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神様からひと言
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神様からひと言の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全129件 121~129 7/7ページ
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デビュー作の『オロロ畑でつかまえて』その続編の『なかよし小鳩組』で、面白いんだけどもっと面白くなるはず、と思わせた作者が、さえない探偵が主人公の『ハードボイルド・エッグ』で期待通りに「化けた」後、そのバックグラウンドである広告業界のサラリーマンをもう一度主人公に据えて書いたのが本書。完全に一皮むけて文句なしに面白い。広告業界といっても、主人公が業界最大手の代理店をくびになったところから物語は始まるんで、業界ものではありません。何のために働くのか、誰のために働くのか。書きようによっては重いテーマをこれだけ笑わせながらサラリと提示して考えさせることができる作家というのは、ちょっと見当たらないのでは。予定調和的でありながら、おとぎ話のように「めでたしめでたし」で終わらせずに、世の中そうは甘くないんだよっていうほろ苦い部分を残しながら、だからこそリアリティを維持しているのがこの作者の持ち味だと思うんだけど、この作品では、事件の顛末よりも「苦しくとも流されずに自分の心に忠実にあろう」と出直しを誓った主人公の再出発で話が終わる分、ハッピーエンド色が濃くて楽しめます。主人公のまっすぐな覚悟も、書いている本人が、この本を書いた直後に専業作家になったという事実に納得。タイトルは、フレドリック・ブラウンの『スポンサーから一言』にインスパイアされてると思うんだけど、ブラウンの「スポンサー」が神様ではないかと察せられるのに対して、本作品でいずこからともなく主人公の前に現れるジョン・レノン風の人物の正体は、ってところもいかにも荻原流で、ちょっと意表を突かれるかも。別にサラリーマンでなくても、働いているすべての人に、お薦めです。 | ||||
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クレーム窓口を経験した事があり、とっても共感できました。出てくる人物も憎めない人が多く笑える所もあって、久しぶりに楽しい1冊に出会えました。 オススメです。 | ||||
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大手広告代理店をあるトラブルから辞めて中堅食品メーカに転職した主人公が,新製品開発会議で同じトラブルを起こしてしまい,「お客様相談室」に送られるところから物語が始まります。直属上司と一緒に,ひとクセもふたクセもある人々と向き合ってクレーム処理をし,主人公が成長する様子は「ナニワ金融道」に,“お客様の声は,神様のひと言”という社訓を掲げながらも,その内容を握りつぶす会社のヘタレぶりは「ショムニ」に通じるものを感じます。劇中の出来事自体は決して新しいものではなく,解決への展開も水戸黄門並み。それでも面白いと感じるのは,ひとえに作者の文体に尽きます。活字でこれだけ笑ったのって無かったかも。会社勤めのワタシとしては,劇中人物と同じフロアにいるような気分。で,主人公達は修羅場にいるのに,なぜか「うらやましい」と思ってしまう自分がいます。会社での生活に閉塞感を感じてる人,そうでなくても「自分は思ったことをすぐ口に出してしまい人間関係がうまくいかない」と思っている人にオススメ。痛快です。 | ||||
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軽妙な展開、ユーモアあふれる個性豊かな登場人物に魅入られ一気に読みました。会社人間にとってのリストラは現実には悲痛以外のなにものでもないが、主人公の涼平も同じ。でも涼平を取り巻く人々も精一杯生きている。その姿に涼平も少しずつ生き方を変え、成長していく。全編を通して見せ場がいくつもあり、あっと驚く展開と飽きさせない構成は肩肘張らずに楽しめた。 | ||||
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主人公が再就職先でのトラブルで、リストラ要員収容所「お客様相談室」に異動してしまい、クレーム処理に奔走するという小説です。実際の会社でもある苦情や恐喝まがいの出来事がうまくコミカルに書かれていましたねー!登場人物は、個性的でどこか憎めない所に好感が持てました。主人公個人の人間ドラマも良かったですねー。読後感は元気付けられ、仕事を頑張るぞという気になりました! | ||||
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荻原浩はとてもまっとうな人を表現するのが上手です。思っていてもいえない社会人たちの鬱憤を上手に掬い取った小説です。私にも公園の神様がいたらいいなぁと思ってしまいました。お客様は神様ですの神様だけでなくってね。 | ||||
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社内でリストラ要員の強制収容所と呼ばれる「お客様相談室」へ移動させられた佐倉涼平。電話で罵倒され、ひたすら謝り続けることがお客様相談室の仕事。不本意ながらも、生きていくためには会社を辞めるわけにはいかない。そんな辛い切ないサラリーマンを描いた痛快作。リアルに厳しいサラリーマン模様を描いているのですが、ユーモアがあってさくさくと読みすすめられる作品です。特に、サラリーマンの方は感情移入しやすいのではないでしょうか?会社や上司に言いたいこと、たくさんある。でも言えない。そんな人は読んでみてください。読後にはきっと気分がスカッとしますよー。 | ||||
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この萩原浩という人はコピーライター出身である。どの作品にも、10年から20年前の広告業界の考え方があちこちに見え隠れする。「神様からひと言」もラーメンメーカーが舞台だが主人公は大手広告代理店からの転職者で、マーケティング畑が取り上げられている。ひねりが効いているのはその主人公が左遷されてお客様相談室に配属されるあたり。タイトルの「神様」も「お客様は神様です」から取ってる訳で、㡊??んとも上手いタイトルだ。執拗なクレーマーとのやり取りや企業のミスに付け込むヤクザの撃退法とかそこここに面白いネタが散りばめられている。主人公のキャラクターもよい。元ロッカーでタットゥーあり、大手代理店をクビになった奴。その周りを固めるキャラもナイスなのにすべて本名(しかも苗字)というのが残念。あだ名やニックネーム付けて、もっと憶えやすくしてくれれば早くこの世界に浸れたのに…。さらに残念だったのが結末かな。明石町(という登場人物です)が大団円に出てくるというのは分かるけど、昔の東宝映画みたいでひねりがないよな。読み終えて全体を振りかえった時あまりにも都合がよすぎる感がありありだもの。途中死んじゃう人なんかの扱いもおざなりな気がして、ちょっと登場人物を広げすぎなのかな、とも思う。企業物の長編小説書くのは大変だろうが、も少し整理すれば痛快感は保ったままでもっと感情移入しやすくなったのではないでしょうか? | ||||
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消費財メーカーで商品開発や消費者対応を担当されている方は容易に感情移入ができる一冊。リアリティを保ちながらも痛快感をスパイスにして、読者を飽きさせることなく突っ走るジェットコースター的作品。甘酸っぱいラストも秀逸。 | ||||
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