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(短編集)

ルーフォック・オルメスの冒険



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ルーフォック・オルメスの冒険の評価: 4.00/5点 レビュー 10件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1~7 1/1ページ
No.7:
(4pt)

カミのみぞ知る

“事件も変なら、探偵も変!”
“ファンもぶっとぶ驚きの聖典”(腰巻きのコピーより)
って、良いのかソレでッ!?
分類的には“帆掛け船”じゃないのか!?
(このマーク、もう使われてないんだっけ?)
世界広しといえど、彼と比肩しうる探偵はいないッ?
否、ハチャハチャSFのヨコジュンこと、横田順彌先生が生んだ日本が誇る名探偵“金大事包助”がいるではないか!?
解説によりますと、このオルメス氏、日本においても戦前からファンを獲得してきたとか。
慢性的に不勉強な小生は当然、今回が初読なんだが…。
全然そんな気がしない。
ん~、海中を走る自転車?
えぇ~、厚紙で作った氷山で擬装した海賊?
あッ、思い出した。
今を去る、三十年近くの昔…自販機で購入したエロ本。
その添え物として、見かけ倒しなヌードグラビアに挟まれるようにして掲載されていた漫画…。
たしかタイトルは『名探偵ナンセス』だったか?
紙質&印刷の仕上がりは粗末ながら、読み切りで数話収録。
恐らくは漫画家氏の画力からであろう、いつも横を向いてる名探偵ナンセス。
&ぐるぐる眼鏡の(この世界では多分…)美人助手の“ワープちゃん”が難事件の数々に挑みマスよ。
とりわけ本書収録の『血まみれの細菌事件』に至ってはトリックからオチにいたるまで忠実なコミカライズがなされていたと記憶する
な~んて書いてる裡に、も一度読みたくなってきたゾ。
とっくに処分したか!?
ハタマタ今も、押し入れの奥深くに眠ってるかしらん?
ルーフォック・オルメスの冒険 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ルーフォック・オルメスの冒険 (創元推理文庫)より
4488185010
No.6:
(5pt)

楽しくなります。

まず、訳がとても楽しく生き生きしていて話の内容に合っていると思います。ゲラゲラ笑うというよりも、読みながら心地よくコロコロ転がされているようです。常に澱まないようにあの手この手でかき回されているようで、まるで遊園地にいて、いろんなびっくりするような
仕掛けにいつまでも飽きないといった感じです。
こういうものは、だまされるつもりで身を任せてキャッキャッと喜んでいるのがいいのでは。
論理のアクロバットという点では本格物と本質は同じではないでしょうか。ワンアイデアストーリーだとは思いますが、作者の内からわき上がる「ふざけたい」という意欲には脱帽です。
ルーフォック・オルメスの冒険 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ルーフォック・オルメスの冒険 (創元推理文庫)より
4488185010
No.5:
(4pt)

コント形式

Camiの『Les Adventures de Loufock=Holmes』(1926年)の翻訳。
 コント(短い劇)形式の35話が収められている。
 ホームズもののパロディとして有名だが、全訳は74年ぶり。
 けったいな事件に珍推理で立ち向かうオルメス。まあ、とにかく馬鹿馬鹿しい物語として笑いながら読むのがいいと思う。
 かなり残酷で死者が次々に出るあたりはいかにもフランスっぽい。
 だじゃれのオンパレードだし、ミステリ・ファンにはたぶん物足りない内容だろうしで、ずっと新訳が出なかったのも納得。
ルーフォック・オルメスの冒険 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ルーフォック・オルメスの冒険 (創元推理文庫)より
4488185010
No.4:
(5pt)

読んでもなんのためにもならない傑作

カミは、フランスの昔の作家、といえばいいのかな。ナンセンスな話をたくさん書いていて、ハヤカワミステリの「名探偵クリク・ロボット」とか、実は好き。
なわけで、本書も。
収録されているのは、短いコント。推理ものといっても、頭のねじがはずれたようなものばかり。落語のシュールな笑いに近い、という解説はその通り。
人を殺すのに最初に大量のヒルに血を吸わせると、ナイフで刺しても血が出ない、とか。つっこみたくなる。
というわけで、読んでも少しもためにならない。傑作ミステリーから遠く離れたところにある。でも、そういうところが愛すべき点。
たまには、こういった作品を楽しむっていうのも、人生にとって大事なんじゃないか、というくらいの本です。
ルーフォック・オルメスの冒険 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ルーフォック・オルメスの冒険 (創元推理文庫)より
4488185010
No.3:
(4pt)

出しゃばりな訳者ですが駄洒落も頑張ってるので良し

解説で駄洒落の原語を教えて欲しかったです。内容はファンタジーな綺想溢れるほのぼのギャグ。ワトソンは登場しない、ホームズ物語とは関係ない名探偵パロディものです。知らないうちにカミさんが沢山翻訳されていて、ちょっとびっくり。訳者さんに感謝です。
ルーフォック・オルメスの冒険 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ルーフォック・オルメスの冒険 (創元推理文庫)より
4488185010
No.2:
(5pt)

翻訳者様の駄洒落&突っ込みの名アシストで楽しさ百倍のホームズ冗談落語パロディ集!

生真面目一本槍で潔癖症の方には悪夢かも知れませんが、おふざけや冗談が大好きな方には堪らない魅力でもって最初から最後まで一頁と余す所なく腹を抱えて笑わせてくれるフランスのユーモア作家カミの代表作と呼べる怪作ホームズ冗談落語パロディ集です。まあ、何ていい加減で出鱈目で無茶苦茶でアホらしくて下らなくて馬鹿馬鹿しい呆れる程にお気楽なゆるゆるの一冊なのですが、でもここまで徹底してとことん笑いの道を究めたらそれはもう一流の才能と呼ぶしかないなと思えますね。日本人は根がマジメな人が多いので「こんなの邪道だから絶対に認めない!」とお怒りになる方も中にはおられるかも知れませんが、そういう方にはミステリーとしてではなく純粋な「笑い話」として理屈抜きで楽しんで欲しいなと思いますね。もしこの本と互角に勝負できるライバルを探すとしたら「天才バカボン」くらいでしょうね(これは悪乗りの冗談ですがでも全くの的外れでもないでしょう)。話を少しマジメに戻しますと、本書収録の全編が日本の古典落語に匹敵する様な笑いの要素が詰まった完成形だと思いますし、加えて翻訳者の高野優様がアレンジした日本語の駄洒落&「そこは明らかにおかしいよね?」という突っ込み解説文の名アシストによって楽しさが百倍になっている点が本当に素晴らしいと思いますね。さて、私はつい調子に乗って余計な事をごちゃごちゃと書いてしまいがちなのですが、マジメなだけではつまらないと思ってジョークやユーモアを入れてしまう関西人気質の人間でして、お気に障る方が多々おられるでしょうけれど、誠に申し訳ありませんがどうかお許し願いたいと思います。それから私が気づいた3点を並べますと、1)登場人物名が思わず「そのままやないかーい(髭男爵風に)」と突っ込みたくなる程に単純ですので、海外作品にはつき物の耳慣れない名前を覚える苦労が全くなく楽です。2)大半の犯人の諦めが早くすぐに観念してすんなりと全てを自白してくれますので話の進行が早いのも助かりますね。3)一部の例外はあるにせよ名探偵ルーフォック・オルメスの推理がほぼ100%近く的中するのは、まるで事件の方で探偵に合わせてくれているみたいで、これは「神の如き閃き」と言うよりはひとえに「著者カミの産物(お陰)」だと言えましょうね。尚、以下全34編のコメントはさすがに粗筋までも書くのは大変ですので、せめて私なりの感想と突っ込みを書き込みたいと思いますね。
第一部 ルーフォック・オルメス、向かうところ敵なし
『校正者殺人事件』四万本近いカツラの毛を数える根気の良さにご苦労さんと言いたいのと何と言うお気楽な殺人の手口なのでしょうね。『催眠術比べ』学士盗賊とオルメスのどちらの催眠術にも「そんな阿呆な事があってたまるか!」と絶叫したくなりますね。『白い壁に残された赤い大きな手』そもそも手首から先がない男なんて実際にいるのでしょうか?『骸骨盗難事件』骸骨が口から逃げ出したとしたら怪談かSFの世界になっちゃいますが今回は常識的な真相にホッと安堵でしたね。『ヴェニスの潜水殺人犯』オルメスの一人「人工呼吸」には目まいが・・・・。『警官殺人事件』殺意を抱く相手に警官がどうしてピストルで応戦しなかったのかが唯一の謎ですね。『奇妙な自殺』いやはや、全く何てお馬鹿なうっかりミスだ!『禿げの女曲馬師』長年の間に身についた習慣とは何て恐ろしいのでしょうね。『本物の嗅覚』ついでに電信柱を見ると本能的に匂いを確かめに行くのでしょうね。『証拠を残さぬ殺人』上方落語の「蛇含草」よりもっと馬鹿げた死体消失トリックですなあ。『空飛ぶボートの話』確かに「波」なんだけど、こんな下らない話を考えるのも並大抵じゃありませんね。『愛による殺人』冒頭で切断された足が歩かないと不思議がる神経がまともでなく理解できませんね。『列車強盗事件』素人にはない真贋を見分ける探偵眼と「びっくりしたなあ、モォー」の日本語の駄洒落に座布団一枚!『聖ニャンコラン通りの悲劇』娘さんの言葉の聞き違いの3パターンの解釈には訳者様のご苦労か感じられて大いに感服しましたね。『ふたつの顔を持つ男』「サイコ」の世界もお笑いにする著者の凄さ!例え医学の常識には反していても「そんなの関係ねえ!」ですね。『後宮の妻たち』「オリエント急行の殺人」もびっくり!の多過ぎる犯人達ですね。『生まれ変わり』見事に拵えられたイカレタ歴史ミステリーですので些細な年号の間違いは忘れましょう。『シカゴの怪事件-鳴らない鐘とおしゃべりな卵』鐘にまつわる伝説を利用した犯罪とはぶっ魂げる他ないファンタジーの世界ですが、それこそ「信じる者は救われる」でしょうね。『ミュージック・ホール殺人事件』こんな話ばかり繰り返し読んでいると荒唐無稽な筋書きでも実際にありそうに思えて来るのが怖いですね。
第二部 ルーフォック・オルメス、怪人スペクトラと闘う
『血まみれのトランク事件』恐ろし過ぎる猟奇バラバラ殺人ですが、採算倒れになる犯人の間抜けさ加減が笑えます。『《とんがり塔》の謎』脱獄の方法自体はいたってシンプルなのですが、シーツの手に入れ方が半端なく尋常ではありませんね。『〈クラリネットの穴〉盗難事件』案外まともなトリックでしたが、「偽者ではありません」の看板に素直に騙される通行人も「何だかなあ」ですね。『ギロチンの怪』何て大胆不敵な逃亡の手口なのだ!そして「蒼穹と早急」、この鮮やか過ぎる芸術的な洒落にも脱帽です!『大西洋の盗賊団』甲板を海中に船底を海上に出したら大丈夫という何とも無茶苦茶な発想!冷静に考えれば悪党がだらしなく軽率過ぎるから助けられているのですね。『チェッカーによる殺人』ダブル・ジャンプ、トリプル・ジャンプは駒を動かすのではなく自分が跳ばないといけないのですね。顎鬚の目つぶしに猫靴と、まるで大昔のマンガの世界ですね。『人殺しをする赤ん坊の謎』警察は牛乳屋に張り込んで待ち伏せる作戦をどうして取らないのか?それではあまりに呆気ないからでしょうね。『スフィンクスの秘密』スペクトラ一味はオルメスと長官が引き上げた後にどうして宝を持って逃げ出さなかったのでしょうね。『真夜中のカタツムリ』腹を空かせたカタツムリを利用したまさに悪夢の如き脱走劇ですね。『道化師の死』どうやったら食べ物は消化して金貨はそのまま貯めておけるのだろうか?考えるだけ阿呆らしいのでやめますね。『競馬場の怪』あり得ない馬の病気をも開発(?)するスペクトラは凄すぎますね。『血まみれの細菌たち』作者はきっと青カビをイメージしてとにかく恐ろしげに見えたらいいさと考えたのでしょうね。『地下墓地の謎』スペクトラ一味の狡賢い悪企みに対するオルメスの騙しの痛快無比な倍返しですね。『死刑台のタンゴ』オルメスだけがタンゴを踊り出さずに無事なのはどうしてだろうか?まあ底抜けに愉快なのでそこはよしとしましょうね。『巨大なインク壺の謎』これが本当の「必死の文学」ですね!それにしてもあんなにしぶとかった怪人スペクトラの何て呆気ない最期でしょうね。最後のオチはバッチリと決まってお見事ですね。
最後の最後に興に乗ってこんなに長文を書いてしまって申し訳ありませんが、とにかくこんなにお腹一杯に笑える本は今時滅多にお目にかかれるものではありませんから、多くの方に迷わずに読まれます様にと強くお奨めしますね!
ルーフォック・オルメスの冒険 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ルーフォック・オルメスの冒険 (創元推理文庫)より
4488185010
No.1:
(5pt)

一言でいうと天下の奇書、バカミスの元祖ということになるのかな?!!

かって、「ハヤカワ・ミステリマガジン」で一部が訳されたりしていましたから、
 てっきり早川書房から単行本になっていたと思っていましたが、そうではなかったようで、
 今回初めて文庫化されました。しかも、全訳で東京創元社からです!!
 かって、出帆社から単行本が出ていましたが、これは抄訳です。
 タイトルからも想像つくように、本書は、シャーロック・ホームズもののパロディです。
 全編コント形式(戯曲)で書かれています。カミはもともと演劇が得意ですから、このような形式をとったのでしょう。
 一応推理小説ということになっていますが、そんなものクソくらえで・・・失礼・・・、
 奇想天外というか、ユーモアというか、ナンセンスというか、きつい風刺というか、
 要するところ、ハチャメチャで、カミの本領100%発揮ということでしょう。
 しかも、全編、地口というか、語呂合わせというか、ダジャレのオン・パレードで、
 翻訳された高野さんは、さぞかし頭を抱えたことと思います。
 原文はどうなっているのかわかりませんが、アンチョビ、カタカタ、クチクチ、とか、
 美人の流し目、秋波、周波数、とか、睾丸、厚顔無恥・・・・
 こう書きだしても、あまり面白さが伝わりませんから、興味を持った人は、本書を読んでください。
 本書は、推理なんかあってないようなもので、そのナンセンスさを楽しむものだと思います。
 一言でいうと、天下の奇書で、そういう意味では、バカミスの元祖ということになるのかな?
 
 
ルーフォック・オルメスの冒険 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ルーフォック・オルメスの冒険 (創元推理文庫)より
4488185010

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