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ダーク・タワー6 スザンナの歌
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ダーク・タワー6 スザンナの歌の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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カーラにおける<狼>達との戦いの直後、精神をマイアに乗っ取られたたスザンナは多重世界同士を結ぶ<声の洞窟>を通って1999年のニューヨークに転移。 「荒地」において妖魔が彼女に宿した種子が熟し、臨月を迎えたマイアは徐々に力をつけ、スザンナを凌駕する人格としてその体を支配するまでになっているのだが、マイアの正体とその真意を見抜くため、スザンナは一定の協力を余儀なくされる。 彼女が取ったホテルの部屋の電話のベルが鳴り響き、リチャード・P・セイヤーと名乗る男からレストラン「ディキシー・ピッグ」支持が伝えられた。 一方、他のガンスリンガー達も、失踪したスザンナを追って<声の洞窟>に入るのだが、計画とは異なり二手に分かれることに。 ローランドとエディはメイン州のとある給油所に転移し、そこでエンリコ・バラザーの率いる小部隊の待ち伏せを受けるが、辛くもこれを撃退する。 また、ジェイクとキャラハンは、スザンナが立ち去ってから30分ほど経過したニューヨークに転移した。 スザンナの残した手がかりを元に、少年と神父はレストラン「ディキシー・ピッグ」に辿り着くのだが・・・ 先の巻では、作品中に実在するキングの著書「呪われた街」の名前が登場するのはあくまでカメオ出演的なものだと思っていたがいやはや驚いた。 著者は物語の外側に在るのが普通だが、本作では完全に中に入り込んでしまっている。 奇抜ではあるが、本シリーズの「ライフワーク」たる所以が十二分に示されていることは間違いなく、久しぶりに「やられた」という印象だ。 携えているのは銃ながら、二元論的な世界で<善>を守ろうとする伝統的な集団であるガンスリンガーの存在は、アーサー王の円卓の騎士達を思わせるものだが、その祖とされるアーサー・エルドの名前とともに、今回スザンナ/マイアが産み落とした赤ん坊の血統の皮肉さによってその類似は決定的なものとなったように思う。 アーサー王の物語は悲劇に終わるが、ローランドを始めとする最後のガンスリンガー達の物語にはどのような結末が待ち受けているのだろうか。 20年以上に渡って紡がれてきた物語も、最終巻を残すのみとなった。 | ||||
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驚きの内容です。キング恐るべし。この本を手に取る人は1〜5を読んでいるでしょうし、この先も読まざるを得ないでしょうから、内容については特に説明する必要もないでしょう。 一点だけ、これだけは注意して欲しい点は、下巻の解説を先に読んではいけないということです。 | ||||
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驚きの内容です。キング恐るべし。この本を手に取る人は1〜5を読んでいるでしょうし、この先も読まざるを得ないでしょうから、内容については特に説明する必要もないでしょう。 一点だけ、これだけは注意して欲しい点は、解説を先に読んではいけないということです。 | ||||
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文中に異種独特な表現や言葉が多く登場し、またこれまでにない独特な世界観(西部劇のような舞台なのかとおもいきや現代、未来に至るまでの世界が絶妙に一体となっている)に最初は戸惑いもありましたが、今はほとんど中毒になってしまいました。 とにかく今まで体験したことのない興奮をくれたキングに心からサンキャーと言いたい。 | ||||
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すでに残すところ第七部『暗黒の塔』だけなので、当然といえば当然なんですが、いままで不明瞭だった部分について多くのことが語られています。 〈暗黒の塔〉について。〈深紅の王〉について。〈ビーム〉について。〈破壊者〉について。 それらはすでに『ブラックハウス』や『不眠症』、『アトランティスのこころ』などのキングの様々な作品群で断片的に語られていたことだけではありません。この巻にきてにわかに暗黒の塔が現実味をおび、いよいよ最終局面にむけて話が進んでいきます。 現時点でまだ七巻を読んでいないのでなんとも言えませんが、未読の人にお勧めする読み方は、 1部→2、3、4部→5、6、7部という風に読むことをお勧めします。一気に一部から最後まで読み進めるという方は結構ですが、なにぶん分厚いので、もしインターバルをあけるのであれば上記のような読み方をお勧めします。特に最後の5、6、7部は一気に読んだ方がいいと思います。でなければ私のように続きが気になって悶え死にそうになることは確実です。 この暗黒の塔をジェットコースターにたとえるなら、1部はシートベルトを締めて発進した段階、2、3、4部は直下降にむけて上昇を続けている瞬間、あとは5、6、7部で真っ逆さまにゴールまで突き進むといった感じです。 残すところあと一巻、やはり暗黒の塔への道は決してやさしいものではないと思い知らされました。それでもここまで読み進めた人ならば決して途中で投げ出すことはないと思います。きっとローランドは暗黒の塔の階段を、最上階目指して登りきってくれると信じています。 ちなみに、第五部で書き下ろしカバーイラストでいい仕事をしてくれたSteve Stone氏が今回もイラストを書き下ろしてくれています。しかし作中で重要な意味をしめる『亀』が水晶の中に収まっている絵なのですが、私にはどうしても日光東照宮あたりで売っているお土産にしか見えませんでした。まぁ、それでも原著よりはまだマシだと思いますけどね。 | ||||
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ネタバレになるので詳しくは書けないが、既読の皆さんは5部のラストで驚かれただろうと思う。キャラハン神父がある書物を手に取るシーンだ。私も驚き呆れ、そしてひとつの疑問が頭に浮かんだ。このシリーズはそもそも何についての物語なのだろうか? 変転した世界を回復するために、主人公は暗黒の塔を探し求める。しかしその行動の根拠についての説明があまりに少ない。ローランドは一体塔にたどり着いたら何をするつもりなのだろう?何故塔にたどり着くと世界が救われるのだろう? キング自身がしばしば引き合いに出す「指輪物語」の主人公達の行動指針は明快であり、その行動の根拠も物語中ではっきりと語られる。ひるがえって、当該シリーズではどうだろう。1部のラストで黒衣の男によって示されたビジョンと、中間世界での古来よりの言い伝えのみが、ローランドの探求の根拠のようではないだろうか。 ここで私は5部のラストの意味について再び考える。驚くべき筆力で、SF、ファンタジー、マカロニウェスタン、黒澤映画等々の要素をプロットに導入しただけならまだ良しとしよう。他の誰にも出来ないだろうが、我らがキングならそんな力業もやってのけられるだろう。しかし挙げ句、ハリーポッターやスターウォーズなどから小道具を引用するとは一体何事なのだろうか? これはひょっとしたら単なるごった煮のフィクションではなく、メタフィクションなのではないだろうか? もしこの予感が当たっているとしたら、暗黒の塔は驚くべき書物だ。純文学などの領域にはメタフィクションに分類しても良かろうと思われる優れた作品はいくつかある。しかし、映画化されたヒット作を多数抱えるアメリカのベテランベストセラー作家が7部にわたる長大なメタフィクションを執筆した例はあまりない。なぜなら、エンターテインメントの場合、作者と語り手と主人公の語りの位相がはっきりと分離されていないと、物語自体が成立しないからである。 さて、この6部であるが、ストーリーは大詰めにむかってグイグイ進む。そしてその大詰めはおそらく、1部、2部の頃の記述からは、全く想像もつかないような類のものであろうことを予感させる。あなたがキングのファンであれば、全力でこのトンデモ本をお勧めする次第である。 | ||||
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