天動説
評判
天動説の評価:
4.50/5点 レビュー 2件。 - ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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天動説の評価:
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『吸血鬼ドラキュラ』以来の伝統にのっとりまして、乗員が全滅した船が見つかり、その船から吸血鬼が上陸するという展開があまりにお約束通りで素敵。
吸血鬼に挑むことになるのは南町同心の弟で、昼間はからっきし剣術はダメなのに夜になると強くなる夜型剣豪(?)のこうもり鉄太郎。別に吸血鬼との間に因縁があるわけでもなく、妖怪退治のように特別な仕事に関わっているわけでもないのにひょんなことから吸血鬼騒動に関わりを持つことに。
基本的に江戸市中で起こった怪事件に鉄太郎と岡っ引きの仙三のコンビが首を突っ込み、吸血鬼(さたん)の手下の甲賀忍者との対決で〆のパターンの繰り返し。これらの事件があまり繋がりがあるようではなく、吸血鬼の目的がまったく見えてこないのが物語の弱いところ。どうも山田先生、吸血鬼対侍のチャンバラ活劇というテーマだけを決めておいて先々の展開は考えていなかったらしく、後付けの説明が意味分かんないレベルで苦しいことになっているのであります。いろいろと物語を面白くできる要素はたくさんあったのに何だかもったいない。
二編目の「玄冶店伝奇」は歌舞伎の「切られ与三郎」をパロディ化したトチ狂った内容でして、「死んだはずだよお富さん」が本当に死んでから生き返った吸血鬼だったという展開がバカバカしくて楽しい。これ、最近の若い人には分かるのでしょうか……?(初出は昭和六十二年ですけれど)
物語は吸血鬼が江戸に飽きて蝦夷へ帰ることを決めてしまい、鉄太郎の兄の主馬、兄嫁の加津が犠牲になって、本当の戦いはこれからだ!というところで下巻に続く。