ダーク・タワー2 運命の三人



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初公開日(参考)2005年11月
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長編小説

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ダーク・タワー〈2〉運命の三人〈上〉 (新潮文庫)

2005年11月30日 ダーク・タワー〈2〉運命の三人〈上〉 (新潮文庫)

旅をともにしてきた少年ジェイクを、「暗黒の塔」への執念から見捨てた「ガンスリンガー」ローランド。旅を続ける彼は「黒衣の男」の言葉通り浜辺へと辿り着くが、そこで待っていたのはロブスターの化け物だった…。右手の指2本を失うという拳銃使いとして致命的な傷を負ったローランドが、毒と熱に苦しむなか、発見した不思議なドアとは―。キング畢生の超大作シリーズ第2部。 (「BOOK」データベースより)




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ダーク・タワー2 運命の三人の総合評価:8.54/10点レビュー 13件。Cランク


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(7pt)

なんとも奇妙な運命の三人衆

ダークタワーシリーズ2作目。<暗黒の塔>を目指すガンスリンガーの旅路は彼と運命を共にする仲間を見つける物語だ。

この物語はどこか我々の世界との共通項を持つ不思議な世界を舞台、特に西部劇に触発されただけに西部開拓時代のアメリカを彷彿とさせるファンタジー色が強かったが、本書ではなんと我々の住む現実世界へガンスリンガーは現れる。

つまり単純なダークファンタジーに終わらず、本書の全般では<西方の海>に辿り着き、北へと向かったガンスリンガーが出くわす奇妙な扉を開けて、我々の住む現実世界の住民たちを<暗黒の塔>を目指す旅の仲間に選び、引き込むのだ。

彼の前に立ち塞がる黒衣の男ことウォルター・オディム、またの名を魔導師マーテン。この敵に立ち向かうために3人の仲間を集める。
なんというベタな展開か。少年バトルマンガの王道とも云うべきプロットである。

しかしそこはキング。この仲間が非常に個性的。いや通常の物語ならば恐らくは厄介過ぎて仲間になんかしたくない、清廉潔白とは程遠い素性の人物ばかりが登場する。

まず最初にガンスリンガーが引き入れるのは現代社会のニューヨークで麻薬の運び屋をやっているエディ・ディーン。彼は自身もヘロイン中毒者である。

次の仲間はケネディ大統領がダラスで暗殺されたのが3ヶ月前という1964年のニューヨークで当時としては珍しい裕福な育ちの黒人女性オデッタ・ホームズ。しかし彼女は地下鉄の事故で両足を切断し車椅子生活を強いられており、なおかつデッタ・ウォーカーという別人格を宿している。

3人目も実に曲者だ。成功した公認会計士でありながら、無差別殺人愛好者、つまりシリアルキラーのジャック・モート。そして彼の時代はオデッタがまだ幼い頃の時代に遡る。

ヘロイン中毒者でヤクの運び屋、両足を失くした二重人格の黒人女性、そして社会的に成功したシリアルキラー。どう考えても旅の仲間にはふさわしくない、いや寧ろ避けたいか、敵の配下にいるような人物たちがローランドが我々現代世界から選び出すことのできる仲間なのだ。
こんなことを考えつくのがキングが凡百の作家を凌駕する、突出した才能の持ち主であることの証左であるのだが、果たしてこんなまとまりのないメンバーを伴にしてどうやってこの先長大な作品を描くのかと読んでいる最中はモヤモヤさせられた。

しかしキングはこのあり得ない仲間たちを引き入れる結末を実に鮮やかに結ぶ。

このなんとも扱いにくい輩、もとい仲間たちの引き入れ方が実に変わっている。

この現実世界の対象人物たちがガンスリンガーの仲間になっていくそれぞれのエピソードがまた実に濃い。

例えば一番手のエディ・ディーンのエピソードはさながらギャング小説のようだ。

次のオデッタ・ホームズの場合はまだ黒人差別が顕著な60年代のアメリカで、両親の事業―歯科医療の技術開発事業―で裕福な生活を送る黒人女性の日常と、裏に隠された白人の黒人たちへの蔑視、更には陰険な嫌がらせがされる社会の様子が描かれる。

但しその嫌がらせの対象となっているオデッタが、デッタ・ウォーカーという悪意の塊のような性格のもう1つの人格を備えた二重人格者であるところがミソ。

そして白眉は最後の1人ジャック・モート。彼のエピソードではローランドが彼の身体を借りて1940、50年代のニューヨークを縦横無尽に駆け抜ける。

とまあ、三者三様の毛色の異なる短編が収められたような内容はまさに自由奔放なファンタジー。どんな方向へ物語が進むのか全く予断を許さない。
キングは頭の中に浮かぶ物語を思いつくままに紙面に書き落としているかのようだ。そしてそれを見事に<暗黒の塔>という大きな幹を持つ物語へと繋げる。

冒頭私はこのダークタワーシリーズを少年バトルマンガの王道のような作品だと述べた。
しかし読後の今はそのコメントがいかに浅はかなものだったと気付かされた。

この何ともミスマッチな仲間が最終的に強い絆を備えた3人の仲間へと着陸する物語運びには脱帽。
これがキングであり、やはり並の作家ではなく、少年バトルマンガの王道と断じようとした私の想像を遥かに超えてくれた。

そしてそれは人それぞれに生きている意味や役割があることを示しているようにも感じた。

さてこの<ダークタワー>シリーズはキングの小説世界の根幹をなす作品と云われているが、本書でも他作品とのリンクが見られる。

まずニューヨークのイタリア・マフィアのボス、エンリコ・バラザーと双璧を成すマフィアとしてジネッリの名が出てくるが、これはキングがリチャード・バックマン名義で刊行した『痩せゆく男』に登場した、主人公の手助けをするリチャード・ジネリ(同書表記)だろう。

私が今回気付いたのはこれだけだが、これからキング作品を読んでいけば、いやもしくは既に読んだ作品の中で私が見落としたキャラクターやリンクが既に盛り込まれているのかもしれない。特に気になったのはジャック・モートの章でローランドが押し入った銃火器店のオーナー、ジャスティン・クレメンツの存在だ。

また本書で覚えておかねばならないのはダークタワーの世界で使われる<カ>の定義だ。義務とか運命、人が行かねばならない場所を指す言葉だ。つまり人生における「決して避けては通れぬ」ものの意味だろう。

1巻目はイントロダクションとも云うべき内容で正直このダークタワーの世界の片鱗の中の片鱗が垣間見れただけで正直展開が想像もつかなかったが、本書においてようやくその世界観や道筋が見えてきた。そうなるとやはりキングが描くダークファンタジーは実に面白い。

これから<暗黒の塔>へ共に旅する運命の三人。彼らの運命がハッピーエンドに終わらないであろうことを示唆して物語は閉じられる。
絆は強まったが盤石の結束を持った三人ではない。そんな危うさを秘めた3人の旅はようやく始まったばかりだ。


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No.12:
(5pt)

不思議の世界と、現実世界の仲間が出会うまでのお話(上巻)。無類の面白さ。

二つの世界の物語が交錯し、つながっていく二巻。無類の面白さだった。
上巻では、不思議の世界で旅するガンスリンガーのローランドと、現実世界で生きるエディ、この二人の仲間が出会うまでが描かれる。ローランドも、エディも、それぞれの世界で窮地に陥っている。その二人が世界を行き来しながら、それぞれの問題に対処していく展開は、荒唐無稽すぎる展開のはずなのに、引き込まれてしまうほど魅力的に語られる。

一巻のややつかみどころのない感じから、一気に物語が引き締まってくる感じがします。ダークタワーシリーズは巻数が多いことが分かっているので、最初のころはこんな長い話、読み続けられないのでは・・と思っていたけれど、この巻から、ページをめくるのががぜん楽しくなりました。
ダーク・タワー〈2〉運命の三人〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ダーク・タワー〈2〉運命の三人〈上〉 (新潮文庫)より
4102193405
No.11:
(4pt)

更に奇怪な展開を見せるシリーズ第二巻

前作で追い詰めた黒衣の男に逃げられた主人公が追跡を続け・・・というお話。

前作では異次元西部劇風と書きましたが、この作品では主人公が冒頭で巨大な海老に指を切り落とされ、ガンマンの機能が損なわれるのが前作の西部劇からの脱却を宣言しているみたいです。

その後の展開もうまく要約できない様な感じで進行するので、ただ読んでくださいとしか言えません。もしかしたら、担当編集者の方もよく判らないで出版しているのでは・・・と思ってしまうぐらい錯綜するので。

何でも、キング先生がフォークナーの世界的なコレクターとして著名だそうで、この錯綜したり意識の流れが乱れたりするのが、そのフォークナーからの影響なのでしょうか。

ともあれ、ファンはマストの異次元ファンタジー。ファン以外の方は機会があったらどうぞ。
ダーク・タワー〈2〉運命の三人〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ダーク・タワー〈2〉運命の三人〈上〉 (新潮文庫)より
4102193405
No.10:
(3pt)

だんだんエンジンがかかってきてます。

1巻で読むのを止めず2の下巻まで読んで、ようやく面白くなってきました。
ローランドの指がなくなった辺りで、今後はどうかと思いましたが、両脚を事故で失った美しき二重人格者オデッタ/デッタ。特にデッタの強烈なキャラクターで、グイグイ話が進んでいきます。3人目の無差別殺人愛好者の公認会計士モートも出て来て、話が複雑に絡み始め、あっという間の読了でした。
まだまだ伏線だらけなので、とりあえず続きが気になります。
ダーク・タワー〈2〉運命の三人〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ダーク・タワー〈2〉運命の三人〈下〉 (新潮文庫)より
4102193413
No.9:
(3pt)

始めからこれなら面白いのに。

正直、1巻は2巻を読むか迷うくらいつまらなかったので、全く期待してなかったのですが、現代らしき世界が絡んでくることで、急に面白くなってきました。
相変わらず、暗黒の塔については何も解らないままですけど。
少なくとも次を読む気になるくらいには面白かったので、次にも期待です。
ダーク・タワー〈2〉運命の三人〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ダーク・タワー〈2〉運命の三人〈上〉 (新潮文庫)より
4102193405
No.8:
(5pt)

ジェットコースターのように、スリリング!

ものすごい。
自分はいつの時代を
体験しているのか
登場人物のように
混乱しながら読み進めるうち
物語を まさに 体験しているような
感覚になるであろう すごい作品です。

ウエスタンとSFが融合したような不思議な世界。
ローランド、かっこよすぎです。
ダーク・タワー〈2〉運命の三人〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ダーク・タワー〈2〉運命の三人〈上〉 (新潮文庫)より
4102193405



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