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日はまた昇る
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【この小説が収録されている参考書籍】
日はまた昇るの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全46件 41~46 3/3ページ
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聖書、伝道の書の一節。「世は去り世は来る地はとこしえに保つなり。日は出で日は入りまたその出しところに喘ぎゆくなり・・・」大自然の大きな循環、運行を言っているのであろうか。第一次大戦直後、アメリカは禁酒法なるものが制定された。それらを嫌って、国民はこぞってヨーロッパ、その多くはパリへと移住していった。戦争で負傷して、性的不能になった主人公、ジェイクもまたパリで、或る雑誌の編集者として働く。負傷したときの病院で知り合った、身体の関係は無いものの中のいい女友達ブレッド。元ボクサーのコーン。作家志望のビル。借金だらけでも平気なマイク。など、個性ある面々でパリ市内を飲み、食いの享楽振り。また、郊外の田舎に行っては、のんびり自然に抱かれの鱒釣り。そして最終章、スペインの闘牛祝祭で、彼等若きエネルギーは、頂点に達する。彼等の生活ぶりのそこには、常に「戦争」と言う傷が残っていた。戦前に持っていた価値観のやむ無き転向も、その一つ。それは今の世代も変わりはしない。戦前戦中戦後、太陽は昇り、そして沈む。その普遍の繰り返しのみである。 | ||||
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まるで、雑誌『ブルータス』を読んでいるかのような作品でした。 高学歴で高収入の登場人物だけが許される、最高に粋な世界がここにあります。 巻末の解説にあるように、この作品を批評する上では、第一次世界大戦以後の思想的幻滅が大きなキーワードとなっているようです。 しかし、私にはそんなことはどうでもよいことに思われ、ただ単純に作中の登場人物の振る舞いがカッコいいなと感じました。 パリで暮らす新聞記者や作家、貴族などの若者が仲間とともに時間とお金をたっぷりかけてスペインの闘牛の祭を見に行き、一日中ワインを飲んだりレストランで食事をしたり、旅行の途中で釣りを楽しんだり、作中の若者たちは誰もが憧れるような振る舞いを行うのです。 これには、きっとあなたもうっとりとさせられることでしょう。 また、描写の鋭さも見事でした。 一つ一つの描写が丁寧で、ありありとその場面を想像することができるのです。 特に、パンプローナの闘牛の場面では闘牛士の息づかいまで聞こえてくるようで、実際にその場に居合わせているようで非常に興奮しました。 本作は全ての面において、非常にバランスの取れた傑作であります。 私は本作がヘミングウェイ初体験でしたが、他の作品も読んでみようと思いました。 | ||||
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~ビートジェネレーションの最高傑作、ジャック・ケルアックの「路上」がディーン・モリアーティという常識外のヒーローを世に紹介したように、この小説では、恋に生きる女、ブレット・アシュレーという、すべての男性を魅了し震撼させるビーナスを生み出しました。 心癒されるバスクの川での鱒釣り、血の匂いに沸き立つパンプローナの牛追い祭りの七日七晩~~の狂躁、そして牛追い祭りのクライマックスである闘牛の興奮・・・、と一見男っぽいシーンがこの小説を超一流のものにしたかにみえますが、実はこのヒロインの存在がこの小説のすべてです。特に、ブレットが物語のクライマックスでもらす”Because I’m a~~ goner.”という台詞の凄みが、この小説を永遠のものとしています。 デミ・ムーアの「ゴースト ニューヨークの幻」の病院のシーンで、今この瞬間に、天国に旅立とうとしている男性にたいしてつかわれた”He is a~~ goner.”という台詞が”Goner”という言葉の持つインパクトの大きさを的確にあらわしているとおもいます。 で、この台詞がどんな日本語で表現されているのだろうとおもい、翻訳本を手にしました。物語の舞台がパリとスペインのバスク地方ですので、原書ではフランス語やスペイン語の単語や台詞、当時の風俗が翻訳や解説もなしに頻繁に登場し、読み手をかなり~~混乱させます。しかし、翻訳はそれらを上手にカバーしかつこれぞ英語という文章を非常に上手い日本語で表現し、流石にプロ、と感嘆させられました。ただし、決め台詞の翻訳だけには正直がっくりしました。野球でいえば、ワールドシリーズ4連覇中のチームの5年間ブローセーブなしの大クローザーが、ワールドシリーズ第七戦で、1-0でむかえた9回の裏ツーアウトラ~~ンナーなしで、味方の軽率なエラーで一塁にランナーをだしたあと、サヨナラ逆転ホームランを打たれてしまったイメージです。~ | ||||
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祭りの終わりとともに、最後はどんどん主人公から人が離れていく。中には戻ってくる人も居る、そうでない人もいる。主人公はそれを、どうってこと無い顔をして受け止める。人間関係の複雑さ、単純さ・・・。 読み終わって初めて題名の意味が分かる、そんな作品です。 | ||||
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この作品を読んで、ヘイングウェイが「失われた世代」の代表的な作家だと言われる所以がよくわる気がしました。この小説の登場人物たちは自由と引き換えに、人間として何か大切な部分を失いながら生きています。まさに現代のお話です。 後半のスペイン、闘牛観戦では栄光と衰退、光と影、生と死といったはっきりとした対比のなかでその失われたものの正体が浮かび上がってきます。 前半はパリ、後半はスペインが舞台のヘミングウェイ初期の作品。『誰がために鐘は鳴る』、『老人と海』の思考へと移っていく前のヘミングウェイを知るのにも面白いと思います。 | ||||
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自由奔放な女性主人公と、 彼女に恋をする男たちの何てことのない日々・・・。 ドタバタしていて、せつなくて、でもおかしくて。 とにかく一生懸命生きているということなのだと思います。 読み終えてからタイトルをもう一度確認した時に やっとわかったような気がしました。 彼女たちの悲喜劇にはまったく関係なく 太陽は何も変わらずに次の日もまた昇る・・・。 スペインの情熱的な情景、熱気、太陽の光 それらがまたなんとも言えない彩りを与えてくれます。 | ||||
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