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秘密
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秘密の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.07pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全642件 301~320 16/33ページ
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性別、年齢、家庭環境などで解釈の仕方が違ってくると思う作品。 主人公目線で書かれているので直子の気持ちの解釈が様々にできる。 私は主人公目線である為か、最初は主人公の気持ちが強く感じられたが、だんだんと直子の気持ちがわかり、なんとも辛い気持ちになった。 娘の体を手にし、ここからどう生きるか考えなければならない。妻として生きようと体をあずけようとしても、だめだと言われる。娘になりきって生きようとしても、どうしてそんなことをするのだと言われる。どうしたらいいのか途方にくれる。 主人公目線からしたら直子の気持ちが読めなくて辛い、が直子は一生懸命考えたのである。 どれがいい決断か。 娘のふりをしていても平介は辛い。けれど妻にもなれない。そんなの自分だって辛い。 平介が直子の幸せを考え、もなみと暮らすと決めたとき、直子ももうもなみになると決めることしかできなかったのだ。それはもなみの為でもあり平介の為でもあり自分の為でもある愛している者の為に騙し続ける‥。1番辛いのは直子である。正直、本当にもなみがかえってきてくれていたのならそれがよかったけれど。 | ||||
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まず、意見にヘイスケだけがかわいそうという意見が結構あることに驚きましたこのふたり、お互い死ぬほど苦しいはず夫婦愛の究極の形ではないかなと思いましたヘイスケは失う、直子は失うだけじゃない一人ぽっちで秘密を持つ苦しさって半端ないいつかどこかで知ってほしい、と心のどこかで願うと思う東野さんは百夜行などしかり、はっきりとした心情の吐露がなくとも複雑な人間感情の描写をされる方だと思います。なので、そもそも「始終身勝手なだけの妻、直子」っていう薄っぺらい人物なんて書かないと思います。敢えて気持ちを吐露する主人公に直子をすえなかったことで、女性の持つある意味強さや潔さ、静かにつらさに耐えるところ、秘密めいた感じを余計に上手く表現出来ていたと思います男の人はなんだかんだと単純だったり少年のようだったりもありますからヘイスケを主人公目線で語ることは素直に心情の吐露で哀愁や葛藤、哀しさを表現するのに適していたと思います描きたかったのは「夫婦の愛」(+親子の愛、周囲のさまざまな愛)でしょう加害者の関係者とうんぬん、娘とのうんぬんはないよね;とは思いましたが、自分は秀逸だなぁと感嘆しましたとりあえずガンっとパンチがある作品です切ないので気持ち健康なときに読まれた方がいいかも・・・ | ||||
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ドラマしか見ていないのにレビュー書いちゃってごめんなさい!実は「もなみ」はやっぱり戻ってきていて、最後は単なる「平介の勘違い」なのでは?だって、母子で手紙のやり取り、してましたもん!その時に「直子」は「もなみ」に「指輪」のことも伝えていたのでは?本当はどうかなんて、もちろんわかりませんけれども、そう考えた方が、僕は心が穏やかになるので、そう考えておくことにします…☆ | ||||
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最後の最後は、自分自身のエゴが勝つ、自分が結局一番大事、という人の弱さをこれでもかというくらいむきだしにする作家さんだなあと思う。白夜行と、秘密だけしか読んだ事ないのだけれど。後味の悪さ、をいかに描くか、で定評のあるミヒャエル・ハネケ監督を、部分的に、彷彿とさせます。(←映画監督)いつも気分をマックスに悪くさせられる。そして作家のねらいはそこ。ならばこの作家さんは満点だと思う。不幸で満ちているけど、作家のねらいがそこであるならば。旦那への愛憎、の意味で、指輪の策略をしてる。知らしめることによって味わえる直子の優越感、そしてその上で旦那の気持ちをぶったぎる。旦那はこの先苦しいだけだけど、直子は関係ないと割り切りたいこその秘密。積み上げてきたもの(信頼や愛)を、ほんのかけら持ち合わせている自分のエゴで、たった一瞬でぶっ壊す。直子の心情がよく解る。愛するが故、なのか、憎しみ、なのか、破壊したくなる、しかも一番傷つく方法で。なんかとてもよく解る。離婚問題から沸き起こる感情によく似ているような気がする。関係がない。私は私。貴方が不幸になろうが関係がない。だって誰しも自分が大事だから。秘密を一人で持つことで、自分の存在が無かったことになりたくない直子の自己顕示欲が顔をみせ、自分を間違いなく愛してくれている旦那を、一番の不幸へと貶めた。彼女はただ黙ってられなかっただけ。秘密って、誰かと共有したいものだから。誰かが知ってくれているからこそ、秘密は成り立つんだと思う。 | ||||
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東野さんの本は、最後にどんでん返しがあったり、意表を突いた展開があります。そこが魅力です。あまりのおもしろさ故か、「これだけは言いたい!」とばかりに、ネタばれしているレビューがかなり見受けられます。知ってしまって読んでは、本を読む楽しさが半減してしまいます。TV、映画等で内容を知っている方はいいのですが、そうでない方は、読後、みんなはどんな感想を持っているのか調べるために見るのがよいと思います。最後に、この本はとてもおもしろいです。 | ||||
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今更ですが、東野圭吾の小説を読むのはこれがはじめてです。ドラマの続きが気になって読んでしまいました。賛否両論のレビューが連なっていますが、私は最後に泣いてしまいました。信じられない状況に向き合って向き合って向き合った結果、そしてお互いを思いやった結果の末の結末だったと思いました。私にとってこの結末は、なるほどな、という感じ。もしこういう感じのストーリーを他にも書いているのなら、ぜひ読みたいですね。ただ、文章ひとつひとつが素敵だな、言葉の選び方が素敵だな、というような感じはここからは受けませんでした。物語のテンポや進み方とか読みやすさはいい感じ。マンガを読んでいるようなスピード感だったので、TVや映画で映像化されるのもわかるな〜という感じがしました。 | ||||
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最初は、人格が入れ替わる何度か読んだ話と同じ様なものだろうと思っていたのですが、これが読み進むうちにどんどん引き込まれて行きました。 それは、一つには主人公平介の視点で見せられる光景や彼の心情にどんどんのめり込んでしまったと言うことでもあります。 又、一方でこの異常な事態を二人がどう解決して行くのだろうと言う強い興味でもあります。 作者の上手さは、平介の目から直子の心を上手く隠しながら、しかも感動的な見事な結末に持って行っているところにあります。 その結末に至るまでの二人の苦悩に共感しながら、二人の決断に感涙さえします。 それは、二人だけのまさに「秘密」であり、誰にも明かす事の出来ない苦悩です。 作者は、勿論この事故の被害者について、詳細にその苦しみを描いて行くのですが、逆に、加害者の家族の苦しみも描いて行きます。 しかも、その加害者の言葉がきっかけとなって、主人公たちの決断に導きます。 この辺りにも、話の展開の上手さを感じます。 直子の決断、それを知る平介の涙。 「自分が愛する者にとって幸せな道を選ぶ」 この言葉が、胸に響きます。 | ||||
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読後…というか、読んでる最中もとても嫌な気分になった作品。 糞女が新たな体を手に入れ、娘のため、ダンナのためと自分を正当化しながら新たに幸せな人生を作り上げるというお話。 物語は平介目線で進んでいくので、ビッチの考えは深くはわからないけど、まぁ誰しも若い体を手に入れ、人生やり直せるとしたら、年取った自分のダンナなんて捨てて、若い男と一緒になるわな… この手のレビューを見ていて、ビッチの擁護派の意見も多いけど(たとえば、直子は平介を思うがためにこの嘘をなんたら、かんたら…)なんかおかしくないですか? 百歩譲って、勉強、スポーツはしっかりやるのはいいとして、娘がいつ目覚めるかわからないのに、娘の知らない人と結婚しちゃうのとかどうよ? 目覚めたときに知らない男と裸で抱き合ってたら、小5の女子なら頭おかしくなるんじゃない? 自分が小学生、中学生くらいのときはダンナを縛りつけといて、いざ高校くらいになったら若い男と恋愛、社会人になったら娘の意識が戻ったような演技をして平介を騙して若い男と結婚。 平介は一生独り。 しかも、孫できちゃったりしたらと思うとやりきれない。 自分の妻が若い男と結婚して作った子だからね。 最初っから、一生二人っきりで生きるか、お互い別の道を選ぶか、夫婦でしっかり話し合うべきだったね。。。 これ、女性でいい作品だって、言ってる人。 もし、男女が逆のパターンだったら、ボロクソに言うんじゃない?妻帯者で子供のいる男性読者、独身の女性読者では評価は180度違うでしょう。 | ||||
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低評価の多くの人が書いている通り、人物の心象描写をはじめ色々な表現が、本の分厚さに反比例して、どうにも薄っぺら。表現が浅い分、斜め読みできてしまうので、400ページを超える本でありながら、かなりのスピードで読み終えた。この物語のような荒唐無稽な設定は浅田次郎さんにもよくありそうだが、もし浅田さんが同じ設定で書いたら、はるかに深いものになっただろう。この設定を終わりに近付いた場面で「世にも不思議としかいいようのない状況」の一言で片付けてしまうのも、随分安易だなあ…(単行本P381)。時々出てくるヌメヌメした性的描写が、何よりも気持ち悪く不快。自分の娘の体に… って、それはまともな神経なら無理でしょう。東野さんが娘さんを持つ身なのか、そうでないのかは知らないが、よくこんな文章書けるなと思った。「このミステリーがすごい!」第9位という微妙な順位に、そんなもんでしょうと納得。◆単行本はカバーを外すと、舞台となる部屋のイラストが描かれているので、イメージをつかむ一助になります。 | ||||
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タイトルの真意を最後の最後で読者に理解させるとは…せつな過ぎてしばらくヘコみました | ||||
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非常に男性的な本でした。女性でも好きな人はいるかもしれませんが、男性にとってはメロドラマ的な内容で好き嫌いが分かれそうです。連城三紀彦の時もそう思ったのですが、男は本当に自分の事を変わらず愛してくれる女が好きなんだな、と迷わず思いました。直子が平介をどこまでも妻として「好き」でいる事に、非常に戸惑いを覚えました。小学生ならば小学生としての付き合い、中学生ならば中学生として周囲との付き合いを感じながら育っていってい筈なのにずっと、それこそ妻として永遠、炊事洗濯は普通にやっている。その事に対して、全然平介は疑問を抱かない。これが男女逆で、息子の中に夫の魂が入ってきた話ならば必死で働く妻+必死で家事をしながら息子を育てる妻+養育される夫になるわけで妻からしたら、もうその時点である意味割りきりが出てきちゃうと思う。夫じゃなくて完全に息子。けれども、直子はいつまでも妻である役割を捨てる事はできていないしいつまでも夫に気を使っている。平介も実質的に全くやめさせない。お前は妻だろうと平介はずっと思っている。男からしたら、妻なんだから当たり前かもしれないけれど女からしたら、凄くしんどい男のロマンみたいなのを見せ付けられた気がした。結局、平介は最終的に直子を失ったかのような書き方になっているけれどもう一番初めの段階で死んでいるわけだしそうではなくて、いつまでも妻として書いてあるのは妻がいきなり若くなったかのようなそんな状況を書きたかったからなのかもしれないと思った。いずれにせよ、直子は凄く平介を愛していたと思う。でも、自分の生き方を一からはじめている段階で妻である事をあれだけ求められ続けたら、正直鬱陶しくて仕方がない。ああいう状況で、どこまでも相手の事を好きでいられたらそれは本当に運命の恋なんだろうけれど冷静に見れば見るほど、男の書いた小説だと思った。 | ||||
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現実的には、ありえない設定ですが、この本で述べているのはそんな非現実を超えた所に存在する、主人公と直子の愛情、そして二人の藻奈美への想いです。最後の秘密も凄かったですが、個人的には、直子が消える、山下公園のシーンが一番好きです。(まぁ、私はそういう世代の人間です(笑))この作品は男性が主人公で、男性側から見た小説ですが、小説を読んだ私の妻と話をしたら、やっぱり全然、感じるポイントが違ってて、面白かったです。文体は大変読みやすく、特に引っかかりも無く、さらりと読めるので、妻や恋人、家族と、この本を通じて、ちょっとした本音や価値観を知るのも面白いのではないかと思います。間違いなく、お勧めの一冊です。 | ||||
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TVドラマが面白そうなので原作を読んでみた。娘である藻奈美の肉体に母であり妻である直子の魂が宿るという設定の中で、夫であり父である平介が右往左往するという作品。当然そのままで終るわけはないので、話の途中でどういう形で決着がつくのか考えてみた。私は男なので息子と父の関係に置き換えてみると、父である自分の肉体の死を自覚して息子の学校生活に戻る時点で父の魂を封印して息子として生きていくことを決意するだろう。社会的には父である自分は死んでおり、妻の前でだけ夫であるというのはしんどい、ずっと息子をやってるほうが楽なはずだ。またそれが残された妻のためにもなる。よって直子はいつかはいなくなってしまうと思っていた。それは藻奈美の魂が舞い戻ってくるという形かもしれないし、直子を封印して一生藻奈美として生きるという生き方かもしれない。だから、直子の最後の選択は意外ではなかったのだが、藻奈美の肉体で妻をやる期間が長すぎたために作品の大半が男女の愛憎を描くことになり、特に夫婦のエロスは近親相姦的なきわどい描写になってしまった。結局そのあたりは最初から狙っていたんだと思うが、人によってかなり好悪がはっきり出るだろう。 | ||||
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正直を申し上げて、テレビドラマの影響で購入しました。ドラマは途中ですが、先に読んでしまいました。私は主人公と同じ年の既婚者です。子供はいませんが、この物語はある夫婦の生き方を描き、読者に問いかける秀作だと読んで思いました。主観ですが、一番の犠牲者でかつ過酷な決断をしたのは、平介ではなく直子だと思います。本音をいえば、直子ではなく本当に藻奈美に戻っていてほしかったです。ですが、平介が彼女の姿をラストシーンでみて直子と判断したのですから間違いないのでしょう。山下公園から結婚式までの長い間、直子は藻奈美の中でどのような心情でいたのかと考えると夫に対する深い愛がなければできることではありません。恐らくラストで直子は平介が気付いたこともわかってしまっているのではないでしょうか。平介もそれを共有し、そのうえで最後の藻奈美(直子)の新郎との会話があり、直子と共に「秘密」を貫く平介の決意が感じられました。辛い選択ですが、私は2人の選択が最良と思います。願わくば、平介が知らずにいてくれたら救いがあったかもしれません。男性は脆いと書いたら女性に失礼でしょうか。しかし、直子は藻奈美として次の人生へ進み、平介は直子が消えた山下公園から変わっていないことがまんざらでもないかと思います。読後、放心状態になりました。深い夫婦愛があればこその別離が描かれた作品です。普通の幸せがいかにありがたいものか感じることのできる推薦作品です。 | ||||
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300を超えるレビューがあるとおり、傑作です。ただし、この物語はミステリー・SFの分野のものであり、純文学ではありません。夫婦(家族)の関係という舞台設定において、主人公であるまじめな夫が、極限の状態から解放される直前に、またしても悪夢の世界に突き落とされて終わる物語です。今、ドラマ化されていますが、TV「世にも奇妙な物語」で映像化されるような作品とも言えるのでは。「秘密」というすばらしいタイトルといい、超一流のミステリー・SF作品です。よって、家族愛・夫婦愛を描いた作品と勘違いをしてしまうと、色々な方が書いているような死んだ娘への親の感情が書き足りない等々意見が出てしまうのでょう。言い換えれば、勘違いさせるだけの作者の筆力がある作品ともいえるのではないでしょうか。ここで、あえて多くの方の議論に対して私見を、不幸にして娘と妻の魂が入れ替わってしまったこの物語において、娘の魂が入った妻の体が荼毘にふされると同時に、娘の魂はこの世に存在できなくなったはず。当然作者も、娘の魂が戻ってくることなどと当初から想定しておらず、もし戻すならば、お約束として妻を植物人間として生かせておいたのではないか。よって物語の中でも、娘の体で生きていいる妻は、ある時点で、二度と娘の魂が戻ってこないことを悟ったと考えるべきで、その時から妻であることと新しい人生への誘惑の葛藤が妻の中であったのでは、それは意図的なのか無意識なのかは作者のみ知るところか。仮に妻の言うとおり、娘のために人生を用意したなら、結婚は出来ないとは思いませんか。下品な表現ですが、夫婦の行為の時に11歳の娘の魂が戻ったらと考えれば、母としては恐ろしくて結婚できないのでは。みなさんどう思いますか。 | ||||
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数年前に読みましたがドラマ化に際し、もう一度読んでみました。展開や結論が分かっているのにも関わらず、心が震えるような感動があるのは、描かれているのが普遍的な愛だからでしょうか。東野圭吾作品には、当たり外れがありますが、本作は間違いなく代表作と呼べるものでしょう。 | ||||
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読み始めは、なんだか軽いストーリーなのかぁ、と思いましたが、読み進んでいくうちにどんどん引き込まれていきました。設定は現実的ではないのですが、その状況下におかれた主人公たちの心情や苦悩の表現は現実にありそうと思えるほどです。読後感ですが、タイトルが持つ意味が深いと感じました。カバーのイラストも読後に見ると、なるほど、と思いました。私にとっては、この「秘密」と「さまよう刃」「容疑者xの献身」が、東野圭吾作品のベスト3です。 | ||||
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傑作でしょう、間違いなく。 なんで、傑作だと思うんだろう。 泣けて泣けて仕方ない、ということはない。 でも、読んでいる途中も、読んだ後も、「心」がむなしくて 仕方ない。永遠に生きていきていきたい。 いや、この物語が、どうか終わらないで欲しい。 そんな感覚、感動がいつまでも、残る。 なぜなんだろうか。 夫婦って何だろう。 肉体と心って何だろう。家族ってなんだろう。親娘って何? 人間が生きるって何?年齢を重ねるって何? 結局、この世に生まれて、結婚して、子供を育てて、 この世代の継承と、自分には何の意味があるのか? このファンタジーにはさまざまな気付きを読者に与える インパクト、パンドラの箱が入っていました。 東野圭吾は、傑作を書きました。 それは間違いがありません。 | ||||
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私は、この物語は人間の誰の中にもある現実を、見事に表していると思います。本当に愛し合う夫婦の間にも、ギクシャクとした空気が流れる・・・ 私も、映画・ドラマ・原作本のどれにも接しましたが、やはり原作の設定が一番だと思います。ドラマや映画では時間を省略するためか、事故にあうのは年頃の「藻奈美」ですが、やはりこの話は「小学生の藻奈美」が主役であるほうが作者の意図が明確になるような気がします。 この物語には「事故後自分の子供となった直子を守ろうとする平介の愛」。「思春期になった藻奈美(直子)が平介に嫉妬させないように気遣う愛(これが逆に嫉妬を煽ってしまいますが)」、「通常の親子に戻り直子を悩みから解放させようとする平介の愛」、「とは言っても自分が直子のままでは平介が平常心ではいられないことを理解し、藻奈美になりきろうと決めた直子の愛」。それ以外意にも「昔別れた文也を本当の子として助けようとする梶川の愛」など多くの愛がちりばめられています。 しかし、すべての愛の裏にはその犠牲になっている人もおり、それが納得できない読者の方を生んでいる理由だろうと思います。特に、高校生になった直子が平介を裏切ったようにも取れる行動をしますが、私はそうは思いません。私たちだって、家族がいても病院の看護婦さんに心ときめいたり、ママさんバレーのコーチに淡い恋心を抱いたりしますよね。直子も自分の立場は理解しつつも、この程度の心の動きだったのではないでしょうか。でも、心配させまいとして語らなくなった直子と、それによって疑いを募らせた平介。二人のすれ違いは極限に達したのではないかと思います。 いずれにしても、私はこの本を読み終わり、私は他の方々がどのような感想を持たれたのかに興味を持ち、インターネットで多くのレビューを読みました。そして、「あの時、直子はあんな態度しか取れなかったのだろうか?」、「平介が素直に自分を晒していたら・・・」、「直子は本当に藻奈美になりきるしかなかったのか?」、「結婚式の後、二人はどうなったのか?」等々、この小説の続きを書いてみたくなるほどいろいろ考えました。他の多くの方もおっしゃっているように、読んでいる時間以上に、尾を引き余韻の残る素晴らしい一冊です。 | ||||
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娘の体に精神を宿した直子。「娘に最高の器を残す」という使命の中、前半はコミカルに話が進む。 しかし、高校を迎えたときには、娘のための努力が愛する夫を傷つけてしまうものでしかなくなってしまう。 直子は悩みに悩み抜いた上で、一つの提案を平助にする。 セックスをして、夫婦としてのつながりを戻そうということだ。 もちろんそれがうまく行くか分からないが、それに賭けてみないかという提案だ。 平助がそれを受け入れ、体は父娘のままセックスをし、精神上夫婦としてつながり合いながら生きていくという選択肢もあっただろう。 もちろん、世間には言えるはずがない、秘密な生活として・・・ しかし平助は理性でこれを拒否した。拒否せざるを得なかった。 いつか娘の精神が戻ったときに、最高の器を残したい、それは直子だけの願いではないのは言うまでもない。 直子はまたしても悩むことになる。自分の存在のせいで愛する夫を傷つけ、何も解決策がないまま過ごすだけしかできないのだろうか。 そんな中、平助から重大な決断が下されたことを聞く。今後は直子を娘として扱うと。直子を苦しみから救うのはこの方法しかないと。 夫の自分に対する深い愛情を聞いた直子も、悩んだ末に一つの決断をする。ならば、夫が一番傷つかない形で、その愛に応えよう。 それを永遠に自分の秘密にしよう。 ・・・直子の心情は意図的に書かれておらず、人によっては自分勝手な女と映るだろう。 自分には、直子も、その心を大きく揺らし悩みながらそれを一人で抱えていた、可哀想な女に映る。 | ||||
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