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(短編集)
トータル・リコール ディック短篇傑作選2
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トータル・リコール ディック短篇傑作選2の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全34件 21~34 2/2ページ
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全体的に読みやすい。翻訳がこなれているからだろう。古い作品なのだがどれも古さを感じさせない。元のアイデアが良いからだ。個人的に印象に残ったのは、「出口はどこかへの入口」「地球防衛軍」「訪問者」「世界をわが手に」の4作品。人の良心を試されているかのようなもの作品が多い。 以下、個別作品の感想。 ◎トータル・リコール 同名の映画の原作。主に映画の前半部分が本編である。この作品では記憶を取り戻した後のストーリーが異なる。淡々とした感じではあるが、しっかりとしていて面白い。昔のSFだなと感じるのは、記憶媒体にテープを使っていること。火星に人類が行ける時代になれば、テープは一般的な記憶媒体ではなくなってると思う。 ◎出口はどこかへの入口 素直に楽しめた。サイバーパンクではないブレードランナー(『アンドロイドは電気羊の夢をみるか』ではない)の世界観に近いかもしれない。人を試す展開がたまらない。 ◎地球防衛軍 読み始めて戦争の目的に疑問を持った。戦争によって地表が放射能で汚染され、人類は地下で生活するようになり、戦争は完全にロボット兵士が続行するようになった。ある日、地表から放射能汚染されていないロボットが見つかった。それをきっかけに人類が動く。地球を守ったのは誰だろうか、地球を破壊しようとしたのは誰なのか、考えさせる作品だ。 ◎訪問者 人間は地球を破壊しなければ気がすまないのかと思わせる作品だ。ただ破壊しても生き物はしぶとく生き残る。それがかつて人類と呼ばれていた種だとしても。また破壊しても新天地を求める行動を人類はするだろう。フロンティアを求める行動と言えば聞こえはいいが、新たに破壊するものを探しているだけかもしれない。懲りないなあ、人類は。 ◎世界をわが手に 多元宇宙論が元ネタだと思われる。人々が盆栽を育てるように宇宙を育てる機械を持っている世界。人々はまるで神のように宇宙を育て、破壊する。やはり天罰がくだるよね。 ◎ミスター・スペースシップ 膠着状態になっている戦争を打開するために人間の脳をコンピュータ代わりに宇宙船に載せるプロジェクトが実行された。ネタバレになってしまうが、ノアの方舟のような話だ。いい話だと思う。 ◎非(ナル)0 すべてのモノ(オブジェクト)を破壊することが論理的だというのはあまり理解できなかった。非0はストートレックのバルカン人と似たような考えを持つ人々だと自分は考えたが、バルカンがすべてを破壊する行動に出るとは思えないので、あくまでも作者の思考実験と思うことにした。 ◎フード・メーカー 先の展開ができるようにしたある程度見えてしまったので、特筆するのものはない。 ◎吊るされたよそ者 電車の車内で気持ち悪そうにしている人などに手を差し出した方がいいかなと思うときがあるが、何もしないで通りすぎることがある。この話を読んで、もしかするとエイリアンに試されているのかも知れないと考えたら何もしないのが正解となる。冷たい世の中というが、もしかしたら我々はすでにエイリアンの支配下にあるのかもしれない。 ◎マイノリティ・リポート 未来予知ができるようになり、犯罪者を事を起こす前に逮捕できるようになった。一見、素晴らしいように思えるが、使いようによっては人を陥れることもできる。アイデアとして面白く、ストーリー展開もテンポがいいので読みやすい。まあ、未来予知ができなくても、今の政治家は政敵を嵌めるために何でも工作するからなあ。現代の方がよっぽどマイノリティ・レポートを必要としているのかもしれない。 | ||||
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人間もどきなもの(ロボット・アンドロイド・擬態生物・宇宙人などなど)に対する恐怖感を描いた作品の多いデッィクですが、本作収録の「地球防衛軍」のエンディングは、ロボットの存在を単なる恐怖の対象とは違った視点で描いており、こんなディックもあるのかと少し驚きです。 「地球防衛軍」のアイデアは、その後長編「最後から2番目の真実」に採用されていますが、個人的にはこの短編の方が好みです。 一方、人間もどきなものへの恐怖感をストレートに描いた「吊されたよそ者」は、初期のデッィクらしいサスペンスフルな内容で素直に面白い作品だといえます。 アクションSF映画「トータルリコ-ル(シュワルツネッガー版)」は、いろいろなアイデア満載でシュワルツネッガー作品としてなかなか楽しめるものでしたが、映画が原作から取り入れているのは前半のイメージだけです。 原作は、自分の知らない自分自身が明らかになっていくにつれ、徐々にユーモラスな展開をたどります。 同じく映画化された「マイノリティ・リポート」も映画とは随分違った展開ですが、原作の持つイメージの方が圧倒的に魅力的です。 特に3人の予知能力者(プレコグ)の描かれ方にディックらしさがでています。 大きな頭に萎えた体。45歳のプレコグは10歳の子どもにしか見えないほど成長が遅れている。予知能力がほかのすべての成長を吸収してしまうのです。ぶつぶつとつぶやき、まどろみ生き続ける彼らを見ると、誰もが心やましさと倫理的なショックが入り交じった気持ちになってしまう。 この3人が導き出す予言には微妙な違いがあるため、統計学を応用し、3人のうち2人が一致した答えを出せば、かなりの確率で間違った答えに到達することはないと言える。このとき採用されない報告が、この作品のタイトルであるマイノリティ・リポート(少数報告)なのです。 この「マイノリティ・リポート」の展開は非常にテンポが早く、もう少しじっくり描いて長編化しても良い作品になったのではないかとも思いますが、ディック短編作品の中ではA級作品であることは間違いありません。 大森望編集のディック短編傑作選では、新潮文庫から出版されたディック短編集から多くの作品を採用している点がありがたいです。早川から過去に出版された作品集は大体読んでいても新潮文庫版は未読のものが多い、という方にはお勧めできる作品選シリーズだと思います。 | ||||
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Kindle版の本の表紙画像について、「映画の宣伝帯がついた状態の画像であり残念だ」というようなレビューをされている方がいましたが、その点が気になって購入を保留していました。 が、やっぱり読みたいとの思いで本日Kindle版を購入してみたのですけれども、表紙についてはやはり変更されておらず宣伝帯のついた画像が設定されていました。 自分で画像を変更することが出来れば良いのですが、現状ではそれは不可能であるように思いますので、表紙に邪魔なものが付いているというのは僕としては少し残念だなぁ…と。 本の内容に問題が無いとはいえ、ズラッと並んだ表紙を眺めて悦に入るみたいなのもKindleの楽しみ方の一つだと思います(笑。ゆえに表紙画像というのもなかなか大事なものだと僕は思います。 Amazonさん、映画の公開も終わったこの時期に未だに帯付きってのはいかがなものでしょう?表紙画像を帯無しにのものに更新していただけると嬉しいのですけれども…。 | ||||
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書名とマイノリティリポートという映画化された作品を中心に楽しみました。映画との違いを考えながら読み進めるのは、結構楽しいものでした。 それ以外の作品もおもしろかったです。 ご一読あれ。 | ||||
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SFというのはじつに反体制的な分野なのだなあとこの一冊で深い感慨に浸ることができる。 「トータル・リコール」でみられるような縦横無尽な自由なSF的発想は小気味よく、 未来世界を舞台に反戦と人道を問い直す「地球防衛軍」「訪問者」「ミスター・スペースシップ」 全世界が敵にまわったような孤独と自己存在のあやふやさを浮き彫りにする如何にも精神分裂病的な「吊るされたよそ者」「マイノリティリポート」 新人類の台頭する未来を舞台に、ふつうに生きふつうに暮らす人間を賛美する「フードメーカー」「非0」 など、作品としてはバラエティに富み、さまざまなアイデアにあふれながら、 しかしその根底に通じるのはディックの持ち味、反体制と人間愛であり、すべての作品がひとつの方向性にまとまっている。 一篇の無駄もない傑作集の名に恥じない短篇集だ。 | ||||
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そのレヴュアーはブックカヴァーが「映画版トータル・リコール(リメイク)」の写真が使われている・一過性の映画を特にコリン・ファレルをカヴァーにするとは何事であるかと憤っておられるが、それは違います。(おまけに★ひとつ、ディック短篇傑作選としての評価と紛らわしいったらない) それは帯です!帯の下はディックの新ラインナップのお揃いのデザインのカヴァーです。 ちゃんと書店で手に取って確かめて欲しい。不確かなレヴューを載せないでください!!! またこの中短編集、既読の作品ばかりである、つまらないというレヴューもありますが、これは仕方ないのです。 ディックの中短編傑作集としては、サンリオSF文庫時代に ジョン・ブラナー編集「ザ・ベスト・オブ・フィリップ・K・ディック」I・II と マーク・ハースト編集「ザ・ベスト・オブ・フィリップ・K・ディック」III・IV(「ゴールデン・マン」改題) の四冊が邦訳されました。 サンリオの撤退の後この四冊はハヤカワ文庫SFに 「ディック傑作選」 1「パーキー・パットの日々」 2「時間飛行士へのささやかな贈り物」 3「ゴールデンマン」 4「まだ人間じゃない」 として引き継がれ長い間ディックの中短編を愛する人々のバイブルでした。 (ハヤカワはその他にも注目すべき中短編作品集「マイノリティ・リポート」「シヴュラの目」も出しています) が、ディック作品の映画化ラッシュ時代が来て同シリーズ所収の 『報酬』が「ペイェック―消された記憶―」として映画化された際 アメリカ本国で編集された「ペイェック ディック作品集」という(日本の読者にはお馴染みな作品ばかりの)傑作短編集になり、あちらのエージェントに押し付けられた早川書房はハヤカワ文庫SFにラインナップしてしまったのです。 しかし作品の重複する中短編集を発行し続ける訳にも行かず早川書房は「ディック傑作選」シリーズを絶版。(3・4は映画「NEXT―ネクスト―」の原作本として生き残りましたがその後絶版) 「アジャストメント」(調整班) 「トータル・リコール」(リメイク版)(追憶売ります) の両映画化を期に「ディック短編傑作選」の『再編』に取り掛かったのです。 まだ三冊しか出ていませんが、今後の充実に期待するしかありません。 浅倉久志氏の不在は痛いですが…。 追記 前述のレヴュアーさんは電子書籍の事を述べておられたんですね。失礼御免(でも気に食わないなら別なショップで買えば解決するんでしょ。やっぱり変だ)。 追記の追記 前述のレヴュアーさんから御丁寧な抗議のコメントがありましたので一部表現を変更しました。しかし電子書籍なのに「表紙」なんて気にするんだ!勉強になるなあ。 | ||||
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内容が素晴らしいのは言うまでもない。 ただ残念なのは表紙が映画版のコリン・ファレルであること。 こういう一過性のネタを表紙に使うのは頂けない。 Google PlayやiTunes Storeで販売されている同電子版が 通常版の表紙(ディック作品の共通デザイン)を採用しているだけに、なおのこと残念である。 | ||||
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トータル・リコールは原作より映画(シュワルツェネッガー版)の方が面白かった。鼻から追跡装置を取り出すなんてのは、映画ならではの見応え感じゃないでしょうか。原作から随分膨らませたと感心。 マイノリティー・レポートは原作の方が映画より楽しめた。映画ではハラハラしすぎて、じっくりと考える余裕が観る側に無かったと感じます。 読んで良かった。 | ||||
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とても面白くいっきに読みました。その他、ディックの短編集も追加されればうれしいです | ||||
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フィリップ・K・ディックが初めてな方にもお勧めです。彼のエッセンスが短編に詰まってる感じです。 電子書籍システムとしてのKindleもストア、デバイスともに進化が見られますね。 | ||||
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iPhoneのKindleアプリで読書用として試しに購入。書籍の内容は今更言うまでもありませんが、iPhoneのKindleアプリで読書してるとKidle fire HDが欲しくなって困ります。 | ||||
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フィリップ・K・ディックの短篇集。 ディックの短篇集はこれまで何冊も出されているので、当然だぶりもある。そもそも「トータル・リコール」自体が以前は『マイノリティ・リポート』に収録されていたし(確か「追憶売ります」のタイトルだったと思う)、「マイノリティ・リポート」そのものがこの短篇集にも入っている。ただ、既出の作品ばかりではなく、初訳とか、書籍初収録の作品もいくつかある。 どの作品もディックらしい皮肉の効いた作品ばかりだが、ラストの鮮やかさという点では、「トータル・リコール」は流石に上手いと思う。ディックの作品は多く映像化されているが、やはりこの原作の鮮やかさは一度味わっておくのが良いと思う。個人的には、「世界をわが手に」や「吊されたよそ者」などの静かな怖さというものが印象深い。 全10編。巻末に各短篇についての解説があるのも嬉しい。 トータル・リコール We Can Remember It for You Wholesale 深町眞理子訳 出口はどこかへの入り口 The Exit Door Leads In 浅倉久志訳 地球防衛軍 The Defenders 浅倉久志訳 訪問者 Planet for Transients 浅倉久志訳 世界をわが手に The Trouble with Bubbles 大森望訳 ミスター・スペースシップ Mr. Spaceship 大森望訳 非O Null-O 大森望訳 フード・メーカー The Hood Maker 大森望訳 吊されたよそ者 The Hanging Stranger 大森望訳 マイノリティ・リポート The Minority Report 浅倉久志訳 | ||||
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この小説はフィリップ・K・ディックの書いたものではありません。 ディックの短編小説『追憶売ります』のアイデアを元にした「トータルリコール」という映画のために書かれた映画シナリオを他の作家がノヴェライズしたものです。 私は最初の50ページで呆れて読むのを止めました。 もともとアーノルド・シュワルツェネッガーのSFアクション映画の為のシナリオなので、アクション優先、シュワちゃん優先。 バーホーベン監督らしく「B級アクションSF映画」になってしまっていました。 ディックの原作と関係なく別なものとして楽しめればいいや!という人向き。 | ||||
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~面白かった!!"偽の現実"がテーマのP・K・ディック(アンドロイドは電気羊の夢をみるかの作者映画にもなった「ブレードランナー」)の名作短篇をもとに成った映画の、人気SF作家による長篇化。ってことで,映画をもとに長編化した事が気にくわなくて,全く期待してなかった。前半は,映画そのままで,後半の異星人のくだりがよかった。これをそのまま映画化~~して欲しかったな。映画自体は,SFというより,アクション映画になってしまっていた。~ | ||||
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