、本書は中々にハードルが高い。 まず興味を持ったのなら、先に『Self-Reference ENGINE』(デビュー作)、『シャッフル航法』(私は未読だが、入門に最適と呼び声高い)を読んだ方が良いかもしれない。それで円城塔がどんな作家か分かることだろう。 そして芥川賞受賞の『道化師の蝶』を読んだ方。この作風が気に入ったのならば恐らく大丈夫だ。 そして『エピローグ』。 あらすじからも分かる通り本書も円城塔らしさが滲み出ているし、あらすじからは想像も付かない世界が広がっている。 『屍者の帝国』以来の長編であるが、各章の構成・分量も素晴らしく、長編であっても氏の魅力は落ちないと再認識した。 まさに今までの著作から流れを汲んだ集大成であり、最高傑作だと感じた。 この後に『プロローグ』が出るというのもまた何とも憎たらしく愛らしい。 | ||||
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物語の設定としては、作者の初期の作品Self-Reference ENGINEのようなカオスとなった世界が舞台ですが、混沌度はより増しています。 円城氏のSF作品を読んでない人は、Self-Reference ENGINEから読んでください。でないとわけわかんなさについていけません。 物語は、私が彼になり、あなたが何かになり、何もかもすべて確定することができず、一方では定められたシナリオ通りに進まなければならない世界ですが、その中で魅力的なのは、アラクネというキャラクター。パートナーの朝戸に対して毒舌で辛辣に接する彼女の物語終盤での行動に、読者はこう感じると思います。これは愛ではないかと。そしてほかのキャラクターも、それぞれ愛を感じ、または愛を失っていきます。だから、たぶんこれはラブストーリーなのです。少なくとも私は、そう感じました。 しかし、それも作者の考えた罠なのかもしれません。もしかしたら再読したら違うイメージになるのかも・・・。 | ||||
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