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あの日にドライブ
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あの日にドライブの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全62件 41~60 3/4ページ
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荻原作品は初めて読みました。最初にもかかわらず、「おそらくこの人の 作品には外れはないだろうな」と感じさせてくれる作品でした。はっきり 言って文体も変な癖がなく読みやすく、ストーリーも重過ぎず、かつ面白 いと感じました。 ただ一つ残念だったのは、主人公が公認会計士を目指すシーン。当時の 公認会計士試験は大卒なら2次試験から始まります。だから1次試験での 討ち死には実際にはありえません。こんなディテールでのミスが物語を ウソっぽくしています。 でも、荻原作品には奥田英朗作品のような読みやすさがありますので多分、 これからファンになるでしょう。 | ||||
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荻原浩は、今ではすっかり私のお気に入り作家になってしまったので、これまでは、「今一つ」と思った作品でも、否定的なレビューを書くことを控えてきたのだが、この作品には、どうしても一言いわずにはおれない気持ちを抑え切れなかった。 最初に断っておきたいのだが、決して、この作品が面白くないというわけではない。いや、むしろ、スラスラと読み進められ、飽きがこないという点では、筆者が何作も書いているミステリよりは上だと思う。しかし、この作品は、筆者に類い稀な筆力があるがゆえに、読者を飽きさせずに読ませてはいるものの、ストーリー自体は、元一流銀行員のタクシー運転手の日常と、取りとめのない夢想を淡々と描いているだけであり、ストーリーには山も谷もないのだ。文庫本ならともかく、このストーリーで1,575円というのは、買う方としては、ちょっと辛い。 特に残念だったのが、終盤に挿入されている、主人公が「あの日」にこだわったあるエピソードだ。まさか、題名の「あの日にドライブ」が、この「あの日」であるはずはないのだが、それにしても、ここでの主人公の極めて次元の低い言動を読んでいると、読者がそれまで主人公に抱いていた共感を壊しかねないし、それ以上に、筆者がこの作品で、主人公を通して、一体、読者にどんなメッセージを伝えたかったのかもさっぱり見えてこなくなり、この作品の価値さえ、減じかねないと思うのだ。私には、筆者のラストの綺麗なまとめの言葉が、どこか空々しく響き、すっきりとしない後味の悪さだけが残ってしまった。「荻原浩が、珍しく、ラストのまとめ方を誤った」、そんな感が否めない。 | ||||
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優しい文体、ユーモアのあるほのぼのとした語り口、好きです!荻原浩小説が。 そこにはいつも愛がある。そこはかない愛があるのです。 今回もまたまた挫折した中年おやじの人生の再生の物語。 様々な乗客、同僚の運転手たちを通して、自分自身の人生を、家族との絆を再生していく。 つなぎと思っていやいややっているタクシー運転手も、やってみれば、稼ぐためには頭脳がいうることが判る。 昔の彼女の実家をストーカーめいたことしてうろつくんだけれど、彼女の心の怖い部分を具間みることで、自分の選んだ人生もまた決して間違っていなかったことに少し安心するのだ。 この本を読んでいて、よく私も”あのときああしていれば”とか”あのときあっちの道を選んでいれば”どんな違った人生だったのか想像してみるときが多々ある。伸郎とまるっきり同じことを夢想することが。。とても他人とは思えない。。 でもいつも最後に行きつくことは、どんな人生だったにしろ、自分の子供に会えない人生は自分の人生ではないと思う。だからこれでよかったのだといつも思えるのだ。 あの日にドライブしても、必ず今日に戻ってくる。 今の自分の人生を大切にしたい。。と改めて思える作品だった。 | ||||
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読みやすくて一気に読みきりました。 上質なユーモアにテンポも良くて・・大好きになりました。 スローでやさしい展開なんだけど、心の底に入ってくるような。。 それぞれの与えられた運命を楽しんで前向きに生きる事の大切さを ジワジワ実感させてくれる1冊でした。 集中して読みきれる本は心の中がきれいになって元気がでます. | ||||
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この本からタクシー運ちゃんのいろいろなことを教えられた。 もう、絶対近く(後ろ、横)を走らない! しかし、この著者は毎回毎回ものすごい取材と情報収集を行っていることが解かる。 毎回ほんとうにびっくり、関心する。 今回も、運ちゃんの隠語は面白い。 「へー」 「んー、確かにそうかも知れない」 と、思わずなずく。 最後、ドンドン売り上げが上がっていくのは読めるが、 この著者独自の最後のどんでん返しが何なのか?どう逆転してくれるのか?非常に興味を持ちながら読み進めた。 毎回、この著者には楽しませていただいています。 この著者に「はずれ」は無い! ■お薦め度:★★★★★ | ||||
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本作品は荻原氏がはじめて直木賞の候補作となったもの。孤高の作家宮城谷先生だけがひとりこの作品を直木賞の選考で推したという。象徴的な話しである。この小説は嫌いな人と好きな人にはっきりと分かれるのではないかと思う。特に女性には支持させないと思う。銀行をやめてもどっか銀行マンであったことのプライドが捨てきれないとか、過去の思い出に浸るとかと言う点はまったく共感を呼ばないところではないか。私としてはその駄目さ加減が書けていることに賞賛をおくりたいのであるが。 | ||||
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まず「あの日にドライブ」というタイトルがいい。 それに表紙のタクシーの後姿の絵がなんとなく悲哀を感じさせてくれて、これまたいい。 「明日の記憶」に続いて本書を読んだのだが、息つく暇もなく一気に読み通せた。 銀行マンがタクシー運転手に転職して展開していく物語は、サラリーマンなら誰しも一度は 考える「会社を辞めたらどうなるんだろう」という漠然とした思いをより現実的に描いて くれている。 元銀行マンとしてのプライドとの葛藤や、世間体を気にして生きている自分、家族の中での 立場の弱さといったマイナス面がある一方、銀行という組織からの束縛から逃れたときの 開放感、タクシー運転手仲間と打ち解けていく様など、「これも悪くはないか」といった 主人公の揺れ動く気持ちがうまく描かれている。 本書のテーマは「人生の岐路における選択」だが、どの道を選択をするか、というよりも 選択した道をどう生きていくかが実は大切なのだ、というのが読み終えた率直な感想でした。 | ||||
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「あの日にドライブ」という題名がまず好きです。リストラによってやむなくタクシーの運転手をすることになった主人公がある時、昔付き合っていた彼女の姿を見かけたことで、過去に取り付かれます。「もしあの時彼女との道を選んでいたら・・・」「もしあの時ああしていれば・・・」あるはずもないことに夢を膨らませ、現実を置き去りにする。しかし、現実は会社を首になり、タクシー運転手としてのノルマも達成できず、家族とも上手く付き合えていない冴えない男。自分を過大評価し、周りを見下し、愚痴ばっかりの主人公も、ある時ふと気づく。自分の周りにいる人の人生に。同じタクシー運転手をしている男は昔、競輪の選手だった。どこかの会社の社長をしていた人もいる。自分ばかりが上手くいかない人生に手こずっているのではなく、周りもみんなそうだったということに気づいた時、男は「他人の人生なめちゃいけないな。」と思う。あるはずもない空想に夢を見続けるよりも、今ある生活を生きていくことに前向きになった男の心の動きがごく自然に描かれていて、共感する部分が多かった。ナチュラルに気負わず読ませてくれるさりげなさは「明日の記憶」と同様。プラスαとして、とても身近にいるタクシー運転手という職業が扱われていたことで、より現実味が増して、よかった。 街に溢れているタクシー運転手を見る目が少し優しくなったような気がする。 | ||||
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「人生の分岐点となるあの日に戻ることができたら」というテーマで書かれた作品。 残念ながら、同様のテーマで書かれた作品は多く、また、それらの作品群と展開が大きく異なるかというと、そういった斬新さもない。残念ながら、「並」の作品だと思う。 作品を通してタクシードライバーの職業(お客の捕まえ方や、料金の取り分など)を知ることができたのが唯一の収穫であった。 この本はともかく、「明日の記憶」は絶対お薦めです。 | ||||
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「どこで間違ってしまったんだろう?」大手銀行を辞めた伸郎は いつもそう考えている。だが、そう考えている限り前には進めない ことに気づいていない。過去を懐かしみ、できるならあの日に戻り たいと過去を追い求める。その姿には哀れさがただよう。だが、 過去にこだわることが愚かだと知ったときに、身近にある大切な ものが見えてくる。家族がどれほど自分を思ってくれているのかも 分かってくる。今の自分の姿は、自分自身が今の人生を選択した 結果なのだ。その結果がどうであれ、人はこれからも前を見て歩く しかない。この作品はあらためてそのことを教えてくれた気がする。 | ||||
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荻原さんの作品はいつも面白いので安心して読み始める。 今回も読み止らない面白さだった。読み返してじっくり味わうタイプの 本ではないけど、ミステリー小説並みにここら辺でやめようとは 思えないテンポの良い作品。 主人公の伸朗43歳は銀行をリストラされて、今はしがないタクシー 運転手。運転手は腰掛のつもりだからか、仕事には身が入らずノルマ も達成できない毎日。心なしか家庭生活もうまくいっていないように 思えて、過去自分がどこで道を誤ったか、そればかり妄想している。 過去の恋人と結婚していたら、あの会社に就職していたら、 あまりの妄想に「もっと現実を見ろ!!」って喝を入れたくなることも しばしば。でも同世代の同性の人が読んでいたら、そうだよなぁって 納得しながら読めるのかもしれない。伸朗は後ろばかり向いていたから 前には中々進めなかったけど、きちんと前を見据えるようになったら 物事はなんとなく良い方に進みはじめる。読後感爽やかな作品です。 何かスカッとしたいなぁって思っている人にお薦めかも。 但し、ゆっくりじっくり文章を味わうという本ではないので★4つ!! | ||||
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あの時こうしていなかったら、あの時こうしていればという空想を絶え間なくしている主人公の話。 現実に失望しているものにはありがちだがあの時こうすれば、このときああすればといろいろ考えるのは人の常。 この主人公の場合、それがいささか度を越しているが。タクシー運転が暇だとますます妄想が昂じてくる。 ところが、タクシーの運転にうまく適応して次第に暇がなくなってくるにつれ、この妄想も止んでくる。 つまり、「小人閑居して不善をなす」そのままの小説。 結局、人生に分かれ道はなかった、青い鳥は目の前にいたという分かり易いオチでした。 たいした小説ではないが、不思議と最後までやめられなかったという意味では、おもしろかったのかも。 | ||||
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中年男性なら職種を問わず、誰でも思い当たるあの場面この場面のあれこれ。(私は女だが)読みながら思わず「そうだ、そうだ!」「言い返せ」「そこで負けるな」と興奮した。若い人にはこういうものは到底書けないですよ。小説というのはケイタイ用語を持て遊びながら書くものじゃないからね。感性だけではダメなんだよ。主人公の鬱憤や屈託が伝わってきて疲れた部分もあったが、半日で一気読みでした。荻原さん、これからも頑張って。この路線で行って下さいナ。 | ||||
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些細なことで銀行をクビになってしまったタクシー運転手の話です。 話は結構シビアでヘビーな話ですし、主人公も悩んで妄想癖ではないかと言えるくらい、大丈夫?という状態ですが、全体的に軽いタッチで書かれています。 むかしを振り返って、たらればの妄想をするのですが、悩みの多い前半と少しずつ光が見えてきた後半と、読みやすく出来ています。 話はどうということはなくて、印象に残らないと思います。 | ||||
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大人の鑑賞に堪えうる、大人のための作品ではないでしょうか。 「人生を描く」と謳いつつ、悲惨な状況や、奇異な出来事の描写に終始している小説が多い中、ユーモ アを織り込みつつ人生を描くことに成功している上質な作品であると思います。 久々に、楽しく小説が読めました。 | ||||
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私も、よく考える事。 「あの時、こうしていたら・・・」 その世界をうまく描いていると思う。 けれど、結局考えたところで、何も変わらない。 変わったといえば、空想の世界にはまるための資金作りで、 タクシードライバーが必要な眼を身につけた・・・という事なのかな? なんだか、むなしさというか、 「何かを起こしてくれるのではないか?」 という期待が・・・打ち砕かれた? 切迫感も何もなく、いつの間にか読まされ、読破していました。 | ||||
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重松清を読んだばかりなので期待が大きすぎたようだ。 扱っている題材には共感する物があるのでこれも直ぐに手に取ったんだが。 期待は、裏切られた。 どうしてもこの主人公に共感できなかったからだ。勝手な白昼夢ばかりに終始し、挫折した男の切なさ、無念さが全く感じられなかった。 人生から与えられる事を期待するだけの主人公は家族との溝を真剣に埋めようともせず、小賢しいテクニックを学んでまっとうなタクシードライバーになっていくだけだ。 つまりは、独り言の多いタクシーの運ちゃんの話。 そして、ドライブしたい、あった筈の人生の何と薄っぺらい事か。 ラストのエピソードも、ただ後味が悪いだけ。 次のドライブに期待。 | ||||
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エリート銀行員だった主人公は上司への“ある一言”のおかげで キャリアを閉ざされ、現在はタクシードライバー。 もう一度人生をやり直せたら・・・と夢想する日々の中で 彼が見つけたものとは・・・・・。 もう一度やり直せたら・・・ これはどんなに成功している人間でも、 誰もが思う“永遠に叶わない夢” 特に主人公の過去の振り返りや夢想は度が過ぎていて、呆れてしまうほど(笑) こんなお父さんじゃ冷たくしてしまう家族の気持ちもわかるものです。 前半は主人公のめめしさが情けないけど、 最後は荻原さんらしい爽快感がありました。 人生とは、ちょっとした出来事で変わっていくもの。 この主人公もほんのちょっとだけ仕事のコツをつかんだだけで すべてが良い方へ転がりはじめた。 人生なんてそんなものです。 人生は一本道じゃない。 多くの曲がり道があってこそ人生なのですよね。 | ||||
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終盤まで物語は起きない小説です。 元銀行員のタクシードライバーの追憶と妄想の日々です。 流石の筆致で読者をぐいぐい引っ張りますが, いかんせん,この小説は荻原浩にしては展開の練りこみが足らない気がしてしまいます。 荻原浩の小説には,困難な,これ以上なく困難な状況にいる人間に心の開放を与える力があります。 彼の小説ならばはずれがないとずっと私に思わせていてほしい方なので,どうか筆を荒らさないペースで出版を進められますようにとお祈りしております。 | ||||
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金融機関のおぞましさが如実に描かれている。どこの企業でもこんなもんさ。これでいいのか。日本の経済。金融機関が経済の主役だとみんな勘違いしている。銀行は渋沢栄一が日本の復興のため企業に血を流そうとつくった。しかし、今や骨肉身体になってしまった。俺達銀行があるからお前ら企業が成り立っているんだろとでかい顔をしている。銀行が経済の顔になってはいけない。血になれ。このままでは日本の経済は衰退する一方だ。この話は銀行の拙さがおもしろおかしく描かれている。著者も銀行に恨みがあるのだろう。タクシー運転手の難しさおもしろさも楽しく描かれている。読んでいて飽きない話だ。青春を回避する話は淡く胸がくすぐられる。しかし、42歳でこの話は設定に無理がある。せめて50歳ぐらいなら現実味がおびてくる。前作の明日の記憶ほどの良さはないがまあ楽しめる。こんな銀行が存在する日本で生きている僕らにこれからはあるのだろうか? | ||||
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