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(短編集)

夕萩心中



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【この小説が収録されている参考書籍】
夕萩心中
夕萩心中 (講談社文庫)
夕萩心中 (光文社文庫)

夕萩心中の評価: 4.13/5点 レビュー 15件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.13pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全12件 1~12 1/1ページ
No.12:
(4pt)

最初の二篇は至高の作品

雰囲気、情緒、ミステリーのケミストリー。
この味わいは小説ではないと味わえない。
自分は文才が皆無なので上手くレビューできなくてもどかしい。
夕萩心中 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:夕萩心中 (講談社文庫)より
4061841858
No.11:
(5pt)

素晴らしい。

日本語って美しいな、日本人の心って良いなあと、つくづく感じさせられます。それがミステリーなので、そう感じさせたい感がなくて、自然なんです。
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4061841858
No.10:
(5pt)

クラシカルなムード

時代背景からしてもそうなんですが、文章が流麗で美しくクラシカルな哀感を漂わせています。それだけにとどまらず、ミステリーとしても魅力的な作品集でした。
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4061841858
No.9:
(5pt)

耽美な連城ワールド

戻り川心中に続いて読みました。
戻り川心中は意外性に満ちた結末に打ちのめされましたが、花緋文字も同じようにノックアウトされました。
花街の華やかさと哀しみがうかがえる分、花緋文字の方が好みです。
擬古文風文体を巧みに駆使して描かれた耽美さの裏の非情さ。この作家の非凡性を示すようです。
早くに亡くなられたのが惜しまれてなりません。
夕萩心中 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:夕萩心中 (講談社文庫)より
4061841858
No.8:
(5pt)

哀切で儚い悲恋と過去からの激しい妄執

「戻り川心中」と同じ「花葬シリーズ」の作品群です。やはり前作同様に、ミステリーの要素を含みつつ、明治や大正などという時代設定も相俟って、独得の情緒溢れる叙情的な世界が描かれています。
「花緋文字」は、その人物のあまりにも悪魔的な心情と企らみに、深い戦慄を覚える。
「夕萩心中」、何と情緒ある心中の呼び方でしょうか。
更にこの呼び方は、当時の世を騒がせた、時の大臣妻但馬憲文の妻の但馬夕と、その大臣の書生だった御萩慎之介の名から、それぞれ一字採って付けられた呼び名であり、
しかもこれが後々、この物語の重要な符号としての意味を持ち始めていく訳で「戻り川心中」と同じく、文学性を備えながらもミステリーとしての要素も、きっちりと織り込まれています。哀切で儚い悲恋の中に隠されていた、過去からの強烈な人間の妄執を描いた傑作です。
様々な意味が込められたこの「夕萩心中」という言葉ですが、またその中には、日が翳っていく夕暮れの中、仄白く、ひっそりと儚げに浮かび上がる萩の花の姿に似た、但馬夕という、一人の薄幸な女性自身を彷彿させます。
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4061841858
No.7:
(5pt)

「菊」に殉じる

◆「菊の塵」

  明治の世に、武士道を貫こうとする夫婦の物語。

  病床に縛られ、屈辱の日々を送っていた元軍人の夫の死から浮かび上がるのは、
  歴史の闇の底でくすぶり続ける人の妄念と業です。

  歴史的事件を背景にした大胆不敵なトリックも、犯人の切実な犯行動機と
  不可分に結びつき、十分な説得力と言い知れぬ余韻を生んでいます。

◆「花緋文字」

  離ればなれにされていた、血の繋がっていない兄と妹が再会した。

  芸者となっていた妹は、婚約者のいる兄の友人と、
  禁断の愛に堕ちることになるのだが……。

  ミステリにおいて「禁じ手」ともいわれていた趣向に取り組んでいますが、
  もちろん、アンフェアにはなっていません。

  そして、犯行が発覚するよりも、動機を知られたくないという
  歪んだ犯人の心の在り方は、現代においては決して虚構のなか
  だけのものとは言い切れず、一歩間違えれば、誰もが陥ってしまう
  かもしれないという恐れを抱かせます。

◆「夕萩心中」

  政府高官の妻・但馬夕と、その家の書生・御萩慎之介との
  不倫の愛から起こった心中事件の謎。

  「夕」と御「萩」の心中ゆえに「夕萩心中」。

  しかし、本作における「萩」という言葉には、他にも
  さまざまな意味や想いが塗り込められているのです。

  「菊の塵」同様、男女の物語の外側に背景としての「歴史」があるのですが、終盤で
  それを鮮やかに反転させていく洗練された手つきは、著者の真骨頂といえます。
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4061841858
No.6:
(5pt)

夕萩と菊と……

◆「菊の塵」

  明治の世に、武士道を貫こうとする夫婦の物語。

  病床に縛られ、屈辱の日々を送っていた元軍人の夫の死から浮かび上がるのは、
  歴史の闇の底でくすぶり続ける人の妄念と業です。

  歴史的事件を背景にした大胆不敵なトリックも、犯人の切実な犯行動機と
  不可分に結びつき、十分な説得力と言い知れぬ余韻を生んでいます。

◆「花緋文字」

  離ればなれにされていた、血の繋がっていない兄と妹が再会した。

  芸者となっていた妹は、婚約者のいる兄の友人と、
  禁断の愛に堕ちることになるのだが……。

  ミステリにおいて「禁じ手」ともいわれていた趣向に取り組んでいますが、
  もちろん、アンフェアにはなっていません。

  そして、犯行が発覚するよりも、動機を知られたくないという
  歪んだ犯人の心の在り方は、現代においては決して虚構のなか
  だけのものとは言い切れず、一歩間違えれば、誰もが陥ってしまう
  かもしれないという恐れを抱かせます。

◆「夕萩心中」

  政府高官の妻・但馬夕と、その家の書生・御萩慎之介との
  不倫の愛から起こった心中事件の謎。

  「夕」と御「萩」の心中ゆえに「夕萩心中」。

  しかし、本作における「萩」という言葉には、他にも
  さまざまな意味や想いが塗り込められているのです。

  「菊の塵」同様、男女の物語の外側に背景としての「歴史」があるのですが、終盤で
  それを鮮やかに反転させていく洗練された手つきは、著者の真骨頂といえます。
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4061841858
No.5:
(4pt)

すっかり幻惑される

本書は、連城三紀彦の初期を代表する<花葬>シリーズ全8編のうちの3編と、ユーモア・ミステリー連作「陽だまり課事件簿」を併録しての復刊である。

まず<花葬>シリーズ3編である。3編が3編ともそれぞれの時代背景が、現代ではなく、明治・大正・昭和初期と絶妙の設定になっていることが大きいと思う。ここからすでに読者は連城三紀彦のフィールドで勝負されているのだ。

そして、世間に知られているうわべの情報が切々とうたわれる。
−女たらしの男に妹を弄ばれた兄の復讐「花緋文字」、
−政治家の妻と書生の道ならぬ恋、そして心中「夕萩心中」、
−報国の情が嵩じた末の軍人の自害「菊の塵」、

実はこれらは、作品でいうと、連城三紀彦ならではの流麗なレトリックの前哨戦とでもいうべき段階で、そこからさらに研ぎ進められて初めて驚くべき真相と、大どんでん返しが見えてくる仕組みになっているのだ。私はいずれもすっかり幻惑されてしまった。
<花葬>シリーズは、「戻り川心中」など、残る5編を加えて全8編、まさに日本のミステリー史上に残る傑作だと思う。

次に「陽だまり課事件簿」の3話だが、ユーモア・ミステリーとされていて、一応登場人物たちが個性的だったり、会話や設定がウイットに富んでいたりしているが、ミステリーとして伏線もしっかりしているし、解決も論理的に纏まっているし、それなりに十分楽しめた。
夕萩心中 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:夕萩心中 (講談社文庫)より
4061841858
No.4:
(4pt)

すっかり幻惑される

本書は、連城三紀彦の初期を代表する<花葬>シリーズ全8編のうちの3編と、ユーモア・ミステリー連作「陽だまり課事件簿」からなっている。

まず<花葬>シリーズ3編である。3編が3編ともそれぞれの時代背景が、現代ではなく、明治・大正・昭和初期と絶妙の設定になっていることが大きいと思う。ここからすでに読者は連城三紀彦のフィールドで勝負されているのだ。

そして、世間に知られているうわべの情報が切々とうたわれる。
−女たらしの男に妹を弄ばれた兄の復讐「花緋文字」、
−政治家の妻と書生の道ならぬ恋、そして心中「夕萩心中」、
−報国の情が嵩じた末の軍人の自害「菊の塵」。

実はこれらは、作品でいうと、連城三紀彦ならではの流麗なレトリックの前哨戦とでもいうべき段階で、そこからさらに研ぎ進められて初めて驚くべき真相と、大どんでん返しが見えてくる仕組みになっているのだ。私はいずれもすっかり幻惑されてしまった。<花葬>シリーズは、「戻り川心中」など、残る5編を加えて全8編、まさに日本のミステリー史上に残る傑作だと思う。

次に「陽だまり課事件簿」の3話だが、ユーモア・ミステリーとされていて、一応登場人物たちが個性的だったり、会話や設定がウイットに富んでいたりしているが、ミステリーとして伏線もしっかりしているし、解決も論理的に纏まっているし、それなりに十分楽しめた。
夕萩心中 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:夕萩心中 (講談社文庫)より
4061841858
No.3:
(4pt)

すっかり幻惑される

本書は、連城三紀彦の初期を代表する<花葬>シリーズ全8編のうちの3編と、ユーモア・ミステリー連作「陽だまり課事件簿」からなっている。

まず<花葬>シリーズ3編である。3編が3編ともそれぞれの時代背景が、現代ではなく、明治・大正・昭和初期と絶妙の設定になっていることが大きいと思う。ここからすでに読者は連城三紀彦のフィールドで勝負されているのだ。

そして、世間に知られているうわべの情報が切々とうたわれる。
−女たらしの男に妹を弄ばれた兄の復讐「花緋文字」、
−政治家の妻と書生の道ならぬ恋、そして心中「夕萩心中」、
−報国の情が嵩じた末の軍人の自害「菊の塵」。

実はこれらは、作品でいうと、連城三紀彦ならではの流麗なレトリックの前哨戦とでもいうべき段階で、そこからさらに研ぎ進められて初めて驚くべき真相と、大どんでん返しが見えてくる仕組みになっているのだ。私はいずれもすっかり幻惑されてしまった。<花葬>シリーズは、「戻り川心中」など、残る5編を加えて全8編、まさに日本のミステリー史上に残る傑作だと思う。

次に「陽だまり課事件簿」の3話だが、ユーモア・ミステリーとされていて、一応登場人物たちが個性的だったり、会話や設定がウイットに富んでいたりしているが、ミステリーとして伏線もしっかりしているし、解決も論理的に纏まっているし、それなりに十分楽しめた。
夕萩心中 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:夕萩心中 (講談社文庫)より
4061841858
No.2:
(4pt)

作者の多彩な芸風を示す一作

作者の多彩な芸風が味わえる短編集。特に最初の3編と最後のミニ・シリーズは全く異なる作風のもので、編者の意向に首を傾げざるを得ない。

「花紋文字」は義理の妹を思っての激情的な犯行を描いたと見せて、実は別の意図を持った用意周到な犯罪計画を描くという精緻な作品。伏線の張り方も巧みで秀逸な出来。しかし、本当に主人公の妹のような女性が実在し得るかという点で疑問が残る。タイトル作「夕萩心中」は薄ヶ原で起こった伝説的な心中事件に子供の頃遭遇した主人公が、その真実を探り出しながらも、当時の想いと共に事件を封印するという叙情性溢れた作品。「菊の塵」は明治に時代を採って、武士道の精神がまだ生きていたという背景の下、それに殉じた老夫妻の悲劇を描く。「陽だまり課事件簿」は打って変ってユーモア・ミステリで、3編のシリーズから成る。ユーモアの中に、作者の初期の本格志向の味が隠されていて、これ自身の出来は悪くないのだが、上述の通り他の3編とは乖離があり過ぎて、違和感が残る。

結果として多彩な作風の作品が収められた本作だが、物理的トリックではなく、人間の心の襞に隠された謎によって、見事に読者を騙す作者の手腕が味わえる傑作短編集。
夕萩心中 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:夕萩心中 (講談社文庫)より
4061841858
No.1:
(5pt)

ぶっとびます

ミステリーの技巧士、連城三紀彦の初期の短編集。
花葬シリーズのうち、残りが掲載されています。
戻り川心中も、読後に、ぶっとびますが、
これもぶっとびます。特に花緋文字は、
最高にトリッキーであり、読んだら忘れられません。
ぜひぜひ、戻り川心中と一緒に、一読を。
夕萩心中 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:夕萩心中 (講談社文庫)より
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