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(短編集)
虚言少年
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虚言少年の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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京極夏彦、個人的に好きな作家である。 この本も彼の作風を期待して購入したが、とても読めるものではなかった。 少年、小学校6年生の男子の心情を、大人の筆致で書いているという矛盾はともかく、内容がくだらなすぎであった。自身の幼いころを思い出しても、それを記述されても面白いとは思えない。 途中で読むのが嫌になり、だいぶ我慢したが止めた。 ところどころ、京極夏彦ならではの表現があるが、読まずにこしたことはないというのが、素直な感想である。 | ||||
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ここでいう『虚言』とは、誰もが経験したであろう子供なりの見栄や保身を指しており、大仰な意味はない。 登場人物である『少年3、4人組』で思い浮かべるのは『スタンド・バイ・ミー』だが、著者に限ってそんな胸のすくような冒険譚は望むべくもなく、いつものくどくて理屈っぽい京極節全開。 台詞回しはもちろんのこと、大人びているというよりは理路整然とし過ぎた思考や行動に子供らしさを感じない場面も散見され、素直に物語に入っていけず感情移入がし辛い。 明らかにターゲットは主人公たちと同世代の子供ではなく、昭和に思春期を経験した中年以降の世代に向けたものである。 また、近作の『オジいサン』にもいえることだが、人物造形が甘く深みに欠けている。 老人ってこんな偏狭な思考に陥るんじゃないですかね、とか、子供の頃って稚拙な価値観でも毎日が楽しけりゃオッケーでしたよね、といったステレオタイプな視点は共感できる場面もあるが、どのキャラクターも意外性に乏しく新たな発見はない。 そして、これといったプロットもなくディテールに終始し、『核』がすっぽりと抜け落ちているため読後に何も残らない。 その内容に比してページだけはそこそこ分厚いので、極端に薄めた生ぬるいカルピスをジョッキで飲まされているような気分になる。 この本や、『死ねばいいのに』『豆富小僧』といった近作を読んだ新しい読者が「京極夏彦って、ラノベ作家ですよね」と切り捨てるのはいささか寂しい限りであるが、現状の体たらくは認めざるを得ない。 テーマに拘らず、百鬼夜行シリーズの頃の爆発的な情熱を持った作品にもう一度出会いたい。 きりっと冷えた、濃いめのカルピスが飲みたい。 | ||||
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