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未来の二つの顔



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未来の二つの顔の評価: 4.33/5点 レビュー 21件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.33pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全21件 1~20 1/2ページ
12>>
No.21:
(4pt)

aiの進化による世界観を味わうならコレ

昨今のai技術の進化は凄いが、それでもその先を予測(予想)した作品はまだ少ない。
その中でもこの書籍は昔から評価が高くかつ正確な世界観を表現してる
未来の二つの顔 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:未来の二つの顔 (創元SF文庫)より
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No.20:
(5pt)

人工知能も理想的に見えた時代でした。

ホーガンもクラークも、理想主義と言われることがありますが、理想が先にあるべきです。
理想があるからこそ、現実を正しく評価できるのではないでしょうか。
「2001年宇宙の旅」や「未来の…」のような小説があったからこそ、現実的なAIが創造されたのでしょう。
ああ、順序が逆だと言われそうですね(笑)。
多くのAI開発者がこれらの作品に影響を受けているのではないでしょうか。
主流派ではない坂村氏は、何とおっしゃっていたでしょうか。
SFファンで、ただ爽快感を求めるなら、この作品を楽しむべきです。
細かな議論は、正直言って迷惑です。
AIに対して疑念と期待を持つSFファンのあなたに。
これはあなたのための本です。
ぜひお買い求めください。
未来の二つの顔 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:未来の二つの顔 (創元SF文庫)より
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No.19:
(5pt)

とにかくよかったです。

もう皆さんが書ききっていて今更付け加えることはないです。
現在の人工知能研究からみるとあら捜し出来ないわけではありませんが、
小説であってマニュアルや解説書や教科書ではないのでとにかく楽しんでください。
未来の二つの顔 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:未来の二つの顔 (創元SF文庫)より
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No.18:
(5pt)

古典的なAI-SF作品です。

古典的なAI-SF作品です。
この作品は、書かれた時代が重要です。AI研究に使われていたコンピュータの代表は、DEC社のPDP-10という汎用大型コンピュータであり、開発に使われていた言語の代表はLISPでした。
この作品には、この時代の"AI開発の精神"が反映されています。
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No.17:
(4pt)

SFとしての先見性&結末の興味深さと、小説作品としての弱さ

1979年に発表された、2028年の未来社会を舞台に機械の反乱をテーマに描いた作品です。

月面掘削工事における機械の誤作動を発端に人工知能の安全性に対する疑義が持ち上がり、人工知能が将来的に人類にとって脅威になるのか、はたまた心強い味方であり続けるか(=未来の二つの顔)を賭けて、アニメ『機動戦士ガンダム』に登場するスペースコロニーのような宇宙空間上に造営された巨大な人口居住地『ヤヌス』を舞台にして壮大な実験が試行されることになります。ヤヌスを支配する人工知能『スパルタクス』に対し、研究者と軍人たちはさまざまな攻撃を仕掛けることで、自主学習によって急成長するスパルタクスの行き着く姿を見届けようと試みます。

当時の人工知能研究者の協力を得て綴られた本作は、ディープラーニングに該当する概念や飛行型ロボット「ドローン」が登場するなど部分的に現在の科学ともリンクする先見性を持ち、そのテーマは発表当時よりも、シンギュラリティなどが話題となる現在のほうがより現実感を伴って楽しめるのかもしれません。

一方で、作品内での主人公であり人工知能研究の先駆者であるダイアーを中心とした主に科学者と軍人からなる登場人物たちや彼らの関係性の描写については、ダイアーが万能すぎる点も相まって全体的に平板で魅力に乏しく、かつ冗長に感じる部分も多く、SFというメインディッシュに対して盛られた付け合わせのパセリのような印象を受けてしまいました。また作品のストーリーとして致し方ない部分ではありますが、人工知能の危機そのものが本作の場合マッチポンプ的なものであるため、危機に対処するキャラクターたちへの感情移入が生まれにくいという点も挙げられます。

総評としては、『星を継ぐもの』などで著名な作者の代表作のひとつにも挙げられる本作は、SF作品としての先見性に秀で、思考実験としての面白さとその結末に興味を抱かせる強みを持つ反面、主に人物描写を中心とした小説としての魅力の弱さや冗長さを感じさせる作品でもあり、本書のテーマやSF作品全般、または著者の作品にとくに興味をもつ読者が当たるべき著書だと言えそうです。
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No.16:
(5pt)

シンギュラリティとか喧しい今だからこそ、の一冊

人類が月にまで生活圏を広げた2028年が舞台。急速に発展するコンピューターAIは自意識を持つのか?人類に反抗するのか?。では、実験で確かめてみましょうって話。
フランケンシュタイン以来の古典的テーマに説得力ある合理的回答を与える、ハードSF。根源に流れる、科学に対する楽観的理想論。人類の未来に対する信頼。ちゃんと小説としても面白くて、何度も読んでる、大好きな一冊。

PCパットやドローンが登場する、まるで未来を予測していたかの様な本書。1979年上梓、もう40年前なのですねー。初読は多分高校時代。
シンギュラリティとか喧しい昨今、読んで見るべき一冊かと。
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No.15:
(5pt)

一気に読めちゃう!

AIが普通に利用される今だからこそ、リアリティを感じて、すごくスリリングで面白かったです。40年近く前に描かれたと思えない素晴らしい作品です。
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No.14:
(5pt)

今の日本の技術者に読んでもらいたい

40年前に書かれた作品だが、非常に具体的な映像が浮かんでくる。
まだ実現できていない技術もあるが、AIやドローンはようやく実現し、進化しつつある。
ただ、そのドローンだが、作品中では日本の合同会社が研究開発していることになっている。当時の日本の元気良さからすればそのように書かれても違和感はなかったかもしれない。今の日本の技術者や工学系の学生諸君にこの作品を読んでいただき、また日本を世界の最先端に引き上げてほしいものだ。
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No.13:
(5pt)

対AIの先にあるもの

AI対人類という単純な二項対立でいずれかが勝利するという話で終わらないところが作者らしい作品でした。
相手が何を考えているのかを推量するほかない状況において、論理的思考を共通言語とした信頼を築くということは、対人間であっても同様のことのように思えます。
後半のテンポよく進むストーリーにどんどんと引き寄せられました。
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No.12:
(4pt)

今から数十年前の本だが、シンギュラリティの問題に重なるテーマ。

子供にシンギュラリティの説明をしていて、このテーマが実は昔から繰り返し議論され、その例として昔読んだSFを引っ張り出した。お風呂に入りながら流し読み。自分が持っている文庫本は1983年発行(初版)だが、原書は1979年に発売されているので、今から38年前に発表された話になる。
高度に発達したコンピュータネットワーク(マトリックスの機械世界、ターミネータのスカイネット相当)が、やがて臨界点を超えて制御不可能になり人類に敵対することになるか?がテーマだが、シンギュラリティ問題と重なる。本の中では2000年代より数千人規模の本格的な宇宙ステーションが開発され、2010年代には月面から月の鉱石をマスドライバーで打ち出す描写があるが、これらは実現していない。(現実世界では、月面の開発よりシンギラリティの方が先に実現しそう。)
未来社会の描写ではドローンが大量に活用され、コミュニケーションにTV電話は使われているが、スマホらしい描写は見当たらなかった。
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No.11:
(4pt)

シンギュラリティが語られる今日こそ読むべき本

自己防衛本能を持ったコンピュータが、自分を守るために、人を抹殺するような方向に進化したとき、人類はそのコンピュータの機能を停止させることができるか?これを確認するために、宇宙植民地を使って実験をする。
 20年以上も前に書かれたSFだが、コンピュータが人類を超えるシンギュラリティの可能性が本当になった現在こそ読まれるべきSFであろう。
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No.10:
(2pt)

誤訳多し

翻訳が・・・
電気回路で電流を流すときは"close" 断つときは"open"ですが、それを逆にしてしまってます。
あと、"地元のドローン"って・・・ ネットワークに接続していないという意味のlocalを"地元の"と意味の通じない訳に。
はっきり覚えているのはこれらだけですが、素人でも気がつく誤訳が散見されました。
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No.9:
(5pt)

人格を持たない人工知能が凄い

タイトルの通りなのだが、この作品の人工知能は人格を持っていない。なので人語も話さない。人の形どころか、単一のロボットですらない。あくまでも裏方のOSの様な存在である。

そこが凄いのだ。

最近の人工知能の発展を見ていると、時代がようやく追いついてきた感がある。
古臭いどころか、リアルすぎて戦慄すら感じるほどに。

とはいえ、デバッグ作業(学習作業か?)の為に、ステーション一個丸ごと擬似戦場にする辺りは、実にホーガンらしい法螺話でもあるのだけどもwww
漫画化もされているけど、映像化して欲しい作品の一つでもある。ハリウッド映画向きの内容だと思うんだけどねw
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No.8:
(5pt)

AIを扱ったハードSFの古典として、まぎれもない傑作

ハードSFの巨匠 ジェイムズ・P・ホーガン の初期の作品で、AIを取り扱った作品としてはまぎれもない傑作です。
ただし、ハードSFであるので、作品内のでっちあげ科学や理論を受け入れて、理解できる素養が必要とされます。
また、ホーガンの作品の根底にある「楽観的な明るい未来」に肯定的でないと、この作品を楽しむことは難しいでしょう。
もちろんコンピューターについて興味以上のものを持っていないと、ストーリーについていくのがつらいと思います。
ホーガンがこの作品を執筆していたのが40年近く前であるので、現実との違いにツッコミを入れる姿勢では、やはり楽しめないと思います。
こういったお約束を踏まえた上で、知性を持ったコンピューターといえば反乱を起こしたり、人類を抹殺しようとしたりする展開の作品ばかりの当時、「未来の二つの顔」はAIの本質を垣間見せてくれた作品として傑作であるといえます。
古典になってしまったハードSFを、今のものさしで評価すれば万人にお勧めできるとは言えませんが、やはりホーガンの一連のハードSFは、着想・プロット・そして何よりもハッピーエンドであるという点で星5の評価をつけさせていただきます。
余談ですが、この作品の中にAIが自分の手足として操作する「ドローン」というものが出てくるのですが、最近になって現実のドローンが普及してきて、イメージが鮮明になりました。
未来の二つの顔 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:未来の二つの顔 (創元SF文庫)より
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No.7:
(5pt)

ホーガン一流の引き付ける仮想技術

ホーガン一流の引き付ける仮想技術で近未来に現れそうで実現出来そうにない人工知能の進化と人類をも達観する魅力
未来の二つの顔 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:未来の二つの顔 (創元SF文庫)より
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No.6:
(2pt)

あまりおもしろくない

結構評価が高かったので読んでみましたが、個人的にはあまり面白くなかったです。結構ページ数が多いんですが(500ページ超)、半分以上見ても盛り上がりに欠け、後半はようやく見ごたえが出てきたが、最後の結末は、個人的には共感できず納得いかないですね。ちょっとご都合主義すぎるな、と思いました。
ちなみに原作を読んだだけで、漫画の方は読んでませんが、なぜレビューは両方の感想が入り混じってるんでしょうか、作品としては別々でしょ。
未来の二つの顔 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:未来の二つの顔 (創元SF文庫)より
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No.5:
(3pt)

30年を経て思うこと 「時代の空気の明るさ」

本書の出版年は日本語版で1983年であり、発表は1970年代後半。
はるか昔のことで、とうに30年が過ぎている。

学生時代に熱狂的に迎え入れられたハードSFの第一人者が
このジェームズ・P・ホーガン。

マイコンなる言葉が新鮮で、今思えば8ビットCPUでもそこそこ
遊べる時代。NECの88は出ていただろうか?

コンピュータが知性を持つのか。
知性を持たせるために、どういう「プログラム」を
挿入すればいいのか。

「命令に従う」だけでは全く無意味であり、命令を
コンピュータが制御できる余地をいかに残すのか。
その知性とはどういう振る舞いをするのか。

知性が発達していく過程はどうか。

そんな時代に「人工知能」を扱った本書はまたまたよく読まれて
いた記憶がある。

さて、現在から見直すと…やはり「古びた」印象を受けてしまう。

ここの描写が古臭く感じるのではなく、「人工知能」がかくも容易に
生み出され、即現場で応用されるという設定自体が、現実味を欠く。
ホーガンが作家になる前に関わっていた仕事と関連が深いだけに
頭をひねる。

またコンピュータをプログラミングする際に、実行するか否かの
選択権をある程度コンピュータに留保していくやり方も、今では疑問。
ホーガンらしくリアリィティをもたせてはいるが、もう少し詳しい説明が
ないと「感覚的に了解」できても、その後の物語の悲劇を生むには
あまりに浅薄な印象を受ける。

この時代の雰囲気がよく出ており、時はまさにバブル前夜で、
かなりの「明るさ」を持った時代だったな…と懐かしく思う。
だからこそホーガンは「ハッピーエンド」にしたのだろうが、
終局の状況では、たかが数人の科学者の「思い」でもってこの危険な
コンピュータを「人類の味方」とするが、まずありえない結末。

「コンピュータの知性」の進化が、当初の推測を裏切って
「コンピュータが暴走」した後ではなおさら。
百万分の1でも一億分の1でも「人類を全て滅ぼす可能性のある機械」を
そのままにしていく選択などありえない。

時代の息吹を感じられるとは言え、この作品は忘れ去られるだろう。
ホーガンへの思いは大きいが、現在ではそういう評価しかありえまい。
なんにせよ歴史を感じる一作。

       懐かしい作品   人には勧めない(☆2つ)が…
                個人的には☆は5つ
未来の二つの顔 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:未来の二つの顔 (創元SF文庫)より
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No.4:
(5pt)

人工知能関係で最高の古典SFのひとつ

インターネットが普及する以前、SFではコンピュータが人類を支配しようとして人類対コンピュータの戦いが起こる、というテーマの話が沢山出た。人間が勝つ話も多かったし、コンピュータが勝つ話もあった。中には両方負けてしまう悲惨な話もあった。
その中で、どれにも当てはまらないユニークで深遠な回答を打ち出した作品である。

作品中では、コンピュータが人間を支配しようとするなどというのは人間の妄想である、しかし、もしコンピュータ・ネットワークに「生存本能」のようなものが自然発生したら、コンピュータも自覚せずに人間を排除する行動に出る可能性がある、とする。犬が蚤をふるい落とすように。
主人公の博士は、高度な人工知能ネットワークを推進するべき信念の持ち主であったが、科学者の良心として、危険があると分かっているものを安易に導入するわけにはいかない、と悩む。
ついに出たアイディアは、地球から隔絶された人工コロニーに、わざと生存本能をプログラミングした上で人工知能ネットワークを作って、それを攻撃し、最終的に人間が「電源を切れる」かどうかを実験することになる。コンピュータは予想をはるかに超えた知性で反撃してくる。
・・・そして、知性をどんどん発達させたコンピュータは、ついに、この馬鹿げた戦争の本質を発見する。

ここで面白いのは、このコンピュータは人間の言葉が分からない、ということだ。だから、人間と交渉することはできない。

その途中で、人間とコンピュータ双方にとっての重大な危機がだんだん迫ってくる。
人と話をすることができないコンピュータが決断した行為とは・・・。

現在、インターネットが地球上を覆った結果は、ネットを通じてマルウェアをばら撒いたりなどなど・・・結局は「人間の敵は人間」だった。
この作品のようなコンピュータがあったらよかったのに、という思いを込めて最高評価にする。

Amazonのレビューでは、これを原作とした漫画と一緒になってる(別作品と扱うべきだと思う)が、このレビューは小説のレビューだ。漫画は結果が違うらしいので、是非読んでみたい。
未来の二つの顔 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:未来の二つの顔 (創元SF文庫)より
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No.3:
(5pt)

文句の付けようが無い完璧なSF

信じられないぐらい凄くて面白い素晴らしい作品。

SFのオールタイムベスト1だ!

ん?「創世記機械」の時も同じような事を書いた気がする。

現代においてホーガンは世界一の知的レベルのSF作家である。

ホーガンとなんとか比較できるのはA・C・クラーク、アイザック・アシモフぐらいのもんで、

他のSFはあまりにもレベルが低いと言わざるを得ない。

で、本書は、直径1.5マイル密閉型スペースコロニー≪ヤヌス≫において戦われた、

コンピュータ【スパルタクス】対人類の、命を賭けたシミュレーションウォーゲームを描いたお話である。

ストーリー、イメージ、語り口、キャラクター、アイデア、ムード、テーマ、

小説を楽しんで感動する要素がすべてこの一冊にはある!
未来の二つの顔 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:未来の二つの顔 (創元SF文庫)より
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No.2:
(3pt)

先駆的な70年代SF

今読み直すと、ホーガンという作家の先見性と同時に70年代SFの限界も見える。高速コンピューターネットワークが地球を覆う21世紀、それは既に光通信やブロードバンドによるネットが現実のものとなった今では、SFではなく現実である。月基地から発射される鉱石を利用して植民用の巨大スペースコロニーが建造されているという辺りは、いかにも70年代的で楽天的だ。建造中のスペースコロニーを利用して人類の未来を占うAI進化の実験を行うというお話だが、AIが自意識を持つための条件としての外界と身体(ロボット)、センサー、シミュレーション空間を設定してある辺り、当時としては先駆的だったと思われる。AIの自意識の描写はやや物足りない。
 当時の最新の人工知能研究を踏まえて書かれた作品だけに、その後の理論や技術を先取りした部分が多いが、その分、現実が作品を追い越して古びてしまった部分も目立つ。人間ドラマの構造がかなり単純明快なのも80年代以降のハードSFとの大きな違いで、良くも悪くも『スターウォーズ』との同時代性が感じられる。
未来の二つの顔 (創元SF文庫)Amazon書評・レビュー:未来の二つの顔 (創元SF文庫)より
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