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日はまた昇る
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【この小説が収録されている参考書籍】
日はまた昇るの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全46件 1~20 1/3ページ
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ハードボイルド小説というと探偵やアクション小説家と思っている人も多いでしょう しかしそうっではありません 形容詞や思いを削りあるがままの描写で綴られた小説のことです 小説中に固茹で卵を食べるシーンがあります これがハードボイルド小説と言われる所以です ヘミングウェイの処女作です 具体的な描写だけが読む人にイメージを湧かせて見ているように感じさせてくれます | ||||
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外面の強さと共に内面に寂しさを抱えているような、、。1人で生涯を真っ当するには女性の方が強いかもしれません。 | ||||
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ヘミングウェイの代表作の一つと知っていましたがまだ読んでなかったのでこの機会に購入させて頂きました。 | ||||
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ヘミングウェイの代表作は読んでるが、自分にはもっとも響かなかった。 他の作品では、生を全うし、命の炎を燃やし尽くそうというメッセージを感じたが、 本作では、呑んで、だべって、喧嘩してという感じ。もちろん、ロメロという新進気鋭の闘牛士 には魅力があった、死の危険に自らを晒しながら、芸術的に牛を仕留め、堂々として気高い。 それにしても、深いものは感じなかった。 巻末の訳者解説は参考になった。 | ||||
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おもな登場人物は主人公であるパリで暮らす新聞特派員のジェイコブ・バーンズと、同じくアメリカ人の友人であるユダヤ人の小説家ロバート・コーン、そして二人が愛するブレット・アシュリーの三人。これにブレットの婚約者やジェイクの友人、旅先で出会う闘牛士などが加わる。物語は第一部がパリ、第二部が一行の旅先となるスペインが舞台となる。 第一部ではジェイクたちのパリでの自堕落気味な日常を描かれる。第二部はスペイン旅行において一行が鱒釣りや闘牛観戦、フィエスタの牛追いなどに興じたり、多情で魅惑的なブレットをめぐって主にコーンが引き起こす騒動などを描いている。 作中なにが起こるというわけでもなく、ジェイクの視点で登場人物たちの気怠く頽廃的なさまを伝える。といってもとくに反社会というわけでもなく、格段にエキセントリックでもない。登場人物たちはおおむね三十前後であり、無軌道な若者たちを描いたともいえない。当時の時代背景を理解していればまた違っていたのかもしれないが、最後まで遠巻きに眺めているような感覚だった。 物語を追うというより雰囲気を感じるための作品なのだろう。文字よりも映像のほうが魅力が伝わりやすい作品だったのではないかということと、スペイン旅行の一部だけを切り出した中編であれば違和感なく読めたかもしれないとは思った。世界的な文豪の代表作のひとつとされているが、わりと読み手を選ぶタイプの作品ではないだろうか。 | ||||
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本書はヘミングウェイの処女作であり、傑作として有名である。評者は本書がヘミングウェイの最高傑作ではないかと思う。 本書・土屋政雄訳では、語り手である一人称が「私」と表記されている。 「日はまた昇る」の他訳や他のヘミングウェイ作品では、一人称は「僕」と表記されており、評者は土屋訳を読んでみて違和感を感じた。 しかしダシール・ハメット、レイモンド・チャンドラーらのアメリカのハードボイルド小説では、一人称は「私」と表記されており、土屋氏はそれに倣ったのかもしれない。 その点以外は、切れがよくリズミカルな文体、テンポのいい会話と非常に優れた訳だと思われる。 土屋氏が「武器よさらば」「誰がために鐘は鳴る」などの翻訳を出されることを期待したい。 | ||||
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という一文に本作の魅力は集約されているのではあるまいか。 男が男らしく振る舞うことの素晴らしさとその儚さと葛藤が若き日の清濁併せ吞んだ男女関係に収斂されいていてこれぞ汗を感じる青春小説という感じがします。 若き日の粗削りなヘミングウェイが登場人物に語らせる言葉は本当に面白い。 「あいつももう終わりだ。知ってることは書き終えて今は知らないことばかり書いている」 「物書きなら目覚めた瞬間から皮肉っぽくなくてはならん」 本人が誰かに対して思っている当てこすりかと思えるようなことが散りばめられていて私はとても気に入りました。 ほぼ全編会話なのですがこの会話の端々にヘミングウェイ本人が見え隠れするのにそれが全く不快ではないという作品。 終盤に誰かに言わせていた台詞 「素晴らしい悪夢」 がこの本のタイトルでもいいくらいです。 | ||||
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昔買って読んだら良かったので、昔のままだと良いと思います。 | ||||
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"『ぼくの人生はまたたくうちにすぎてゆく、しかも自分はほんとの生き方をしていない、考えだすとぼくはたまらん』『ほんとの生き方をやり通すやつなどいるもんか、闘牛士にでもならんかぎり』"1926年発表の本書は、著者初の長編小説にして"失われた世代"を乾いた文体で描いた出世作。 個人的には何となくマッチョなイメージが著者にあって苦手意識があったのですが。ようやく手にとりました。 さて、そんな本書はかってのプリンストン大学のミドルウェイト級ボクシング・チャンピオンにして作家志望のコーン、ぼく"こと戦争で性的不能になったアメリカからフランスに派遣されている記者『語り部』のジェイク、そして、そのジェイクを誰よりも信用しているものの、性的奔放な女性『女主人公』のブレットといった人物たちが紹介された後で、ジェイクと友人たちがスペインに闘牛を見に行き楽しんでいるうちに、いつしか不穏な空気が複雑な人間関係の仲間達間で漂っていくわけですが。 率直に言って、物語全体としてはスケールが大きいわけではなく、またどんでん返しといった展開があるわけでもなくて。有り体に言えばスペインで闘牛を楽しみながら【ひたすら酒をのんでどんちゃん騒ぎをしている】会話だけ。と言っても構わない作品だとも思うのですが。第一次大戦中に青春を過ごしたアメリカの若者たち『ロスト・ジェネレーション』の【何かしらの傷を負い、自堕落な日々を過ごしている】世代にブームを巻き起こし、熱狂的な支持を受けたのは、想像しかできませんが。当時の若者たちにとって【自分たちを代弁してくれような感覚】で読まれたのかな?と思いました。 一方で、内面心理を極度に省略して【カメラ的、映像的な外面描写に徹した文体】は新鮮かつ、また、実際に著者と一緒にスペインを訪れた友人たちがモデルになっているとはいえ、複雑な心理を抱える登場人物たちにリアリティをもたらしているし、特に【闘牛や飲み会の場面描写に関しては圧巻】だと感じました。タイトルが【前向きなイメージに誤解されそう】ですが。実はひたすらに【変わらぬ生活に対するやるせなさ】が乾いて描かれている本書。ハマる人にはハマる気がします。 スペインに旅に出かける予定のある人へ(笑)また、虚無感や喪失感にドップリ浸かってお酒を飲みたい人にもオススメ。 | ||||
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"『ぼくの人生はまたたくうちにすぎてゆく、しかも自分はほんとの生き方をしていない、考えだすとぼくはたまらん』『ほんとの生き方をやり通すやつなどいるもんか、闘牛士にでもならんかぎり』"1926年発表の本書は、著者初の長編小説にして"失われた世代"を乾いた文体で描いた出世作。 個人的には何となくマッチョなイメージが著者にあって苦手意識があったのですが。ようやく手にとりました。 さて、そんな本書はかってのプリンストン大学のミドルウェイト級ボクシング・チャンピオンにして作家志望のコーン、ぼく"こと戦争で性的不能になったアメリカからフランスに派遣されている記者『語り部』のジェイク、そして、そのジェイクを誰よりも信用しているものの、性的奔放な女性『女主人公』のブレットといった人物たちが紹介された後で、ジェイクと友人たちがスペインに闘牛を見に行き楽しんでいるうちに、いつしか不穏な空気が複雑な人間関係の仲間達間で漂っていくわけですが。 率直に言って、物語全体としてはスケールが大きいわけではなく、またどんでん返しといった展開があるわけでもなくて。有り体に言えばスペインで闘牛を楽しみながら【ひたすら酒をのんでどんちゃん騒ぎをしている】会話だけ。と言っても構わない作品だとも思うのですが。第一次大戦中に青春を過ごしたアメリカの若者たち『ロスト・ジェネレーション』の【何かしらの傷を負い、自堕落な日々を過ごしている】世代にブームを巻き起こし、熱狂的な支持を受けたのは、想像しかできませんが。当時の若者たちにとって【自分たちを代弁してくれような感覚】で読まれたのかな?と思いました。 一方で、内面心理を極度に省略して【カメラ的、映像的な外面描写に徹した文体】は新鮮かつ、また、実際に著者と一緒にスペインを訪れた友人たちがモデルになっているとはいえ、複雑な心理を抱える登場人物たちにリアリティをもたらしているし、特に【闘牛や飲み会の場面描写に関しては圧巻】だと感じました。タイトルが【前向きなイメージに誤解されそう】ですが。実はひたすらに【変わらぬ生活に対するやるせなさ】が乾いて描かれている本書。ハマる人にはハマる気がします。 スペインに旅に出かける予定のある人へ(笑)また、虚無感や喪失感にドップリ浸かってお酒を飲みたい人にもオススメ。 | ||||
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"『ぼくの人生はまたたくうちにすぎてゆく、しかも自分はほんとの生き方をしていない、考えだすとぼくはたまらん』『ほんとの生き方をやり通すやつなどいるもんか、闘牛士にでもならんかぎり』"1926年発表の本書は、著者初の長編小説にして"失われた世代"を乾いた文体で描いた出世作。 個人的には何となくマッチョなイメージが著者にあって苦手意識があったのですが。ようやく手にとりました。 さて、そんな本書はかってのプリンストン大学のミドルウェイト級ボクシング・チャンピオンにして作家志望のコーン、ぼく"こと戦争で性的不能になったアメリカからフランスに派遣されている記者『語り部』のジェイク、そして、そのジェイクを誰よりも信用しているものの、性的奔放な女性『女主人公』のブレットといった人物たちが紹介された後で、ジェイクと友人たちがスペインに闘牛を見に行き楽しんでいるうちに、いつしか不穏な空気が複雑な人間関係の仲間達間で漂っていくわけですが。 率直に言って、物語全体としてはスケールが大きいわけではなく、またどんでん返しといった展開があるわけでもなくて。有り体に言えばスペインで闘牛を楽しみながら【ひたすら酒をのんでどんちゃん騒ぎをしている】会話だけ。と言っても構わない作品だとも思うのですが。第一次大戦中に青春を過ごしたアメリカの若者たち『ロスト・ジェネレーション』の【何かしらの傷を負い、自堕落な日々を過ごしている】世代にブームを巻き起こし、熱狂的な支持を受けたのは、想像しかできませんが。当時の若者たちにとって【自分たちを代弁してくれような感覚】で読まれたのかな?と思いました。 一方で、内面心理を極度に省略して【カメラ的、映像的な外面描写に徹した文体】は新鮮かつ、また、実際に著者と一緒にスペインを訪れた友人たちがモデルになっているとはいえ、複雑な心理を抱える登場人物たちにリアリティをもたらしているし、特に【闘牛や飲み会の場面描写に関しては圧巻】だと感じました。タイトルが【前向きなイメージに誤解されそう】ですが。実はひたすらに【変わらぬ生活に対するやるせなさ】が乾いて描かれている本書。ハマる人にはハマる気がします。 スペインに旅に出かける予定のある人へ(笑)また、虚無感や喪失感にドップリ浸かってお酒を飲みたい人にもオススメ。 | ||||
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"『ぼくの人生はまたたくうちにすぎてゆく、しかも自分はほんとの生き方をしていない、考えだすとぼくはたまらん』『ほんとの生き方をやり通すやつなどいるもんか、闘牛士にでもならんかぎり』"1926年発表の本書は、著者初の長編小説にして"失われた世代"を乾いた文体で描いた出世作。 個人的には何となくマッチョなイメージが著者にあって苦手意識があったのですが。ようやく手にとりました。 さて、そんな本書はかってのプリンストン大学のミドルウェイト級ボクシング・チャンピオンにして作家志望のコーン、ぼく"こと戦争で性的不能になったアメリカからフランスに派遣されている記者『語り部』のジェイク、そして、そのジェイクを誰よりも信用しているものの、性的奔放な女性『女主人公』のブレットといった人物たちが紹介された後で、ジェイクと友人たちがスペインに闘牛を見に行き楽しんでいるうちに、いつしか不穏な空気が複雑な人間関係の仲間達間で漂っていくわけですが。 率直に言って、物語全体としてはスケールが大きいわけではなく、またどんでん返しといった展開があるわけでもなくて。有り体に言えばスペインで闘牛を楽しみながら【ひたすら酒をのんでどんちゃん騒ぎをしている】会話だけ。と言っても構わない作品だとも思うのですが。第一次大戦中に青春を過ごしたアメリカの若者たち『ロスト・ジェネレーション』の【何かしらの傷を負い、自堕落な日々を過ごしている】世代にブームを巻き起こし、熱狂的な支持を受けたのは、想像しかできませんが。当時の若者たちにとって【自分たちを代弁してくれような感覚】で読まれたのかな?と思いました。 一方で、内面心理を極度に省略して【カメラ的、映像的な外面描写に徹した文体】は新鮮かつ、また、実際に著者と一緒にスペインを訪れた友人たちがモデルになっているとはいえ、複雑な心理を抱える登場人物たちにリアリティをもたらしているし、特に【闘牛や飲み会の場面描写に関しては圧巻】だと感じました。タイトルが【前向きなイメージに誤解されそう】ですが。実はひたすらに【変わらぬ生活に対するやるせなさ】が乾いて描かれている本書。ハマる人にはハマる気がします。 スペインに旅に出かける予定のある人へ(笑)また、虚無感や喪失感にドップリ浸かってお酒を飲みたい人にもオススメ。 | ||||
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"『ぼくの人生はまたたくうちにすぎてゆく、しかも自分はほんとの生き方をしていない、考えだすとぼくはたまらん』『ほんとの生き方をやり通すやつなどいるもんか、闘牛士にでもならんかぎり』"1926年発表の本書は、著者初の長編小説にして"失われた世代"を乾いた文体で描いた出世作。 個人的には何となくマッチョなイメージが著者にあって苦手意識があったのですが。ようやく手にとりました。 さて、そんな本書はかってのプリンストン大学のミドルウェイト級ボクシング・チャンピオンにして作家志望のコーン、ぼく"こと戦争で性的不能になったアメリカからフランスに派遣されている記者『語り部』のジェイク、そして、そのジェイクを誰よりも信用しているものの、性的奔放な女性『女主人公』のブレットといった人物たちが紹介された後で、ジェイクと友人たちがスペインに闘牛を見に行き楽しんでいるうちに、いつしか不穏な空気が複雑な人間関係の仲間達間で漂っていくわけですが。 率直に言って、物語全体としてはスケールが大きいわけではなく、またどんでん返しといった展開があるわけでもなくて。有り体に言えばスペインで闘牛を楽しみながら【ひたすら酒をのんでどんちゃん騒ぎをしている】会話だけ。と言っても構わない作品だとも思うのですが。第一次大戦中に青春を過ごしたアメリカの若者たち『ロスト・ジェネレーション』の【何かしらの傷を負い、自堕落な日々を過ごしている】世代にブームを巻き起こし、熱狂的な支持を受けたのは、想像しかできませんが。当時の若者たちにとって【自分たちを代弁してくれような感覚】で読まれたのかな?と思いました。 一方で、内面心理を極度に省略して【カメラ的、映像的な外面描写に徹した文体】は新鮮かつ、また、実際に著者と一緒にスペインを訪れた友人たちがモデルになっているとはいえ、複雑な心理を抱える登場人物たちにリアリティをもたらしているし、特に【闘牛や飲み会の場面描写に関しては圧巻】だと感じました。タイトルが【前向きなイメージに誤解されそう】ですが。実はひたすらに【変わらぬ生活に対するやるせなさ】が乾いて描かれている本書。ハマる人にはハマる気がします。 スペインに旅に出かける予定のある人へ(笑)また、虚無感や喪失感にドップリ浸かってお酒を飲みたい人にもオススメ。 | ||||
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何も問題有りません。満足しています。 | ||||
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あらすじだけ掬い上げると、誰もが見惚れるヤリマンの美女を取り巻く複数人の男の話で、 ワインを飲みまくり、メシを食いまくり、たばこを吸いまくって、ひたすらしゃべる。 物語のほとんどがそんな場面です。 エンタメ性を求める人にとっては退屈な話でしかないのですが、ヘミングウェイは その特徴的な文体が魅力的で、ずっと読んでいたいと思えるほど惹きつけられてしまいます。 ハードボイルドの源流である簡潔で乾いた文体の影響は大きく、 読んでいるうちにあの作家に似ている、この作家に似ている、と頭に過ぎると思います。 自然の描写や、熱を帯びたり失ったりする町並み、闘牛や釣り、祝祭のシーンなど、 熱気やにおいまで漂ってくる印象深い映像が頭のなかに鮮明に浮かび上がります。 映像的な場面の連続で古い映画を見ているような気分に何度もなりました。 個人的には革袋でワインを飲んでいるシーンが一番好きです。 静かな中にも、様々な感情が入り混じり、悲哀に満ちた男女のやり取り、 くせのある登場人物たちそれぞれの苦悩など読みごたえ抜群でした。読みやすい訳です。 | ||||
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登場人物のキャラクターがともかく素晴らしい。第二次世界大戦後のパリで、ボヘミアン的な生活を享受する主人公ジェイクとその友達たち。戦争という後遺症を引きずりながらも、登場人物が生き生きと描かれている。前半のパリ編と後半のスペイン編が、当時のカフェなどの風俗状況をちりばめながら、どこか突き放したような文体で書かれている。実際にヘミングウェイが体験したことがモチーフとなっているので、あえてそれぞれに感情移入しないようにしたのかもしれない。 「ロストジェネレーション」失われた世代とはどのようなものか? 是非、一読してほしい。 | ||||
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海外翻訳小説を読み続けていると、翻訳者が異なる同じ小説を読むことがある。 ヘミングウェイは昔から様々な出版社から発行されているので、本自体のレビューは岩波版に記入した内容を参考にしてもらい、翻訳について話してみたい。こちらの新潮文庫版はとても読みやすく、当時の情景を違和感なく受け入れることができる。 岩波文庫版では、ヘミングウェイの文体をそのまま日本語に訳した内容で、無駄を削ぎとった文体となっている。 原書で読むと、非常にシンプルな表現で成り立っているので、岩波文庫版のほうが雰囲気は近いと思う。 どちらがどうというのは各自の好みがあるので何とも言えないが、機会があったら読み比べてみると新鮮な発見があるかもしれない。 | ||||
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ヘミングウェイの作品は学生時代から一通り読みましたが、現在まで繰り返して読んでいるのはこの作品だけです。 ヘミングウェイにとって最初の長編であり、出世作となった本作は1926年(大正15年/昭和元年)に出版されました。日本ではヘミングウェイというとノーベル文学賞の対象になったと言われる「老人と海」が有名ですが、本国アメリカでは本作の方が知名度が高く、ヘミングウェイの最高傑作と評する人も多いようです。私は長年この事を不思議に思っていたのですが、疑問の鍵は第一次大戦にあるようです。 日本も参戦しながら今ひとつ馴染みの薄い第一次大戦ですが、人類史上初となった世界規模の戦争というだけでなく、戦車、潜水艦、戦闘機といった新兵器の投入や機関銃、迫撃砲、毒ガスなどの大量殺戮兵器の使用は、近代戦の幕開けとなりました。それまで戦争といえば、トラファルガー海戦やワーテルローの戦いのように海の上とか、人気の無い場所で職業軍人同士が戦って決着をつけるものでしたので、市街地で繰り広げられ非戦闘員だけで1,000万人もの犠牲者を出した近代戦の登場は、当時の主戦場だったヨーロッパの人々にとってどれだけ衝撃だったか計り知れないものがあります。 作品の舞台となるのは第一次大戦後のパリ、スペイン。登場人物はパリに新聞社特派員として暮らす主人公ジェイクと彼を取り巻く友人たち。彼らも第一次大戦によって心に何らかの傷を負っており、自堕落な生活を送っている。(主人公のジェイクは心に傷を負う替わりに、大戦時の負傷によって性的不能に陥っている)。退廃的で狂躁的なパリの夜と情熱的なスペインの昼が対照的に描かれる。フェスタと闘牛にいかに熱狂しても、彼ら「ロスト・ジェネレーション」は失ったものを取り戻すことは出来ない。彼らに出来ることといえば、今日一日を享樂的に刹那的に生きることだけだ。それでも明日になれば、何事も無かったように日はまた昇る。 | ||||
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ヘミングウェイは、学生時代に課題本で「老人と海」を読んだきりで、それ以上興味のない作家だった。しかし最近、憧れの人がヘミングウェイを愛読していることを知り、不純な動機(笑)から、一番取っつきやすそうな「日はまた昇る」を手に取ってみた。 なんということはない、夏目漱石流にいえば、当時のいわゆる「高等遊民」たちの、お洒落でカッコいい青春グラフィティ、といった内容である。 冒頭の献辞は、最初の妻ハドリーと息子ジョンに向けられているが、訳者解説によると、本作上梓後ほどなく、ヘミングウェイはハドリーと離婚し、二番目の妻と再婚している。 主人公のジェイクは、戦争で性行為不能になったという設定だが、これは、子までなした一人の女性を捨てようとしていた男の、カムフラージュというか、エクスキューズではないだろうか? 人は変わる。男も女もない。しばしば、そこには倫理も介在しないことがある。文豪はそれを、乾いたタッチで文学に昇華させた。 エキゾチズムを味わうには、快い小説である。 | ||||
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この作品に関しては様々な翻訳がされてますし、翻訳によって本の暑さが大分違いますけど、この本はその中でも割とわかりやすい表現で読みやすい方なんじゃないかなと思います。 | ||||
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