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死を歌う孤島
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死を歌う孤島の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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あらすじを読む限りでは、クリスティの「そして誰もいなくなった」を彷彿させる本格物を期待したが、途中まで読んでいてあまりに女性たちの人間ドラマが冗長でうんざりし、純粋な推理物を期待するには無理そうなので途中で読むのを断念しました。 本編約480頁中、自分が断念したのは約120頁あたりでしたが、冒頭から女性主人公の不倫の展開を予想させるような内容に始まり、だらだらとその私生活が語られ、同時に他の女性の登場人物たちの抱える問題が語られていきます。120頁までには登場人物たちはまだ舞台のキャンプ場には移動していないし、従って事件も起きません。冒頭から早い段階で事件が起こり、さくさくと展開していく推理物を期待する方には全くお薦めはできません。 最後まで読まなかったので断定はできませんが、この作者の書きっぷりからすると書きたかったのは女性のドラマのような気がします。(事件はそのおまけ感あり?) 女性たちの心理についてはよく書き込まれているので、女性でしたら色々と共感できるのものがあるのかも知れませんが、女性心理がこれでもかとばかり続くので男性が読むには不向きかと思います。 | ||||
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著者が生まれ故郷であるスウェーデンのゴットランド島を舞台に造形した捜査官としては優秀だが何故か私生活では男運に恵まれない女刑事マリアの逆境に負けない不屈の活躍を描く大人気シリーズの前作「消えた少年」に続く邦訳第2弾です。大きなテーマは別として著者の紹介された2冊を読み終えて嫌でも感じてしまった事は共に崩壊する夫婦関係が目立つ形で描かれている点で、勿論みんなが全て離婚しているのではないにせよ著者が現代社会では夫婦が一生添い遂げる姿が非常に困難で別れが不可避なのだと考えられているのだなと思えて来ますし、辛いだろうけれどその苦しみに耐えて精神を歪ませずに冷静に対処して行く事が大切なのだよと説いてくれている様にも思えますね。 女刑事マリアが車中で死亡男性が発見された現場に最初に駆けつけたのが悪運の始まりだったのかも知れない。そして前回の事件で逮捕された獄中の悪党の手下から脅迫された為に親友カリーンと共に無人島ゴットスカ・サンド島でのセラピーキャンプに参加する事にした決断も後で考えると最悪の選択だったのだが、当然ながらその時には知る由もなかった。 うーん、本書も中盤ではそれぞれに悩みを抱える七人の女達(主催者二人とマリアを含む)が互いに不満をぶつけあっていがみ合う醜い姿は読んでいて決して楽しい物ではなくどうしても頁を繰る手が進まなくなり自然に読むペースが落ちましたね。著者は現代社会に生きる女性達が抱えるさまざまな問題を包み隠す事無く正直にさらけ出すどんなに醜悪であろうとも決して綺麗ごとではなく正直に本音で書く主義の方なのでしょうね。本書の構成は最初の方で正体不明の犯人による内的独白の物語が語られますので、先に動機の部分は読者に知らされているのですが、真犯人の正体についてはさっぱり見当がつかず上手に隠されていて、あの永遠の名作「そして誰もいなくなった」を思い出させる戦慄と緊迫のストーリー展開と欺瞞トリックの巧みの技の鋭い切れ味には「うーむ、完全にしてやられたな」と心の底から唸らされましたね。欲を言えばマリアと真犯人の対決シーンで心理や本音の部分に迫る対話が読めればもっと良かったかなとは思いますが、でも生きるか死ぬかのギリギリの状況ではとてもそんな悠長な事を言っている場合ではなくどうにも致し方ありませんでしたね。それにしても普通はごく正常に見えて実は内面が病んでいる真犯人の最後の豹変ぶりには戦慄が込み上げましたし、後半で常軌を逸した言動を見せる女性の壊れ方には人間のどうしようもないもろさを感じ多少は不自然であっても人は追い詰められるとこうなるのだと違和感なく信じられましたね。さて、女刑事マリアはプロの捜査官と言っても仲間の支援もなく武器も持たないのに加え体力の衰えもあって一般人よりも優位とは言えない状況下でありながらもとにかく必死で頑張って生き抜いたど根性にしぶとい強靭なパワーを感じて唯々感服しますね。しかしそんな彼女も男運はさっぱり良くなくて最初の結婚に失敗し離婚後に前から好きだった同僚とやり直そうと望むけれどその彼は何と既に別の女性と結婚していたのですね。それが前作までの流れでしたが、本書ではその男ペールが家庭を捨ててまでマリアとの愛を貫こうと決意するのですが・・・・。ああ、二人の女に心を惹かれるこの男はろくでもない野郎なのですが、愛は理屈では割り切れず(マリアにとっても)厳格な考え方の昔とは違ってこういった愛の形は現代ではそんなに珍しくもないのでしょうね。けれど本書の最後にこの男ペールに訪れた意外で過酷な運命にはかなり著者のお仕置き的な思いが込められている様に私には思えますね。マリアにとっては将来の希望がまたもや閉ざされてしまった訳ですが、まだ若い彼女が自らの愛と人生についてどんな道を選ぶのか?とても興味深い所ですがシリーズの今後の紹介が続くかどうかは微妙な見通しですね。とは言えまだ可能性はゼロではありませんし決して望みは捨てずに今は次作の刊行とマリアとの再会を楽しみに待ちたいと思いますね。 | ||||
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クリスティの「そして誰もいなくなった」の現代版。 セラピーキャンプに参加した女性7人が孤島に渡る。野外でキャンプして、大自然と触れ合い、パソコンや携帯電話は持参禁止。食糧は持参した品物のみ。迎えが来るのは一週間後。しかし、嵐で本土と連絡が取れず、食糧や水はなくなり、参加者は一人ずつ殺されていく。 殺人犯の脅迫から身を隠すために参加した捜査官マリアが死の恐怖と戦いながら、犯人を追い詰める。 スリルとサスペンスにあふれ、息を詰めて読み進むだけの迫力があるが、欠点がある。「そして」では十人の誰もが殺される可能性があるが、本作はヒロインであるマリアは絶対に殺されないと分かっていること。その分、面白味が削がれる。 | ||||
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