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バビロン 1 ―女―
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バビロン 1 ―女―の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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『製薬会社の誇大広告に端を発する詐欺事件を追う過程で謎のメモを発見。 出所を追うとある医師の謎の死があり、その裏には新設される自治区の首長選挙にまつわる巨大な陰謀が横たわっていた。 さらにその陰には、まるで「その為に生きてきた」かのような経歴を持つ男と、あらゆる権力者を籠絡する女が…』 読み進めるほどに引き込まれ、まさに「絡め取られる」ような感覚。 これは実に面白い。 聖書に記された「羊の様な二本の角を持つ獣」が齋であり、「大バビロン」が曲世なのだろうと予想。 曲世の出身が那須というと九尾の狐にも関連があるのか? | ||||
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読みやすい文章とスピード感のある内容で一晩で読み終わりました。 ネタバレになるので余り多くは書けませんが、 主人公が警察として「正義」を貫こうとする過程で一方の「悪」とは何かを考えさせられ、そして主人公もまた「正義」 とは何かを考えさせられます。 その過程である事件が起こり、そこには1人の人物が見えてくるといった内容です。 完結していませんが、続編が楽しみになります。 | ||||
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東京地検検知正崎。 事件を追いかける内に、大きな陰謀渦巻く選挙戦に繋がっていく。 正崎の力の及ばぬ領域で真実が明らかになる中、依然として残る謎に対して挑んでいく。 1巻完結かと思いきや、次巻に続く内容。 すごく続き、そして真実が気になる本格的なミステリー小説。 表紙カバーで損している気がしてもったいない。 | ||||
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シリーズ完結しないと評価はできませんが、少なくともスピード感のある展開で読んでいて面白かったです。 アムリタからのシリーズにどこかで繋がるのでしょうか。 何より、ミステリ正統派は否定するかもしれませんが、SF的ではありますがロジックパズルとしては立派なトリックとして成立していると思います。 野崎まど作品はいつもどこかで読者を裏切るような仕掛けがあり、SFミステリとして読んでいますが、そういう意味では「らしい」作品ではないでしょうかね。 | ||||
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以下、ネタバレを含むかもしれない↓ 野崎まど、その存在だけは知っていた。 何となくネーミングセンスとかに西尾維新の影響を受けているみたいな話だけ知っていて、割と熱心な西尾維新のフォロワーである俺は、ちょっとスルー気味にしていた対象だった。 タイトル『死なない生徒殺人事件』には、戯言シリーズのヒトクイマジカル、木賀峰約の『死なない研究』を連想してしまったし、『2』の『究極の作品の話』という帯の煽りには興味を持ちつつも、「なんて中二病なんだ」と思ってもいた。 初めてメディアワークス文庫の小説賞を取ったということで、話題性は十分だったものの、手を出さなかった理由は「なんとなく」だった。 そして、俺自身、あまり小説を読まないような生活が続き、最近になってようやく読書習慣が戻ってきたので、何の気なしにこの新作を手に取った。 これが野崎まど、初体験ということになる。 正崎善(せいざき・ぜん)、曲世愛(まがせ・あい)といったメインキャラクターのネーミングセンスにはどことなく西尾っぽさというか、若干の影響を感じるものの、ストーリー展開の方向性については、大きく異なる、と感じた。 創作を通じて『ある究極』みたいなものを追求しているのを感じる。 女、というサブタイトルや暗号等で、幾度も伏線は張り巡らされていたものの、実際、最後のオチには目を見張るものがあった。 本作は社会派ミステリというか、俺があまり普段読まないジャンルで、若干取っつきにくい感じはあった。 また、キャラクターのやり取りは軽快であるものの、主人公と助手のやり取りにようやく馴染みが出てきたと思ったら、思わぬ関係解消とかもあるので、キャラクターのやり取りにおいては、そこまで濃くはない。 モノローグとセリフの応酬によって、キャラクターを立てていくのが西尾維新の手法だとすれば、野崎まどは大規模な事件によって、キャラクターの黒幕的存在感を一気にフラッシュするのがその手法だと言える。 大規模な汚職というか、法を侵してはいるが、しかし、その集団なりの正義を体現するための政治事件、という『男』の悪―― そこから、事件はその集団を実はコントロールしていた、『女』の悪へと反転する。 今の法律を覆し、新天地を創造する、という男の世界観から、今ある死生観そのものを覆すという女の世界観に、事件はその色を変える。 政治的主張が、宗教的主張に塗り替えられる。 悪は、政治犯罪から、より原理的なものにシフトする。 最終的に事件は一人の黒幕に集約されることになるが、やはり、第一巻ではこの人物に対する掘り下げが足りない気がする。 事件展開のえげつなさから、確かにこの人物が、言い表せない悪であることはわかった。 しかし、その悪のカリスマの実態というか、手段・手法が明かされないのはちょっとズルい。 例えば、不可能犯罪を描いたミステリーの解決編が、あまりにも荒唐無稽なために矮小化されることもあるだろう。 だが、犯人に迫るパートはどうしても必要になる。 そのように、この黒幕の内実にちゃんと迫ってほしい。 黒幕はどのような手段を用いて、犠牲者達を魅了したのか? たとえ、そこに矮小化が起ころうとも、事件の大きさだけで誤魔化さないで、その人物のドロドロとした内面をちゃんと抉ってほしいという気がした。 今の段階では、『かなり頭がおかしい』くらいのことがわかるやり取りしかないと俺は思う。 理屈で説明しなくてもいいから、その悪のカリスマの、カリスマたる所以や実態を、これから見せていって欲しいと思った。 掘り下げを行っていって欲しいと感じた。 読後感はかなりカタルシスに満ちたものだったが、その面において、次巻以降、内容の『深化』を期待する。 | ||||
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相変わらず目のウロコを剥がしてくれますね。 まど節は全開です。 取り調べのシーンとか、特にゾクゾクしました。 野崎まどは次にくる作家だと思うので、メディアミックスを展開してほしいです。 本作なんか、中島哲也監督あたりが映画化したら面白いんじゃないでしょうか。 | ||||
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野崎まどはアムリタの最早のインパクトに驚き一応全て読んできた。 今回はややらしくない堅い小説で野崎まどらしくないなと思い見ていたがやはり野崎まど 変な女が出てきた。 それだけでわかってしまった。 野崎まどが出す女は怖い。 今回の曲世が最早だったと言われても驚きはないがそれは止めてほしい。 ただ個人的に死をインパクトにするやり口は好きじゃないから軽い嫌悪感が 続きは気になるがグロいのは嫌だなあ アムリタとknowが好きだったな 個人的には | ||||
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あらすじをみたときはあまり興味を引かれなかったのですが、野崎まど作品ということで購入しました。 凄く面白かったです。 特に後半が良かったなー | ||||
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野崎まどファン待望の新刊、しかも講談社タイガレーベルの一発目ということで発売を楽しみにしてました。 主人公は東京地検特捜部の敏腕検事とその助手、その二人がとある事件を追ううちにもっと深い闇に出会い…? ネタバレになるので詳細は避けますが、帯にあるように「野崎まどが絵が絵が描く絶望の物語。 」タイトルに1とあるように、 これは続き物です。 最後のページを見た後、自分はうわああああ!!!と叫んでしまいました。 2巻を心よりお待ちしております!その期待もこめて星5にさせていただきました。 | ||||
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野崎さんの作品が好きですべての本を読んでいます。 今回は、講談社の新レーベル創刊の第1弾ということで初の続き物。 東京地検特捜部の検事が、麻酔医の不可解な死を追う内に政界の陰謀に巻き込まれるという謎を追うストーリーで、 難しい単語も飛び交う話なのに読みやすく、後半になるに連れて先が気になりページをめくるのがとまらなくなりました。 いつもの“まど節”も全開で、ともすれば固くなりがちなストーリー展開の中にも吹き出してしますような キャラクター同士の軽妙な会話のやり取りももちろん健在です。 詳しく書くとネタバレになってしまうので細かくは書きませんが自信を持ってオススメできます。 野崎氏が描く悪とは何か?? 続刊が待ち遠しいです。 | ||||
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またこの作家にやられました。 序盤は堅実な警察モノとして面白く、中盤以降はまさに「野崎まど的」超展開のオンパレード。 シンプルなサブタイトルも上手いです。 「アムリタ」や「know」を思わせる展開もあって、ファンなら確実に楽しめる新シリーズだと思います。 | ||||
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講談社があちこちのラノベレーベルから作家を集めて新レーベルを創刊するという話はだいぶ前から聞いていたけど まさかその創刊第一弾ラインナップにこの作家が来るとは予想外!奇才・野崎まどの新作と聞いてゾクゾクしながら拝読 物語は主人公・東京地検特捜部の検事・正崎善が御茶ノ水にある製薬企業・日本スピリの東京営業所の強制捜査に 踏み込んだ場面から始まる。糖尿病治療薬「アグラス」の治療効果を巡る高恩医科大の論文に同社の社員が関わっていた事実から 不正が発覚した事で始まった強制捜査の末、正崎は膨大な押収資料を霞ヶ関の東京地検本部へと持ち帰る 立会事務官の文緒厚彦が「物読み」=証拠資料の読み込み作業、の地味さに嘆きながら一枚の奇妙なメモを見つけた事で事件は幕を開ける 事件に直接関係の無い聖ラファエラ医科大の名が記されたその資料には隅に「F」とだけ記されていたが、 その一見真っ黒に塗り潰されている様な裏面が全て何万字もの「F」という字である事に正崎は気付く 更に爪と髪、そして微量の血液が貼り付いていた事から検事の勘がささやいた正崎は直接日本スピリの不正に関わっていない 聖ラファエラ医科大の捜査に向かう。資料の表側にあった睡眠薬「セイレン」の市販後臨床試験に携わった医師・因幡信を尋ねた正崎だったが 因幡は不在、学生たちは因幡がひどく忙しそうな上、頻繁に老人と女性の二人連れの訪問を受けた事を打ち明ける 登戸にある因幡のマンションに向かった正崎と文緒は同じフロアの住人から因幡の部屋で前日から音楽が鳴り響いていると告げられ 返事が無い部屋に踏み込むが、二人が目にしたのは「カルミナ・ブラーナ」が鳴り響く中、麻酔装置のマスクのみを装着した一糸まとわぬ姿で 恍惚の表情を浮かべながらリクライニングの椅子に横たわる因幡信の死体であった ぶったまげた。野崎まどが普通の作家じゃない事は重々承知していたつもりだったけど、予想の遥かに上を行かれた 「アムリタ」から「2」に至るシリーズも「Know」も読んできたけど、更に野崎まどは進化していた これまで作者が描いて来たのは私人間の極めて狭い人間関係の中で進行する物語がほとんどだったと思うのだけど 今回作者が描いたのは社会そのものである。人間が組織を構築し、組織と組織が膨大な利害関係・権力関係の中で 鎬を削り合う、そんなリアルな社会を描く小説を野崎まどが書くとはいったい、どれだけ芸の幅が広いのだろう? 物語は検事・正崎善が製薬会社から押収した資料の中から偶然見つかった異様なメモの正体を探ろうとした事から 与党の大物政治家の私設秘書の動きに気付き、その動きを追う中で八王子市・相模原市・多摩市・町田市に跨る巨大な都市開発計画 兼新型自治体「新域」の初代域長選挙に絡む与野党、各業界団体、労組、医学界、様々な勢力の奇妙な結び付き、 利害が相反する各候補勢力が手を取り合い、巨悪を暴く筈の検察庁すらもが巻き込まれた巨大なプロジェクトの実体へと辿り付き、 その中で当初は政治上の貢物と思い込んでいた女性が状況を動かすキーとなっているに事実を突き付けられ、 大切な物を失いながらもその尻尾を掴む所にまで手を伸ばすがという社会派ミステリ的な色彩を帯びながら進行する 東京西部に全く新しい自治体というよりも一つの新しい「国」をを建設する、という構想からしてリアルな政治劇としての面を持つ本作だけども、 主人公の所属する検察庁や東京地検特捜部といった現実に存在する組織を「物読み」作業といった通常の小説では中々描かれない部分にまで 綿密に描き込み、大手新聞社の記者や所轄の刑事を絡め、医学面においては不正も交えた臨床試験の実体やドラッグラグの問題の様な有名な部分から 御茶ノ水周辺に製薬関連の企業が多いという一般人にはあまり知られて無い(逆に言うと業界関係者なら知っている)情報を盛り込んだり はたまた川崎にある「聖」が付く私立医科大を登場させたりと徹底してリアリズム重視で描こうとしているのである ここまで緻密なリアリズムを膨大に積み重ねているからこそ物語の中盤以降、野崎まどが「アムリタ」から「2」に至るまでのシリーズで 描いて来た「女」の得体の知れなさや一巻終盤で遂に顔を見せ始める「死の超越」という目的を掲げた組織の登場といった「Know」にも通じる 巨大なテーマが作中で浮く事も無く、地に足の着いた確かな質感と共に語られるという類稀な読後感を産み出しているのである 緻密な社会を丸ごと描く、という意味ではある種、日本SF界の重鎮・小松左京氏に近い物を感じた。「日本沈没」や「首都消失」の様な 政治すらも呑み込んだ様な巨大な社会の動く様を正面から描き切った作品に至れるかは正直、まだ分からないが、少なくともこの一巻を読んだだけでも 「これは並大抵のスケールの話では無い」と読者に確信させてしまうだけの「厚み」は充分に見て取れ、久しぶりにポリティカルフィクション的な 要素を含んだSFが読めるとオールドSFファンが心躍らせそうな期待を抱かせるだけのボリューム感を感じさせてくれるのである 常に読者の二手先、三手先を行く作家としての凄みを改めて印象付けられた野崎まどの新作、二巻が早くも待ち遠しい 圧倒的な「凄み」を感じた一冊だった | ||||
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始まりからしばらくは,権力と戦う検察官コンビを描く社会派ミステリの雰囲気ですが, 中盤を迎えるあたりから繰り広げられる人や出来事,さらに明かされる『事実』の数々は, それまでの事件はもちろんのこと,抱いていた印象や認識を大きく覆されることは必至です. それらは,決して派手さはないものの,一つ一つが重く打ち込まれ,じわじわと広がり, 目の当たりにした真実,そして対すべき『悪』のようにべっとりとまとわりついてきます. サブタイトルの『女』についても,正体も含めて最後まで翻弄をされ続けることになり, 掴みどころのなさや,表には見えづらく,それでも奥底にはしっかりと覗く『悪意』には, 読む側のこちらも気味の悪さを覚えるのですが,目の離せない『黒い魅力』があるのも確か. また,その重苦しい空気を引き裂く終盤の勢いは,緊張と併せて興奮まで抱かせられ, 強い悪意の前に為す術もなく,気が狂うほどの絶望を見せつけられるクライマックスは, 帯の言葉に偽りがないことを証明し,ここが物語の始まりであることを強く印象づけます. 正義を確かめるため,ひととき,悪に呑まれることを良しとせざるを得ない激しい葛藤, それを超える新たな悪意への,主人公の静かながらも熱い思いが今後の焦点となりそうで, SFも意識させる新しい街の『宣言』にも,次巻への期待がただただ膨らんでいくばかりです. | ||||
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たった今読み終えたばかりです。 時間を忘れて一気読みでした。 これまで野崎まどの著作は全て読んでいるのですが、ある意味で1番驚かされた作品です。 これまで全部読んでいるからこその驚き。 アムリタ、2、野崎まど劇場、そしてknow。 作風の幅広さ、スケールの大きさ、構成力、各巻の完成度。上手い作者だな、という印象はこれまでの著作を読まれた人なら概ね抱くと思うのですが、その程度の印象で収まるレベルの作者では無いと思います。 今作の主人公は東京地検特捜部検事。 いわゆる一般文芸のミステリー小説で見かける設定で物語は始まります。中盤あたりまではよくある警察ものという枠組みでストーリーは進むのですが、特に野崎まどである必要は無いなと感じる程普通のミステリーっぽいです。一般文芸志向の普通の作者になってしまったのかなと寂しさを覚えました。 ただ、さほど面白くもない題材でグイグイ引き込ませる作者の文章力の高さは健在だな、くらいの感想でした。 しかし、中盤以降、ラストにかけて物語の様相はガラッと変わります。このドライブ感は実際読んでもらったほうが良いので触れませんが、knowで体感した途中で読むのを止めることが出来ないスケールの広がりは、やはり野崎まどでした。ある意味、文体で読者をミスリードしてます。 一般文芸の硬質な検察ものの文脈から、電撃メディアワークスで見せたライトSF的なストーリーへの転換。そこに生まれるグルーブ感。 こういったことを破綻無く計算して組み立てられるのはただただ、すごい。 こういう物も書けるんだと、作者の力量に驚かされました。 5年後、この作者はどんな物語を創っているのだろうか想像がつかない。すごいことになっていることは間違いないと思うのですが。 幸せなことに、シリーズものということで、この物語がどんな着地をするのか楽しみでしかたないです。 この作品だけで無く、作者自体をお薦めします。 | ||||
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