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偶然の音楽
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偶然の音楽の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.27pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 21~30 2/2ページ
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妻と娘を手放した34歳のナッシュは、遺産と孤独を新車に積んで、アメリカ中を車で移動する。「旅」というより「ひたすら移動」だ。 途中、路上で血だらけの若者ポッツィを拾う。そこから物語は、奇妙な展開を繰り広げ、あれよあれよと予期せぬ方向へぐねぐね曲がりながら突っ走り、壮絶なエンディングへ。 込み入ったストーリーに込み入った感情描写だが、シンプルでドライな筆致にまとまっているので、とても読みやすく、ぐいぐいと引き込まれる。 社会的な落伍者ではあるが、与えられた苦境に精一杯適応しようとする、憎めない主人公2人に、私は深い同情と共感を覚える。 冒険と哀愁と哲学がぎっちりと詰まった、凄い小説。 | ||||
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巨匠、ポール・オースターの傑作とおもいます。主に男性において、30代終わりにさしかかる年齢で精神的な壁があります。カンタンに片付けてしまえば、青春の終わりといったところのものですが、かなり深刻な問題になるかもしれません。といったお悩みをおもちの方に推薦します。おおくの日本人は仕事がいそがしくて、そういうことを考えないかもしれません。しかし、いつかはやってくるものですよね。本書は、壁をのりこえてしあわせな中年になった話ではなく、青春の最後にギャンブルという冒険にはしったことがきっかけで、残酷なラストをむかえます。ラストに行き着く過程も醜く残酷です。しかし、ながく印象に残る名著だとおもいます。 | ||||
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このひとの本には珍しく、「ムムッ、どうなるのか」と引き込まれた。なかなか抜け出せない極限の世界というのは興味引いたが、ちょっとオチが浅くないかい。オチというか、もうちょっと結末がきちんとしててもよかろうに。でも、やっぱり話の展開と文章は独特のお洒落さ。芳醇だね。 | ||||
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抑えがたい衝動って、あるのだろうか。損得勘定を抜きに、破滅してもいいと思える衝動って、本当に衝動の形をとって現れるのだろうか。一般的に言われるように、それは瞬間的なものではなく、結局言い訳を山ほど思いつき、そして冷静な判断とのギャップを乗り越えて進んでいくことになる、と言った種類のものなのだろう。そう強く納得させられる作品。本当に良く書かれています。 | ||||
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ごく普通なアメリカ人の中流階級の主人公が離婚と遺産相続を切っ掛けにどんどん自分の世界にのめり込んでいくストーリー展開に引きつけられた。金があって妻もいない環境はある意味あらゆる事に対して自由だ。その環境がどんどん主人公の欲望を駆り立ててるようにも見えた。話が進むにつれて環境的な自由から精神的な自由を求めてる用にも感じられた。衝動的な欲求で動かされる主人公がどんどん自分の世界に入って行く行動が破滅的でもあるけれど自分が過去にやってこなかった物に対して清算してるみたいで前向きにも感じられた。主人公が1人になった時の精神状態の狂気と欲望があまりにも素直に書いてあったので作者の自己をさらけ出す表現力に驚いた。 | ||||
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はじめて、ポール オースターの作品を読んだのですが、面白いです。途中にポーカーをする場面が登場するのだけど、これが手に汗握る(?)ほど良く書けています。ニューヨーク三部作といわれている作品も読んでみたくなりました。ただ、突然のエンディングで謎は深まるばかり。気になって夜も眠れなくなりそう・・・。 | ||||
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色々な深い(?)意味やメタファーがちりばめられてはいるのでしょうが、私が言いたいのは、そんなこむつかしい事はおいといて、この本も他のオースター作品同様にただただ面白い!!文章もこなれていて非常に読みやすく、一度読み出すとその世界に引き込まれてしまう。それでいて、読み終わったときになんともいわれぬ味わいがある。こんな小説を書き続けてくれる作家を私は他には知りません。私はポール・オースターと翻訳者の柴田先生というコンビがいつまでも作品を世に供給し続ける事を願ってやみません。 | ||||
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幽閉とも、あるいは内面的世界の醸成ともとれる「壁づくり」。彼はなぜそこに留まるのでしょう。ありとあらゆるメタファーを読み解くおもしろさももちろんですが、単純に、魅力的なキャラクター(主人公ナッシュ、ポッツィ)やストーリーがページをめくる手を止めさせません。ダグラス クープランドの小説の主人公にどこか通じるような、もはや切なくひからびてしまった「行き場のなさ」。けれども焦燥感を抱くというよりは、むしろ穏やかに自分自身と向き合う、そしてそこから生まれる偶然の音楽…。いつの間にかナッシュに強烈なシンパシーを感じるようになっていました。現代アメリカ文学が好きな人、とりあえず必読です。 | ||||
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全体としてとても不条理な世界が展開されるのですが,なぜか自己投影できる世界。 安部公房の「砂の女」をちょっと思い出します。あちらは「砂」を穴から出し,こちらは「意志」じゃなかった「石」を積み上げるストーリーです。 | ||||
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久しぶりに心ときめく小説との出会い。「スモーク」など映画では親しんでいたポールオースター作品だったけど、なぜもっと早くに読まなかったのかが不思議なくらい。たんたんとしていながら、一字一句が乾いた心を震わせるような…。主人公が音楽を聴きながらドライブをする場面。景色がもとからあったのか、音楽があったからこの景色が生まれてきたのかわからなくなる錯覚を感じる。どこかで感じたとのあるような。JGバラードなどとはまたひと味違った「石」の感覚もおもしろい。バラードの「石」が人間の時間を超えた鉱物なら、ここにでてくる石は、人間の時間を見てきたまさに壁。やさしくもない、でも完全につきはなしもしない。せつないような、でも心の痛み…。 すべての言葉に魂をもたせた翻訳もかなりのものなのだろうな。 | ||||
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