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バタフライ・エフェクト
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バタフライ・エフェクトの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.62pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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もしもあの時、ああだったら、こうだったら、こうしていたら、出来ていたら。。。 多くの人が、そう思う瞬間があると思う。 死を間近にしたボーディルは、そうすることや、思い出を美化することの、無意味さに気付く。 自分の弱さと向き合うこと。真実と向き合うこと。 彼女はバタフライエフェクトを逆流するかのようだ。 娘のヴィクトリアもまた、彼女なりの方法で。 一方、アンドレアスは、自分の弱さを受け入れることが出来ない。 ボーディルの静謐な語りに涙が何度も出た。 | ||||
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これはミステリーではない。濃密な心理小説である。 男女関係や親子関係の葛藤から生じる深い傷、あるいは犯罪被害のトラウマがきっかけとなった人格崩壊を、3人の主人公の心理の襞に深く分け入って描いている。 心に傷を負った人たちの内面が迫真の筆致で描写されており、読んでいて息苦しくなるほど。それでも最後まで引き込まれてしまう。 家族間の虐待やDV、犯罪被害のトラウマに関心のある人は必読。 | ||||
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タイトルが一緒なんで間違って購入してしまいました。 全体を通して地味で退屈な話ですが、心理描写がすごく上手です。 本を書くには知識か経験が必要で、こちらの筆者は、主役の女性と同じ立場であり、母であり、娘であり と実際に経験してきたのだろうと思えてなりません。 ただ、バタフライエフェクトの部分がなんとなくありきたりで、ちょっと先が読めてしまったのが残念です。 この後にSFの方を読んで、衝撃的だったのはあちらの方でしたが、こちらは胸に染み入るように印象に残りました。 | ||||
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たくさんの伏線。さまざまな人間の迷いが重なって生じる結果。けれどもそれを超える大きな時の流れがある。悪の中でおぼれていく人々を描いた作品「影」と違う透明感がある不思議な作品です。事件(というか事故かもしれない)はとても大きいのですが・・・ | ||||
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途中、退屈だと感じたけれど 最終章は何度も読み返している。 生きてるって、悪い事だけじゃないかもしれないと思えるから。 | ||||
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この著者の作品で一番初めに「喪失」を読んでから、面白さにはまってしまったため、日本で出版されているものは全部読みました!読み始めると(次はどうなる?)という好奇心で夜中まで読みふけりまして、とうとう作品全部を読み切りました。「バタフライエフェクト」、この物語は人生の選択について考えさせられ、あの時にこうなっていたら・・・などと思ったりしながら自分のことと重ね合わせつつ読み進めていきましたが、結局、その選択も、そうとしか成りようがなかったのだなぁと結論です。人生は、「過去のあの時なんて考えたってどうにもならない」、そしてその選択によってそのストーリーが来た。それを受け入れてその時々を精一杯生きるしかないのだと思うわたしでした。 | ||||
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評判が良かったので、この作者の本を2冊読んだところ、あまりにも期待を裏切られた。 三度目の正直だと思って、全く期待せずに読んだら、思いのほか良かった。 変に奇を衒わずに素直に読ませる本作はなかなか。 | ||||
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バタフライ・エフェクトとはカオス理論の一つで「初期条件の些細な違いが将来の結果に大きな差をうみだす。」という説である。 スウェーデン文学界の大女流作家カーリン・アルヴテーゲンは、本書で見事に小説として昇華させた。 日本でアルヴテーゲンは帯に曰く「サイコサスペンスの女王」とレッテルを貼られている。 確かにデビュー作「罪」から「喪失」「裏切り」「恥辱」「影」(すべて小学館文庫)までの五作は、強烈なサスペンスで描かれた傑作群であり、作品は発表されるごとに暗く重い人間関係を暴きだす物語となっていった。 しかし、前作「満開の栗の木」(小学館文庫)にいたりこれはミステリかという論議がまきおこる。 六作すべてを翻訳された柳沢由実子氏は前作の「訳者あとがき」において、アルヴテーゲンの作品は小説のジャンル分けをする必要があるのかと問うているし、作者本人も「ジャンルは意識して書いているのではない。」と言っている。 スウェーデンでは「リレーション・ロマン」(人間関係小説)と分類されているようだ。 前作は量子物理学をもとに書いたという。 <自分の解釈だけが正しいと主張できるものはない。> そして本書はカオス理論から作品がうまれた。 多数の死者を出した列車事故の五ヶ月前から、三人の視点で物語は語られ始める。 五十五歳の女性「ボーディル」が語り始める。<これまでの人生のあまりに大きな部分を、悩むことにより費やしてきた。> 実は難病により余命宣告を受けているのだ。 ボーディルの娘「ヴィクトリア」は人間関係性に悩み心理療法士にかかっている。 小さなことから自分の家系が気になり始める。 建築士「アンドレアス」は悩む。<考えていると、頭がおかしくなりそうになる。> 偶然入った貴金属店に強盗が入り、死の恐怖を味わったのだ。それが心的外傷後ストレスとなり心が病んでいく。病んでいく過程があまりにもリアルだ。 まるで関係がないと思われた彼らの人生に、ほんの些細なことが人生の終わりに向かって大きな影をおとしていたのだ。 ラストに向かって高揚感が増していき衝撃がくる。 しかし、そこに至るには読者は三人の主要人物と周囲の人々が、ジリジリと追いつめられていく様を見つめ続けなければならない。 アルヴテーゲンの新たな傑作である。 | ||||
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