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柳生十兵衛死す
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【この小説が収録されている参考書籍】
柳生十兵衛死すの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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上巻から一気に駆け抜けました。、まさに100m走、9秒を切るスピードが出ます。山田風太郎さん!流石です。 買うときは是非!上下揃って買いましょう!下巻が届くまで時間が長く感じる事間違いなし! | ||||
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山田風太郎さん流石です。学生時代に拝読し、何十年経った酷暑の今、ふとアマゾンサーフィンしてる最中に再会。もう一度やきぼっくりにボウボウと大火となりました。いやはや最高に面白い!司馬さん、隆さんも大好きですが、山田さんも流石です。 | ||||
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死すべき十兵衛に著者が与えた人物造形は、 前2作のヒーローではない十兵衛だった。 前2作の十兵衛であれば、終局にて弟子が感じた 「十兵衛先生ならお許し下さる」十兵衛のはず。 しかして、今作での十兵衛は違う。 著者の天皇、皇室への想いが反映されたのだろうか。 自分なりの解釈が定まらず、何度も読み返してます。 | ||||
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柳生十兵衛が世阿弥の子孫、金阿弥が室町時代の柳生十兵衛と世阿弥へと入れ替わり、室町と江戸で壮絶な死闘をする(レビューは上下合わせて)。 軽快な文章と豪快な柳生十兵衛のキャラクター、一瞬の真剣勝負、奇想天外な展開は今回も健在。ぐいぐい読ませてくれる引力がすごい。 天下の剣豪、柳生十兵衛ついに死す! ストーリーは彼は誰に切られたのかという謎解きでもある。そこに室町と江戸の大陰謀が関わってくる。剣というミクロな物語と時代というマクロな物語の混ざり方が絶妙。 山田風太郎の柳生三部作完結編。あれだけ魅力的なキャラクターを最後にはあっさり殺してしまうのだから、山田風太郎はすごい。 絶対面白い剣豪小説の最高傑作シリーズ。 | ||||
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「柳生忍法帖」「魔界転生」と続く十兵衛トリロジー(三部作)の完結篇にして著者最後の小説作品。 柳生庄の河原に横たわる十兵衛三厳(みつよし)の屍という衝撃的なシーンで始まる物語は、室町期と江戸初期、250年を隔てて出現した二つの陰謀を平行して描く。室町期は三代将軍義満の皇位簒奪であり、気弱な性格で協力させられるのが100代後小松帝(実は姦通によって生まれた義満の子。史実!)。江戸期は正雪の変であり、108代後水尾法皇と紀州藩主・徳川頼宣(家康の第10子)が共謀する。 この陰謀を阻止すべく活躍するのが、二つの時代の二人の十兵衛(室町期は十兵衛満厳)と二人の世阿弥(江戸期は世阿弥の子孫・竹阿弥)だ。 江戸初期・慶安年間に生きた十兵衛は室町期・応永年間へタイムトラベルする。この時代にタイムマシンがあるはずもなく、風太郎はその機能を能という芸術に果たさせる。金春竹阿弥の「世阿弥」創作にかける執念が竹阿弥と十兵衛を250年前へテレポートするというアイデアは見事だ。 またSFとして興味深いのは、時空の一本化が不能というタイムトラベル固有の矛盾が解消されているところ。タイムトラベルしても二人の十兵衛、二人の世阿弥の人格が入れ替わるだけという設定が、その一本化を可能にしている。 しかしこの小説の眼目は、風太郎独自の様式美“シンメトリー構造”の集大成にある。物語の主要な要素は、たとえば二つの陰謀をそそのかす予言さえも、すべてシンメトリーになっている。十兵衛満厳はシンメトリーの必要から創作されたが、二人の開いている目を左右逆にして抜かりなくシンメトリーを重ねている。 四人は入れ替わりつつ二つの時代で大活躍する。終幕、二人の十兵衛が対決する場面の映像的な構成は完璧なシンメトリーで、風太郎作品中でも屈指の美しい描写だ。 ではなぜ、わざわざ室町と江戸を舞台に、シンメトリー構造の物語を作ったのか? たぶん、著者が語っているように「十兵衛を死なせる」ためだ。十兵衛は最強無敵だから倒せる剣客がいない。主人公を死なせずにはおかない風太郎としては、もう一人の十兵衛が必要だった。ダイヤモンドはダイヤモンドでしか研磨できないからだ。 奇想に次ぐ奇想、完璧なシンメトリーの実現、タイムトラベル矛盾の克服・・・ 著者最後の長編小説である本作の完成度は圧倒的だ。 | ||||
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題名通りヒーロー柳生十兵衛の最後の戦いが描かれている。後期の作品なので忍法はあまり出てこない。(と言ってもいいと思う)SFで云うところのタイムトラベル物で十兵衛が時空を超えて豪剣を振るう。物語が進むにつれて、何でも有りになって行くのは本作でも健在。作者のノリツッコミ割合が増え(これが面白い)キャラクターが善悪軽重を問わず狂騒的になって行く。謡曲での会話、アクションシーンで、一休が太平記語りで伴奏するのが、下らなすぎてビックリ!というか異次元的な面白さ。上巻なので、タイムトラベルはまだ出てこない。あと慶安と室町の「講談、俗説知識」は有る方が、圧倒的に楽しい。 | ||||
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江戸時代と室町時代を行き来する柳生十兵衛。時代劇的描写のなかに、スーパーSF的要素が絶妙に絡み、あっという間に読み切ってしまいました。究極のエンタメなのに、史実も踏まえていて、プロの仕事に堪能しました。 | ||||
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著者の作品は大体読んでいますが、たまたま本屋さんに無かったものでお願いしました。おもしろいです。 | ||||
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この作品は忍法帖シリーズの最後を飾る大傑作である。 しかも、風太郎翁七十有余歳の筆にして、一切の破綻がなく物語を書ききると言う 驚くべき所業である。 柳生新陰流の祖となる『陰流』の発明者として、愛洲移香斎(あいすいこうさい)なる 剣豪が登場するが、この人物造詣がすさまじい。 齢百歳、ふだんはどんな高貴な人を前にしても、どんな大事な場面でも、 コクリコクリと居眠りをしているが、いざ、剣の匂いを嗅ぎ付けると、一転 目を見開き、一閃、秘太刀を振るう。と書くとかっこいいが、 ふだんは阿呆のように惚けている。しかも名前の移香斎、香りが移るとは この老人に備わった高齢ならではの技からであった。 風太郎翁の書く老人が私は好きである。前作『柳生忍法帖』の天海大僧正もまた、 百七歳の怪老人であった。 | ||||
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能の舞台は(現在能)と(夢幻能)に大別されるが、 (夢幻能)はたいてい雲水など僧形の者の元へ、死霊が現れ その由来や、今の世に残した未練を語るという構造である。 物語の魔術師、山田風太郎はその(夢幻能)にタイムマシンを見た。 柳生十兵衛は、寛永の時代から室町へ跳んだ。 山田風太郎の小説はそこに描かれる色恋の量が、適量である。 しかも色恋をエンターテインメントを筆力を持っている。 凡百の作家は見習うべきである。 | ||||
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作者が忍法帳モノを書くことを終え、 明治モノ、室町モノへと着手していく中、 唯一十兵衛モノで忍法帳を書いてみたいと思っていた作品。 それが『柳生十兵衛死す』です。 『魔界転生』『柳生忍法帳』の後、相当のブランクを経て、 この作品が生まれました。 この作品でもって三部作とし、十兵衛モノを完結させたいと 思っていた作者が、70歳を越えてようやくの発表できた作品。 山田風太郎氏の執念が垣間見れられます。 確かに忍法帳全盛期と比べれば、エロスが足りなかったり、 どこかしら淡白な印象もあることにはあるのですが、 能を通じて室町時代と江戸時代を時間移動するという発想は やはり常人ではなかなか思いつきません。 最後はしっかりと、 十兵衛三部作を見事に締めくくった終わり方をします。 『魔界転生』『柳生忍法帳』を読まれた方は、 是非読んでもらいたい作品です。 | ||||
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他の風太郎作品(忍法帖など)に比べてなにか足りない。 妖しまでの匂い立つようなエロティシズムであると思う。 | ||||
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山田風太郎氏が亡くなった。ご冥福をお祈りしたい。甲賀忍法帖、伊賀忍法帖など、忍者群がその秘術を尽くして戦い合うというスタイルと幻想的で独創的なアイデアが楽しかった。特に「魔界転生」は宮本武蔵ほか当代の武芸・忍術のオールスターが戦う、まさに娯楽大作であった。本書は、その忍者モノの集大成であり、また室町モノの香りもする大傑作である。氏の忍者モノには官能的な嗜好の強いものもあるが、本書はいい意味で枯れた趣が強く読後感がすっきりしている。恋愛もあるがアクが強くない。物語は江戸初期の十兵衛と室町時代の十兵衛が、時空を超えて行き来し、二人の十兵衛が相戦うという読者の期待通りの展開となる。その結果は読んでのお楽しみである。 | ||||
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