■スポンサードリンク
アルファ系衛星の氏族たち
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
アルファ系衛星の氏族たちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
1964年発表。この年のディックは実に精力的で、他にも「パーマー・エルドリッチの三つの聖痕」、「火星のタイム・スリップ」、「最後から二番目の真実」「シュミラクラ」全部で5作品も発表した。 アルファ系衛星では7つの氏族が集まり評議会が開かれていた。それぞれ性格も生活慣習も違うその氏族たち。その中のひとりが重大な報告を持ってきた。「武装した見慣れない宇宙船がこの星にやって来た!」と。実はこの衛星はかつて地球の植民化計画が進められその過剰な重圧で精神を病んだ人々の病院星となり、やがて精神病患者を残したまま地球政府が見捨ててしまった星だったのだ。4半世紀の間放置されたアルファ系衛星に置き去りにされた人々が独自に文明社会を形成しているらしい。今まで未調査だったその氏族たちを調査する為に、合衆国惑星間保健・福祉局は派遣隊を送ったのであった。そのメンバーのひとりにチャック・リッタースドーフの妻メアリーも選ばれていた。チャックはメアリーとの離婚目前の身ですっかり傷心しきっていた。彼の仕事はCIAのシミュラクラ・プログラマーであったが、あるきっかけで人気TV番組バニー・ヘントマン・ショーの台本作家に抜擢される。やがてチャックは、関係が破綻しつつある妻メアリーと共に地球側政府とアルファ系衛星との戦争勃発にまで巻き込まれていく。 冒頭で登場する異星人たちが実は地球が見捨てた精神病院の元患者たちであるというのに意表を突かれる。つまりその星一個分が精神病院星という設定で、彼らは自らで独自の文明を作っていたという作者ディックのアイデア。7つの種族のそれぞれ違ったあまりにもエキセントリックな個性というのも、実は精神病の様々な症例を基にしているみたいだ。 主人公が登場するといきなり飛び降り自殺しようとする場面という先行き心配な展開。そんな彼を止めたのは、スライム型の宇宙人。アパートの隣人がガニメデから来た粘菌型宇宙人というのがこの物語の世界観。なかなかぶっ飛んだその世界観で意表を突いた物語の始まり方をするのだが、その後は進展しているのか進展していないのか判らないようなユルイ展開が続く。でもどことなくユーモア感があって面白いのだが。あれっ、一章分抜けてない? と思ってしまう程にクライマックス部分の主人公とその妻の行動が唐突に感じてしまう。そもそも二人の離婚話に無理やり星間戦争の話をくっ付けているような感じだ。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!