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(短編集)

中井英夫全集1



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【この小説が収録されている参考書籍】
中井英夫全集〈1〉虚無への供物 (創元ライブラリ)

中井英夫全集1の評価: 4.14/5点 レビュー 28件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.14pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全28件 21~28 2/2ページ
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No.8:
(3pt)

この3分の2の長さなら…

約4つ出てくる密室殺人事件にそれぞれ素人探偵がああだこうだと推理するのはいいとしても、それ以外のゲイバーだの会話だののディテールに凝り過ぎているために冗長になり、ミステリとしての切れ味を鈍らせていると思います。
この構成は良く言えば消えた筈の推理が復活するのがどんでん返しの連打であり、4人の推理合戦が楽しいのですが、ヘタをすると「前に言ったのはウソでした」というようにも取れてしまう諸刃の剣です。
新人がこんなの書いてきたら即座に落とされるのではないでしょうか。
3大ミステリの冠は、その難解さ、冗長さ、煩雑さ故のような気がします。
その意味では『ドグラ・マグラ』よりも『黒死館殺人事件』に近いといえるでしょう。
中井英夫全集〈1〉虚無への供物 (創元ライブラリ)Amazon書評・レビュー:中井英夫全集〈1〉虚無への供物 (創元ライブラリ)より
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No.7:
(2pt)

&lt;虚無>に浸りたい夜に。

時は昭和29年。東京は竜泉寺のゲイバーのサロメの舞で幕をあける摩訶不思議な殺人事件の数々。上流階級の子女たちの推理遊戯に振り回されていると、ふいに現実がぱっくりと鮫のような真っ赤な口を開けて僕たちに迫ってくる恐ろしさ。昭和30年代、暗い戦後の断末魔のような奇怪な現実の事件の数々が、殺人事件よりもはるかにシュールでホラーです。読み終えて思わず文中に登場した洞爺丸事件、紫雲丸事件、女子中学生集団水死事件、森永砒素ミルク中毒事件など、手当たりしだいにネットで調べている自分を発見……。まるでぬらぬらとした鮫の口に喰われてしまったみたいです。ミステリーにして、アンチ・ミステリー?!現実と非現実が手をとりあって頭の中で輪舞を踊ってる。鬱の状態のときにはすすめられないですが、&lt;虚無>にどっぷり浸りたい夜には最適かも…。
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No.6:
(2pt)

プチブル的道楽

戦後の推理小説ベスト3と言うことで、確かにトリック自体は見事なのかもしれない。しかし、犯行動機は文学的すぎるし、登場人物の日常や、心の中の葛藤はほとんど見えてこない。推理小説好きの小金持ちたちが、道楽としか思えない感覚で謎解きをしていく過程も緊迫感を欠く。実は最後の方で、そうとも言えない部分が出てくるのであるが、それに至るまでがあまりにも冗長である。トリックの巧妙さより、犯罪の裏にある人間ドラマや、登場人物の心理描写などを重要視する私にとっては、文体になじめないせいもあり、退屈な作品であった。これこそが真の、純粋な推理小説と呼べるのかもしれないが…。内外の推理小説を数多く読んでいる人にとっては、おもしろい作品であるのかもしれない。
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No.5:
(5pt)

日本ミステリの最高峰、エベレスト。この作品より上はない。読まずに死ねるか!

故中井英夫氏は生涯で唯一のミステリでミステリの全てをやってのけてしまった。
話の主軸となるのは、一応4つも出てくる密室と意表をつくアリバイ・トリックである。これだけでも十分凄いが更に圧倒されるのはその間に展開される眩暈を起こしそうな絢爛たるペダントリーの世界である。この作品に影響され、模倣した作品も数多いがあまり話には関係のない、作者が自分の知識をひけらかしているだけのものが殆どである。しかしこの作品は次元が違う。一見荒唐無稽なペダントリーが事実に基づいたものであり、実にわかり易く描かれその断片が見事結末に集約する。文章も練り練られてうまい。
ミステリであることを忘れてしまうような思わず笑ってしまう描写も数あり、作品の長さを感じさせない。どこかに妙な親近感を抱かさせれ、青春小説ともとれそうな雰囲気さえある。
また生き生きとした登場人物達もこの作品の大きな魅力である。殺人事件がありながら登場人物のキャラクターと卓越した文章力でもって話の残虐性はあまり感じられずこの大作は一気に読めてしまうだろう。
多分ミステリビギナーでもすんなり受け入れられそうなところがこれまた脅威である。
中井氏の作品は他にも読んだが物凄い筆力を持った本当に凄い人だったと思う。
とにかく読むしかない。
私はこの作品を読破したした後、暫くは他のミステリはつまらくてしかたなかった。
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No.4:
(5pt)

虚無への供物という本物

真にオリジナルな作品は、不可思議な、誰の意表をも突くような稀有な偶然の組み合わせから生まれるのだろう。例えば、樋口一葉が生きた台東区竜泉や、日暮里、浅草といった東京の下町に、コルクの密室に閉じこもって生涯を一つの作品の完成だけに捧げた同性愛者プルーストの感性を持ち、おのれの「天才」を自覚した者が、時代の虚無をより深い自身の虚無と重ね合わせながら、長い雌伏の年月を生きたとしたら---。「虚無への供物」は、そんな創造の道を辿った稀有な作品であり、本物のオリジナルである。
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No.3:
(5pt)

最高峰

好き嫌いはあるにしても、日本の探偵小説を語る上で、はずすことのできない一冊。その後の推理小説に大きな影響を与えている。
なお、本書と並んで論じられることの多い「黒死館殺人事件」(小栗虫太郎)「ドグラマグラ」(夢野久作)と比べて圧倒的に読みやすい。
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No.2:
(5pt)

捧ゲル

「黒死館殺人事件」「ドグラ・マグラ」「匣の中の失楽」と並ぶ。四大アンチミステリの一つ。
凄いなあ、凄いなあ。めくるめく。色彩。反転。溶暗。
探偵小説という枠組みに対して、付かず離れず、弄び、愛しつつ。
四十年くらい前の作品なのに全然古くない。やっぱミステリはいい。
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No.1:
(5pt)

長編推理の傑作

日本の長編推理は数多くあるが、この作品は間違い無くベスト10に入ると思う。この本には推理,探偵小説の楽しさが、いっぱい詰まっている。読み返したくなる数少ない推理小説の一つ。
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