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(短編集)
山伏地蔵坊の放浪
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山伏地蔵坊の放浪の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.21pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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初期の作品と云うことでこなれてない部分もあるけれども、続編を期待したいです。 | ||||
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Aアシモフの「黒後家蜘蛛の会」のような、シチュエーションでバーで怪しげな山伏が語る謎かけに、参加者が意見を出し合って解いているという構成です。短編集で軽く読み流せますし、パズル的要素が強い作品で、期待した以上に面白かったです。 | ||||
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山伏地蔵坊が自ら経験した事件を、バーで常連客に語る形の短編集です。読み出しは推理小説かと思いましたが、次第にネタ噺的な展開になり、ちょうど良い頃合いに終幕となりました。非常に楽しめる作品でした。 | ||||
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本格推理小説なので、文が問題編と推理編に分かれているので、読者自身も問題編を読んで謎解きに挑める楽しさがあります。が、なかなか推理するのは難しいです。。。 【ローカル線とシンデレラ】 山奥のローカル線の下り列車の車両で男が刺殺された。6つの駅からなるローカル線は単線で、真ん中の駅で上下線がすれ違えるようになっている。地蔵坊は上り列車に乗っていて、地元出身の映画女優がマネージャーやファンの取り巻きと隣の車両にいたのを見ていた。 【仮装パーティーの館】 林の奥のお屋敷に迷い込んだら、仮装パーティーをしていた。主催者はサラ金会社の社長・成田金蔵。お開きにしようと2階の部屋へ金蔵を呼びに行った、ダースベーダーの仮装の息子の金治は、金蔵が絞殺され、金蔵の甥でバットマンの仮装の栄二が撲殺されるのを発見する。2階へ上がった人はいない。、相撲取りの仮装をした甥の栄一とパンダの着ぐるみの大沢が庭に涼みに出たが、よじ登るのは難しい。 【崖の教祖】 新興宗教・天空の光教にはまり、婚約者を捨てて戻ってこない娘の連れ戻しを頼まれる。崖から30メートル下の洞窟の口で、教祖・の天空が護摩を焚く。崖の上に娘の親友で先に入団した娘の婚約者がいた。地蔵坊はロープで降り、教祖と娘に会うが、娘は親や婚約者への返事もつれない。次の日、護摩行中の教祖がダイナマイトで吹き飛ばされた。 【毒の晩餐会】 知人の黒目達雄を訪ねる。達雄の父・達之助が外に作った子・菅野が突然現れ、兄弟たちが集まっているという。晩さん会に招待されるが、財産を菅野にも分けると言う父に皆反対するが、達之助は遺言状をもう書き換えたという。菅野がビールを飲んで死ぬ。 【死ぬ時はひとり】 チンピラに絡まれた所を、元親分の耳田が止め、地蔵坊を自分の店に招待する。場末のさびれたスナックで、耳田の昔の知人の菊田がいた。耳田は小さな組をつぶし、堅気になったが、始めた店もうまくいっていないと愚痴る。昔別れた妻と子がいる。奥の部屋へ行った耳田が撃ち殺される。 【割れたガラス窓】 トリュフを捜す蓮池に出会う。協力して見つけたら、家に招待された。そこには、隣の元弁護士・牛尾、近くに住む森田、妻の友人の温子と夫の健一がいた。窓ガラスが割れる音がして駆けつけると、蓮池が撲殺されていた。 【天馬博士の昇天】 道を間違え、崖の上に住む発明家・天馬竜之進の家でお茶をごちそうになる。天馬の甥・信之助は美男子で、天馬は横暴な態度をとる。天馬家の裏から急な階段を下りれば街の方へ行ける。途中、天馬に発明を盗まれたと怒鳴り込みに行く二人とすれ違う。二人は同じ宿だった。夜中に雪が降り、次の日の朝、天馬が崖から落ちて死んでいるのが見つかる。 そんなにしょっちゅう、たまたま招待された先などで殺人事件が起こるのか!?と突っ込みたくなりますが、どうやら聞いている人達は、作り話だと思っているようです。 話す段階で、全て仮名にしていると断っているので、本当の所は謎のまま。そこがいいのかも。 | ||||
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山伏じゃなくてもいいじゃないか、というのが読後の感想です。「山伏ならでは」という部分が少ないというか薄っぺらというかとってつけたような、という感じです。身の危険を感じたときに不動明王の真言を唱えたとか、その程度では・・・。 モデルとなった方は山伏修行の経験があるということですが、その方の親戚(一族)には出羽三山修験研究の大家である民俗学者の戸川安章さんがいらっしゃるようですね。 | ||||
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とっぴな事件や登場人物たち。かしこまらずに読めるところが、この作者のなせる技です。続編(無理かな)を期待します。 | ||||
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土曜日ごとにバー“えいぷりる”に集まる近所の人々と一人の山伏。 山伏が行脚の中で出会った不思議な事件を、 酒の肴に聞いているという形の連作短編集になっています。 現代で探偵役が山伏って斬新。 でも一般の世界だけど、山伏だから入り込めたり遭遇する事件が上手く考えられていますね。 本格推理で短編というと、結構解決が腑に落ちなかったり、 違う解釈も出来るんじゃないのーとか穿って読みがちなのですが、 “えいぷりる”のマスターを始め、登場人物の面々が話半分みたいに聞いているので、 読者もそういうスタンスで軽く読めるミステリです。 | ||||
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おもしろい トリックもさることながら、やはり有栖川有栖さんの特筆すべき妙味というのは、キャラクターでしょう。 銘々が個性があって気が付くとすっかりストーリーに引き込まれてしまってます。 そして、たっぷり散りばめられたユーモア。最高です。 笑わずにはいられない(笑)行間から笑いが滲み出てますね(笑) 有栖川先生に笑いのセンスはもろ私のツボです!!さりげない笑い。 何気なく読んでると読み過ぎてしまいそうなくらいさらっと、皮肉が効いてたり、エスプリに富んた笑える表現がなされてるんですよね〜 じわりじわりとボディーブローのように効いてくるんですよ、この笑いが(笑) そして、物語の最後の一行でちゃんとオチまで付けてくれていてもうサービスばっちり!!(笑) キャラクターもユーモアもばっちり。ミステリーとしてもよくできてる。 言うことなしですっ!! | ||||
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適当本として読んだけど、結構気骨のある短編集だった。 いや、一話一話は、旅情・限られた容疑者・単純な謎・意外な謎解き、と質のいい2時間ドラマの原作のようなものなのだが、語り部(=探偵役)が山伏だ。山伏について考えたことなど、今までの人生合計しても10秒くらいしかなかったと思うのだが、この本を読んでいる間はじっくりと考えさせていただきました。 荒行の修行僧って程度の理解ですが(-_-) ドラゴンボールの悟空のようなものかと。 で、最終話に、それまでも眉唾気味に山伏の話を聞いていた面々が、話の真偽を疑う言葉を吐いた途端に、山伏は二度と目の前に現れなくなりましたとさ。ちゃんちゃん。である。疑うとつまんないぞと言う訓話だったのだ! この締めはいいねぇ。余韻の残り方がアラビアンナイトだ。 しかしこりゃ、安楽椅子探偵でもないし、語り部が勝手に事件を話して勝手に解決するってのは、隅の老人? でも聞き手が数人いてそれぞれの推理を語ってみせるってのは、ミスマープルと13の謎のようだし。 と思っていたら、解説が延々と展開されていた。しかも、その解説書いたのは、元山伏(!)の創元推理編集長だと言う。その人物の存在そのものがすごいやん。 その元山伏編集長の解説がまた読み応えがあって、安楽椅子探偵の系譜として保存版のような気がする。この解説の保存だけでも価値アリ、と見た。 | ||||
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1996年に出た単行本の文庫化。一部、描き直されている。 東京創元社の名編集者だった戸川安宣氏が、主人公のモデルだというのに驚いた。戸川氏自身が「解説」を寄せており、いきなつくりの一冊になっている。 第一短編の「ローカル線とシンデレラ」は、著者が初めて商業誌に書いた短編とのこと。確かに全体的に若く、それだけにミステリとして丁寧に書かれている。トリックも練られたものが多いし、なにより、読後にがっかりすることがない。著者には、初心を取り戻して欲しいものだ。 『孤島パズル』などとの関係もほのめかされており、興味が尽きない。 | ||||
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東京創元社の戸川安宣氏はかつて山伏の修行をしたことがあるのだそうです。その逸話を聞いた有栖川有栖は、「山伏を探偵役に据えた推理小説は今までになかったはず」と思い立ち、この連作短編シリーズを書き始めたとのことです。ちなみにその第一作である『ローカル線とシンデレラ』は著者の処女短編にあたります。その戸川氏が書いた解説によると、本作は隅の老人の系譜につらなる安楽椅子探偵とのことですが、隅の老人を読んだことのない私にはその辺りの近似性はよくわかりません。 全部で7つの短編が収められていて、山伏がバーの常連客たちに自分が遭遇した殺人事件を紹介するという趣向になっています。彼の話が実話なのかどうかを常連客たちが疑わしく思っているところが面白く、この辺りは推理小説というものの無責任さに対するパロディとも受け取れます。各話のトリックは有栖川らしく細部まできちんと辻褄の合うしっかりしたもので、長編にも使えそうなアイディアが満載です。 | ||||
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本格推理、というよりは、設定、人物描写、雰囲気が好きで描いているのだろうな、と感じる作品。殺人事件独特のおどろおどろしい空気はなし。バー「えいぷりる」に集まる面々も、名前からして「なんとなく」面白いと感じてしまうのだが、山伏の語り口のみょうさかげんが絶妙です。国名シリーズや長編の作者の作品とはまた違った趣ですが、そこは関西人を自負なさる(?)作者、軽快な口調でで楽しませてくれます。山伏地蔵坊さんはいったい何者なのでしょうか?私は、バー「えいぷりる」にたちよった気分で、また今夜もページをめくるのです。 | ||||
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毎週土曜日、バー「えいぷりる」に集まった面々は、その飲み代を「木戸銭と思って」肩代わりするかわりに、謎めいた山伏・地蔵坊の体験し解決した様々な事件を聞かせてもらう。それらが全て本当のことなのかは、あえて問わないのが暗黙の了解・・・地蔵坊のお決まりのカクテルは「さすらい人の夢(ボヘミアン・ドリーム)」。鉄道トリック、衆人環視の中での毒殺、足跡のない殺人者・・・犯人当てももちろんですが、地蔵坊の語り口が、時々胡散臭かったり前置きが長かったり脱線したりと、とても人間臭いのも面白い。犯人がわかってしまっても、「物語り」とという言葉自体がとても好きだ、と語っている(『有栖の乱読』)有栖川有栖らしく、その趣向そのものがいい。地蔵坊のモデルは東京創元社の戸!川氏(かつて山伏だった!)だそうで、物語の初めに、山伏についての写真入りの詳細な解説がある。山伏通にもなれてしまう一冊。 | ||||
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毎週土曜日、スナックに集まるいつもの面々。山伏地蔵坊は、一応「自分が体験した」奇妙な殺人事件について語りはじめます。僕は今夜も眉に唾をつけながら耳を傾ける。。。と、山伏が「体験した」という殺人事件について、みんなで推理を巡らせるという設定です。食事に毒を入れたのは誰か?雪の上の足跡が被害者のものしかないのはなぜか?など、トリックは比較的オーソドックスでわかりやすいです。登場人物も限られているので、自分で絶対謎解きをしてみたい方におすすめ。短編ながら、伏線がきっちり張られているので、丁寧に読めば、どうやって、だれが、ということがきっとわかると思います。 | ||||
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