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Gene Mapper -full build-
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Gene Mapper -full build-の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全49件 41~49 3/3ページ
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もとは著者が電子書籍として個人出版したのだとか。本書はそれを完全改稿した作品。 まずまずの面白さなのですが・・・結論から言うと,題材が「稲」と「バッタ」なので,物語に迫力がなく,スケール感に欠ける印象です。 頻繁に登場する「拡張現実」にはリアリティがあり,「私たちの現在の生活の延長線上にはこんな世界が待っているんだろうな」という期待感と親近感を抱かせます。 しかし,「テロ」だの「バイオハザード」だのと騒いでいる原因が「稲」と「バッタ」というのはちょっと・・・。個人的には馴染めませんでした。リアリティのある恐怖という意味では,確かに起こりうる確率が高いことなんでしょうけどね。 全面改稿したとはいえ,元が個人出版の作品なので,スケール感に乏しいのは仕方がないことなのかもしれません。 | ||||
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コアが出た時は新しいじだいを感じたが、full buildを読んで完成度の高いハードSFの登場である事を確信した。 | ||||
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最後まで読めませんでした。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 | ||||
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Kindleで初めてのSF作品になりました。十分楽しめました。こんな作品がもっと電子化(Kindle化)してくれればと思います。 | ||||
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基本的には、面白いストーリー展開だが 途中から話の主線がずれていって、結局「??」ってところがありました。 | ||||
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毎日、膨大な数の書籍が出版されるなか、これといって面白い小説に出会えなかった。久しぶりに大当たりと思ったのが個人出版というのは何とも皮肉。舞台がベトナムで、設計植物である稲をめぐる話というのが斬新でいい。ただ残念なのは結末が無難に終わりすぎているのと、軍が開発した兵器がなぜ環境保護団体の手に渡ったのかが分からないこと。重大な機密漏洩にあたるので、軍が動くのが当然だと思うのですが。とはいえ既存の作家にはないアイデアの突破力、ブレイクスルーの才能をお持ちの方なので次回作にも期待します。 | ||||
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電子書籍として異例の大ヒットを飛ばし、話題をかっさらった「Gene Mapper」の改稿版。 ただ紙に落とし込んだだけだろうと思っている、電子書籍版をお読みの貴方、否、断じて否。 最初の数ページを捲るだけで、これが別物であると気付かされるでしょう。 コーヒーを一気飲みしてその興奮と突き抜ける香りを味わうのが「Gene Mapper」だとするなら、 同じ豆を時間をかけてゆっくりと淹れ、深く味わうのがこの「-full build- 」。 走るような疾走感で読ませるために敢えて端折られていた部分まで細かく描写され、 世界と情景を十分に想像できる文体と構成に変わっています。 初稿で駆け足だったところも納得の行く裏付けが物語の内で為され、 最初はなにがなんだかわからない内に読み終えてしまった、という人でも、 「-full build- 」ではすとんと胸の内に落ちてくれる読後感を体験できると思います。 べらぼうに甘い練乳入りコーヒーでも飲みながら、 圧倒的なスピードで走り抜けた物語を、もう一度徒歩で感じてみてはいかがでしょうか。 | ||||
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個人出版された電子書籍を紙化した書籍ということで、話題になっていたので購入。 その評判に違わぬ内容で、遺伝子設計と仮想現実が深化・一般化した世界を余すところなく描いている。 主人公であるフリーランスの遺伝子設計技術者が、自分が納品した作物の不具合原因を究明するというビジネストラブルに関するストーリー。 先端研究者の話ではないだけに、よりリアリティが感じられ、作品世界に引き込まれる。 終盤に描かれる遺伝子改造、遺伝子設計にまつわるテーマは、意外な程の深まりを見せ、考えさせられる作品でもある。 SFが苦手、という人には勧められないが、そうでなければ手に取ってみて損はしない。 | ||||
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電子書籍の「セルフ・パブリッシング(自己出版)」が、いま大きな注目を集めている。アマゾンの「キンドル・ダイレクト・パブリッシング」に申し込んで、ファイルをアップロードすれば、誰でも、すぐ「作家」になれるのだ。 自己出版は、従来からあった、紙の本の「自費出版」とは、まったく別物だ。紙本の「自費出版」は、制作や流通に必要な数百万円のコストを、著者が負担しなければならなかった。電子書籍は紙の本と違って、印刷、製本、配送、返品などのコストがかからない。そのため原稿さえあれば、事実上ゼロに近い負担で出版ができる。 必要なのは電子書籍のファイルを作る、ちょっとしたスキルだけである。出版社や編集者を、通す必要もない。 2012年、この自己出版によって、彗星のように登場したのが藤井太洋氏だ。デビュー作『Gene Mapper』は、ほとんどネット上の口コミだけで売り上げを伸ばし、コボ・キンドル両電子書籍ストアの、ジャンル別売り上げランキング1位を獲得した。まったく無名の新人作家の小説が、講談社、集英社、小学館など大手出版社が刊行した、並みいる著名筆者のビッグタイトルと同じ画面に収まる光景は、驚きを通り越して痛快でもあった。藤井氏の登場は、ネット界隈では、芥川賞・直木賞や本屋大賞を始めとした、リアル本のメイジャーイベントに匹敵するほど大きな「事件」だったと言っても、決して言い過ぎではないだろう。 その『Gene Mapper』を大幅改稿し、大手出版社である早川書房から、今度は紙の本として出版したのが本作である。「full build」という副題が付いている。 前作の読者なら、その意味はわかるだろう。作品の中で重要な役割を果たしている「蒸留作物」が、自然植物から有益無害な遺伝子を抜き出して作り上げ(ビルドし)た作物であるのと同じように、前作から有用なモジュールを抜き出し、「紙本」という環境に合致した形で全体を再構築(フルビルド)したのが本作、ということだと考えられる。分量は前作の1.8倍になったとのことだ。 さて、読者として気になるのは、次の2つだろう。 前作と今作は、別の作品なのか? 前作の既読者は、本作を読む必要があるのか? 両作品を読んでみた感想を元に言えば、答えはどちらも「イエス」。 一見して感じるのが、「文体の洗練」「テーマの深堀り」。 前作では、スマートデバイスの小さな画面で読まれることを前提に、短い文章の中に膨大な情報を詰めこんだ、作者いうところの「スピード・ノベル」という文体を採用していた。 確かに、見慣れない概念やデータを、読者の脳に次から次へと弾丸のようにぶち込むスタイルは、初めの取っつきにくさを乗り越えれば、むしろ快感でもあった。 ただしその分、若干読む人を選んでいた感はいなめない。特にSFを苦手とする読者には辛かったかもしれない。 作者もそのあたりはかなり意識したのだろう。電子デバイスで読みやすい文体と、紙で快適なスタイルは違う。今作では「スピード・ノベル」的様式はかなり後景に退き、新規な小道具や概念は、じっくり紙幅を割いて丁寧に説明されている。これならSF初心者もついていけるだろう。 「丁寧に作りこんだ」雰囲気は、テーマの扱いにも感じられる。遺伝子工学と拡張現実が切り開いた、リスクとチャンスに満ちた世界が本作品のテーマだが、旧作ではこうした新しい現実を前に、科学技術に背を向けて「ナウシカ」的世界に逃げ込もうとするラッダイトと、技術の可能性を信じて、技術による技術の制御を目指す現実派との対立が、終盤に展開される登場人物どうしの「論争」の形で、やや唐突に表現され、その分テーマの考究が、生煮えな印象を受けた。 ところが今作では、二者の立場の違いが、クライマックスに向かう過程の中で、余裕をもって表現されており、その分、読者の注意を、こうした表層的な二分法の奥に待ち受ける、「より大きな敵」に向けることに成功している。 作者の狙いが、政治的な闘争構図でなく、技術の切り開く、リスクとチャンスの「臨界点」の提示にあったのであれば、その問題意識は、今作においてより鮮明に描かれているといえるだろう。 特に、後半になってその正体が露呈する、主人公たちの問題の淵源であり、かつ問題解決の道具ともなったある「ツール」は、今作のテーマを理解する上で、最重要のキーとなっている。 それはあまりにも強力であり、主人公の窮地もそれによって救われるのだが、同時にもっと大きなリスクへの「扉」を開いてしまう。 「扉」の向こうに見えるのは、今のところ善悪、功罪、是非を見極めかねる、不確実性にまみれた世界である。 終幕近くで、主人公たちは技術の、そしてそれを使いこなす人間の叡智を信じて、その「世界」を選択するのだったが、その選択は確信に満ちたものではない。 むしろ不安、懸念、懊悩の深い霧の先に、ようやっと希望が仄見える、といった風情の終わり方だ。 主人公がさんざんな目に遭い、それでもかすかな希望を見出す、あのフィリップ・K・ディックが得意としたスタイルだが、「半分だけ明るい」エンディングの、このビタースイートな感じはなかなか心地よい。 原発すら御すことが出来ないわれわれに、ほんとうにこんな「世界」がコントロールできるのか? だとすればどうやって? 主人公の悩みは、そのまま読者の疑問でもある。 SFでしかできないテーマを、SFの伝統的な手法に少し寄り添って描き出した筆者は、今作で作家としても次の「扉」を開いたようだ。 次はぜひ「インターネット追放」のストーリーを、ぜひ「full build」してほしい。 次回作がほんとうに楽しみだ。 | ||||
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