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喜嶋先生の静かな世界
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喜嶋先生の静かな世界の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.63pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全75件 21~40 2/4ページ
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読んでる最中は涙が出るほど感動できるのですが、読み終えて振り返ると、どうやって本の内容を表現すればいいか?という問題にぶつかります。 綺麗、美しい、繊細、感動、などの抽象的な言葉は見つかりますが、それは、ほかの余計な概念を含有した不純な表現で、正しくこの書籍を言い表している、とは言えません。 本質的には、絵画的な芸術作品に近い、と私は思いました。★5です。森博嗣さん、ありがとうございました。 | ||||
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学校とはガチョウのように知識を飲み込んでは吐き出す場である 良い職に就くために、社会にとって、使える歯車になるために それは、幼い頃からすでに産業社会の就職と出世の手段に成り果てている 研究の世界はそんなものとは全く無縁の場である 大人たちに失望し、不信感がある主人公の橋場は学究の世界に入って、生まれて初めて信じられるものを見つけられた 軽薄な社会のすべてに失望していた若者が初めて真善美に触れる瞬間、飲み干すように、干からびた身体を潤すように思考する感動 そこでは、食事も、睡眠も、権謀術数も雑事に過ぎない、知的な恍惚だけがある世界。そしてその具現のような喜嶋の存在 彼らには立身出世も自己実現も社会貢献も、要らない 「ここでの経験を生かす」ために私企業に転職していく同僚たちに喜嶋は言う。「そんな経験のためにここにいたのか」 科学者は王道を歩かなければならない。気高く、孤高に。 一人でも道連れがいれば自分が半分になってしまうのだから。 橋場は仕事で疲弊していく恋人のスピカを見て社会のいやらしさに塗れ、摩耗していく自分を予感する。 少しでも、彼女を自由にしてあげたい、と願う。 それが、喜嶋と橋場の差でだった。 それが、王道と邪道の差である。 | ||||
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自伝的小説であるが、喜嶋先生は作者にとって理想の先生で実在しなかったの ではと思わせるのが後半の内容である、そして喜嶋先生との関係のピーク時は 必ずあって、そして永遠のものではないと読み手に感じさせる内容であった。 | ||||
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理系に進んでみるのも楽しそうだなと思いました。読んでいる間、タイトル通りに、周りの音が消え、静かな世界に没頭します。良い本です。 | ||||
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初めての作家の初めての作品を読了。大学の研究の現場や研修室の様子や、マスターとかドクターとか、単なる日常風景を描いていますが、自分の学生時代を思いだし懐かしかったです。大学の研究を舞台にして、これだけ、興味深く描けるとはスゴい。 | ||||
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養老 孟司の著書等で紹介されていて読みたくなりました。 自分の中で引っかかっていた「何か」が、腑に落ちたのをはじめて感じました。 妹に、この1冊だけは置いておくので枕元に添えてほしいと頼みましたが、 「邪魔になるからKindleの電子書籍に入れておけば?」と言い返されました。 「すべてが台無しになる」とだけ言い返しました。 | ||||
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「僕は秋子に借りがある」に“キシマ先生”が登場してて、それでこの本を読むことにしました!喜嶋先生かっこいい!できればこちらを先に読みたかったです。 | ||||
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大変読みやすい小説です。 理系学部の修士、博士、助手、教授などの仕組みや裏事情などが詳しく描かれており、生粋の文系人間の私には新鮮で、ためになる内容でした。 本書は、大学、研究所という外部とは隔離された「静かな世界」で、一人の青年が徐々に世間や社会というものと接触し、ぎこちないながらも一人の「大人」として成長していく青春小説です。 大人になるとはどういうことかという疑問は、陳腐でありながら若いころに誰もがぶち当たったと思います。理系の大学院という少しばかり特殊な環境ではありますが、本書の根底にある『ずっとこんな時間が続けばいいのに』という感覚の刹那さは、普遍的な共感を誘うはずです。 誰もが自分の好きなことに没頭して過ごしたい、でも大人になるということはそうした時間を削ることなんだと、やがて橋場青年も気づくことになります。 歳を重ねても自己の世界を貫く喜嶋先生は、社会に出ていく青年にとって輝いて見えたのでしょう。私にもそんなメンターがいれば、人生の捉え方が少し違っていたのかもしれません。 | ||||
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理系の研究者の生き方を描いた小説。 養老先生の解説にも書かれたいたが、徹頭徹尾一文で一つの内容だけを綴る簡潔な文体ですごく読み易い。 すごく劇的な事件が起こるといったわけではなく、淡淡と研究者としての生き様が書かれている。 大学の内部事情が分かって面白く、こんな生き方も良いなあと思える。 | ||||
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レビューなんて書いたことのない自分が、読み終えてレビューを書きたくなるほど、生涯で最も感動した作品です。 もうずっと読み続けていたくなりました。 | ||||
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「毎日が平穏に、とても静かに、過ぎていく。 時間が刻まれる音が聞こえそうなくらい、静かに。 」 第4章より | ||||
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私は今学部4年生です。 主人公と同じく、大学で研究をしています。 もし、私が研究を続けることを選んだとしたら、この本を読めば、初心に戻れるでしょう。 もし、私が、研究以外の道を選んだら、今、この時間が愛おしすぎて、この本をもう一度読むことはできないかもしれない。 | ||||
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私も3流私大ではありますが工学部卒なのでこの世界観はとてもリアルでした。 こういう人いたな〜とか、学会でのやり取り、飲みの席での先生同士のやりとり。 全部ありました。 自分の思い出話と重ねてしまいます。 そう、この作品ジブリ映画の「おもひでぽろぽろ」とよく似てます。 ただ、舞台は国立の理系大学ですが。 巻末の解説にもあるんですが、夏目漱石の「こころ」にも似てるなあと、後半読んでて思いました。 あと、主人公は嫌味のない素朴だけど研究熱心な青年で、とても好感もてます。 彼の癖のない語り口が、この本の最大の魅力でしょう。 感情移入しやすいです。 大学、もどりたいな〜。 | ||||
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読者を引き込む文章力があり博士課程の内情がわかりやすく書いてある。しかし、取ってつけたような結末に疑問を感じる。 | ||||
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登場人物のうち、主人公の周りの男性陣は、本当に主体性のある人物だと思う。 自分の人生を、自分の責任として背負って生きている。 自分の価値観を、自分で決めている。 自分の選択を、誰にもゆだねない。 わずかに出てくる女性達が、この主人公たちの人間性に惹かれながらも、「常識」の中で無難な選択をしていく。 「常識」を自分の内に持ちましょう。 誰かに賞賛してもらうために生きるのをやめましょう、自分と配偶者の賞賛だけで生きていけます。 なんてことが書いてあるように思えた。 | ||||
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特に理系の研究をしていた読者は共感する部分も多いと思いますが、そうでなくても喜嶋先生のような「静かな世界」は誰にでもあったものではないでしょうか。それが「世間」とか「社会」とか「時代」とかに接するうちに失ってしまい、その世界への哀愁がテーマだと感じました。 ハッピーエンドではなく、ラストはとても切ないです。それでも喜嶋先生には「静かな世界」にいてほしいという想いが、この「世界」への著者の哀愁だと感じます。 多くの人がブックマークしているようですが、私も下記はとても共感しました。もり節は健在です。 「とても不思議なことに、高く登るほど、他の峰が見えるようになるのだ。これは、高い位置に立った人にしかわからないことだろう。ああ、あの人は、あの山を登っているのか、その向こうにも山があるのだな、というように、広く見通しが利くようになる。この見通しこそが、人間にとって重要なことではないだろうか。他人を認め、お互いに尊重し合う、そういった気持ちがきっと芽生える」 | ||||
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文庫版の解説の冒頭で養老孟司氏が「じつは推理小説のようでもありますよ。」と書かれているのを読んで、ああそうか、これはミステリーなんだと妙に納得した。普通の意味での「自伝的小説」ではないよな、と感じていたからである。この小説を自伝的小説ととらえてしまうと、まっすぐに生きようとする天才的才能の持ち主が、出会うべき人や研究テーマと出会い、納まるべきべきところに納まって、今は失われてしまった若かったころの情熱と純粋さを懐かしむという、ただそれだけの話になってしまうからだ。ところが、この小説をミステリーと考えるとがぜん魅力が増す。「ドンデン返し」もさることながら、この物語で最大のミステリーは、喜嶋先生ではなく間違いなく主人公であろう。 例えば、同じく余人をもって代え難い卓越した学問的才能に恵まれ、専門分野で深く共鳴しあった喜嶋先生と主人公のその後の人生が、あのように異なってしまったのはどうしてなのか。その理由について主人公のわずかな推測はあるものの、ほとんど語られていないと言ってよく、決して解けない謎である。謎を謎のままにしておきながら、すがすがしい読後感があるのが、ミステリーとして素晴らしいと思う。人生は謎だらけであり、ひょっとしたら語ることのできない謎のほうに人生の本質があるかもしれないのだが、解けないものは解けないものとして扱うのが、科学者としての著者の良心であろうし、最終的にそれを祈りの対象として昇華させるのが、作家としての著者の妙技であろう。 | ||||
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主人公が大学生から大学教授になる過程で多大なる影響を受けた喜嶋先生との物語をつづった一冊。森博嗣本人のノンフィクション的な要素が強い本らしく、ノンフィクション好きな俺としては満足度の高い一冊だった。修士課程や博士課程の学生がどのような生活を送っているのか、また、どのような世界に生きているのかが分かる本で、少なくとも理系の大学院生は主人公と皆似たりよったりの生活を送っていると思う。特に喜嶋先生の学問に対する姿勢は個人的に感動すら覚えるもので”理想の科学者”のひとつの形だと思う。人から見ればただの奇人だが。 | ||||
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学部の1-3回生は座学中心で、4回生から実験や論文を探すなど環境がガラッと変わり、テストの点だけでは乗り超えていけないということを思いしらされた頃を思い出しました。世の中に役に立つかわからないことと研究の世界に浸かりたいジレンマを抱えている主人公の気持ちがよく書かれていて、同じ理系の人にもお勧めです。 | ||||
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これも一種の青春物語 学問という,純粋な世界,素直な世界,深淵な世界の魅力に少しでも気づいたことのある人なら,きっと気に入ると思う そして喜嶋先生という,理想の研究者,もっと言えば,理想の人間とも言えるようなモデルを,教え子である主人公の目線から語られる物語 大きな転機があるわけでもないストーリィだけれども,喜嶋先生を中心として動く世界はとても綺麗に成り立ってる きっと喜嶋先生にはもっと透明な色で世界がみえてるのだろう,と想像を巡らせながら読みました 最後の方には,研究者としてのジレンマを抱える主人公に共感して,なんとも言えない,言葉にできない切なさがわいてきました この物語を読めば,成長するにつれて子供のとき持ってたようなピュアさを失っていく,そういうような経験を重ねてしまうかもしれません | ||||
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