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アルファ系衛星の氏族たち
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アルファ系衛星の氏族たちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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正常と異常の境はどこなのか。 「結局多数派である課少数派であるかの違いでしかないのでは」 という思いを強くさせてくれる作品である。 作品紹介には以下のような文書がある。 地球とアルファ系の星間戦争は、とうに終結していた。 だが、敵国アルファ系帝国の領地であるその衛星には、 地球人の精神疾患者達が今も取り残され、連絡を絶ったまま独自の文化を形成していた。 この地を再び奪取せんと、地球側は調査部隊を送り込む。 僕が最も興味があったのは、 「地球人の精神疾患者達だけが集まって築いた、独自の文化をもつ星」 の描写である。 | ||||
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精神分裂病患者が我々と異なる内部時間感覚を持っているという説に基づき、自閉症児マンフレッドを見事に描いた「火星のタイムスリップ」と同時期に執筆された作品だけに、ディックはこの当時、精神病に実用的有用性があるのか、とのテーマに関心を持っていたようだ。 もちろん、そういった面白みもあるのだが、この作品の一番の魅力は、脇役のキャラクターのすばらしさにある。 他人の心を読んで的確な指示を出してくれるガニメデ星の粘菌クラム。5分間だけ限定された周囲の時間を戻すことができる少女ジョウン。 この両名は、なぜかダメダメな主人公を見捨てず、彼を助けるために危険を顧みない。 最初はクラムを嫌っていた主人公も、最後はクラムの命を必死で助けようとする場面は感動的だ。 また、デビュー作「偶然世界」でも取り扱われたシュミラクラを遠隔操作して殺人を行うという設定も、相変わらずおもしろい。 「火星の〜」「パーマーエルドリッチ〜」などの大作の影に隠れ目立たない作品ではあるが、ディックファンなら見逃せない一作だ。 | ||||
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