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(短編集)
宇喜多の捨て嫁
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宇喜多の捨て嫁の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.36pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全50件 21~40 2/3ページ
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乱世も乱世、武士として生き残るのがこんなにも犠牲を強いられるとは。謀、策略、裏切り・・・壮絶過ぎる。これまで読んだ時代劇小説の中でも相当に面白い部類。とても良かったので、もう一冊買って父にプレゼントした。 | ||||
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練りに練った構成で、まさかこんな展開とは予想もできませんでした。歴史上の人物をこれまでの視点から異なった角度で見て新しい評価を与えるという小説手法は珍しくありませんが、ここまで成功しているのは稀有な例でしょう。読者の予想を裏切り続けるという意味ではまさにミステリーです。これがデビュー作とは、そらおそろしい才能です。指先の化石一つから巨大恐竜の全身骨格を再現するほどの想像力ですね。 それにしても、こんな陰惨な物語に「高校生直木賞」が与えられるって、いまどきの高校生はシブイね。私が作者なら本家直木賞よりうれしいかも。 | ||||
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嫁に行った娘メインの話をしている部分は少なく、ほぼ直家のメインなのでタイトル買いはお勧めできない。 個人的に受け入れられなかった点 ・島村や中山が殺される際サクッと受け入れている。 ・浦上側は完全に悪役、島村や中山はほぼ完全に善人のように書いている。 わかりやすい構図にはなるが、人物の掘り下げ不足を感じる ・執筆順なのか知らないが、時代が前後する意味を私は理解できなかった。 ・戦争の描写がほぼなし ・暗殺した中山の所領は直家のものとなるが、統治に関する話は無し。 以上のことから歴史小説というより、hurtful home dramaと思って読めば違和感なく読めて良い。 | ||||
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例えば、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」での描かれ方(=陣内孝則が好演!)が典型的だが、梟雄としてのイメージが大変強い宇喜多直家。確かにそのような史的実績も十分なのだが(笑)、意外にも信仰心に厚く、また若い頃に不遇時代を共にした家臣達とは親身に付き合ったという。主家のほか娘や姻戚筋をガンガン謀殺する直家の暗黒エピソードは本作でも描かれているが、古株の家臣達との奇妙な連帯感は描き込みが浅い。それは、恐らく直家のようなヤバイ人間に命を預け続ける近従達の心理、意外に家来は大事にした直家の複雑な内面に踏み込むことが難しかったからではないか。また、最終話がやたら説明的である点、クライマックス(=特に剣戟の描写)で状況が読み取りにくい話が複数あった点から、星は渋めにつけた。「無想の抜刀術」をキーワードに始皇帝や曹操、信長と並ぶ能力を持つ男として直家を散々持ち上げている試みも、信長/秀吉軍の尖兵となることを選ぶ直家の運命に矛盾しているので、あんまり利いていない。 ただ、直家が梟雄化する過程には、主家(浦上家)における家中の事情がかなり影響していたはずだという視点、また直家のような複雑な人間を描くためには、周囲の複数の人間の目から一つのドラマを描くという手法が有効だということも、この作品により教えられた。作者は最新作「宇喜多の楽土」(2018年)でも、再度、宇喜多氏に挑戦している。そちらも手に取ってみたい。 | ||||
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現代の人間が歴史上の人物に対して持っているイメージが正しいとは限らない。しかし、有名な小説や映画などで印象付けられた評価は根強いものがある。本作品に登場する宇喜多秀家も少なからず誤解を受けている一人だろう。ご存知のとおり、直家は斎藤道三や松永久秀に並ぶ悪人として、私たちに強く印象付けられている。しかし、真実の姿がどうであったかについて知ることは難しい。本作では謀将で名高い秀家の今までない切り口で、彼の謀を見ることができる。 彼は多くの味方を裏切り、姻戚を滅亡させているが、その内側で当事者がどう感じていたかは知る由もない。また強運によって難を乗り越えてもそれが味方や親族の不幸に結びついてしまうのは戦国時代の過酷さを感じさせる。当時の評価としても、作中『戦場で大軍を采配しての闘いこそ、武士の本懐。和泉守殿の謀は豺狼が如きもの。下人の手柄といえよう』と、言われたりと評判という点では今とあまり変わらないかもしれない。 しかし、彼の裏切りや謀のおかげで死をまぬがれた人間もいたことは想像に難くなく、正々堂々と戦はしたが、徴用した農民や部下は死にまくったという武将とどちらが正義なのかは現代人の常識を超えたところにあるのではないだろうか。本作品で描かれる直家が何を感じて生きていたのかは知る由もないが、今に名を残すような武将であれば、それ相応のドラマがあったということは疑いの余地はない。そのifが詰まった作品なのではないだろうか。 | ||||
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はじめは借りて読んだ本です。エスプレッソのような濃い話でして、後から読み返したくなり、購入しました。 | ||||
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タイトルをみて宇喜多直家の娘の生き様が描かれた小説だと思った.読み始めると,最初のうちは四女である於葉を中心に話が進む.直家はところどころに顔を出す程度である.そして前半の早い部分で直家は逝去する.あとは於葉の生き様を描いてゆくものとばかり思っていた. ところが章立てが変わると,場面は直家幼少期に移る.回想シーンらしく描かれており,於葉のこれからの人生に直家がどれだけ影響を与えたかを示すための章だと思った.ところがその次の章になっても,更にその次の章も,そのまま直家の生涯が書き続けられてゆく.最終章になると,また場面転換される.今度こそ於葉のその後を描くのかと思いきや,最後まで直家を描く. 場面展開が絶妙である.読後にして思えば,このタイトルも考えに考えられたものなのだろうと推測がつく.いい意味での「裏切られた感」がずっと続き,退屈する場面が無い. 私は宇喜多直家が好きで,これまで何冊か直家を主人公にした小説を読んできた.が,直家が梟雄と呼ばれるに至る過程で,(表向きの)主君である浦上宗景の影響をここまで深く描いた作品を読んだことは無い.場面転換だけでなく,内容的にも心地よい「裏切られ感」が続く.浦上宗景という人物にまで興味を抱いてしまった. お薦めの一冊です. | ||||
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あれやこれやと言いませんよ。 とにかく、ともかく、宇喜多直家と彼を取り巻く人間関係のドラマを楽しんでみて下さい。 | ||||
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宇喜多直家という題材は歴史小説として書くにあたっては非常に難しい題材だ。 その謀略と殺戮にあけくれたイメージがあり、読者としても感情移入しいくい存在となりがちである。 それを非常に巧妙な筆力と構成によって読むものを共感へと導いていく。 これはなかなか常人にはできるものではない。 非常に優れた作品です。 (リアルおもろー) | ||||
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「非常に良い」との評価を信じて購入しましたが、小さいというシミが私には大きく思えました。 | ||||
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高校生直木賞というのがあるのだが御存知でしょうか?全国の高校の図書部?約20校が自分達の大賞を自ら読み込んだ選書の中から賛否討論をして毎年1冊を選ぶというもの今年で2回目でこの作品が今年の大賞です。へへん・・高校生ならラノベとかじゃねえの・と甘く仕合ったら、この打ち込みですよ。奴等、本気と書いてマジって読むやつですわ。ちょいと見直しました。 裏切りと謀殺を繰り返し業を重ねる宇喜多直家、自分の娘4人も全てその道具として利用し抜きます。1編目で末娘の婚礼から直家自身の破滅までを描き、2編目以降で幼少期の直家:八郎が如何に苦悩し、運命に人生を塗り込められてゆきこのようになってしまったのかを描き明かしてゆきます。その筆致と世界観たるや・・そう!スターウオーズエピソード3のダースベーダーの悲劇の構成そのもの。。。身奮いして喰い入るように一気読みしてしまいました。目が離せませんでした。BGMは是非ジョンウイリアムスで・・・・ | ||||
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武将の娘がどんな覚悟で嫁にいくのかが、少しイメージできました。 戦国時代はやはり戦の世の中なのですね。 | ||||
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この作品は、宇喜多直家の一生と、彼の周りの人々を描いた6つの短編により構成されている。 体中の古傷から血膿が滲み出る奇病・尻はすを患う直家。 美しくもグロテスクな表紙を開いたその時から、宇喜多直家の深い業に引き込まれていくように感じられた。 (遊び紙や内表紙に使われた、真っ赤ででこぼこした紙が血膿を連想させる、素晴らしい装丁) 表題作『宇喜多の捨て嫁』は、父直家を嫌う四女・於葉を主人公としているため、直家が非常に不気味で嫌悪感を抱かせる存在として描かれている。 謀に嵌ることの恐ろしさに寒気を感じると同時に、戦国時代の闇の部分に引き込まれた。 そして、於葉の夫・後藤勝基の男気に酔いしれた。 『無想の抜刀術』直家の少年期の話。 個人的な感想ではあるが、今までいくつかの作品で見てきた『八郎』たちの中で、唯一ありのままに生き、最も悲惨にまみれているのが、この八郎。 徹底して描かれた不遇の少年期が、その後の話に繋がっていく。 『貝あわせ』そんな少年期を過ぎ、武功により城を得て、普通ならどんどん出世していくサクセスストーリーになるはずが、そうはいかないのが直家の人生。 良い家臣、出来た奥方と可愛い娘たち、頼りになる義父に恵まれ、読んでいるこちらが安堵したのも束の間、後半は胸を締め付けられるような描写が続く。 祖父の仇である島村盛実は当然ながら悪役として描かれることが多いが、この作中では島村は魅力的な人物として描かれているのが興味深い。 『ぐひんの鼻』主君・浦上宗景を主人公とした作品。 俗な言い方をすれば、中二病をこじらせたパワハラ上司の宗景。 主人公になり内面が描かれることで、より一層醜悪さが感じられる宗景の生き様。 そんな宗景の目から見た、成長した直家とその家臣たちの描写が圧倒的であり、暗くも胸のすく展開が待っている。 こういう男に仕えたからこそ、直家は家臣を大事にしたのだなと思った。 『松之丞の一太刀』浦上宗景の子・松之丞を主人公とした作品。 自分を害するものに対して、無意識のうちに反撃を行う直家。 その娘婿となった松之丞は、命の危機に瀕しても攻撃ができない、戦はしたくない、という心の持ち主。 真逆に見える二人が交差するこの話に、最も直家の人間性を感じた。 悲しくも、胸が熱くなる一話。 『五逆の鼓』浦上宗景の兄・政宗に仕えた、江見河原源五郎を主人公とした物語。 それまでの話とは大きく舞台が変わるため、一見本筋とは無関係に見える。 だが、江見河原が宇喜多に寝返ったところから、最後に向けて一気に目が離せなくなる。 何冊かの本やwikiなどで宇喜多直家について知ってから読んだが、新たな視点からの人物描写が秀逸で、引き込まれた。 温かさや悲しみや怯えといった、人間らしい感情を持った直家が魅力的で、血にまみれた梟雄となっても、その奥底には直家という人間が生きているのが、私には嬉しく感じられた。 | ||||
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戦国の世にあって,自分の人生を生き抜いた宇喜多直家の生き方が,心に重く響きました。平和と戦乱,家族と領民,生きることと死ぬこと,一見平穏な時代を振り返って,直家の生き方は刺さるものがありました。物語の配列が絶妙です。一気に,読了しました。 | ||||
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まず構成が読ませるなと思いました 1話の最初から直家の衣服を洗って売る老婆・・・何気ない言葉だけの登場の「腹裂き婆」なのだが その謎が2話、4話、6話とだんだん分かってくるのもいい 2話、3話は直家視点なので直家がとても良い青年にしか思えない展開が続くが 恐ろしくなっていく様を4話の浦上宗景視点から見ると恐ろしさが倍増するというか 人の恐ろしさというのは本人視点からじゃなかなか描けないものなのだなと思いました | ||||
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表題作の他、「無想の抜刀術」、「貝あわせ」、「ぐひんの鼻」、「松之丞の一太刀」及び「五逆の鼓」の全6つの短編から構成される、戦国の梟雄、宇喜多直家を題材とした連作短篇集。宇喜多直家に着目した点が目新しいのかも知れないが、内容的には物足りないものを感じた。 表題作は、直家の娘で(名目上の主家である)後藤家へ「捨て嫁」として嫁いだ"於葉"の視点から「直家vs後藤家」の闘い(騙し合い)を描いたもの。しかし、戦国時代、政略結婚や下剋上は当り前の世界の上に、作中にこれといった工夫が織り込まれていないため、さしたる新規性は感じなかった。何より、忠臣や逆臣の描き分けに汲々としていて、肝心の"於葉"のパーソナリティを描き切れていない点が痛い。表題作以外の短編は、数多の戦国小説と大同小異で、表題作の執筆後、一冊の本として出版するために無理やり追加した感が否めない。ちなみに、「無想の抜刀術」の遣い手とは直家自身の事である。表題作以外では、直家は初めは人情に厚い実直(!)な武将として描かれているのである。直家を一人の人間として描こうとしたのだろうが、余り成功しているとは思えない。"於葉"の影が薄い点も表題作との乖離を感じさせる。 宇喜多直家が梟雄と呼ばれる様になった過程を描いている点だけが唯一の取り柄の作品で、「捨て嫁」という表題に新鮮さを求めた私の期待は大きく裏切られた。 | ||||
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キンドル版で1500円以上。処女作にどうかと思いましたが、行間がスカスカの昨今の作家さんの作品とは違う。読み応えがありました。 縦糸を武人直家の活躍、横糸を母との関係及び娘を絡めた筋書き。母の話しが比較的長く、果たして必要なのか、と思いましたが、最後まで読むとなるほど、と納得できます。もちろん史実ではなく、創作ですが、きちんと話しの駒として生きていました。買って良かった。 しかし、斉藤道三、松永久秀と並んで三悪人と呼ばれますが、妖怪なのは、直家ではなく浦上宗景。この時代は妖怪が多くて面白い。松永久秀も書いて欲しいし、司馬遼太郎を超えた斉藤道三も書いて欲しいものです。 | ||||
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デビュー作にして、直木賞候補作となった、大型新人の野心作。 歴史・戦国マニアならご存じの、「悪人」大名、宇喜多直家を、その祖父から子供までの4世代に渡って深く掘り下げた作品。 岡山の宇喜多というマニアックな舞台設定(戦闘エリアも基本的には全て岡山です)で、裏切りと暗殺が日常の世界を、甘美かつ痺れるスタイルで描ききった力量は、直木賞候補作家がダテではないことを感じさせてくれる。 とにかく文章が美しく、その設定と考え抜かれたストーリーも圧巻の一言。 とはいえ残念ながら小生は戦国小説、歴史小説を全く読まないので、折角の重厚かつ濃厚な文章も、味わいきることができませんでしたが、それは小生の能力、知力の至らなさゆえ、やむを得ないと思っています。(そういう個人的な理由で★は4つにしています。) とにかく戦国下克上のヒリヒリした世界にどっぷり浸らせてくれる、王道ど真ん中の本格的な作品。 歴史小説好きには是非とも手に取ってもらいたい一冊です。 | ||||
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うーんあまりに評判がいいので表題作だけ読んでみたが、やはりデビュー作だけあって文章が硬い。あと、おっかなびっくり書いている感じがする。あとやはり話が暗い。「諱」がキーになっているのだが、果たして「諱」を本人の前で口にすると斬られる、といったことがあったのか、疑問である。やはりもうちょっと、長編を書いてから評価したい(お前は直木賞選考委員か)。 | ||||
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本当の歴史小説を読んだ気がしました。下剋上とは何だったのか初めて理解した気がしました。 | ||||
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