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(短編集)

神聖喜劇



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神聖喜劇の評価: 4.51/5点 レビュー 59件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.51pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全51件 41~51 3/3ページ
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No.11:
(5pt)

偉大な創造者をしっかり確認しよう。

自己の生きている状況を「喜劇」として、観るというのはかなり力がいる。ましてや、「神聖なる喜劇」として 観ると いう立場を維持し続ける意志力。そう 観ることで 冷ややかに 自己の立場を 貫こうとしている。舞台は敗戦間近 対馬。そこの大日本帝国陸軍。

大西巨人という作家・・・大西巨人は 『神聖喜劇』を完成させた。奇怪なる 文体。その緻密な 世界は 彼の文体でないと 描かれないことに納得する。妥協しない 大西巨人。 私たちは彼の世界に屈して彼の世界に入り込まざるを得ない。そこは かって私たちが知ることができない未知の世界。全く 異なる 世界を 私たちは 見ることができる。大西巨人の『神聖喜劇』は そのようなもの。天才と言うべきか 奇才と言うべきか 私には わからず。

かって 私は『神聖喜劇』を 読み通す努力をした。彼の世界に入る儀式は大変であった。

今、大西巨人の『神聖喜劇』は いつ映画化してもいいように 脚本が 別の人によってきあがっている。

そして、粘り強く 漫画化した創造者がいたとは。おどろきと感動。新しい体験をしてみましょう。一緒に。
神聖喜劇 (第2巻)Amazon書評・レビュー:神聖喜劇 (第2巻)より
4344011643
No.10:
(5pt)

底知れない原作を見事に漫画化している!

原作の第二部を描いたこの漫画版第二巻は、第一巻とはかなり雰囲気が異なっている。ここで焦点をあてられるのは主役の東堂ではなく、冬木や大前田、鉢田、橋本らである。とくに大前田の一挙手一投足には注目させられるが、そのほかの三人も相当の役者である。

 クライマックスは後半を占める演習中のできごとで、ここの描写はまさにこの作品の魅力を凝縮したような、異様に密度の濃い展開がある。原作からして、この場面だけ芝居にしてもそのまま十分面白いほどの出来であるだけに、漫画版ではこの場面が物質的な重みを持って読者に迫ってくる。漫画では主人公の心の動きや、さまざまな考察は省略されているので少し分かりにくい点もあるが、それが逆に読者自身をこの場面に感情的に直に向き合わせる。原作も驚異的な作品だが、その漫画版もまた十分に……いやもしかしたら原作以上に楽しめる内容となっているかもしれない。

 白眉は、社会外社会で生きてきた部落出身者が、大前田が直面してきた戦争という現実を「あってあられんごたぁある」と表現するところである。これは、当時の日本が抱える社会的矛盾を見事に凝縮して呈示した場面であるだけでなく、ここに至る大前田と数人の兵士たちとの、東堂にさえ思いがけない展開をみせていたやりとりの頂点にあるものでもある。ここには、ほとんどシェイクスピア的に豊かで、一語一語ごとに状況が変化し、当事者たちの微妙な心境もまた変化していく演劇的場面がある。

 小説をあわせて読むといっそう楽しめるが、この漫画だけでも場面場面の迫力は十分以上に伝わってくる。それだけでない、この漫画は、二十世紀のポリフォニー的な小説形式を、漫画もまた取り得ることを明らかにした。漫画の未来もまたここに予見されている。戦慄する傑作だ。
神聖喜劇 (第2巻)Amazon書評・レビュー:神聖喜劇 (第2巻)より
4344011643
No.9:
(5pt)

未知の世界に踏み込む冒険をさせてくれる。

自己の生きている状況を「喜劇」として、観るというのはかなり力がいる。ましてや、「神聖なる喜劇」として 観ると いう立場を維持し続ける意志力。そう 観ることで 冷ややかに 自己の立場を 貫こうとしている。舞台は 敗戦間近 対馬。そこの日本帝国陸軍。

大西巨人という作家・・・大西巨人は 『神聖喜劇』を完成させた。奇怪なる 文体。その緻密な 世界は 彼の文体でないと 描かれないことに納得する。妥協しない 大西巨人。 私たちは彼の世界に屈して彼の世界に入り込まざるを得ない。そこは かって私たちが知ることができない未知の世界。全く 異なる 世界を 私たちは 見ることができる。大西巨人の『神聖喜劇』は そのようなもの。天才と言うべきか 奇才と言うべきか 私には わからず。

かって 私は『神聖喜劇』を 読み通す努力をした。彼の世界に入る儀式は大変であった。

今、大西巨人の『神聖喜劇』は いつ映画化してもいいように 脚本が 別の人によってきあがっている。

そして、粘り強く 漫画化した創造者がいたとは。おどろきと感動。新しい体験をしてみましょう。早く。
神聖喜劇 (第1巻)Amazon書評・レビュー:神聖喜劇 (第1巻)より
4344011635
No.8:
(5pt)

原作に忠実に、でも独自の世界を構築した愛すべき力作

大西巨人の超傑作『神聖喜劇』を渾身の力業で漫画化した作品です。原作に感動し、大笑いし、まじめに考えた人なら、きっとこの漫画版も好きになるのではないかと思わされます。少なくとも私は、忙しいのに読み始めたら止まらず、台詞だらけの2冊500ページあまりをイッキ読みしてしまいました。

 基本的なストーリーは原作に忠実です。その内容や思想性についてまとめるのは私の手に余りますが、透徹した戦争批判・差別批判であるとともに、そのようなスローガンに収まりきらない「人間」のあらゆる面、可能性を網羅する観察記録のような趣もあります。

 印象深かった点を一つ。普通、小説がマンガやアニメになると、どうしても「キャラのイメージが違う〜」と思ってしまいますが、そしてこの作品でも確かに違ってはいるのですが、私は最初の方で主要登場人物が初めて描かれたとき、「ああ、あの冬木ってこんな顔してたのか」等と感じて、不覚にも目頭が熱くなってしまいました。木訥な絵柄ですが、底知れないリアリティに引きずり込まれてしまったのです。
神聖喜劇 (第1巻)Amazon書評・レビュー:神聖喜劇 (第1巻)より
4344011635
No.7:
(5pt)

書いてみたかったので書いてみました。

他の人たちのレビューによって、おおよその概要はわかると思います。そのため、私は『神聖喜劇』を読み終えて考えた内容を少し書いてみることにします。
主人公東堂は自ら対馬連隊へと加わり、戦地において「死ぬこと」が彼の望みだったのです。しかし、連隊での経験や過去の記憶がその気持ちを揺るがしていきます。どんな社会でもよくあることですが、連隊の中でも上下関係が存在し、その中では制度や法をも無視し、権力をもっている人間こそが法なのである、といった形です。東堂はこの矛盾と戦っていき、やがて彼の心に変化をあたえるのです。
『神聖喜劇』は東堂の物語であり、私たちの物語ではありません。しかし、私たちが社会の矛盾に出会ったとき、どのような姿勢でそれにぶつかっていくかを考えさせられる一冊であったと思います。
神聖喜劇〈第1巻〉 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:神聖喜劇〈第1巻〉 (光文社文庫)より
4334733433
No.6:
(5pt)

抵抗の原点

読んだのは、28歳のころですかね。月給も安くて1冊500円は結構きつかったけど全巻買って、仕事の合間や通勤電車のなかで読みました。
 ストーリーは、太平洋戦争も末期の兵営が舞台。徴兵された新兵の主人公が、天皇の軍隊による人格の否定や人間的権利の剥奪に徹底して抵抗する様が描かれています。抵抗の武器は論理。全巻通して軍規や軍法をめぐり非常に精緻な論理の解釈や下士官や将校との論争が描かれています。これは見もの(読みもの?)です。天皇の名による軍規や軍法を逆手に取って兵の権利を論証し主張する。天皇をバックにしちゃうから上官も応ぜざるを得ない。こうして論争の場に引きずり出された軍隊は、決して一枚岩の組織ではなくレンガ積みの巨大な楼閣として正体をあらわにします。ここそこで展開されるレトリックには、ぞくぞくします。
 天皇の軍隊への二等兵の抵抗。ここに人間としての抵抗の原点を探ろうとした、著者の思いもまた知るべしです。
 付け加えて、兵営内のおかしな慣行や、そこで生きる兵隊たちの人物描写、心理描写もなかなか興味深いものです。
 著者の大西は、莫大なエネルギーをこの作品に注ぎ込み完成にいたりました。そのモチベーションも興味をそそられるところです。もちろん、天皇制と旧軍への批判もある。しかし、もうひとつ、著者がかつては立場をともにした日本共産党とその文芸活動への痛烈な一撃たらんとこの作品を上梓したと考えるのは私だけでしょうか。これだけのもの書けるものなら書いてみろ!てな意識も多分にあったと思います。
 読んだぞー!って叫びたくなるほどの満足感に星5つです。
神聖喜劇〈第1巻〉 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:神聖喜劇〈第1巻〉 (光文社文庫)より
4334733433
No.5:
(5pt)

世界最高峰

下級兵士として日本軍に徴集された主人公東堂は
その超人的な記憶力(と「ひねくれ精神」「反骨精神」を)武器に、
軍隊における(またそれは根元的に日本社会にこびり付いている)不条理や非合理に敢然と闘争を挑んでいく。
また、東堂太郎の目を通して描かれたわずか3ヶ月、しかしあまりに重厚な3ヶ月の間の様々な出来事を通して
読者は「人間」の暗部・愚劣さ醜悪さ、また逆に「人間」であることの幸福を目の当たりにするだろう。
これだけある種、病的なまでに「おのれ」を見つめ、
「おのれ」即ち「人間」について考えられた、若しくは考えさせられる小説はあまり例を見ない。
世界文学の最上部に位置する小説。
神聖喜劇〈第1巻〉 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:神聖喜劇〈第1巻〉 (光文社文庫)より
4334733433
No.4:
(5pt)

世界最高峰

軍隊もの、確かに。エンターテイメント小説、確かにそう。
そうなんだけれど、この日本文学の金字塔「神聖喜劇」とはいったい何だったのか、について考えるとき、
それらの諸要素はあくまで付随的なものでしかない。
とことん「おのれ」を見つめ続けたことによって、また「人間」というものについて考え続けたことによって生み出されたものであることは間違いないし、また日本封建社会の言いしれぬ闇と、その問題に直面したときの人間の心の状態をこうまでも見事に観察、描写したものは滅多にない。
神聖喜劇〈第2巻〉 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:神聖喜劇〈第2巻〉 (光文社文庫)より
433473362X
No.3:
(5pt)

奇跡的です

「神聖喜劇」と言う題名はまさに当を得ている。決してあからさまに滑稽な描写があるわけではなく、内容も所謂喜劇的なものでは決してないのだが、普通の場面、真剣な、真面目な(滑稽・喜劇とは正反対な内容)場面の中の一行で思わず笑うことを禁じ得ない。そのような箇所が幾度となくこの小説には現れる。大西巨人という小説家の文章力の賜、表現力の豊饒さと言ってしまえば簡単なのだが、近代・現代日本文学の名作と呼ばれるものを読んできた上で思ったことだが、表現力の豊饒さ、文章力の賜といったものだけでは決してこのような体験を読者に与えることは出来ないのではないだろうか。ではいったいなんなのかと問われても上手く答えられない。わからないことは「奇蹟だ」と言ってしまえばどうにかなっ!てしまうので、たぶん本作は奇跡的な書物だと思う。
神聖喜劇 (第3巻) (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:神聖喜劇 (第3巻) (光文社文庫)より
433473376X
No.2:
(5pt)

ハードボイルド戦争文学

軍隊の話ということで少し気が重かったんだけど、表紙がきれいなのと字が大きいことに惹かれて読んでみました。
出だしの文章が硬くって取っ付きにくい印象を受けるかもしれませんが、読んでいくとわくわくして続きを読まずにいられなくさせる小説です。主人公がピンチに陥っては切り抜けたり推理小説っぽいところがあったりして、軍隊の話というよりはエンターテイメントとして肩の力を抜いて楽しめます。
この小説の雰囲気をわかりやすく言うと、原のハードボイルドな探偵や村上春樹の小説の主人公を徴兵して軍隊に入れたらこんな感じになりそうです。主人公の格好よさもこの小説の魅力でしょう。
全5冊でまだ4冊あって毎月発売が楽しみです。
神聖喜劇〈第1巻〉 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:神聖喜劇〈第1巻〉 (光文社文庫)より
4334733433
No.1:
(5pt)

旧日本陸軍の姿が鮮明に浮かび上がる戦争文学の傑作。

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神聖喜劇〈第1巻〉 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:神聖喜劇〈第1巻〉 (光文社文庫)より
4334733433

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